2019年6月12日水曜日

放射性汚泥処理計画「疑問だらけ」 佐渡・鷲崎集落

 新潟県佐渡市の一般社団法人が、放射性汚泥からセシウムを分離し再利用する工場を、鷲崎の旧観光施設に建設しようとした計画は、住民の反対で断念する見込みとなりました。
 
 10夜に説明会が予定されていましたが、集まった住民10数人は全員計画に反対し説明を受けないまま解散しました。
 山田隆一集落長は「放射能汚染の不安がある。計画は受け入れがたい」と述べ、住民からは「何で佐渡でやるのか分からない。疑問だらけ」という声が上がりました。
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放射性汚泥処理計画「疑問だらけ」 佐渡・鷲崎集落、正式に反対へ
新潟日報 2019/06/12 11:39
 新潟県佐渡市の一般社団法人が、放射性汚泥からセシウムを分離し再利用する工場を、鷲崎の旧観光施設に建設しようとした計画は、住民の反対で断念する見込みとなった。島活性化の“起爆剤”として突如持ち込まれた計画だったが、不明瞭な点が多く、「トキと共生する島」に大きな疑問だけが残った。
 
 「何で佐渡でやるのか分からない。疑問だらけ」
 10日午後7時ごろ、法人による説明会が予定されていた集会所で、男性(75)は怒りをあらわにした。集まった住民十数人は全員計画に反対したといい、説明を受けないまま解散した。山田隆一集落長(64)は「放射能汚染の不安がある。計画は受け入れがたい」とだけ述べた。
 
 計画は、旧ソ連チェルノブイリ原発事故の研究者が開発した技術を用いて、東京電力福島第1原発事故により発生し県内に保管されている放射性汚泥からセシウムを分離させ、レントゲン用に販売する工場を建設するというもの。
 計画した一般社団法人「佐渡市発展推進会」(本間勝人理事長)は、佐渡の活性化を目指し、ことし1月に発足した。佐渡出身の本間理事長は東京で貿易関係の事業を展開。ウクライナに出入りする中で原子力の研究者を知り、「財源難の佐渡市のために工場を建設したいと考えた」という。
 住民の強い反対を受けて本間理事長は「放射性物質を扱わずに、技術を事業化することで佐渡市に還元する方法も考えていたが、断念せざるを得ない」と述べた。鷲崎集落では今後、法人に計画を受け入れないと正式に申し入れる方針だ。