「新地市場」12月4日再開!10年ぶりに競り 相双漁協3カ所目
福島民友ニュース 2020年12月4日
新地町の釣師浜漁港で4日、東日本大震災の被害で休止していた地方卸売市場が約10年ぶりに再開し競りが行われる。相馬双葉漁協によると、管内で震災前に6カ所あった市場のうち相馬原釜、請戸に続く3カ所目の再開となる。本格操業に向けて本県水産業の活性化を図る。
市場は震災前、同漁協の「新地支所魚市場」として運営されていたが、津波で甚大な被害を受けた。その後、2018年3月に新地町が、市場の置かれる荷さばき施設を再建。今春の再開を目指していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などが重なり、時期を見合わせていた。市場法改正に合わせ「新地地方卸売市場」の名称で再開する。
震災後、釣師浜漁港で水揚げされた魚は相馬市原釜の荷さばき場に陸送されてきたが、新地市場の再開により、漁業者にとってコスト削減などが図られる。
同漁港に所属する小型船30隻が水揚げした魚を中心に、入札形式で競りを行う。カレイやヒラメなど刺し網漁で取れた魚やタコ、ホッキなどは扱うが、取引業者の希望でシラスやコウナゴはこれまで通り相馬原釜の市場に集約されるという。再開初日は午後1時から競りを行う予定。
試験操業中で取扱数量は依然として少ない状況だが、同漁協は「水揚げ量拡大に対応するとともに、震災前の浜のにぎわいを取り戻していきたい」としている。