九電川内原発の周辺住民ら3060人が九電と国に運転差し止めを求めた訴訟は14日、鹿児島地裁で、元原発設計技術者の後藤政志氏の証人尋問があり、後藤氏は耐震設計は複数回の地震を想定していないとして「耐震評価をやり直すべきだ」と述べました。
また核燃料が水に触れることによる水蒸気爆発のリスクを指摘しました。福島第1原発では実際に核燃料の鞘管と水が反応して水素爆発が起きました。
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川内原発 複数回地震への耐震性は「想定外」 運転差し止め訴訟で元設計者「耐震評価やり直すべき」
南日本新聞 2024/2/15
九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の周辺住民ら3060人が九電と国に運転差し止めを求めた訴訟は14日、鹿児島地裁(窪田俊秀裁判長)で、元原発設計技術者の後藤政志氏(74)の証人尋問があった。施設の耐震性に疑問を呈した。
後藤氏は東芝での原子炉格納容器の設計経験を踏まえ「能登半島地震でも繰り返し地震が起きた。耐震設計は複数回の地震を想定していない」と主張。「耐震評価をやり直すべきだ」と述べた。
地震対策の新規制基準に沿って、川内原発は事故で核燃料が溶け落ちても格納容器が破損しないよう、原子炉下部に注水設備を整備している。この仕組みについて「金属が水に触れることによる水蒸気爆発のリスクがある」と指摘した。
九電は訴訟後の会見で「国内外での実験を踏まえ、溶けた燃料による水蒸気爆発の可能性は低いと判断している」とした。次回は3月6日にあり、11月に結審の予定。