国は福島県以外の子どもたちの健康調査をしようとしていません。
そんななかで子どもたちの健康を守るために、千葉、埼玉、茨城三県の市民団体が甲状腺のエコー検査のための「関東子ども健康調査支援基金」を設立し、10月から児童の甲状腺のエコー検査を始めました。
茨城県つくば市、ひたちなか市に続き、9日は千葉県流山市とこれまで3回実施しました。費用は一人1000円程度のカンパで賄うということです。
日本はチェルノブイリ事故の際に、数次にわたって医師団(山下俊一氏を含む)を派遣して児童の甲状腺のエコー検査をしましたが、その際エコー検査の頻度を半年に1回にするのが良いと進言したので、現地ではいまもそれを守っています※。
それなのに福島県の児童の甲状腺のエコー検査はなぜか2年に1回の頻度となっています。
それなのに福島県の児童の甲状腺のエコー検査はなぜか2年に1回の頻度となっています。
政府が福島県以外の児童の甲状腺検査を考えていないことと言い、その福島県でも2年に1回という頻度に抑えていることと言い、本当に児童の甲状腺がんを防止しようとする意志があるのかと疑われます。ひたすら当面の甲状腺がんの発症数を低く抑えようとしているとしか考えられません。
また福島県郡山市で、9日、「放射能被害のないふるさとをつくる会」が発足しました。
郡山市民を中心とした有志が結成したもので、賠償請求時効を適用しない特別法の制定、精神的苦痛に対する賠償の金額や期間の見直しなど、「政府と東電に放射能被害に対する責任を将来にわたって果たす」よう求めるとしています。
それもこれも みな政府や東電に任せていては何も解決しないという市民の心痛から立ち上げられたものです。
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原発事故で市民団体 甲状腺エコー検査
東京新聞 2013年11月10日
原発事故の健康への影響を懸念する関東地方の市民団体などで今年九月、子どもの甲状腺エコー検査のための「関東子ども健康調査支援基金」が設立され、県内で初の検査会が九日、流山市の東葛病院であった。
基金は千葉、埼玉、茨城三県の市民団体が「健康調査は国や自治体がやるべきだと訴えてきたが動きがない。もう待てない」と設立した。現在、三百の団体と個人が会員となり、ボランティアで運営する。
国は十月、原発事故を受けた「子ども・被災者支援法」の基本方針を閣議決定したが、福島県以外の健康調査は明記されていない。
検査は北海道がんセンター名誉院長で医師の西尾正道さん(66)が協力し、画像や検査結果をその場で手渡す。費用は一人千円程度のカンパで賄う。西尾さんは「全国どこでも検査できる体制を整える必要がある」と話す。
基金では、機器を購入して十月から検査を始めた。九日の検査は、東葛地区の児童を中心に九十人が受診した。娘二人を連れた白井市の男性会社員(46)は「検査を受けること自体も緊張した。結果をじっくりと理解し受け止めたい」と話した。
基金呼び掛け人の一人、松戸市の木本さゆりさん(44)は「子どもの将来のために今のデータを残し、継続的に調べていく必要がある」と話し、来年から月一回程度の検査実施を目標にしている。
問い合わせは基金事務局=電0297(48)4911=へ。 (三輪喜人)
賠償制度は住民立場で 「放射能被害のない会」発足
福島民友ニュース 2013年11月10日
住民の立場に立った東京電力福島第1原発事故の損害賠償制度などを求める「放射能被害のないふるさとをつくる会」は9日、郡山市で発足した。結成総会では、原発事故の賠償請求権の時効に関する特別措置法の早期制定を求める要請書を、自民党など各政党や国会議員に提出することを決めた。
同会は、郡山市民を中心とした有志で結成。総会では役員を決めたほか、現行法による賠償請求時効を適用しない特別法の制定、精神的苦痛に対する賠償の金額や期間の見直し、県内原発全基廃炉―などの目標を確認した。「政府と東電に放射能被害に対する責任を将来にわたって果たすことを求める」などとするアピールも決めた。