2019年12月8日日曜日

福島原発 富岡町住民座談会でトリチウム海洋放出に反対相次ぐ

 福島原発の現状や将来像について意見を交わす住民参加座談会で、トリチウム汚染水の処理について多くの意見が出され「事故が起きたうえに今後、水を海に流すとなればさらなる苦しみだ」とか、「近くに住んでいる身としては風評被害、そして環境への不安も払拭されていない」など、国が事実上推奨している海洋放出に否定的な声が相次ぎました。
 経産省は、トリチウムによる放射線は微弱で海洋や大気に放出しても外界への影響が軽微であることを盛んに宣伝して、世論をそちらに誘導しようとしていますが、住民たちはそれには惑わされていないということです。

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福島第一原発 廃炉や将来像めぐり住民が座談会 福島 富岡町
NHK NEWS WEB 2019年12月7日
福島第一原子力発電所の現状や将来像について意見を交わす、住民が参加した座談会が福島県富岡町で開かれました。
これは、福島第一原発の周辺住民を対象に国と東京電力がことしから企画し、7日は2回目です。29人の参加者は、福島第一原発で廃炉作業を見たあと座談会に臨みました。

この中で、汚染水を処理したあとに出る放射性物質のトリチウムなどを含んだ水の処分に関して多くの意見があがり「事故が起きたうえに今後、水を海に流すとなればさらなる苦しみだ」とか、「近くに住んでいる身としては風評被害、そして環境への不安も払拭(ふっしょく)されていない」など、国の委員会が選択肢の1つとして示している海洋放出に否定的な声が相次ぎました
また、現在は廃炉の作業で多くの人が集まっているものの、数十年後、廃炉が終わったあと地域産業をどうするかについても意見があがり「一部の建屋は残して、事故の記憶を伝える観光資源としてはどうか」などのアイデアが出されていました。

福島第一原発の周辺では、ことし4月に立地自治体として初めて、大熊町の一部で避難指示が解除され住民の帰還が始まっています。

座談会のあと参加者は「まずは廃炉作業をミスなく進めてもらうことが大事。国と東京電力が説明する廃炉の将来像にはまだ見えないところがあり、今後も説明をしてもらいたい」と話していました。
国と東京電力は座談会は継続するとしています。