大飯原発1・2号機の廃炉計画を認可 100万キロワット以上で初
NHK NEWS WEB 2019年12月11日
福井県にある大飯原子力発電所の1号機と2号機について、原子力規制委員会は11日、関西電力がおよそ30年をかけて廃炉にすることなどをまとめた計画を認可しました。出力が100万キロワット以上の原発の廃炉計画の認可は初めてとなります。
ことし運転開始から40年になる大飯原発1号機と2号機をめぐって関西電力は、再稼働のための安全対策が技術的に困難などとして、おととし廃炉を決定し、原子力規制委員会におよそ30年かけて廃炉にする手順などをまとめた計画を申請していました。
これについて11日、規制委員会で審議が行われ、作業上の問題はないなどとして、計画は認可されました。
計画では、配管の除染や建物の解体などを2048年度までに完了させるとしています。
また、使用済み核燃料のうちまだ使えるものを再稼働している3号機と4号機で再利用することや、事故対応の拠点となる緊急時対策所に一時的に指定されている「原子炉補助建屋」は新たな対策所の運用が始まるまでは解体しないことなどが盛り込まれています。
出力が100万キロワットを超える大型の原発の廃炉計画の認可は初めてとなります。
今後の作業の注意点を聞かれた原子力規制委員会の更田委員長は、会見で「再稼働している3、4号機に影響しないよう作業を進める必要がある」と話しています。
原子力規制委 委員長
大飯原子力発電所1号機と2号機の廃炉の計画を認可したことについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は廃炉を進めるうえでの注意点について会見で触れ、「敷地内では3号機と4号機が稼働している。すぐに大がかりな廃炉作業が始まる訳ではないが、3号、4号の運転に干渉しないようにすること。そして、万が一緊急事態が起きた際、3、4号機の対応に影響しないようにすることが大切だ」と述べました。
福島第一原発事故後の廃炉は21基
福島第一原子力発電所の事故の後、廃炉を決めた原発は、11日に原子力規制委員会が廃炉の計画を認可した大飯原発1号機と2号機を含めて、9原発21基にのぼります。
福井県にある▽敦賀原発1号機、▽美浜原発1号機と2号機、▽大飯原発1号機と2号機。
島根県にある▽島根原発1号機。佐賀県にある▽玄海原発1号機と2号機。愛媛県にある▽伊方原発1号機と2号機。宮城県にある▽女川原発1号機。
それに、福島県にある▽福島第一原発1号機から6号機、▽福島第二原発の1号機から4号機の合わせて9原発21基です。
福島県にある東京電力の原発以外は、ほとんどの原発が新しい規制基準で求められる安全対策にかかる費用が見合わないといった理由で、廃炉を決定しています。