福島第一原発の地下(室?)には、放射線量が極めて高い土のう2850袋、41トンが廃棄物として残されています。東電は今年度中に回収作業を始めたいとしていますが、放射線量が最高4・4シーベルト/h(2時間浴びると致死量に達する)もあるため、原子力規制委からは作業方法の十分な検証を求められていて、予定どおり進められるかは不透明です。
この放射能の濃縮は、水中に投入されたゼオライトや活性炭に水中の放射性物質が吸着されたためです。放射能の濃縮はデブリ冷却水中の放射性物質を除去するALPSでも起きているはずなので、そこではどんな風に扱って、どんな風に処理しているのでしょうか。
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福島第一原発 地下の放射線量極めて高い土のう 回収作業不透明
NHK NEWS WEB 2023年5月1日
廃炉が進む福島第一原子力発電所の地下には、放射線量が極めて高い土のうが廃棄物として残されていて、東京電力は今年度中に回収作業を始めたいとしています。ただ、原子力規制委員会からは、作業方法の十分な検証を求められていて、予定どおり進められるかは不透明な状況です。
福島第一原発には、事故対応で発生した汚染水を敷地内にある2つの建物の地下に移した際に、放射性物質を吸着するために入れた「ゼオライト」という物質や、活性炭を含む土のうが、今も残されています。
土のうは、合わせておよそ2850袋、41トンにのぼり、表面の放射線量は最も高いところで1時間あたり4・4シーベルトと、人が2時間ほど近くにいると死に至る極めて高い値が計測されています。
東京電力は、今年度中に回収作業を始めたいとしていて、放射線を遮る効果のある水中で遠隔操作のロボットを使って「ゼオライト」などを集め、ホースで吸い上げて保管容器に移す計画です。
現在、実施計画の審査を受けていて、9月には認可を得たい考えですが、原子力規制委員会からは、一部の作業には人が立ち会うことから、安全性を確保するため現場を模擬した試験を行ったうえで、作業方法を十分検証するよう求められています。
東京電力は、福島県内にある施設で模擬試験を始めていますが、全体の試験を終えるのは夏以降になる見込みで、予定どおり回収作業を進められるかは不透明な状況です。