2020年6月16日火曜日

16- 帰還困難区域で空き巣400件超

帰還困難区域で空き巣400件超...54歳男供述「お金欲しかった」
福島民友 2020年06月16日
 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域の住宅などに侵入、空き巣を繰り返したとして、邸宅侵入や盗みなどの罪で起訴された広野町、無職、被告男(54)が、空き巣を400件以上繰り返したと供述していることが15日、双葉署への取材で分かった。同署と県警捜査3課は同日までに、邸宅侵入や盗みなどの疑いで地検いわき支部に追送致した。

 同署によると、被告は2017(平成29)年12月ごろから、主に富岡町内の帰還困難区域の住宅や病院などで盗みを繰り返した。同署は被告の自宅から、盗んだとみられる旧紙幣の500円札など現金約10万円と、切手やDVD、腕時計などの物品(90万円相当)を押収。被告は「お金が欲しかった」と供述しており、物品は転売目的で盗んだとみられる。

 被告は、復興関連事業に当たる電気工事作業員として、同町の帰還困難区域に頻繁に出入りしていたという。日中は仕事をしながら侵入する住宅の目星を付け、夜間に盗みを繰り返していたとみられる。ハンマーやドライバーなどで窓ガラスを割って侵入したケースが多いという。県警は、同日までに約400件の被害について裏付けを取ったとしている。
 被告は今年3月、同町内で盗み目的でマイナスドライバーを所持していたとして、ピッキング防止法違反の疑いで現行犯逮捕された。