田中復興相は2日の閣議後記者会見で、災害公営住宅を巡り、低所得者の家賃負担を軽くする「特別家賃低減事業」を21年度以降も継続する方針を明らかにしました。
ただ福島原発事故による避難者向けの復興公営住宅については、福島再生加速化交付金を活用し入居者の家賃負担を軽減しているため、制度の変更はないということです。
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災害公営住宅の家賃軽減「継続」 低所得者対象、21年度以降も
福島民友ニュース 2020年06月03日
田中和徳復興相は2日の閣議後記者会見で、東日本大震災の地震と津波の被災者が暮らす災害公営住宅を巡り、低所得者の家賃負担を軽くする「特別家賃低減事業」を2021年度以降も継続する方針を明らかにした。同事業は、本年度末で廃止される国の復興交付金を財源としていたため、被災地では制度の存続を求める声が上がっていた。
特別家賃低減事業の対象は、年間総所得から扶養控除額などを差し引いた平均月収が8万円以下の人。当初5年は家賃を低く抑え、およそ10年をかけて通常家賃に引き上げる制度で、本県ではいわき市の872世帯、南相馬市の223世帯、相馬市の187世帯などが対象になっている。
現在の制度は、県や市町村が住宅の管理を始めてから10年間が支援対象となっていた。しかし、災害公営住宅の完成時期は、地域の事情によって数年の開きが出ている。このため、完成が遅くなった住宅では、復興交付金が廃止された後の家賃減免の方向性が不透明になっていた。
復興交付金に代わる新たな支援の方法は今後、政府内で協議される見通し。
これとは別に、公営住宅の家賃負担を抑える制度として「家賃低廉化事業」がある。震災の被災地では復興交付金を活用して国費での支援を手厚くし、減免の補助率をかさ上げする枠組みが設けられている。復興庁は、この枠組みについても、管理を始めてから10年間は継続する方針だ。
田中氏は会見で「関係省庁と連携し、居住の安定に努めたい」と述べた。
一方、東京電力福島第1原発事故による避難者向けの復興公営住宅については、福島再生加速化交付金を活用し入居者の家賃負担を軽減しているため、制度の変更はない。