電子版の各紙に載った原発と放射能に関するニュースを掲示します(但し公開の範囲)。記事の掲載は原則として書き出し部分に留めますので、全文はURLをクリックしてご覧ください(URL記載のないものは公開の全文です)。公開期限後表示されなくなった記事を読みたい方はコメント欄にお書き下さい。(返信欄に表示します.
9.25
福島第1原発、タンク底板に隙間 汚染水漏れで東電調査 (東京新聞
東京電力は25日、福島第1原発で高濃度汚染水約300トンが漏えいした地上タンクの解体調査の結果、底板の接ぎ目のボルト2本の周辺で隙間が見つかったと発表した。底板では既にボルト5本の緩みが見つかっているが、それとは別の箇所。漏えい原因となった可能性が高いとみて調査を続けている。
東電の相沢善吾副社長は定例の記者会見で「(原因究明の)先が見えてきた。隙間が漏えいに直結したのかは、さらに追加のチェックやタンクの分解による分析を進める」と説明した。(共同)
セシウム検出せず 南相馬・小中学生の内部被ばく検診 (福島民友ニュース)
南相馬市立総合病院は24日、内部被ばく検診を受診した同市の小中学生3255人全員の放射性セシウム濃度が検出限界値(セシウム137=250ベクレル、同134=220ベクレル)を下回ったと発表した。担当の坪倉正治医師は、年間を通して249ベクレルのセシウム137を被ばくした場合でも0.1ミリシーベルトを推計し「市内での内部被ばくリスクは極めて低い」としている。
市内の全小中学生を対象に本年度から行っている市の内部被ばく検診が一巡したことを受け結果を発表した。
5月から8月にかけ、対象者3299人(小学生2039人、中学生1260人)のうち小学生2038人、中学生1217人が受診した。
受診者のうち2931人の保護者は今後も定期的な検診を希望した。
同市では昨年10月以降、子ども(中学生以下)から限界値を超えるセシウムは検出されていない。金沢幸夫院長は「希望者だけでなく、全市の小中学生を網羅してセシウムが出なかったことは意義深い」と強調した。
9.24
福島県漁連 試験操業あす再開 (東京新聞)
福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は二十四日、福島市内で組合長会議を開き、東京電力福島第一原発事故による汚染水問題のため、八月に中断を決めた試験操業の再開を正式決定した。「検査の結果、魚の放射性物質の数値に問題はなく、安全と確認できた」としている。試験操業の再開は、二十五日午前二時ごろの予定。
県漁連の野崎哲(てつ)会長は会議の冒頭「何とか福島の漁業の再開を目指したい」と述べた。
試験操業は、原発事故から約一年三カ月後の昨年六月、県北部の相馬双葉漁協が始め、放射性物質を検査しながら魚種と海域を拡大した。しかし今年七月、汚染水が福島第一原発の港湾内に流出していることが明らかになり中断した。
県南部のいわき地区の漁協も、九月から予定していた試験操業の開始を延期していた。
第1原発、地下水濃度が再上昇 放射性物質トリチウム (東京新聞)
福島第1原発の地上タンクから高濃度汚染水が漏れた問題で、東京電力は24日、漏えいがあったタンク近くの観測用井戸の地下水から放射性物質のトリチウムが1リットル当たり15万ベクレルの濃度(法定基準は6万ベクレル)で検出されたと発表した。
同じ井戸では14日の採取で17万ベクレルが検出されたが、18日採取では4万1千ベクレルまで低下した。濃度が再上昇した原因について東電は「観測を続けて調べたい」としている。
井戸は漏えいがあったタンクから北に約20メートルで、今回の水は22日に採取した。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質は450ベクレルだった。(共同)
貯蔵施設の住民投票条例案を否決 楢葉町長「慎重に判断」 (東京新聞)
東京電力福島第1原発事故の除染廃棄物を搬入する国の中間貯蔵施設をめぐり、候補地の福島県楢葉町議会は24日、設置の賛否を問う住民投票条例案を否決した。議会は役場機能移転先の同県いわき市で開催。条例案には議長を除く11人のうち5人が賛成した。
住民投票は実施されないが、松本幸英町長は報道陣に「(住民との)懇談やアンケートなどを利用し、重い問題なので慎重に慎重を期す」と述べ、施設の受け入れは住民の意向を踏まえ判断する考えを示した。
環境省は中間貯蔵施設を、福島県内の除染で出た土壌や廃棄物のほか、高濃度の焼却灰などを保管すると位置づけている。
被災者支援法:自治体の批判意見 「切り捨て」住民切実 (毎日新聞)
(24日「被災者支援法 基本方針案の意見公募が終了」本文記事参照)
被災者支援法:「意見公募」に13市から異例の批判 (毎日新聞)
東京電力福島第1原発事故に対応する「子ども・被災者生活支援法」で、支援対象地域を福島県内に限定する基本方針案を示した復興庁に対し、対象から外れた千葉、茨城、栃木3県の少なくとも13の市が23日締め切られた「パブリックコメント」(意見公募手続き)に批判の意見書を寄せた。こうした自治体の対応は異例。背景には「福島限定」への不公平感がにじみ、「地域による画一的な線引きは法律の理念に反する」(千葉県白井市)と方針案を真正面から否定する指摘もある。
昨年6月成立した同法は年間累積放射線量が一定基準以上の地域を支援対象とし、必要な支援策を盛り込んだ基本方針を定めると規定。これに対し、復興庁の方針案は、線量基準を設けないまま福島県東半分の33市町村を支援対象地域としただけで、原案で示された同県の西半分や近隣県を含む「準支援対象地域」の範囲や支援内容は未定だ。
9.23
9.22
被災者支援法の早期運用を 福島で全国集会 (福島民友ニュース)
原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委は21日、福島市で全国集会を開き、県内外から集った参加者が「子ども・被災者支援法」の幅広い適用と早期実施、「賠償の時効問題」の抜本解決を求めた。
6月制定の同法の実態に即した運用と、原発事故被害の損害賠償請求権が来年3月以降、消滅する恐れがあるため、原発被災者の救済を求める声を盛り上げていこうと開いた。
共同代表の一人で呼び掛け人の小池達哉県弁護士会長、野々山理恵子パルシステム東京理事長があいさつ。支援する弁護士が同法や時効問題の現状について説明し、木田光一県医師会副会長が支援法の理念に沿った医師会としての取り組みを話した。
復興庁の担当者は8月末に示した同法の基本方針を説明、浜、中通りの33市町村を支援対象地域とした理由などを話した。これに対し、参加者の総意として、帰還促進が根本にあり、「避難」「滞在」「帰還」の自己決定権が尊重されていないこと、広域的な健康対策が先送りされていることなどの問題点を指摘、同法の理念から乖離(かいり)があると批判した。
今後は、救済のための500万人署名運動や関係団体の連携を強化する運動を繰り広げていくことを決めた。
除染賃金「中抜き」横行 国の手当は形骸化 (河北新報)
東京電力福島第1原発周辺の国直轄除染地域は放射線量が高いため、通常の賃金に加えて国から1日1万円の特殊勤務手当(除染手当)が支給されるにもかかわらず、それ以外の市町村担当地域と比べると、作業員の平均日給の差額が4500円しかないことが21日、福島労働局への取材で分かった。
国が除染手当の支払い徹底を求める中、業者側は手当を支払う一方で賃金を引き下げて事実上の「中抜き」を続けているとみられ、除染手当が形骸化している実態が浮かび上がった。
同労働局は「ハローワークを経由しない求人も多い。より悪質な中抜きも多いとみられる」と指摘した。
自民 原発事故賠償の時効延長法案 (NHK)
自民党は、来年以降、時効のために東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する損害賠償の請求権を失う人が出てくるおそれがあるとして、時効を延長する法案を秋の臨時国会に提出して、成立させたいとしています。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の損害賠償を巡っては、来年以降、民法の規定で3年の時効が成立し、避難の費用や慰謝料などを東京電力に請求する権利を失う人が出てくるおそれがあると指摘されています。
これについて自民党の東日本大震災復興加速化本部の委員会は、「損害賠償の請求手続きを行っていない人の中には、避難生活のために請求する余裕がなかったり、避難先に手続きを知らせる通知が届いていない人がいると考えられる」として、原発事故の損害賠償の請求に関する時効を延長すべきだとしています。
自民党内では、時効を現在の3年から10年に延長する案を軸に検討が進んでおり、近く、作業チームを設けて、法案をとりまとめることにしています。
そのうえで公明党や野党に秋の臨時国会への共同提出を呼びかけ、速やかに成立させたいとしています。
9.21
浪江町議会:首相に抗議 汚染水制御発言「事実に反する」 (毎日新聞)
東京電力福島第1原発の汚染水問題を巡り、安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況はコントロールされている」などと発言したことについて、原発事故で全域が避難区域に指定されている福島県浪江町の町議会は20日、「事実に反する重大な問題がある」とする抗議の意見書を全会一致で可決した。
意見書によると、原発から1日推計300トンの汚染水が流出している「深刻な事態」であり、「『コントロール』『(港湾内で)完全にブロック』などされていない」と指摘。安倍首相が「健康への問題は全くない」と発言したことに対しては、浪江町だけで震災関連死が290人を超えるとし、「福島を軽視する政府、東電に憤りを禁じ得ない」と訴えている。【三村泰揮】
新築住宅に放射能汚染石材使用 福島の夫妻、東電と和解 (河北新報)
福島市の30代の夫妻が新築住宅の基礎に福島第1原発事故で放射能汚染されたコンクリートが使われたと、家の建て替え費の支払いを東京電力に求めて原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電原発被害損害賠償弁護団は20日、夫妻、東電双方がセンターの示した和解案の受け入れに合意したと発表した。
和解額は明らかになっていないが、数千万円とみられる。申立人の代理人によると、東電は家の解体、新築の費用を負担するという。
申し立てによると、夫妻が2011年8月に福島市に建てた自宅の基礎に、放射能汚染された福島県浪江町の砕石を原料とするコンクリートが用いられ、室内で毎時約1.6マイクロシーベルトの放射線量が測定された。
(福島)県が出荷自粛要請 下郷の野生キノコ全般 (福島民友ニュース)
(福島)県は20日、17市町村で採取したキノコと木の実15品目53点の放射性物質検査結果を発表、下郷町で採取した野生のサクラシメジ1点から食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る1キロ当たり120ベクレルの放射性セシウムが検出された。
県は同日、下郷町の野生キノコ全般について出荷自粛を市町村や関係団体に要請した。基準値を超えたサクラシメジは出荷前のため市場には流通していない。
県産の野生キノコが基準値を上回ったのは本年度初めて。
水の滞留日数がセシウム濃度に影響か 赤城大沼のワカサギ汚染問題 (東京新聞)
前橋市の赤城大沼で放射性セシウムの汚染によるワカサギの出荷自粛が続いている問題で、大沼は同じ程度に汚染されたとみられる他の湖と比べて水が入れ替わる時間が長いため、ワカサギのセシウム濃度も高い傾向にあることが分かった。県水産試験場(同市敷島町)の鈴木究真(きゅうま)主任が調査した。汚染メカニズムの解明に期待がかかる。 (菅原洋)
赤城大沼では、二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故後、同九月初旬に採取したワカサギから、当時の食品の暫定規制値(一キロ当たり五〇〇ベクレル)を上回る同六五〇ベクレル(県内最高値)のセシウムが検出され、約半年間、禁漁となった。
その後、汚染濃度は少しずつ下がったが、県の出荷自粛要請と釣った魚の持ち帰り禁止が続く。今年八月下旬の検査では、同一三〇ベクレルが検出され、一二年四月から適用された一般食品の基準値(同一〇〇ベクレル)を上回った。
第一原発5、6号機で廃炉研究 東電が検討 解体せず転用 (福島民報)
東京電力は20日、安倍晋三首相から廃炉を要請された福島第一原発5、6号機について、解体せずに1~4号機の廃炉のための実験などを行う研究開発施設に転用する方向で検討に入った。関係者が明らかにした。茂木敏充経済産業相は同日の閣議後の会見で、5、6号機の廃炉に東電が応じた場合、作業訓練施設として利用するなどの活用策を検討する考えを示していた。
東電は、5、6号機を1~4号機の廃炉作業を支援する施設と位置付けることで、事故対応に集中する体制を築くのが狙い。
また転用により発電施設ではなくなることから、東電は5、6号機は「廃炉」との立場を取ることができ、首相の廃炉要請とも整合性が取れるとみている。解体するより費用を抑える狙いもある。
ただ当面は設備がそのまま残ることになるため、これまで廃炉を求めてきた地元から、不完全として反発が起こる可能性もある。