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ボルト型タンクを全基交換 10月めどに計画策定 (福島民友ニュース)
福島第1原発事故:菅元首相ら政府、東電幹部は全員不起訴 (毎日新聞) 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された当時の東電幹部や政府関係者ら約40人について、検察当局は9日、全員を不起訴とした。告訴人らに通知した。原発が津波で浸水して事故が起きることを具体的に予測するのは困難だったと判断した。東京地検が午後、記者会見して正式に発表する。
告訴人らのうち、福島県の住民や避難者でつくる「福島原発告訴団」は処分を不服として検察審査会に審査を申し立てる方針。
9.10
環境省、除染遅れ工程見直し 7市町村で来年度以降も (東京新聞)
環境省は10日、東京電力福島第1原発周辺の11市町村で本年度中に終える予定だった国直轄除染の工程表を見直し、除染対象を拡大するなど新たな方針を発表した。作業が遅れている7市町村で来年度以降も除染を続けるが、終了時期は未定。避難生活を強いられる住民は事故から2年半の今も帰還のめどが立たず、将来の見通しは得られないままだ。
石原伸晃環境相は10日、記者会見し「事故後の混乱の中、地元の実情を十分踏まえないまま、見切り発車で除染が始まった。今後は地域の要望に応じた工程を作りたい」と述べた。 (共同)
東京電力福島第1原発の汚染水問題で、政府が東電や現場関係機関との連携や情報共有の強化を目指す汚染水対策現地調整会議は9日、Jヴィレッジ(楢葉、広野町)で初会合を開き、汚染水約300トンが漏れた地上タンクと同じ接合部をボルトで締めた型のタンクについて来月をめどに全基の交換計画を立てることを決めた。
調整会議は現場でも政府の関与を強め、対策を円滑に進めるため設置。初会合では、タンクから全ての汚染水が漏れる事態を想定、タンクの周辺を囲む流出防止用の堰(せき)の高さ(現行は約30センチ)をかさ上げすることやタンクの近くから港湾の外側の海につながる側溝はふたで覆う対策を決定した。
いずれの対策についても政府が今月中に、Jヴィレッジの近くに構える現地事務所と東電が合同で具体的な内容を詰め、月1回開く調整会議で工程を決める。
9.09
原発事故の責任問わず 菅元首相ら全員不起訴 (NHK)
(10日「原発事故責任 菅元首相ら全員不起訴」本文記事参照)
IAEA、汚染水漏れは緊急課題 廃炉作業検証で今秋に調査団 (東京新聞)
【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が9日開会し、天野之弥事務局長は冒頭演説で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れについて「優先度が高く、緊急に取り組む必要のある課題」と強調した。また、同原発の廃炉作業を検証する2回目の調査団を今秋、日本に派遣すると述べた。
定例理事会の日程は5日間。IAEA加盟国の間では汚染水漏れに対する懸念が強い。日本はこの日の理事会で、原子炉建屋への地下水流入を防ぐための凍土遮水壁の設置や、汚染水の浄化設備の増強を含めた政府の対策を説明した。
安倍首相:汚染水「完全にブロック」発言、東電と食い違い (毎日新聞)
(9日「首相のIOCプレゼン発言は実態から遊離したもの」本文記事参照)
告訴・告発されていたのは、勝俣恒久前会長(73)ら当時の東電幹部や、事故対応に当たった菅直人元首相(66)ら政府関係者。
9.08
漏えいタンク付近の地下水から330ベクレル検出 (福島民友ニュース)
東京電力福島第1原発の地上タンクから汚染水約300トンが漏れた問題で、東電は7日、漏えいタンク付近で採取した地下水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり330ベクレル検出されたと発表した。
この井戸の水からは前回調査で同650ベクレル検出されており、数値は半減したが、雨水で希釈された可能性がある。
この井戸は、漏えいタンクから南側に約15メートル離れたコンクリート製堰(せき)の外側にある。前回検査で1リットル当たり650ベクレル検出された際、東電は「汚染水が地下水に到達した可能性がある」との見解を示していた。
9.07
福島産農産物、検査態勢強化を提言 日本学術会議 (朝日新聞)
【西川迅】東京電力福島第一原発の事故に伴う福島県産農産物の価格低迷について、日本学術会議は6日、農産物の検査態勢の強化などを求める緊急提言を発表した。国の放射能汚染対策は、食品基準は厚生労働省、土壌の除染が環境省などと分かれていることから、復興庁を司令塔に、省庁の壁を超える新たな法整備も求めた。
提言は、福島県産の主な農産物が「風評問題」にさらされていると指摘。生産段階からの検査態勢の強化が必要とした。農地ごとの放射性物質の計測や分布図の作製、農作物の放射能吸収を抑制する対策、国や自治体、生産者団体による放射能監視態勢の構築など。消費者が放射能測定できる機会も必要という。ほかに、各地の研究機関の情報を一元化し、放射能汚染問題に特化した総合的な研究機関の設置が急務とした。
海水放射能、規制委が測定へ…20キロ圏内 (読売新聞)
東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題を受け、原子力規制委員会は、東電など他の機関が担当していた原発周辺の海水の放射能濃度測定(海域モニタリング)に乗り出す方針を固めた。規制機関自らが実施することで測定結果への信頼性を高め、政府一丸となって事故対応に当たる姿勢を国内外にアピールする狙いがある。〈関連記事38面〉
規制委が新たに測定する海域は、同原発から20キロ以内の沿岸部。水深数メートル~100メートルほどの海水を中心に採取し、セシウムやトリチウムといった放射性物質の測定を分析機関に依頼する。これまで規制委は、20キロ以遠の外洋の測定を担当。原発に近い沿岸部は東電や福島県が主体となって測定していたが、汚染水問題の拡大を受け、方針を転換することにした。
9.06
3号機でクレーンのアーム折れる 福島第1原発 (東京新聞)
東京電力は5日、福島第1原発3号機原子炉建屋で、遠隔操作でがれきを撤去する大型クレーンのアーム(長さ約100メートル)が中央付近で折れたと発表した。けが人や建屋の損傷はなかった。
5日午前8時35分ごろ、アームが中央付近で折れ曲がるのを作業員が監視モニターで確認した。東電がホームページで公開している第1原発の中継映像でも、アームが突然、折れる様子が記録されていた。
このクレーンは3号機建屋上部のがれきを撤去するため、11年8月に設置された。この日の作業予定はなかった。折れた部分に亀裂があり、東電は金属部分が劣化した可能性もあるとみて原因を調べている。(共同)
韓国、8県水産物の輸入全面禁止 汚染水問題で対象拡大 (東京新聞)
【ソウル共同】韓国政府は6日、福島第1原発の汚染水漏えい問題を受け9日から、福島県など日本の8県の水産物について輸入を全面禁止すると発表した。従来は8県・50種類の水産物の輸入を禁止していたが、対象を拡大した。
韓国では原発事故で汚染された水産物の流通は確認されていないが、東電が汚染水の海への流出を認めた7月以降、日本産水産物の安全に対する不安が高まっていた。
韓国側は、不安拡大で生鮮食品全体の消費減少や政府の対応を批判する世論が高まることを恐れ、今回の措置に踏み切ったとみられる。
輸入全面禁止対象の8県は青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉。
福島第1原発事故:県漁連、試験操業再開へ…汚染水で中断 (毎日新聞)
東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題で中断した福島県漁連の試験操業が、今月末に再開する見通しになった。相馬双葉漁協といわき市漁協などの代表者が6日、会合を開き方針を決めた。操業海域で県が実施した海水の放射性物質検査で汚染水の影響が見られなかったことなどから、対象魚種や海水の検査を強化して再開する。
相双漁協の佐藤弘行組合長は会合後、「検査結果に問題がない以上、流通も試験操業の一環。黙って反応を探るより、動いて確かめたい」と話した。いわき市漁協の矢吹正一組合長は「延期が続けば、福島の漁業のイメージが薄れる。漁師の根性を見せたい」と述べた。【高橋秀郎、栗田慎一】
原発事故関連死 1459人、半年前から144人増 避難長期化ストレスに(福島民報)
原発事故で古里を追われ、避難生活中に命を落とす「原発事故関連死」が増え続けている。長期避難によるストレスが主な原因とされる。
県によると、9月1日現在の震災による死者は3279人。このうち、津波や建物の倒壊などによる「直接死」は1599人、死亡認定された「死亡届等」は221人で、ともに半年前の3月1日現在と変わりはない。一方、「関連死」は1459人に上り、半年前に比べ、144人増加した。
復興庁の分析では、関連死の主な原因は「避難所生活などの肉体的・精神的疲労」や「避難所などへの移動に伴う疲労」「病院の機能停止や転院による既往症の悪化・初期治療の遅れ」などだ。
浪江のトウガラシ基準値超 避難指示解除準備区域で初 (福島民友ニュース)
(福島)県は5日、収穫前の事前確認検査の結果、浪江町の畑で露地栽培されたトウガラシ1点から食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える1キロ当たり130ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。原発事故に伴う避難指示解除準備区域の農地で試験的に作付けされたトウガラシで市場には流通していない。
県は同日、同町のトウガラシについて収穫の自粛を要請した。避難指示解除準備区域の畑で生産された野菜から基準値を上回る放射性セシウムを検出し、収穫自粛を求めたのは初めて。県によると、避難区域の再編に伴い、生産者は避難先から通いながら営農再開に向けた試験的な栽培に取り組んでいた。
福島第一 タンク漏水 地下水到達 井戸から放射性物質 (東京新聞)
東京電力福島第一原発の地上タンクからの水漏れ事故で、東電は五日、漏れた水が地下水まで達していたと発表した。問題のタンク近くの観測用井戸で四日に採取した地下水から、高い値の放射性ストロンチウムなどを検出したことから判明した。タンクからの水漏れで、地下水汚染のデータが確認されたのは初めて。
タンクからの水漏れは先月十九日に発覚し、東電は漏出量を約三百トンと推定。タンクの処理水は放射性セシウムなどガンマ線を発する物質を除去しているが、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を高濃度に含んでいた。