トリチウム汚染水の海洋放出に反対する意見の中には、第1原発の周辺など敷地外も含めてそこにタンクを新設し、保管の継続を求める声があるのに対して、双葉町の伊沢史朗町長は9日、同町などに設置された中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)の敷地内で処理水の保管を受け入れる考えがないことを示しました。いわき市で同日開かれた12月町議会の一般質問で答えました。
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「中間貯蔵施設での保管反対」双葉町長が見解 第1原発処理水
福島民友 2020年12月10日
東京電力福島第1原発で増え続けている放射性物質トリチウムを含む処理水の処分を巡り、双葉町の伊沢史朗町長は9日、同原発を取り囲むように整備された中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)の敷地内で処理水の保管を受け入れる考えがないことを示した。いわき市で同日開かれた12月町議会の一般質問で答えた。
同施設での処理水の保管について、伊沢氏が公の場で明確に反対の意思を示したのは初めて。
伊沢氏は、中間貯蔵施設の整備について「本当に大変な思いで皆さんの理解をいただきながら進められてきた」と述べた上で、除染で出た土などを保管するという同施設本来の「用途目的の変更ということを私はやるべきではないと考えている」と反対した。
伊沢氏はこれまで、処理水の海洋放出を積極的に求めるものではないとしながらも「保管継続は問題解決の先送りにしかならない。無責任だ」と指摘している。一般質問の内容は直接、中間貯蔵施設での保管の是非を問うものではなかったが改めて保管継続に強く反対する姿勢を示した形だ。
東電の保管計画では、2022年夏にも敷地内のタンクで保管できる容量に達する見込み。処分方法として検討されている海洋放出に反対する意見の中には、第1原発の周辺など敷地外にタンクを新設し、保管の継続を求める声がある。