2023年10月28日土曜日

川内原発 運転延長めぐる県民投票条例案 鹿児島県議会委員会・県議本会議で否決

 九州電力川内原発の運転延長をめぐる鹿児島県民投票条例案の審議で、25開かれた鹿児島県議会総合政策建設委員会で条例案の採決が行われ、反対多数で「否決すべき」との結論を出しました。県民投票の会向原祥隆事務局長は、「今回の委員会の採決はとても残念。誤解に基づく判断がほとんどを占めるのではないかと、きちんと議論してほしかった」と述べました。
 引き続き26日午前、県の臨時議会の本会議が開かれ、採決の結果、条例案は否決されました。反対したのが自民党と公明党、無所属の一部で、賛成したのは県民連合、共産党、無所属の一部でした。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【川内原発】
運転延長めぐる県民投票条例案 鹿児島県議会 委員会で否決
    傍聴者から抗議も
                     鹿児島ニュースKTS 2023/10/25
九州電力川内原発の運転延長をめぐる鹿児島県民投票条例案の審議は、大きな局面を迎えました。
25日開かれた県議会総合政策建設委員会で条例案の採決が行われ、反対多数で「否決すべき」との結論を出しました
川内原発は2025年までに40年の運転期限を迎え、九州電力は20年の運転延長を申請し現在、原子力規制委員会が審査を行っています。
この運転延長をめぐっては、法定数を大きく上回る4万6112人分の署名を集めた市民団体が県民投票条例案を請求し、県議会の臨時議会で今週審議が続いています
連日議論が長引き、予備日とされていた25日も日程が組み込まれ、県議会の総合政策建設委員会では、委員から様々な意見が出されます。

自民党 山田国治 委員
「(県民投票は)県民の多種多様な意見を反映できるか疑問」
県民連合 福司山宣介 委員
「県民投票をきっかけに、原発立地県でもある本県の県民の間でこれからのエネルギー政策のあり方について関心を持ってもらい、成熟した議論に発展していくことが期待できる」

そして25日午前11時ごろ採決が行われました。
条例案に反対7、賛成2。委員会が出した結論は「否決」でした。

採決が終わった直後
傍聴者
県民の理解がなかったら延長もなしではないですか
傍聴者からは抗議の声が上がり、条例案に反対した自民党の議員と傍聴者がやり取りを交わす場面もありました。
傍聴者
賛成します、20年延長に反対します、そういう意見を言う場を与えてくださいと言っている
自民党 山田国治 議員
「広く県民の意見を聞くべきだと、それも我々は議論した。例えば時間的な問題とか、法の規制上の中でなし得ることができるのかなと」
条例案を請求した川内原発20年延長を問う県民投票の会 向原祥隆 事務局長
今回の委員会の採決はとても残念。誤解に基づく判断がほとんどを占めるのではないかと、きちんと議論してほしかった

委員会に所属する6人全員が条例案に反対した自民党。
本会議閉会まで取材に応じないとしていましたが、25日会見を開き判断の理由を述べました。
総合政策建設委員会(自民党) 藤崎剛 委員
「非常に複雑な問題なので、県と議会でしっかりと丁寧にこれからも判断していくのがいいのではないかと考えて、否決という結論を導き出した」
23日の本会議で「慎重に判断すべき」と条例案に否定的な意見をつけた塩田知事は。
塩田知事
「委員会で採決が行われたということは承知している。あすまた本会議を開催し、そこで論議が行われると聞いているので、推移をしっかりと見守っていきたい」
県民投票条例案は26日の本会議で、すべての議員による採決が行われる予定ですが、委員会の流れをうけて、条例案は否決される見通しとなりました。


【川内原発】
運転延長めぐる県民投票条例案 臨時議会本会議で否決 県民投票実施せず
                     鹿児島ニュースKTS 2023/10/26
川内原発の運転延長をめぐる鹿児島県民投票条例案について、26日午前、県の臨時議会の本会議が開かれ、採決の結果、条例案は否決されました
1号機が2024年、2号機が2025年に、40年の運転期限を迎える川内原発について、九州電力は20年の運転延長を申請し、現在、原子力規制委員会が審査を行っています。
運転延長をめぐっては、市民団体が法定数を上回る署名を集め、塩田知事に対して県民投票条例の制定を請求していました
これを受けて県議会の臨時議会では県民投票の条例案が審議されていましたが、26日の本会議で、出席したすべての議員で採決した結果、条例案は否決されました。
反対したのが自民党と公明党、無所属の一部で、賛成したのは県民連合、共産党、無所属の一部です。これにより、県民投票は実施されないことが決まりました
本会議終了後報道陣の取材に応じた塩田知事は「科学的、技術的な検証が重要だがそこで意見が分かれた場合、県民の意向を把握する手段がある中で、『県民投票が最も適切』と判断した場合(投票を)実施すると説明してきた。今後も丁寧に説明していきたい」とコメントしています。