原子力規制委は28日、柏崎刈羽原発の安全審査で、敷地内に活断層があるかを確認するため、現地調査を行うことを決めました。
東電に対して地面を大規模に掘下げて地層を確認する「トレンチ調査」を含めて、詳しく調査して説明するよう求めているので、審査は長期間に及ぶ可能性があります。
柏崎刈羽原発の原子炉建屋の直下には、東電の資料によっても23本の断層があり、当面の審査対象である6号機、7号機の原子炉建屋の直下にも通っています。東電はこれまでそれらは「活断層ではない(断層が生じたのは20~30万年以前)」と主張してきましたが、新しい基準ではその時期限定のニュアンスが変わったので規制委がどう判断するのか注目されます。
それとは別に、東電の新しい総合特別事業計画(再建計画)は、2016年度までに柏崎刈羽原発の全7基を再稼働させることを前提としたものであることが分かりました。
泉田知事はそれについて6日の記者会見で、「何の根拠もない」話だとしました。
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柏崎刈羽原発 規制委が活断層調査へ
NHK NEWS WEB 2013年11月28日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の運転再開の前提となる安全審査で、原子力規制委員会は敷地内に活断層があるかを確認するため、現地調査を行うことを決めました。
活断層の調査が長引けば審査は長期間に及ぶ可能性もあります。
原子力規制委員会は東京電力・柏崎刈羽原発の6号機と7号機について、28日午後、2回目の審査会合を開き、今後、重点的に確認する論点を示しました。
この中で規制委員会は敷地内に活断層があるかを確認するため、年明け以降に現地調査を行うことを決めました。
そのうえで、東京電力に対して敷地内を大規模に掘って地層を確認する「トレンチ調査」を行うなどして詳しく説明するよう求めています。
柏崎刈羽原発では、6号機7号機を含む原子炉建屋の直下に23本の断層がありますが、東京電力は「活断層ではない」と主張しています。
これに対し、規制委員会は東京電力の断層のデータが不十分で活断層調査の方針が決まるまでは津波など自然災害への対策を確認しないとしていて、調査が長引けば審査は長期間に及ぶ可能性もあります。
16年度中の全7基再稼働を想定 東電、柏崎刈羽原発
東京新聞 2013年11月28日
東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)について、2016年度までに全7基が再稼働すると想定していることが28日、分かった。これにより17年度以降の原発の設備利用率が東日本大震災前と同水準の55%台に戻ると試算している。見直し作業中の新しい総合特別事業計画(再建計画)に盛り込む。
新潟県の泉田裕彦知事は今月6日の記者会見で、東電が再稼働時期を勝手に想定していることを「何の根拠もない。絵に描いた餅」と批判しており、地元との溝が深まるのは必至だ。 (共同)