17日の毎日新聞に、10日付の「「規制委員長 住民聴取拒む」の記事に「事実誤認」があったとする記事が掲載されました。
当ブログでも11日付の記事「規制委員長が独断で住民聴取を拒む 被ばく防護策評価」で同記事を転載し、事務局でそれを前提にした前文をつけて紹介しました。したがって当ブログの記事も、事実誤認に基づく記事となりましたことをお知らせします。
なお、ブログの記事は削除しないで、事実誤認に基づくことが明らかになったことが分かるコメントを「註」で追記することにいたします。
毎日新聞の訂正記事を以下に掲載します。
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おわび:原子力規制委巡る記事に誤り
毎日新聞 2013年11月17日
10日朝刊「規制委員長 住民聴取拒む」の記事で、「避難住民の意見は反映されない見通しになった」とあるのは誤りでした。市民グループなど2団体に聞き取り調査が行われ、原子力規制委員会の有識者会合で示された報告書案に盛り込まれました。さらに、委員長の発言引用に誤りもありました。おわびして訂正します。また、「規制委員長 住民聴取拒む」の内容について、同委員会から「事実誤認」との指摘があり、経緯を報告します。
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10日朝刊1面「規制委員長 住民聴取拒む」の記事について、取材の経緯を報告します。
記事は原子力規制委員会の有識者会合による原発事故避難住民への聞き取り調査が、田中俊一同委員会委員長により撤回されていたという内容です。
取材の発端は10月下旬、規制庁幹部が有識者委員ら宛てに発信した1通のメールを記者が入手したことでした。これには▽(住民ヒアリング対象者として)田中委員長から福島県内の2首長の推薦があった▽責任を持った判断が必要な首長から話をうかがうことで対応したい−−とありました。
ヒアリングは、各省庁の施策では不十分とみて、住民の声を聞く機会を設けるために実施されるものです。記者は首長からだけでは、住民の生の声としては不十分だと考え取材を続け、政府関係者の証言を得て、「田中委員長が介入して、住民聴取を拒んでいる」との判断に至りました。
この記事に対し、原子力規制委員会から11日、「事実と異なる」との指摘を受けました。(1)市民グループなど2団体に聞き取り調査が掲載前に行われ、原子力規制委員会の有識者会合で示された報告書案に盛り込まれている(2)田中委員長は「帰還などに責任を持って判断できる首長に話を聞くべきだ」という発言はしておらず、住民からの聴取を拒否していない−−の2点です。私たちとしては関係者への取材時点で「拒否」があったと確信していますが、2団体には聞き取りが行われ、記事掲載時には、事実と異なってしまいました。また、委員長の発言引用にていねいさが足りませんでした。
地元住民の声はしっかり反映されなければならないという問題意識にとらわれるあまり、確認作業が十分でなかったと考えています。談話の取材手法を含めて改めて基本を徹底し、今後も住民帰還問題を詳しく報道していきます。【科学環境部長・吉川学】