東海第二原発の再稼働の是非を問う住民投票の条例案について、県議会では18日、2つの常任委員会による「連合審査会」が開かれ、関係者の意見を聞いたあと委員会採決が行われ、賛成2(共産党・立憲民主)、反対9で否決されました。
結果は23日の県議会本会議に報告されそこで採決されますが、残念ながら否決される見通しです。
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原発住民投票条例案委員会で否決
NHK 茨城NEWS WEB0 2020年6月18日
現在開会中の茨城県議会に提案されている東海第二原発の再稼働の是非を問う住民投票の条例案について、県議会では18日、常任委員会の審査会で関係者の意見を聞いたあと委員会採決が行われ、反対多数で否決されました。
今月23日の県議会本会議でも否決される見通しで、住民投票は実施されない公算が大きくなっています。
東海村にある東海第二原発の再稼働の是非を問う住民投票の条例案は、市民グループが先月、条例の制定を求める文書と8万6000人余りの署名を県に提出したことを受けて、県が現在開会中の県議会に提出したものです。
18日は2つの常任委員会による「連合審査会」が開かれ、資源エネルギー庁や原子力規制庁の職員などを参考人として呼んで意見を聞きました。
この中では東海村の山田修村長も参考人として呼ばれ、条例案に関して「私自身が再稼働問題について住民の意向をどのように把握すべきか悩み、模索しているところなので、意見を直接申し上げることは差し控えたい」と述べたうえで、村では原発について住民が自由に意見交換できる会議を計画していることなどを説明しました。
また、市民グループの鵜澤恵一共同代表は「再稼働の問題は県民全員が当事者で、意思を表示する権利がある。より明確に民意をくみ取るための方法としての県民投票に焦点を当ててほしい」と訴えました。
このあとの討論では各会派が意見を述べ、県議会最大会派のいばらき自民党と県民フォーラム、公明党は条例案に反対、共産党と立憲民主党は賛成の立場を表明しました。
このあと、防災環境産業委員会で条例案の採決が行われ、賛成2人、反対7人の反対多数で否決されました。
18日の委員会採決の結果は今月23日の本会議で報告され、採決が行われますが、本会議でもいばらき自民党が過半数を占めているため否決される見通しで、住民投票は実施されない公算が大きくなっています。
条例案が委員会採決で否決されたことを受けて「いばらき原発県民投票の会」の徳田太郎共同代表は「審査会での説明も会派の意見表明に反映されなかったほか、基本的知識が抜けた議論でこれで採決するのかというほどレベルが低く、怒りも感じた。23日の本会議まで時間があるので次の一手を考えたい」と話していました。
条例案に反対した県議会最大会派のいばらき自民党の白田信夫議員会長は委員会採決の後、「会派内での勉強会を踏まえた結果で、われわれの意見が通ってよかった。来年は県知事選挙もある中で、この時点で住民投票により賛否を取ることを決めるのは反対だ」と話していました。