2024年2月21日水曜日

能登半島地震と東日本大震災からみる現状と課題

 YAHOOニュースに掲題の記事が載りました。

 文中の太字強調個所は全て原文に拠っています。
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今さら聞けない「原発と地震問題」を3分で専門家が説明能登半島地震と東日本大震災からみる現状と課題
                      三沢おりえ YAHOO 2024/2/19
                        総合危機管理アドバイザー
地震と原発問題を簡単まとめ
原発の話はすごく大事でもわかりづらい!と言う方のために能登半島地震と東日本大震災の影響も併せて今の地震と原発問題を簡単にまとめた3分で読める解説記事です。

日本の地震はこんなに凄い
ますはじめに地震の知識として日本は4つの大きなプレートの境界線近くにあり、世界でM6以上の地震の20%近くは日本周辺で起きています。近年の大きな地震は偶然ではなく、南海トラフは30年以内にM8~9クラスの地震が発生する確率が70~80%との予測もされているとおり、今後も全国でおこりえる課題です。

1. 志賀原発の問題点と復旧状況
令和6年1月1日能登半島地震(M7.6)の地震により多くの犠牲があり、現在も大勢が避難を続けている状況です。

東日本大震災より停止をしていた志賀原発内では外部から電気を受ける変圧器が壊れるなど復旧時期も未定のままになっています。

実は志賀原発はその直下に活断層があるとの見解から調査が行われ、昨年(2023年3月)に原子力規制委員会の審査で「活断層ではない」と認められたばかりでした。また同県で今回震源の真上にある珠洲市でも一時期原子力発電所建設の計画があったことからも、「想定外」がありえる自然災害への見解の甘さが浮き彫りになりました。

2.東日本大震災の経験と現在の状況を振りかえる
〇地震と津波による想定外の原発事故
さて、2011年の東日本大震災では福島第一原発で重大な事故が起こりました。
地震と津波により水素爆発が起き放射線が漏れ、周辺地域は広範な避難が必要となりました。東京電力は安全性の計画や手順が不足していたことを認めています。

設計段階の技術力不足、さらにその後の継続的な安全性向上の努力不足域に大量の放射性物質を放出させるという深刻な事故を引き起こしましたことを、深く反省いたします。さらには、事故発生以降、広報活動全般が迅速さと適切さを欠いていました。一分抜粋東京電力HP事故の総括はこちらはこちら

〇環境汚染
事故後、地域では生態系が崩れるほどの環境汚染があり、現在も人が移住を制限されている「帰還困難区」があります。

〇農業や漁業など地元の影響
事故により大気をはじめ野菜・作物、海への汚染、また大きな風評被害も引き起こしました。政府は安全基準を設定しましたが、漁産物等の販売も低迷。風評被害で農家や漁師は収入減少しました。

〇現在も続く影響
「科学的な安全と社会的な安心は異なるもの」
汚水処理問題など課題は山積みです。2023年汚染水を安全基準を満たすまで浄化した水(ALPS処理水)の海洋放出がはじまりましたが、福島、宮城の 住民や漁業関係者は 処理水放出差し止め求め国と東電を提訴するなど、地域の問題は解決していません。福島漁連HPにて会長声明の文言にも「科学的な安全と社会的な安心は異なるもの」と書かれており、改めて風評被害の深刻さがうかがえるほか、今年(2024年2月)にも原発内で汚染水漏洩があり、管理のずさんさなど課題はまだまだ多く残されています。

まとめ
かなり大筋ではありますが現状の「原発と地震問題」について解説でした。
東日本大震災からの教訓として原発の安全性に関する対策が不十分だったことは明らか。今回の能登半島地震で浮き彫りになった志賀原発の状況も含めて、真摯に向き合わなければけない問題です。
今なお苦しむ方がいる原発事故の影響。日本の地震の確率を考えると、私たちはいつどこで当事者になるかわかりません。
一方、日々電力の恩恵にあずかっていることも事実。
過去の経験を踏まえ、原発のありかたや被害地域の人々の生活も併せ、原発のあり方や再稼働には慎重な審査と十分な安全確保を優先することが今後の課題となりそうです。

参考資料 URL
国立環境研究所
福島漁連
復興庁

付け足し(お時間のある方用)
日本の電力になぜ原発が必要か?
エネルギー庁の説明によると日本のエネルギー自給率の低さと電力供給の安定、CO2の削減、電気料金の値上げ、太陽光など別エネルギー変換への準備不足や不安など様々な要因が挙げられます。気になる方はぜひ深堀りしてみて下さい。
ただし2013~2014年の1年間、日本全域は原子力発電ゼロで過ごして電力が足りていたことも補足しておきます。
こちらのエネルギー庁の質問がわかりやすそうなので載せておきます。
経済産業省 エネルギー庁