九電は7日、「九電グループ経営ビジョン2030」を発表し、管内の原発に関しては、「安全を大前提として原子力を最大限活用する」と明記しました。
しかし会見で九電の社長が「原子力はCO2を出さない」(ので地球温暖化を防止する)と述べたのは欺瞞の発言で、8日の記事「発電のCO2削減が喫緊課題 18年度エネルギー白書」でも触れた通り、原発は発電時にCO2を出しませんが、核燃料の採掘・精製そして使用済み核燃料の処理・処分において大量のCO2を出すだけでなく、熱効率が火力の半分近くなので、冷却水として使う海水を暖める効果が倍近くもあるので、温暖化の防止には寄与しません。
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九電、経営ビジョンで「原発最大限活用」を明記
佐賀新聞 2019年6月8日
九州電力は7日、2030年を見据えた経営の方向性を示す「九電グループ経営ビジョン2030」を発表した。玄海原発(佐賀県東松浦郡玄海町)を含む管内の原発に関しては、「安全を大前提として原子力を最大限活用する」と明記した。
経営ビジョンでは、再生可能エネルギーと原子力の活用や石炭、液化天然ガス(LNG)を燃料とする火力の高効率化を図るなどして二酸化炭素(CO2)の削減に貢献する方針も盛り込んだ。原発の安全安心の追求や、使用済み核燃料の貯蔵対策、廃炉措置などの課題を挙げ、「真摯(しんし)に向き合い、解決していく」とした。
池辺和弘社長は同日、福岡市で開いた会見で「原子力はCO2を出さないという意味で非常に有効な電源。そういう意味で原子力は大事だという強いメッセージとして(ビジョンの中に)出している」と述べた。コーポレート戦略部門の西山勝部長は「具体的に個別の原発をどうしていくかはその時々の状況で検討していくことになる」と説明した。