2020年6月3日水曜日

原子力委 再処理工場でプルトニウムは必要な量だけ取り出しを

 別掲の記事の通り、再処理工場で仮にプルトニウムを年間7トン回収できたとしても、MOX燃料として消費できる分は年間2トンです。それでは年間にプルトニウムが5トン増えるので保有しているプルトニウムを削減するという国際公約に反します。
 再処理工場が、操業に必要な国の原子力規制委の審査に事実上合格したことを受けて、原子力委員会は、プルトニウムの保有量を増やさないために、原発で使うのに必要な量だけを取り出すよう求めました。
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原子力委 再処理工場でプルトニウムは必要な量だけ取り出しを 
NHK NEWS WEB 2020年6月1日
使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す青森県の再処理工場が、操業に必要な国の審査に事実上合格したことを受けて、原子力委員会は、プルトニウムの保有量を増やさないために、原発で使うのに必要な量だけを取り出すよう求めました
青森県にある再処理工場は、原子力発電所で使い終わった核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する、国の「核燃料サイクル政策」の要の施設で、事業者の日本原燃は2年後の本格操業を目指しています。

原子力規制委員会は、工場について事故対策などが新しい規制基準に適合しているとし、先月、事実上の合格を出しました。
これを受けて、プルトニウム利用など原子力政策の考え方を審議する原子力委員会は1日、会合を開き、プルトニウムの保有量を増やさないために、操業にあたっては原発で再利用するのに必要な量だけを取り出すよう、国や事業者に求めました。
プルトニウムの利用先は、本命だった高速炉の開発が「もんじゅ」の廃炉などで停滞しているほか、一般の原発で使う「プルサーマル発電」も計画どおりに進んでいません。
一方で日本の保有量は、2018年末の時点で国内外で46トン近くに上っています。

核兵器の原料にもなることから、日本は余剰なプルトニウムを持たないことを国際公約しています。