2013年11月1日金曜日

原発・放射能ニュース 2013.11.01~05

 電子版の各紙に載った原発と放射能に関するニュースを掲示します(但し公開の範囲)。記事の掲載は原則として書き出し部分に留めますので、全文はURLをクリックしてご覧ください(URL記載のないものは公開の全文です)。公開期限後表示されなくなった記事を読みたい方はコメント欄にお書き下さい。(返信欄に表示します)
 
11.05

大飯原発の対策所、実際は狭い? 規制委が不当表示指摘 (東京新聞)
 原子力規制委員会は5日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の審査会合で、事故時の対応拠点となる緊急時対策所の広さについて、関電のこれまでの説明に比べ、実際は大幅に狭い可能性があると指摘した。
 関電は対策所の広さは延べ約156平方メートルと主張してきたが、この日の説明資料に記載された部屋の寸法から面積を計算すると約117平方メートルであることが判明。会合で、更田豊志委員は「不当表示と言わざるを得ない」と指摘し、関電は「持ち帰って調べる」と答えた。(共同)
 
トリチウム6700ベクレル=漏えいタンク東の観測井戸-福島第1 (時事通信)
 東京電力福島第1原発の貯蔵タンクから高濃度汚染水が漏れた問題で、東電は5日、漏れたタンク東側の観測用井戸で3日に採取した地下水から、放射性物質のトリチウムが1リットル当たり6700ベクレル検出されたと発表した。
 東電は汚染水の増加対策として、タンクから130~40メートル海側に別の井戸を掘り、地下水が原子炉建屋に流れ込んで汚染される前にくみ上げ、海に放出する計画を立てている。
 
「原発情報」隠蔽危惧 秘密保護法案めぐり県会意見書 福島民友ニュース)
 「原発の安全性に関わる問題や住民の安全に関する情報が『特定秘密』に指定される可能性がある」。安全保障上の情報保全徹底を掲げる特定秘密保護法案をめぐり、県議会は10月9日、全会一致で「慎重な対応を求める」とする首相、衆参両院議長宛ての意見書を可決した。東京電力福島第1原発事故直後、放射性物質の拡散について十分な情報開示がなされなかったことへの不信感が根強い。意見書の背景には「重要な情報がまた隠されるのではないか」との危機感がある。
  原発事故では、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の試算結果が、事故の初期段階で公表されず、住民の避難に生かされなかった。浪江町の一部の住民は、第1原発から放出された放射性物質が大量に流れて、放射線量がより高い地域に避難していたことが後から判明した。国が適切に公表していれば「無用の被ばく」を防げたはずだという住民たちの怒りは、今も収まっていない。
 
解決へ遠い道のり 高島・汚染木材チップ放置問題 (東京新聞 滋賀)
 高島市安曇川町の鴨川河川敷に放射性物質に汚染された木材チップが無断で放置されている問題。地元高島市は早期撤去を求めているが、県から具体的な道筋は示されないまま時間が経過し、住民はいら立ちを募らせている。現実的な解決への手段となるのは行政代執行だが、実際に動きだすまでの道のりは長いのが現状だ。
 「(滋賀)県の対応は信用できない。撤去までのスケジュールをこの場で示せ」。十月にあった県の地元住民への説明会は怒号に包まれた。「一日でも早く撤去に向けて取り組む」と回答するにとどまる県職員に対して、「具体性がない」と住民の不満が爆発した。
 県の初動の遅さも不信感を生んだ。県は四月の時点で、木材チップが河口に放置されていることを把握。住民から放射性物質に汚染されている可能性を指摘されていたが、現場の空間線量を測るだけで「異常値ではない」と判断していた。
 
福島原発4号機、実証試験を追加 燃料取り出し延期へ (東京新聞)
 東京電力が福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しを前に、実際の燃料輸送容器を使って作業の安全性を確認する実証試験を追加し、4号機内で近く実施することが4日、関係者への取材で分かった。実証試験には準備を含めて数日かかる見込みで、早ければ8日にも始まる予定だった燃料取り出しは1~2週間延期となる見通し。
 燃料取り出しに向け、クレーンを備えた4号機の建屋カバーは既に完成しているが、実証試験は行われていなかった。(共同)
 
11.04
 
11.03
 
福島第二内で中間貯蔵実証 政府・与党検討 (東京新聞)
 東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質で汚染した土壌や廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、政府・与党が福島第二原発の敷地内にモデル実証施設の建設を検討していることが二日、分かった。中間貯蔵施設建設の遅れは除染が遅れる一因。小型の施設で安全性を検証し、地元の理解を得て中間貯蔵施設建設の促進につなげたい意向だ。
 関係者によると、実証施設は第二原発敷地内のグラウンド周辺に、汚染廃棄物を燃やして容積を減らす減容化施設と、焼却灰や汚染土壌などを貯蔵する保管庫を計画。第二原発のある楢葉町などで出た汚染廃棄物を試験的に処理する方針。
 中間貯蔵施設は、福島県内の汚染廃棄物を最長三十年間保管する。環境省は二〇一五年一月の使用開始を目指し、福島県の大熊、楢葉、双葉の三町に建設を計画しているが、放射性物質への不安などから受け入れに慎重な声もある。
 政府・与党は東電に打診済み。今後、地元と調整して了承が得られれば、環境省が整備に着手する方針。
 
11.02
 
「指定廃棄物」最終処分場 候補地選定「保管量」どう評価 (東京新聞 栃木
 放射性セシウム濃度が高い「指定廃棄物」の最終処分場をめぐる第三回副市町長会議が一日、宇都宮市で開かれた。この中で環境省が、候補地の選定方法について県内二十六市町に聞いたアンケート結果を公表。指定廃棄物の保管量を考慮するかどうかで各市町の意見はバラバラで、今後に向けて大きな課題として浮かび上がった。 (石井紀代美、後藤慎一)
 環境省の有識者会議が十月にまとめた候補地選定の評価手法では、(1)水源との距離(2)自然の豊かさ(3)集落との距離(4)指定廃棄物の保管量-について、各五点満点で点数化すると規定。ただ、(4)については、ほかの指標より重視することも軽くすることもあるとした。
 これに先立ち、環境省は九月、県内の各市町を対象にアンケートを実施。指定廃棄物の保管量を評価項目とすべきかどうか、重み付けはどうするか聞いたところ、「評価項目とする」との回答が八市町。「評価項目としない」五市町、「一定の配慮が必要」七市町と、意見が割れた。具体的な市町名は公表していない。
 
半数「帰還、判断つかぬ」 南相馬、葛尾の世帯主調査 福島民友ニュース)
 復興庁は1日、南相馬市の避難区域と、葛尾村の世帯主を対象に実施した住民意向調査の結果を発表した。帰還の意向について「現時点でまだ判断がつかない」と回答した世帯主は、南相馬市44.0%、葛尾村45.0%といずれも半数近くに上り、「戻ることを決めている」「戻りたいと考えている」と答えた世帯主(南相馬市29.3%、葛尾村25.6%)を大きく上回った。また、「戻らないと決めている」と回答した世帯主は、南相馬市26.1%、葛尾村23.9%となった。
  南相馬 南相馬市で「判断がつかない」と答えた世帯主は、年代別で30代47.3%、40代47.9%、50代47.2%と、働き盛りの世代で多くなった。20代は36.5%と世代別で最も低かったが、逆に「戻らないと決めている」は世代別で最高の55.2%に上り、若年層では既に帰還に見切りをつけている傾向が浮き彫りになった。
 葛尾 東京電力福島第1原発事故で全村民が避難している葛尾村では、「まだ判断がつかない」と答えた世帯主の割合は昨年実施した前回調査の30.7%に比べ大幅に増加した。
 「戻らないと決めている」と回答した世帯主は、前回調査の27.1%から3.2ポイント減少した。村民が判断しかねている現状について、村は「除染が進んだことで『帰還できるのでは』と考える人が増えた一方、震災から時間がたち『戻るのは難しい』と思う人も増えたのでは」と分析している。
 
福島第1汚染水15年6月にも容量超過 タンク増設追い付かず (河北新報)
 東京電力は1日、福島第1原発の汚染水の量が2015年6月にも貯水タンクの総容量をオーバーする可能性があることを明らかにした。
 汚染水量とタンク総容量の推移を示す東電のシミュレーションはグラフの通り。(1)汚染前の地下水を海に流さない(2)原子炉建屋周囲の地下水をくみ上げない(3)タンク群のせきにたまった雨水を排出する(4)海側の井戸水をためる-前提で想定すると、汚染水量は15年6月に貯水容量を超えてしまう。
 タンクの総容量は現在約41万トンで、汚染水の貯蔵量は容量の92.1%に達している。汚染水は地下水の流入で年25万トンのペースで増える。
 東電はタンクを増設し、16年3月までに総容量を80万トンに増やすが、汚染水の増量に追い付かず、オーバーフロー状態を迎える。
 しかも、東電は雨水の貯水やタンクからの漏えいを考慮しておらず、容量オーバーの時期が早まる可能性がある。
 東電は「(最悪のシナリオで考えれば)容量オーバーは15年6月より1カ月程度、早くなるかもしれない」と話している。
 
除染に国費1兆円超 政府見直し案 中間貯蔵施設など (東京新聞)
 東京電力福島第一原発周辺の除染に関する政府の見直し案が一日、判明した。除染費用として一兆円超を国が投入する。除染に伴って出る廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設と、生活再建に向けたインフラ整備に付随して発生する除染に充てる。自民党が提言に盛り込んだ国費負担を受け入れる方向だ。
 一方、国や自治体がこれまでに計画した除染費用は最大三兆円程度になる見込みで、この部分は従来方針通り東電の全額負担とする。政府は東電の除染負担額が固まった段階で、交付国債の発行枠を現在の五兆円から八兆~九兆円に拡大し、東電の資金繰りを支える方針だ。国費投入により、復興加速へ国が前面に出る姿勢を示す。除染費用について東電は、放射性物質汚染対処特措法を改正して全額国費での対応を要請、自民党の一部でも法改正の案が浮上していた。
 
11.01
 
「除染費」消化率39% 12年度・復興関連予算調査 (福島民友ニュース)
 会計検査院は31日、東日本大震災に関する2011(平成23)、12年度の復興関連予算の調査結果を公表、11年度予算の5702億円が今も使われずに繰り越され“塩漬け”となっていることを明らかにした。東京電力福島第1原発事故を受けた本県の復興施策に影響する12年度の除染関連事業は、本年度への繰り越しが全国枠で2757億円に上り、消化率は39%にとどまった。手厚い除染費用が計上されても、除染作業の遅れから多額の予算を繰り越している実態が浮かんだ。
 検査院によると、この2年分の復興関連予算は総額19兆8949億円に上り、消化率は今年3月末時点で77.2%、15兆3644億円だった。このうち国の原子力災害対策予算は11年度が107事業で9808億円、12年度は66事業で5319億円と2年で計1兆5127億円に上り、補助金や基金として6986億円を地方自治体に交付した。原子力災害対策予算の84%が県と県内の市町村に振り分けられ、11年度は80%を消化したのに対し、12年度の消化率は39%だった。
 
自民復興本部 全員帰還の原則転換 移住希望者の支援強化
 自民党の東日本大震災復興加速化本部(本部長・大島理森(ただもり)前副総裁)は三十一日の総会で、東京電力福島第一原発事故からの復興に向けた第三次提言案を了承した。避難した被災者の「全員帰還」の原則を転換し移住を希望する住民への支援策を講じることなどが柱。除染作業や福島県内の廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理に国費投入も求めた。
 提言案は住民の帰還に関して「避難者の方々の中には、帰還よりも新しい生活を選びたいという人も出てきている」と指摘。戻ることが難しい住民の「今後の新しい生活」に対する支援強化の必要性を訴えている。