2023年10月25日水曜日

「マニフェストと矛盾」原発県民投票条例案めぐり委員会審査続く

 川内原発の運転延長を巡る鹿児島県民投票条例案について、24日は県議会の委員会審査が行われました。
 塩田知事23日の提案理由説明「多様な意見が二者択一では反映できない」などと他県の事例をあげたうえで県民投票の実施について否定的な意見をつけた件について、委員からは「知事選のマニフェストと矛盾している」と指摘が相次ぎました。
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「マニフェストと矛盾」原発県民投票条例案めぐり委員会審査続く 鹿児島県議会
                      鹿児島ニュースKTS 2023/10/24
鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発の運転延長を巡る県民投票条例案について、24日は県議会の委員会審査が行われました。23日の塩田知事の提案理由説明について委員からは「マニフェストと矛盾している」と指摘がありました
23日、県議会臨時議会に提案された川内原発の運転延長の是非を問う県民投票条例案。これを巡り24日は総合政策建設委員会と総務警察委員会、2つの常任委員会が合同で審査を行う連合審査会が開かれています。
23日、塩田知事は条例案の提案にあたり、提案理由説明の中で「多様な意見が二者択一では反映できない」などと他県の事例をあげたうえで県民投票の実施について否定的な意見をつけていました。
これについて委員からは、マニフェストとの整合性を問う質問が相次ぎました。

県民連合・福司山宣介委員
「知事のマニフェストの県民投票はマルバツのことですか。『他の手段より最も適切だと総合的に判断した場合、県民投票を実施することとしたい』(と言った)。あのマニフェストからはこういうことは全く読み取れない。知事の考える県民投票はどのようなものか」
県当局
「『必要に応じて県民投票を実施する』ということでその形をどうするかは、マニフェスト作成当初は想定されていなかったと認識している」
県民連合・福司山宣介委員
「自らやろうとしていたことも矛盾が出てくる。選挙の公約として重たいものだと思っているのでしっかり整理してほしい」
このほか県当局は県民投票を実施する場合、条例案に修正を加える必要があること、対象は県内の有権者約130万人にのぼること、費用は7億円程度かかる見通しなどを示しました。
委員会の連合審査は午後6時前に終了しました。2つの常任委員会の合同審査は24日で終了し、25日午前10時から所管の常任委員会で採決が行われることになりました。
県民投票条例案が可決されるかどうか、最終的には26日の本会議で採決が行われますが、多くの場合、委員会審査の結果がそのまま本会議での採決につながります。


川内原発の運転延長の賛否問う県民投票条例案を提案…鹿児島県知事「慎重に判断すべきだ」
                           読売新聞 2023/10/24
 九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の運転延長の賛否を問う県民投票条例案について、鹿児島県の塩田康一知事は23日、臨時県議会に提案した。付与する知事意見を「慎重に判断すべきだ」とし、投票実施に否定的な考えを示した。26日に採決する。
 川内原発は1号機が2024年7月、2号機が25年11月に運転40年を迎え、九電は原子力規制委員会に20年の延長を申請。住民団体「川内原発20年延長を問う県民投票の会」が署名活動を行い、4万6112人分の有効署名を集め、塩田知事に直接請求していた。

 塩田知事は条例案に付けた意見の理由について、九電が延長を申請した際に行った特別点検を県独自の専門機関で検証し、「適正」としたことを挙げた。過去に5都県で原発再稼働を巡って提案された住民投票条例案が全て否決された点にも言及し、「二者択一では多様な意見を反映できない」と語った。
 塩田知事は提案理由の説明後、報道陣に「(文言は)内部で議論した結果。議会でしっかりと議論が行われると思う」などと述べた。条例案は24日の委員会審議を経て、26日の本会議で採決される。投票実施には過半数の賛成が必要。与党の自民党が3分の2を占めており否決の公算が大きい。


川内原発の運転延長巡る県民投票条例案 委員会採決持ち越し
                            毎日新聞 2023/10/24
 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の運転期間の20年延長の賛否を問う県民投票条例案の集中審議が24日、鹿児島県議会臨時会の常任委員会であり、審議が長引いたことなどから委員会採決を25日以降に行うことを決めた。【宝満志郎】