全町避難している福島県双葉町が、来春を目指す一部区域の避難指示先行解除に向け、県内外11カ所で開いた町政懇談会が30日、終了しました。伊沢町長は終了後、「おおむね住民の理解を得られた」との認識を示しました。
同じく福島県大熊町は1日まで2日間の日程で、帰還困難区域のうち、本年度内のJR常磐線全線再開に合わせた大野駅周辺の避難指示解除などに関し、住民説明会を開きました。吉田町長は終了後「おおむね町民に理解されたと思う」と述べました。
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双葉の一部避難指示先行解除方針 町長「おおむね理解得られた」 町政懇談会が終了
河北新報 2019年12月01日
東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県双葉町が、来春を目指す一部区域の避難指示先行解除に向け、県内外11カ所で開いた町政懇談会が30日、終了した。伊沢史朗町長は終了後、「おおむね住民の理解を得られた」との認識を示した。
先行解除を計画するのは北東部の避難指示解除準備区域とJR双葉駅前の一部区域など。町は町民から出た意見を町議会に今月中に報告して協議した上で、解除の可否を判断する。
30日は町民が多く暮らすいわき市勿来町の災害公営住宅の集会所であり、約70人が出席。町と国が放射線量の低減状況などを説明した。
町内の中間貯蔵施設で受け入れる除染廃棄物の県外最終処分や医療機能復旧の見通しなどに関する質疑があったが、先行解除に関する内容は少なかった。
町は先行解除時の町民の居住を想定していない。居住再開は、帰還困難区域に整備中の特定復興再生拠点全域の解除目標とする2022年春を見込む。
福島・大熊町、避難解除と規制緩和案で説明会 「町民、おおむね理解」
河北新報 2019年12月02日
福島県大熊町は1日まで2日間の日程で、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、本年度内のJR常磐線全線再開に合わせた大野駅周辺の避難指示解除と特定復興再生拠点区域(復興拠点)の一部立ち入り規制緩和に関し、住民説明会を開いた。吉田淳町長は終了後「おおむね町民に理解されたと思う」と述べた。
説明会はいわき、会津若松、郡山各市で開き、町民計約140人が参加。国の担当者は「大野駅周辺は避難指示解除の要件を満たしている。先行的に避難解除するとともに、立ち入り規制も一部地区で緩和し復興を進めることが必要だ」との考えを示した。
町民からは明確な反対はなく、放射能に対する不安を訴える意見が出た。町からは追加除染の実施を国に働き掛けるといった対応の説明があった。
町は町議会に状況を報告した上で、国と具体的な解除日などを協議する。