2024年2月19日月曜日

汚染水漏れ「人為的ミス」ではすまされない 福島第1原発

 福島第1原発でアルプス装置建屋の排気口から汚染水が漏えいした問題について東電は15日閉めてくべき16力所の手動弁のうち10力所の弁が開いていたためと説明しました。

 運転員の不注意とも言えますが、その作業環境は空間放射線量が毎時1ミリシーベルトであったということです。そこで1時間作業をすれば年間の被曝許容線量を超えるということなので、一刻も早くその現場を離れる必要があります。
 もしもそれが定常的に繰り返される作業であれば、どういう安全思想で設計されたのかそちらの方が大問題です。東電はしっかり説明する必要があります。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
汚染水漏れ「人為的ミス」 福島第1原発東電が発表
                       しんぶん赤旗 2024年2月17日
 東京電力福島第1原発で発生する汚染水から放射性物質を除去する装置がある建屋の排気口から汚染水が漏えいした問題について東電は15日、閉めているべきだった手勘弁の状態を確認していなかった人為的ミスなどが原因だったとしました。
 東電はまた、漏えい量について、当初の約5・5トンを約1・5トンに、ガンマ線を出す放射性物質の総量を約220億ベクレルから約66億ベクレルに、それぞれ下方修正
しました。
 東電によると、7日午前8時半ごろ、ろ通水で放射性物質の除去装置の線量低減作業を開始。同53分ごろ、作業員が地上から高さ5の位置にある、装置から発生する水素を排出する排気口から外へ水が漏えいしていることを見つけました。
 汚染水が漏えいしたのは、閉めてくべき16力所の手動弁のうち、10力所の弁が開いていたためです。
 現場では、1次下請けと2次下請けの2人の作業員が、弁の番号の確認と手順書と一致しているかどうかを確認。しかし、弁が閉まっているかどうかの状態を確認していなかったといいます。また、現場の空間放射線量が毎時1ミリシーベルトあったことから、2人には早く離れたい意識もあったとしています。
 また作業員が確認する手順書は、設備の運用・状態を把握する東電の運転部門が作成します。しかし、今回は、保全部門が作成。運転部門とのコミュニケーション不足で、弁の状態が手順書と異なっていました
 対策として東電は、高濃度の放射性物質を取り扱う作業は運転部門が一元的に行い、操作・確認の基本動作の徹底を現場作業員まで浸透させるなどとしました。,