2019年12月29日日曜日

燃料搬出開始は最大5年先送り 福島原発廃炉工程

 福島原発の1、2号機の使用済み核燃料の搬出開始時期最大5年先送りすることが決まりました(当初は17年に開始の予定)
「ダストの飛散対策をより徹底するため」建物全体を覆うシェルターを作るのにそれだけの期間をようするというのが理由です。
 安全を高めるための措置は必要でやるべきですが、あらゆることが仕事に取り掛かってから問題点に気付いてそれから対策を立てるということの繰り返しになっています。技術会社としてあまりにもお粗末です。
 カバーが出来れば雨水が最終的に地下室に入り込むことが防げるので、トリチウム汚染水の発生日量を100トンに抑えられるというのも、それはたまたまそうなったということであって、発生日量をゼロにしないことには汚染水の問題は解決しません(⇒汚染水が発生しなくなれば123年間の貯蔵で放射能を1000分の1に減じられる)。
 何もかも成り行き任せでは、いつまでたっても問題はなくなりません。
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燃料搬出最大5年先送り 福島第1原発廃炉の工程表改定
河北新報 2019年12月28日
 政府は27日、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定した。1、2号機の使用済み核燃料の搬出開始時期について、現行工程表より最大5年先送りすることを明記。汚染水の発生量を2025年中に1日100トン以下に抑制する目標も初めて盛り込んだ

 事故を起こした1、2号機の建屋内に残された燃料は当初、17年度に搬出を始める予定だった。その後の改定で先送りを3回繰り返し、17年9月の前回改定では「23年度をめど」としていた。
 新たな工程表では、搬出開始時期について2号機を24~26年度、1号機を27~28年度と先送りする。その他の号機でも取り出しを進め、既に終えた4号機を含め31年内に1~6号機での搬出完了を目指す。

 搬出開始が遅れる理由について、経済産業省の担当者は「ダストの飛散対策をより徹底する工法に変更するため」と説明する。
 現行では1日150トン以内としていた汚染水発生量の目標は、建屋の屋根を補修したり雨水の浸透対策を強化したりすることで抑制する。1~3号機原子炉建屋内の滞留水も、20年末見込みの6000トンを24年度までに半分程度に減らす目標を掲げた。
 最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しは21年に2号機で着手。当初はアーム型アクセス装置で数グラム規模で少しずつ行い、徐々に規模を拡大する。ただデブリは広がりや厚さといった分布状況がなお未解明で、1、3号機の取り出しも含め工程は不透明だ。
 廃止措置終了までの期間を事故から「30~40年後」とする目標は据え置いた。
 11年12月に策定された工程表の改定は今回で5回目。27日に官邸であった廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議で決めた。