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9.20
5・6号機廃炉要請 料金転嫁、消費者負担に 東電、巨額費用は分割処理 (産経新聞)
東京電力福島第1原発5、6号機の廃炉が決まれば、東電は引当金の積み立て不足などの処理が必要となる。ただ、政府は不足分を運転終了後も分割処理できるよう会計制度の見直しを進めている。新制度が5、6号機の廃炉に適用されると、東電には過度な財務負担が生じない半面、廃炉費用は電気料金に転嫁されるため、消費者の負担になる。
セシウム汚泥、県外へ搬出開始 (新潟日報)
東京電力福島第1原発事故の影響で、新潟市が同市江南区の阿賀野川浄水場で保管している放射性セシウムを含む汚泥について、市は19日、一部を県外で処理するため搬出を始めた。セシウム濃度が1キログラム当たり100~200ベクレルの汚泥が対象。同市の汚泥の県外搬出は満願寺浄水場(秋葉区)に続き2カ所目。初日は県外の業者がトラック1台分約10トンを搬出した。
「支援法充実」合同要請へ 山形で3県知事会議 福島民友ニュース)
本(福島)県と山形、新潟の3県知事は19日、山形県上山市で知事会議を開き、東京電力福島第1原発事故の被災者支援を盛り込んだ子ども・被災者支援法の基本方針案の充実と内容改善に向け国に合同要請することで合意した。基本方針案で指定した支援対象地域の範囲や既存施策の多い内容に不満が相次いでおり、本県からの避難者を多く受け入れている山形、新潟両県と連携した要請により、国に対し被災者の実態をより強力に発信する。
合同要請は佐藤雄平知事が「(基本方針案は)既に実施されている施策が多い。具体的な施策が実現するよう支援をお願いしたい」と協力を求めた。本県からの避難者約4900人を受け入れている新潟県の泉田裕彦知事は「安心して生活を送れるよう基本方針の内容が早期に固まることが重要だ」と賛同。約7千人の本県避難者が暮らしている山形県の吉村美栄子知事も「早期の基本方針策定を求めていく」と述べた。3県は今後、被災者の実情を踏まえ、基本方針に反映させるべき必要な施策や財政支援について情報共有し要望書をまとめる。
国と東電、争う姿勢 いわき822人訴訟で口頭弁論 福島民友ニュース)
東京電力福島第1原発事故で精神的苦痛を受けたとして、いわき市民822人でつくる「元の生活をかえせ 原発事故被害いわき訴訟」の原告団が国と東電に原状回復と慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論は19日、地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で開かれ、国と東電は全面的に争う姿勢を示した。次回口頭弁論は11月21日午後2時から。
原告4人と原告代理人2人が意見陳述し、事故の責任の所在や低線量被ばくによる健康不安などについて訴えた。3人の子どもの母親で、原発事故のため産後2日目で退院を余儀なくされた原告の女性は「子どもたちの健康は諦められない。定期的な健康管理、健康診断をし、子どもたちの健康を守る医療機関をつくってほしい」と述べた。
9.19
タンク堰外のたまり水高濃度 東電がセシウム測定 (福島民友ニュース)
台風18号の影響による東京電力福島第1原発のタンク群7カ所を囲む堰(せき)からの雨水排出で、東電は18日、排出前の15日に7カ所の堰内で採取した水の放射性セシウム濃度を発表した。セシウム134(法定基準は1リットル当たり60ベクレル以下)、セシウム137(同90ベクレル以下)ともに法定基準を下回った。ただ、7カ所の堰外で採取した雨水のたまり水からはセシウム134、137ともに法定基準を大幅に上回る濃度を計測。降雨のたびに地表に付着しているセシウムなど高濃度の放射性物質が海側に流れていた可能性がある。
福島第1原発全号機廃炉へ、首相が東電に指示 (ロイター通信)
(20日「首相が福島第1原発 全号機廃炉を指示」本文記事参照)
26日試験操業開始へ いわき市漁協、県南で初 (河北新報)
福島県いわき市漁協は18日、会議を開き、東京電力福島第1原発の汚染水問題で延期していた試験操業を、26日に始める方針を決めた。福島県沖の漁業は原発事故を受けて本格操業を自粛しており、県南部での試験操業は事故後初めて。
相馬市の相馬双葉漁協も昨年6月から続けていた試験操業を汚染水問題のため今年9月に入って見送っていたが、26日再開を目指している。両漁協の方針は24日に開かれる県漁連組合長会議で正式決定され、福島県沖の漁が再開される見通し。
いわき市漁協は8月下旬、9月5日に始める予定だった試験操業を延期した。その後、県や東電が魚介類や海水に含まれる放射性物質を調べた結果、安全性を確認できたとして試験操業の開始を決定。当面はメヒカリやミズダコなど8種を対象に漁獲し、モニタリングで問題がなかった分を出荷する。
9.18
福島第1汚染水漏えい 東電、台風の大雨に独自基準で排水 (河北新報報
台風18号の大雨で福島第1原発の汚染水タンク群を囲むせきから水があふれ出す可能性があったとして、東京電力は16日、微量の放射能を帯びた雨水の緊急排水に踏み切った。東電は「放射性物質濃度が低い水に限定して排水した」と説明し、自社の独自基準で排水したことを認めており、安全性は保証されていない。
東電の独自基準について、福島県廃炉安全監視協議会の高坂潔原子力専門員は17日に福島市であった協議会で、「国や県の合意を得たわけではない」と安全性に疑問を呈した。東電は協議会の席上、「排水は放射性ストロンチウムなどを出すベータ線濃度が1リットル当たり30ベクレル以下の水に限定した」と安全性を強調したが、危険度の高いガンマ線を出すセシウムは測定していないことを認めた。
遮水壁の建設、2年前に見送る 東電、経営破綻を懸念 (朝日新聞)
東京電力福島第一原発事故後の2011年6月、東電が汚染水の流出を防ぐ遮水壁の設置を検討しながら、経営破綻(はたん)のおそれがあるとして着工を先送りしていたことが、当時の民主党政権幹部の話でわかった。東電側が当時試算した約1千億円の設置費用の負担に難色を示したためで、その後の汚染水対策の遅れにつながった可能性もある。
事故当時、経済産業相だった海江田万里・民主党代表と菅内閣で原発事故担当の首相補佐官を務めた馬淵澄夫・民主党衆院議員が朝日新聞の取材に証言した。
馬淵氏は早くから汚染水対策の必要性に着目。事故から約2カ月後の11年5月、地下水が原子炉建屋に入って汚染され、外部に漏れることを防ぐため、建屋の地下を囲う鋼鉄製の遮水壁の設置を盛り込んだ「地下水汚染防止対策報告書」をまとめた。
9.17
「原発事故で避難」と集団提訴 京都、大阪地裁に170人 (東京新聞)
東京電力福島第1原発事故の影響で避難を余儀なくされたとして、福島県などから近畿へ避難してきた住民ら約170人が17日、国と東電に慰謝料など計約16億2400万円を求め京都、大阪両地裁に集団提訴した。
同様の訴訟は既に、札幌や東京などで起こされ、神戸地裁にも裁判を起こす準備が進んでいる。弁護団によると西日本での集団提訴は初めて。
訴えを起こしたのは、大阪府や京都府、三重県などに避難した住民ら。
訴状で原告側は、2002年にはマグニチュード8の地震が起きる可能性が報告されていたと指摘。「東電はこのクラスの地震を想定した耐震設計の見直しをせず、国も技術基準に適合させるよう命令しなかったことが事故につながった」と主張している。(共同)
台風18号:福島第1原発、基準超す濃度の水漏れる (毎日新聞)
東京電力は17日、台風18号の影響で、福島第1原発の汚染水貯蔵タンク周辺に設置している漏えい防止用の堰(せき)が雨水で満杯になり、基準値を上回る放射性物質を含む水が堰の外に漏れたと発表した。8月に高濃度汚染水約300トンが漏れたタンク群のある南東側の用水路でも、水をせき止めるため設けていた土のうが水圧で崩れているのが見つかった。いずれも一部の水が海に流出した可能性があるが、水量は不明という。
福島汚染水:各国から厳しい指摘 IAEA説明会 (毎日新聞)
(18日「各国は汚染水漏れの放置責任を追及-IAEA説明会」本文記事参照)
危うい対策組織乱立 「コントロール」首相約束受け (東京新聞)
東京電力福島第一原発事故の汚染水問題に対応するための組織を政府が最近、多数発足させた。「状況はコントロールされている」とする安倍晋三首相の発言が事実と異なり、既存の組織では問題の解決が難しいことを示している。似た組織が乱立することにより、責任の所在があいまいになり、いざという場合の指揮系統の混乱を招くという指摘も出ている。
首相はブエノスアイレスで七日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会の東京五輪招致演説で、汚染水について「まったく問題はない」と明言した。
しかし、高濃度汚染水が外洋に流出した可能性が新たに浮上するなど、問題解決の道筋はまったく見えていない。首相は帰国後の十日、五輪招致に関する閣僚会合で「私がブエノスアイレスで約束した汚染水の問題については政府一丸となって責任を果たしていきたい」と、態勢の再構築を指示せざえるを得なかった。
9.16
増殖炉もんじゅデータ送信停止 台風で復旧めど立たず (東京新聞)
原子力規制庁は16日、福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構(原子力機構)の高速増殖炉もんじゅから、原発の状態を把握する国の「緊急時対策支援システム(ERSS)」へのデータ送信が同日未明に停止したと発表した。台風18号の影響かどうかを含め原因は不明。
もんじゅに続くトンネルが土砂崩れや倒木で通行不能になり、補修担当者が構内に入れず、復旧のめどは立っていない。
規制庁によると、16日午前3時前、ERSSに送られる原子炉温度などのデータが更新されず、送信が止まっていることが分かった。規制庁は原子力機構からファクスなどで必要な情報を入手している。
汚染水漏えい域で高放射能=タンク近く、17万ベクレル-福島第1 (福島民報)
東京電力は16日、福島第1原発でタンクに保管されていた高濃度の放射能汚染水が漏れたエリア内にたまった水を分析したところ、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大17万ベクレル検出されたと発表した。東電は漏えいした放射性物質が地表付近に残っており、採取した水に含まれたとの見方を示している。
東電によると、測定したのは15日で、高い濃度が検出されたのは約300トンの汚染水が漏れたタンクのあるエリア北側。東側ではベータ線を出す放射性物質の濃度が同2400ベクレルだった。
避難区域の高齢化加速 震災関連死の対策急務 (福島民報)
東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された県内12市町村の高齢者(65歳以上)は8月1日現在、5万5070人で前年より1374人増えた。人口に占める割合(高齢化率)は29・1%で、1・2ポイント上昇した。高齢化率、上昇幅とも県全体を上回っており、若い世代や子どもの転出が背景にあるとみられる。高齢者は仮設住宅に1人で避難しているケースも多く、震災関連死(原発事故関連死)の対策などが喫緊の課題となる。市町村別の高齢化率は、金山町の57・1%が最高だった。
せきから水あふれる 第一原発タンク周辺、大雨で (福島民報)
東京電力は15日、福島第一原発の地上タンク群のせきから、たまり水があふれ出たと発表した。漏出した水に放射性物質が含まれていないか調べている。
台風の大雨に備え、同日午後1時10分ごろ、せきのたまり水を移送しようとした際に発見した。水は約5分後に仮設ポンプで地上タンクに移送され、漏出は止まった。
せきは高さ約30センチで、地上タンクを囲んでいる。タンクから汚染水が漏出した場合に、すぐに外部に漏れないよう設けている。これまでのところ、タンクから直接、汚染水が漏出したことは確認されていない。
今回のタンク群は約300トンの汚染水が漏れたタンク群の南東にある。