2023年5月29日月曜日

大間原発の耐震評価で深さ3kmを3mと誤入力 審査「ストップ」

 建設中の大間原発(青森県)を巡り、電源開発が原子力規制委に提出した安全審査の書類にミスが見つかり、審査が事実上ストップしています。

 原発の耐震設計に関わる計算で、地表から震源の断層上端までの距離「3km」を間違えて「3m」として計算していたものです。耐震計算はコンピューター上のプログラムで行うため、計算の正否を外部の人がチェックするのは困難ですが、今回は入力の値が3桁違っていたということなので、計算の実施サイドは勿論ですが、それを見落としたチェックサイドもチェック不十分の指摘は免れません。結果的に桁外れに頑丈な設計が行われていた筈です。
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大間原発の耐震評価で誤入力、深さ「3キロ」を「3メートル」…安全審査「ストップ」
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 建設中の大間原子力発電所(青森県)を巡り、電源開発が原子力規制委員会に提出した安全審査の書類にミスが見つかり、審査が事実上ストップしていることがわかった。原発の耐震設計に関わる計算で「キロメートル」と「メートル」の単位を取り違え、実際とかけ離れたデータが記載されていたという。
   【写真】建設工事が中断している大間原発(昨年9月)

 電源開発によると、データの解析を委託した企業が、原発周辺の断層が引き起こす地震動を計算する際、地表から断層上端までの深さを本来は3キロ・メートルと入力するところ、誤って3メートルと入力していた。この結果、大間原発が実際以上に大きな揺れに見舞われると評価していた。電源開発は2月の規制委の審査会合でミスを報告した。現在、同社が再発防止策の策定を進めており、断層に関する審査が行えない状態という。
 電源開発は委託企業のデータを点検することになっていたが、ミスを見逃した。点検の機会は14回あったという。規制委は昨年から書類に記載されたデータを疑問視して確認を2回求めたが、同社はミスを否定し、気付くのが遅れた。
 大間原発は、出力が国内最大級の138万キロ・ワット。電源開発が2008年に着工した。14年、東京電力福島第一原発事故後に導入された新規制基準に基づく安全審査を申請し、30年度の運転開始を目指している。
 原発などの審査を巡っては、日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)や日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県)でも規制委に提出された書類に大量のミスが見つかっている。