福島県富岡町教委は10日、東日本大震災と福島第1原発事故の複合災害の記憶と記録を伝承するため整備を進めているアーカイブ施設(3階建、延べ床面積約3500m2)の展示概要を明らかにしました。
町教委の学芸員は「震災前のこの土地の性格や特徴を紹介することで、震災と原発事故で地域がどう変わったのかを見てもらえる施設にしたい」と話しています。
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福島・富岡の変化紹介 町民体験映像や商店街の模型展示
来夏開館のアーカイブ施設概要発表
河北新報 2020年06月11日
福島県富岡町は10日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の複合災害の記憶と記録を伝承するため整備を進めているアーカイブ施設の展示概要を明らかにした。町議会全員協議会で町教委が説明した。
役場近くに建設中の地上3階の施設は延べ床面積約3500平方メートル。2021年夏の開館を予定する。
1階のエントランスでは町民の体験談を大型スクリーンによる映像で紹介するほか、昭和の商店街の模型などを展示。常設展示室では町の成り立ちや地域の特徴を紹介し、震災遺産などを並べる。2、3階には資料の収蔵庫を配置する。
常設展示では、浜通りの中でも政治や交流の拠点となってきた町の歴史やなりわい、衣食住や信仰、文化といった側面から地域特性を紹介。震災遺産は災害対策本部の再現や津波被害を受けたパトカー、地区ごとに異なる時間で止まった時計などを展示する。
町教委生涯学習課の門馬健主任学芸員は「震災前のこの土地の性格や特徴を紹介することで、震災と原発事故で地域がどう変わったのかを見てもらえる施設にしたい」と話した。
町は2017年3月に全国初の震災遺産保全条例を制定するなど、災害の記録を保存する取り組みに力を入れている。