福島原発1、2号機共通排気筒(高さ120m)の上半分の解体工事は、当初5月20日に着手の予定でしたが、直前にクレーンで吊るす解体装置が筒頂部に約1・6m届かないことが判明し、対策を検討していました。東電は、クレーンを排気筒に約7m近づける方法に変えることにし、その準備に2カ月ほどの期間を要するため7月下旬に着工すると発表しました。
7m近づければその分ブームの仰角を大きく取れるので吊り上げ高さを上げることが出来ますが、排気筒の底部には強烈な放射線源があるので、その分作業員の被曝量が増えます。
準備作業としては、クレーン台座設置地点の地耐力の増強(鉄板敷など)の他、放射線遮蔽対策が含まれるものと思われます。
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<福島第1原発> 排気筒上部解体7月下旬に着手 東電方針
河北新報 2019年5月31日
東京電力は30日の定例記者会見で、延期している福島第1原発1、2号機共通排気筒(高さ120メートル)の上半分の解体工事を、7月下旬にも始める方針を明らかにした。
工事は当初20日に着手の予定だったが、クレーンでつるす解体装置が筒頂部に約1.6メートル届かないことが直前に判明。クレーンを筒に約7メートル近づけて届かせる工法に変更するため、準備に2カ月ほどの期間を要するという。
別工事で使用したクレーン計画図を基に工法を検討していたため誤差が生じたといい、当初年内を目指した完了は来年1~3月に伸びる見通し。
東電は会見で、2号機原子炉建屋の使用済み核燃料プールの燃料取り出し工法にも言及。建屋上部を解体する従来の工法に加え、建屋上部を残したまま建屋南側に作業用の構台を設ける工法も検討していると明らかにした。
上部を残すことで、解体時に放射性物質を含むダストが飛散するリスクを抑えられるメリットがあるという。