福島原発事故に伴う帰還困難区域のうち復興拠点から外れた地域を巡り、政府は、年間積算線量が20ミリシーベルトを下回れば、除染をしなくても地元の意向に応じて避難指示を解除する仕組みを構築するということです。
これは「原子力緊急事態」を放置するだけでなく、固定化しようとするものです。
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復興拠点外 除染せず解除可能に 政府方針 居住しない土地活用で
福島民報 2020/12/15
東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち再び人が住めるように整備する特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域を巡り、政府は、年間積算線量が二〇ミリシーベルトを下回れば、除染をしなくても地元の意向に応じて避難指示を解除する仕組みを構築する。人の居住を想定せずに土地を活用する場合に限る。復興拠点外の新たな解除方針を定めるのは初めて。月内に開く原子力災害対策本部会議で決定する。
復興拠点の解除要件は(1)年間積算線量が二〇ミリシーベルト以下に低下(2)インフラや生活関連サービスの復旧、除染の進展(3)地元との十分な協議-となっている。
復興拠点外の土地活用に向けた解除要件は(2)を変更し「土地活用を行う者等によって必要な環境整備が実施されていること」とする。
具体的には土地活用の目的に沿った土地造成と設備設置、被ばく線量の低減などと規定する方針。環境省による土壌の剥ぎ取りなどの除染を解除要件としないことが大きな変更点。住民が日常的な生活を営むことは想定していないが、往来は自由となる。
飯舘村が長泥行政区の復興拠点外に村営復興公園を整備し、帰還困難区域を一括解除するよう求めたことを受けた要件変更だが、他町村でも土地活用による避難指示解除を求める意向があれば適用される可能性がある。
■6町村 個別に解除方針策定へ
復興拠点を整備している富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の六町村では、復興拠点外の解除に向けた方針や範囲が異なる。このため、政府は個別に解除の仕組みを見直す方針も打ち出す。