2024年2月14日水曜日

「徒歩が原則だが実際は車が多く」「災害弱者は誰が手助けするのか」住民から不安の声 柏崎市

 31年ぶりに新潟県内に津波警報が発表された能登半島地震を受けて、柏崎市の沿岸部に住む住民が津波避難の在り方について行政と意見を交わしました。

 住民から「地域には障害者や90歳以上のお年寄り、乳幼児がいるので、歩いて避難するのは特に冬期間無理がある」「『高台に逃げなさい、戻らないでください』とう呼びかけが高齢者の耳に残ってパニック状態になった」「津波と原発の事故が重なる複合災害となった場合に、支援が必要な人の避難を誰が手助けするのか」等の声が上がりました。
 柏崎市は、住民から出た意見を4月の防災ガイドブックの見直しに反映したいとしています。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「徒歩が原則だが実際は車が多く…」津波避難で住民から不安の声 新潟県柏崎市
                          BSN新潟放送 2024/2/13
31年ぶりに新潟県内に津波警報が発表された能登半島地震を受けて、柏崎市の沿岸部に住む住民が津波避難の在り方について行政と意見を交わしました。

柏崎市の職員と地域の町内会長らが集まり意見を交わしたのは、能登半島地震で浮き彫りとなった避難の課題についてです
【防災無線】「津波警報が発表されています」
震度5強を観測した柏崎市では、沿岸部の9つの地区に避難指示が出され、高台への避難が呼び掛けられました。
意見交換で議題に上がったのは『避難方法』です。
柏崎市の防災ガイドブックでは、渋滞を防ぐため徒歩での避難を原則としていますが、当日は車に乗って避難した住民が多かったということです。
【住民は】「地域には障害者や90歳以上のお年寄り、乳幼児がいる。歩いて行くというのは冬期間だったので、無理があるのではないかと」
【住民は】「とにかく『高台に逃げなさい、避難してください、戻らないでください』と。こういう呼びかけが高齢者の耳に残って、パニック状態になった
また、仮に津波と柏崎刈羽原発の事故が重なる複合災害となった場合に、支援が必要な人の避難を誰が手助けするのかという不安の声も上がりました。
【柏崎市 桜井雅浩 市長】「もう一度、それぞれ自分の住んでいる地域で予測される津波がどういうものなのかを(ハザードマップで)確認してほしい」
柏崎市は、住民から出た意見を4月の防災ガイドブックの見直しに反映したいとしています。


真冬の原発事故を想定した避難訓練 「要配慮者」の避難に課題は 《新潟・柏崎市》
                        TeNYテレビ新潟 2024/2/13
真冬の原発事故を想定し、足腰が弱い高齢者など、避難が難しい人に向けた訓練が柏崎市で行われました。大雪で道路が寸断されることも想定される中、訓練で見えてきた課題とは

倒木が道路をふさぎ、孤立した山あいの集落。
足腰が弱く避難できない人を、自衛隊が担架を持って助けにきました。
2月12日、柏崎市で行われた訓練です。
震度6強の揺れにより、柏崎刈羽原発7号機で冷却機能の一部が喪失。ここ妙法寺地区を含む原発から5キロ圏内に避難指示が出された想定です。
孤立した集落から住民を救助する手順などを確認しました。
訓練には市の職員や地元住民など約40人が参加。駆けつけた自衛隊に現場の様子を伝えました。
〈自治会〉
「かなり段差が発生し、車両の通行ができない状況」
〈市職員〉
「避難にストレッチャーが必要な方が1名、車いすが必要な方が1名」
柏崎市はおととし12月、大雪により国道で大規模な車両の立ち往生が発生。最大で38時間の通行止めが行われました。
この妙法寺地区では、当時、倒れた木がいまだに残っているといいます。
〈参加した住民〉
「普段は(車いすは)使わないんです、初めてです。いつもなら歩けるんだけれど」
真冬に原発事故が起こった場合、高齢者などをどのように避難させるのかが課題となっているのです。
今回の訓練で住民はまず一時集合場所に集まり、福祉車両に乗ってから放射線の防護施設などに避難しました。
しかし…
〈参加した住民〉
「(高齢者は)自分では動けないので手助けが必要だと思う。ちょっと時間がかかっている気はしました」
視察した柏崎市の桜井市長も。
〈柏崎市 桜井雅浩市長〉
スピード感。福祉車両が来て出てくるまで20分余りかかったわけです。車両の確保、人材の確保というものが本当になされるかどうか
避難にかかった時間をどう短縮させるのか。柏崎市はさらに訓練を重ね、対応力を高めたいとしています。