2020年12月3日木曜日

原発避難者集団訴訟 原告ら、東電側の上告不受理を最高裁に要請

  福島県双葉郡の住民らが東電に損害賠償を求めた訴訟で、仙台高裁が3月12日に出した判決について、東電が最高裁に「国の指針に基づく賠償で十分」として上告したことに対して、住民側の弁護団は1日、東電の上告理由は誤りだとして、東電側の上告を受理しないよう最高裁に要請しました。

  関連記事
  (3月21日)東電に「上告は解決の先延ばしにすぎない」断念求める 福島・原告団
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発避難者集団訴訟 原告ら、東電側の上告不受理を最高裁に要請
                        河北新報 2020年12月02日
 東京電力福島第1原発事故で古里を失ったなどとして福島県双葉郡の住民らが東電に損害賠償を求めた訴訟で、住民側の弁護団は1日、「国の指針に基づく賠償で十分」とする東電の上告理由は誤りだとして、東電側の上告を受理しないよう、最高裁に要請した。
 弁護団によると、原告ら10人が最高裁を訪れ、担当者に要請書を渡した。住民側は福島県相双地方11市町村の首長や担当者を対象に、指針に基づく賠償についてアンケートを実施。「十分」と答えた自治体がなく、5自治体が「十分でない」などとした回答結果を上申書として提出した。
 要請後、東京都内で記者会見した弁護団の笹山尚人弁護士は「地元からも精神的損害への慰謝を賠償に反映すべきだとの声が上がる中、東電は指針で賠償が終わりだとどうして言えるのか」などと述べた。
 全国の同種集団訴訟で初の高裁判決となった3月の仙台高裁判決は、東電が大津波の襲来を予見しながら、対策を先延ばししたと指摘。一審福島地裁いわき支部判決が国の指針を超えて示した賠償額計約6億1000万円に、計約1億2000万円を上積みして支払うよう命じた。