四国電力は12日、伊方原発3号機の定期検査で、使用済みとなるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料16体を含む燃料集合体37体を新燃料に取り換えます。国内の商用原発で使用済みMOX燃料を取り出すのは初めてで、当面、3号機の使用済み燃料プールで保管される予定です。
使用済みMOX燃料は、商用炉以外では高速増殖原型炉「もんじゅ」と新型転換炉「ふげん」で既に取り出され、燃料プールなどで保管されています
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伊方原発、定検で使用済みMOX燃料16体取り出しへ 商用原発で初
毎日新聞 2019年12月12日
四国電力は12日、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で26日から定期検査を行い、使用済みとなるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料16体を含む燃料集合体37体を新燃料に取り換えると発表した。四電によると、国内の商用原発で使用済みMOX燃料を取り出すのは、プルサーマル計画の閣議了解(1997年)後、初めて。取り出したMOX燃料は当面、3号機の使用済み燃料プールで保管される予定。
MOX燃料は、使用済み核燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを取り出して再び加工した核燃料。伊方では仏から輸入したMOX燃料で、2010年3月からプルサーマル発電を実施。新燃料の一部としてMOX燃料5体を使い、プルサーマル発電を続ける。
国と電力会社が進める核燃料サイクルでは、使用済みMOX燃料の再処理の見通しは立っておらず、原発内で長期保管される可能性がある。四電の山田研二原子力本部長は12日の記者懇談会で、伊方での保管期間について「現時点で申し上げられない」とした。
資源エネルギー庁によると、プルサーマル発電は九州電力玄海3号機(佐賀県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)でも実施。日本原子力研究開発機構によると、使用済みMOX燃料は、商用炉以外では高速増殖原型炉「もんじゅ」と新型転換炉「ふげん」(いずれも福井県)で既に取り出され、燃料プールなどで保管されている。【木島諒子】