鹿児島県内の複数の首長が三反園知事から電話で知事選の票のとりまとめを依頼されたと証言しました。公選法は、特別職を含む公務員が地位を利用して選挙運動することを禁じています。
知事は22日の記者会見で、知事選(7月12日投開票)に絡み、県内の複数の首長に電話したことを認めた上で、集票の意図は否定しました。
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「鹿児島知事から集票依頼」複数首長が証言、三反園氏「誤解」と陳謝
西日本新聞 2020/6/2
鹿児島県の三反園訓(みたぞの・さとし)知事は22日の記者会見で、知事選(7月12日投開票)に絡み、県内の複数の首長が三反園氏から電話で票のとりまとめを依頼されたと証言したとの一部報道について、電話したことを認めた上で、集票の意図は否定した。「誤解を持って受け止めたということであれば、心からおわびしたい」と陳謝した。公選法は、特別職を含む公務員が地位を利用して選挙運動することを禁じている。
一部報道によると、複数の首長が「三反園氏から電話があり、地元が県に要望した事業を挙げながら票のとりまとめを依頼された」と証言。このうち1人の首長は、西日本新聞の取材に対し、6月14日昼すぎに電話があったと認めた。首長によると、携帯電話に未登録の電話番号から着信があり電話に出たところ、三反園氏だった。三反園氏は「今度の選挙であなたのところは半分とれそうにない。県内でも一番悪い状況だ」と強い口調で指摘。地元が県に要望した二つの事業を採択し、別の事業も行うと提示した上で「選挙では結果は数で出る。(票のとりまとめに)協力してください」と求めてきたという。
首長は「圧力」と感じ、すぐに発言をメモに残した。「知事の立場を利用して選挙協力を求めるのはおかしい」と語った。
三反園氏は会見で、首長への電話について「私の考え方、思いをお伝えした。報道にあった(集票依頼という)ことを意図していたわけではない」と説明。誤解を与えたとして陳謝した。
公選法に詳しい熊本大の鈴木桂樹教授(政治学)は「公共事業や補助金が選挙の票につながる構図はあるが、それをちらつかせて選挙協力を求めたのが事実ならば、あからさまだ。知事が『誤解を生んだ』とするなら、県民への説明責任を果たすべきだ」と話している。 (上野和重)