14日の毎日新聞 新潟版は、泉田知事が定例記者会見で、柏崎刈羽原発の安全審査入りに関連し原子力規制委と東電に対する疑問や不信感を表明したことを伝えました。
知事は、規制委はなぜ最初に安全審査入りを止めなぜそれを再開したのかを説明する必要があることや、東電が実施するという休憩室設置などの福島原発の作業環境改善策は、湾に流れ出る放射性物質の低減することに直接結びつくものではなく、何ら汚染水流出の状況は変わっていないことを指摘し、規制委の態度は理解できないとしました。
確かに、汚染水の流出を現実に止められず、まだ止める方策も分からないという現状を無視して、それとは直接関係ないことをもって審査入りの口実にしようとする規制委の態度は不可解です。規制委は常に動揺を繰り返していて外圧に対して毅然と対処するというところが見られません。
それに対して泉田知事の発言は当初からずっと一貫しています。
13日の規制委の会合の様子についての記事も併せて紹介します。
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柏崎刈羽原発:安全審査再開 知事「理由説明を」 /新潟
毎日新聞 新潟版 2013年11月14日
原子力規制委員会が13日に決定した東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の安全審査再開の方針を受けて、泉田裕彦知事は同日、「(審査会合を)なぜ止めたのか。そして、なぜ再開するのか。規制委は説明する必要がある」と語った。
この日の定例記者会見で泉田知事は、「新規制基準に適合しても、健康に影響ある被ばくを避けられるわけではない」と指摘。その上で「何のための適合審査か、規制委は説明すべきだ。止めたり、再開したり、理解できない」とした。
また、東電が8日に発表した福島第1原発の作業環境改善策については「結果から言うと、湾に流れ出る放射性物質の低減には結びついてない。何ら状況は変わっていない」と批判した。【塚本恒】
柏崎刈羽原発:安全審査、公開会合開催へ 範囲は当面限定 /新潟
毎日新聞 新潟版 2013年11月14日
原子力規制委員会は13日、東京電力柏崎刈羽原発の安全審査で、公開の審査会合を始めると決めた。水面下で進んできた審査作業の一部が公開される。ただ田中俊一委員長は審査範囲を当面、限定すると発言し、審査会合の日程も未定。審査がどれだけ順調に進むかははっきりしない。
規制委はこれまで東電福島第1原発の汚染水問題を懸念し、柏崎刈羽の安全審査申請から約1か月半、公開の審査会合を開かずに来た。一方で委員会事務局の原子力規制庁は、東電に申請内容の疑問点をただす「ヒアリング」を続けてきた。
田中委員長は13日の同委で、各委員に審査会合開始の是非を聴き「申請内容の聴取と、審査の前提となる問題点の指摘までを当面、対応の範囲としてはどうか」と問いかけた。
「(非公開の)ヒアリングを10回以上重ねており、透明性という意味で公開の審査会合を一度も開かないのは好ましくない」(更田豊志委員)。「(東電が先週発表した福島第1原発対策は)計画としては評価できる」(島崎邦彦委員)などの意見が出、委員長は「おおむね了承された」と初会合の開催を決めた。今後について委員長は「1回目(の審査会合)を開いてみないとどういう形で進むか予想できない」と記者会見で話した。
東電は「審査の進め方について我々から申し上げることはない。柏崎刈羽原発の安全対策が規制基準に沿ったものか審査していただき足りないところがあれば対応したい」としている。【高木昭午】