福島県大熊町大川原地区の実証栽培田で収穫したコシヒカリが、県産米の放射性物質を調べる全量全袋検査で初めて不検出となったということです。
文脈から、1キロ当たり2ベクレルよりもさらに下がり、測定装置の検出限界以下に下がったものと推測されます。
また、同地区で栽培したイチゴが初め市販されることになったということです。
(こちらについてはなぜか放射性セシウム量(ベクレル)の記述がありません)
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放射性物質 初の不検出 大熊の大川原地区実証栽培コシヒカリ
福島民報 2019/12/12
東京電力福島第一原発事故の避難指示が今年四月に解除された大熊町大川原地区の実証栽培田で収穫したコシヒカリが、県産米の放射性物質を調べる全量全袋検査で初めて不検出となったことが分かった。
町によると、旧居住制限区域の大川原地区は二〇一四(平成二十六)年に環境省の除染が完了した。同年から町産業建設課や町農業委員会を中心に試験栽培を開始。国が定めた放射性セシウムの基準値(一キロ当たり一〇〇ベクレル)を一度も上回らず、昨年から販売が可能な実証栽培に切り替えた。
一キロ当たりの放射性セシウム濃度は二〇一四年が六六ベクレルだったのに対し、昨年は二ベクレルまで下がっていた。関係者は、塩化カリウムの施肥などといった放射性物質の吸収抑制対策の継続が功を奏したとみている。
町などは来年まで実証栽培を続け、出荷制限解除の検討に入る。町内では担い手の確保が課題となっており、町は稲作再開に向けた生産者向けのマニュアルを作成している。国などの補助事業活用の提案などを含め、町内での水稲栽培希望者を全面的にバックアップしていく考えだ。
イチゴ販売開始 震災後、町内産農作物で初 大熊
福島民報 2019/12/12
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生から八年九カ月となった十一日。大熊町大川原地区でイチゴを栽培しているネクサスファームおおくまは、地区内のコンビニエンスストア「ヤマザキショップ大川原役場前店」でイチゴの販売を始めた。町によると原発事故後、町内産農作物の市販は初めて。
ネクサスファームおおくまは今年八月から業務用として宮城県や首都圏のケーキ店、製菓業者向けに出荷してきた。夏季イチゴで培ったノウハウを生かし、冬用に「かおり野」や「とちおとめ」などを育てている。年明けにも生食用として県内のスーパーに流通させる予定だ。一足先に町民に味わってもらおうと、先行発売した。
販売は月、水、金曜日のみで、数パック限定。一パック百五十グラム入りで二百七十円(税込み)。
徳田辰吾工場長(40)は「今後も最高の状態の果実を提供していく」と意気込んでいる。