原発の安全性 報告に「3年かける」新潟県「三つの検証」委員長・池内了氏
新潟日報 2019/06/15
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を考える講演会が14日夜、新潟県十日町市で開かれた。原発の安全性を巡る県独自の「三つの検証」をとりまとめる総括委員会の池内了委員長(名古屋大名誉教授)が、2021年までに最終報告を出す考えを改めて示し、「次の知事選で大事な争点となるだろう。そのための判断材料を提供したい」と述べた。
講演会は市民団体「十日町・津南地域自治研究所」が主催。会場の十日町情報館に110人が集まった。
池内氏は「県の取り組みは大きな意味を持つ」として、「東電福島第1原発事故の原因」「原発事故が健康と生活に及ぼす影響」「重大事故時の安全な避難の在り方」の三つの検証の中身を説明した。その上で委員長として「中途半端な報告を避けるためにも(21年までの)3年間の議論の期間は譲れない」と語った。
会場からは、「十日町市は柏崎刈羽原発から30キロ圏内にあるが、市には専門家が1人もいない」「福島事故を経てなぜ原発が推進されるのか」など不安や疑問の声が上がった。池内氏は「議会や市長に掛け合うなど、議論を求める働きかけを」「選挙で意思を示すことが大事」と、市民自身が問題に向き合う姿勢を求めた。