福島県が、国家公務員宿舎に住み転居先の当てのない53世帯に対して6月にも家賃の2倍相当を損害金として請求するとしていることに対して、「避難の権利」を求める全国避難者の会などは20日、避難指示区域外避難者の住宅からの追い出し中止と住まいの確保を求めて復興庁、財務省、国土交通省に申し入れを行いました。
申し入れには日本共産党、立憲民主党、国民民主党の国会議員も参加しました。
因みに「避難の権利」とは、1986年に起きたチェルノブイリ事故で、ソ連が年間被曝量1ミリシーベルト以下は避難は不要、1~5ミリシーベルトの地域の住民は自己判断で避難を決め、5ミリシーベルト以上は強制的に避難させ、避難者にはいずれも手当をだすということを法制化したことを指しています。
26年遅れて起きた福島原発事故で、年間被曝量20ミリシーベルト以下が居住可能地域で、そこから自らの意志で避難した人たちを「自主避難者」と呼んで事ごとに差別しているのが日本の実態です。余りにも非人道的で許されないことです。
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住宅追い出しやめて 原発事故避難者ら政府要請
しんぶん赤旗 2019年6月21日
原発被害者団体連絡会と「避難の権利」を求める全国避難者の会は20日、避難指示区域外避難者の住宅からの追い出し中止と住まいの確保を求めて復興庁、財務省、国土交通省に申し入れを行い、国会内で緊急記者会見を行いました。
福島県は、国家公務員宿舎に住む避難指示区域外避難者71世帯に対して今年3月末までに退去を求めていました。生活保護や転居先が見つかった世帯など18世帯は4月以降の公務員宿舎の居住を認めましたが、転居先の当てのない53世帯に対して6月にも家賃の2倍相当を損害金として請求すると表明しています。この中には、公営住宅に申し込んで何度も落選している人や病気で転居に耐えられない人などが多く含まれます。転居したくても転居できないでいる人たちです。
申し入れは、転居できない53世帯に対して請求書の送付を中止するよう県に指示することや、公営住宅などへの入居支援策を求めています。
日本共産党の岩渕友参院議員は申し入れと会見に同席し、「2倍請求など許されない。住まいの確保は国の責任でやるべきことだ」と述べました。申し入れには立憲民主、国民民主両党の国会議員も参加しました。