政府は「核のごみ」を地下300mより深くに埋めて最終処分する方針ですが、昨年10月には約300人の地学専門家が、日本に地層処分の適地はないとする「声明」を発表しています。
原子刀発電環境整備機構NUMOは、候補地選定のために全国で初めて北海道の二つの町村を対象に行われた文献調査報告書案を13日に発表しました。今後、経産省の審議会で蕭論されます。
NPO法人・原子力資料情報室と北海道大学の小野有五名誉教授、北海道教育大学の岡村聡名誉教授は22日、オンラインで会見し、地層処分の候補地選定のための議論に関して客観的・科学的な検討と審議を求める提言を発表しました。
提言は、最新の知見に基づいた沿岸部の活断層について抜本的な再検討の必要性を強調し、両地域とも岩盤がきわめてもろく不均質であるとして候補地から除くべきであるとしています。
さらに地層処分には不適なことを示す科学的論文があるにもかかわらず、NUMOの判断だけで、地層処分に適していると結論付けるのは科学への冒涜だと指摘し、昨年10月の声明の呼びかけ人から、参考人として審議会の議論に参加させるべきだとしています。
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「不適地見逃されている」核のごみ処分地 選定議論科学的に 学者ら提言
しんぶん赤旗 2024年2月23日
認定NPO法人・原子力資料情報室と北海道大学の小野有五名誉教授、北海道教育大学の岡村聡名誉教授は22日、オンラインで会見し、核のごみの地層処分の候補地選定のための議論に関して、客観的・科学的な検討と審議を求める提言を発表しました。
政府は、原発から出る使用済み核燃料を処分した際に発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」を地下300mより深くに埋めて最終処分する方針です。
その候補地選定のために全国で初めて北海道の二つの町村を対象に行われた原子刀発電環境整備機構(NUMO)の文献調査報告書案が13日に発表されました。今後、経済産業省の審議会で蕭論されます。一方、昨年10月には約300人の地学専門家が、日本に地層処分の適地はないとする「声明」を発表しています。
提言は、能登半島地震によって得られつつある最新の知見に基づいた沿岸部の活断層について抜本的な再検討の必要性を強調。また、両地域とも岩盤がきわめてもろく不均質であるとして候補地から除くべきであるとしています。
さらに地層処分には不適なことを示す科学的論文があるにもかかわらず、それらを無視してNUMOの判断だけで、地層処分に適していると結論付けるのは科学への冒涜(ぼうとく)だと指摘。昨年10月の声明の呼びかけ人から、参考人として審議会の議論に参加させるべきだとしています。
会見で小野氏は「この段階で(処分地として不適だとする)データが出ているのであれば(候補地から)落とすというのが、当然の結論ではないか」と述べ、岡村氏も、報告書案では「不適地が見逃されている。あるいは過小評価されていると指摘せざるを得ない」と語りました。