政府は2021年度以降の復興の基本方針について、復興庁の設置期限を30年度末まで10年間延長し、21~25年度の5年間の事業費を「1兆円台半ば」と見込むとする基本案を19日、閣議決定しました。
地震、津波の被災地域では25年度までに事業の完了を目指します。このことからも原発による被害が如何に根深いものであるのかが分かります。
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「復興庁」10年間延長!政府了承 事業費は1兆円台半ば見込む
福島民友 2019年12月20日
政府は19日の復興推進会議で、2021年度以降の復興の基本方針案を了承した。復興庁の設置期限を30年度末まで10年間延長し、通常予算とは別枠の東日本大震災復興特別会計(復興特会)を継続するのが柱。21~25年度の5年間の事業費を「1兆円台半ば」と見込んだ。20日に基本方針を閣議決定し、来年の通常国会で関連法整備を目指す。
安倍晋三首相は19日、官邸で開いた会議で「(21年度以降も)徹底した現場主義を貫き、政治の責任とリーダーシップで復興に全力で取り組む」と強調した。
基本方針には東京電力福島第1原発事故で被災した本県復興に、引き続き国が前面に立って取り組むと明記した。期間は「当面10年間」とし、25年度に事業を見直す。第1原発の廃炉・汚染水対策、県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)の整備を加速させるほか、住民の帰還に向けた環境整備や農林水産業の再建に取り組むとした。
福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を軸にした産業集積を進める一方、浜通りに新設する国際教育研究拠点の在り方については有識者検討会が来夏にまとめる最終報告を受け、来年中に政府の方針を決める。
地震、津波の被災地域では25年度までに事業の完了を目指す。道路や災害公営住宅の建設が20年度までにおおむね終わる見通しで、インフラ整備に充ててきた復興交付金を20年度末で廃止する。被災者の心のケアや生活相談などは21年度以降も続け、5年間で終わらない場合は「進捗(しんちょく)に応じた支援の在り方を検討する」と継続に含みを持たせた。
復興庁は現行体制と同様に、首相直属の組織とした上で復興相を置く。事業の進み具合から、25年度に組織の在り方を再検討する。