2020年1月31日金曜日

伊方原発トラブル“原因を公開の場で議論”と規制委員長

 愛媛県にある伊方原発3号機でトラブルが相次いでいることを受けて、規制委の更田委員長は、「それぞれのトラブルが、本来すべきことがなされずに起きたのか、偶発的な機器の故障によるものなのか、調べないといけない」として公開の場で議論していく考えを示しました。
 伊方原発に限らず東電の福島第一原発でもトラブルが相次いでいるので、「オープンな場」で検討することが原因の解明につながり、さらに再発防止への強い動機になることを期待します。
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伊方原発トラブル 原子力規制委員長 “原因を公開の場で議論” 
NHK NEWS WEB 2020年1月29日
愛媛県にある伊方原子力発電所3号機で、原子炉から制御棒を誤って引き抜くなどのトラブルが相次いでいることを受けて、原子力規制委員会の更田委員長は、一連のトラブルの原因を、公開の場で議論していく考えを示しました
先月から定期検査が行われている愛媛県伊方町の伊方原発3号機では、今月に入って原子炉の核分裂反応を抑える制御棒を誤って引き抜いたほか、設備の点検中に、一時すべての電源を失うなどのトラブルが相次いで起きています。

これについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、29日の記者会見で「それぞれのトラブルが、本来すべきことがなされずに起きたのか、偶発的な機器の故障によるものなのか、調べないといけない」と述べ、今後、四国電力の調査結果について、公開の場で議論していく考えを示しました。
そして、こうしたトラブルの背景について「現場の作業員の士気や、協力会社との連携の問題などがあると思う。四国電力にとって伊方原発3号機は唯一の原発であり、現場の経験や感覚などを身につけることが相対的に難しいこともあるだろう」と述べました。

そのうえで、現場の状況を確認するため、愛媛県に常駐する原子力規制庁の検査官に対して、聞き取りを行うことを検討していることも明らかにしました。

大飯原発 運転差し止め仮処分認めず 大阪高裁

 福井県にある大飯原発電34号機の運転を止める仮処分を求めた訴訟の二審で、大阪高裁は申し立てを退ける決定を出しました。
 焦点となった「基準地震動」算出する計算式の信頼性について、高裁は「実際に起きた4年前の熊本地震の解析で計算式の信頼性は裏付けられている」として申し立てを退けました。
 議論の詳細は分かりませんが、形式的に見ると、ここでも原告と規制委の間での議論について「規制委の判断が正しい」とするこれまでのパターンが繰り返されました。
 こうした問題で裁判官に本当に判断能力があるのかは大いに疑問ですし、裁判官に「疑わしきは安全側に」という考え方がないことも不思議です。
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大飯原発の運転差し止め求めた仮処分認めず 大阪高裁 
NHK NEWS WEB 2020年1月30日 
福井県にある関西電力・大飯原子力発電所の3号機と4号機の運転を止めるよう、京都府の男性が求めた仮処分について、大阪高等裁判所は申し立てを退ける決定を出しました
福井県おおい町にある大飯原発3号機と4号機について、隣接する京都府南丹市の男性は3年前、「巨大地震に対する安全性を欠いている」として運転しないよう求める仮処分を大阪地方裁判所に申し立てましたが、去年3月に退けられたため、大阪高等裁判所に即時抗告していました。

改めて行われた審理では、大飯原発で想定される最大規模の地震の揺れ、「基準地震動」の大きさを算出するのに使われた計算式の信頼性が焦点になりました。
30日の決定で、大阪高裁の山下郁夫裁判長は「実際に起きた4年前の熊本地震の解析で計算式の信頼性は裏付けられており、この計算式を用いることが安全性の基準として現在の科学的・技術的知見に照らして合理性を欠くとはいえない」として、男性の申し立てを退けました。

大飯原発3号機と4号機は、原子力規制委員会の審査に合格して、おととし再稼働し、営業運転が行われています。

31- 福島原発2号機の原子炉建屋内を調査

原子力規制委 福島第一原発2号機の原子炉建屋内を調査 
NHK NEWS WEB 2020年1月30日
原子力規制委員会による東京電力福島第一原子力発電所の事故の調査で、30日、2号機の原子炉建屋内の汚染状況を調べる作業が行われ、ロボット操作の様子などが公開されました
原子力規制委員会は、福島第一原発の現場の放射線量が低減したことなどを受けて、去年10月から事故の詳しい状況や原因を分析する調査を再開しています。

30日は、9年前の事故で核燃料が溶け落ちるメルトダウンを起こした、2号機の原子炉建屋の最上階のフロアの調査が行われ、報道陣に公開されました。
現場は放射線量が高いため、人が立ち入る代わりにロボットが投入されました。
操作は離れた場所にある免震重要棟から遠隔で行われ、放射線量を測る機器を付けたロボットが原子炉が真下にある床面の上を移動しながら汚染の状況を調べていました。

2号機は、事故で放射性物質を含む気体が大量に放出されたとみられていますが、どのような状況で、どこから外に漏れ出したのかなど詳しいことはわかっていません
原子力規制庁の金子修一審議官は「網羅的な測定ができ、分析に十分なデータがそろったと思う。調査の結果は事故分析の一助にするとともに使用済み燃料の取り出しなど廃炉に必要な作業での被ばく対策にも役立てたい」と話していました。
規制委員会は、一連の調査の結果をことし中に報告書としてまとめる方針です。

2020年1月30日木曜日

政府追悼式終了へ】原発事故風化を懸念

 政府は東日本大震災の起きた311日に毎年主催してきた追悼式を、発生から10 年となる2021年を最後に打ち切る方針を固めました。
 福島民報が、式の取りやめにより事故の風化が進まないか強く懸念するとする社説を出しました。
 政府関与がなくなれば一地方の追悼行事と見なされ、国民の関心薄まる可能性は大です一方県民の中には、全国で毎年のように大災害が起きる現状から、打ち切り方針に理解を示す人がいて、県民感情は揺れ動いているということです。
 3・11事故といわれるものは単なる自然災害でなく、事実上国策で推進されてきた原発が過酷事故を起こしたという人災の側面を持つものです。

 社説は、政府今後も原発事故復興の前面に立つというのであれば、福島市で毎年催される県主催の追悼式典に共催し、三権の代表が出席するくらいの覚悟と決意を示し原発事故を猛省し、教訓と復興の進み具合を発信するという率先垂範の姿勢を望むとしています政府は重く受け止めるべきです。 
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論説 【政府追悼式終了へ】原発事故風化を懸念
福島民報 2020/01/29
 政府は東日本大震災の起きた三月十一日に毎年主催してきた追悼式を、発生から十年となる二〇二一(令和三)年を最後に打ち切る方針を固めた。東京電力福島第一原発事故の現場である福島県にとっては、犠牲者を悼み、災害の教訓を伝えるのに加え、事故と復興の現状を全世界に発信できる得がたい機会でもある。式の取りやめにより風化が進まないか。強く懸念する。

 菅義偉官房長官は「十年は一つの節目だ。政府として十年まではしっかり主催し、後についてはその時の状況を勘案しながら決めていくのが自然ではないか」と述べた。節目とする理由は、いまひとつ判然としない。政府の判断がどうして「自然」なのか説明がないのも引っ掛かる。 
 地元主体への切り替えを求める声が出ている点も理由に挙げたが、東北の被災三県の自治体は既に主体的に実施している。政府関与がなくなることで一地方の追悼行事と見なされ、国民の関心はさらに薄まりかねない。 
 県民の受け止めは分かれている。「国民の震災の記憶が風化し、防災への意識が薄れていく」「帰還困難区域が残るうちは縮小しても式典をやめるべきでない」など政府の継続主催を望む声が上がる。一方、全国で毎年のように大災害が起きる現状から、打ち切り方針に理解を示す人がいる。県民感情は揺れ動いているのが実情ではないか。

 東京で行われている政府追悼式には皇嗣[こうし]秋篠宮ご夫妻のほか、首相、衆参両院議長、最高裁長官ら三権の長、各国政府関係者らが例年出席している。注目度は高い。被災地の代表者が犠牲者への思いや復興への決意を語る場面は毎年胸を打つ。誤解が残り、農作物などへの風評も根強い福島県にとって、強い発信力を持つ式の意義は大きいはずだ。 
 所管する内閣府は本紙の取材に対して「福島の復興を全力で推し進めていく考えに変わりはない」と強調した。十一年に当たる二〇二二年以降の在り方は「地元自治体や被災者の声に耳を傾けながら検討していく」と答えた。

 政府は今後も原発事故復興の前面に立つと約束している。ならば、福島市で毎年催される県主催の追悼式典に共催し、三権の代表が出席するくらいの覚悟と決意を示してほしい。原発事故を猛省し、教訓と復興の進み具合を発信する率先垂範の姿勢を望む。 
 福島県にとって震災と原発事故は過去の出来事ではなく、今なお進行中だ。県民に寄り添った判断を求める。風化や風評の拡大を招く対応は絶対に許されない。(鞍田 炎) 

30- 高浜原発3、4号機が停止へ テロ対策施設の設置遅れ

 関西電力は29日、テロ対策施設の設置の遅れから高浜原発3、4号機を8月と10月にそれぞれ停止すると正式に発表しました。
 九州電力川内原発1、2号機に続き全国2例目です
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高浜原発3、4号機が停止へ テロ対策施設の設置遅れ
福井新聞 2020年1月29日
 関西電力は29日、テロ対策施設の設置の遅れから高浜原発3、4号機(福井県高浜町)を8月と10月にそれぞれ停止すると正式に発表した。テロ対策施設の完成遅れにより原発を停止するのは九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続き全国2例目。代替とする火力発電の燃料費がかさみ経営への打撃となる。
 施設は「特定重大事故等対処施設」(特重施設)で、航空機衝突などに備えた緊急時制御室や予備の電源、冷却ポンプなど。東京電力福島第1原発事故を教訓に設置が義務化された。規制委は設置期限の約1週間前までに完成しなければ運転停止を命じる方針を決めていた。

2020年1月29日水曜日

社説 伊方トラブル 原発を扱う適格性を問う

 伊方原発は、全電源の停電(短時間)を起こしたり、核分裂を抑える制御棒1本(全数は48本)を7時間にわたって引き抜いたなどの重大な事態につながりかねないトラブルを重ねています。
 高知新聞が「原発を扱う適格性を疑う」とする社説を掲げました。
 これまで東電に対しては適格性を疑う指摘が繰り返されてきましたが、その疑問はどうも電力会社一般に向けられるべきもののようです。しっかりして欲しいものです。
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社説 【伊方トラブル】原発を扱う適格性を問う
高知新聞 2020.01.28
 定期検査中だった四国電力伊方原発3号機でトラブルが相次いでいる。ほぼ全ての電源を一時的に喪失したほか、原子炉内の制御棒が誤って引き抜かれるなど重大事態につながりかねないものばかりだ。
 3号機は広島高裁が運転差し止めの仮処分を決定。四電は不服申し立てを行う方針だが、トラブルを受けて当面見送る。当然である。原因究明と再発防止の徹底なしに運転再開は認められない

 25日に発電所内が一時停電。非常用ディーゼル発電機が起動するなどして約10秒後に復旧した。「全電源喪失」は東日本大震災の際、津波に襲われた福島第1原発で三つの原子炉の炉心溶融(メルトダウン)につながった。短時間とはいえ、伊方でも全電源喪失が起きたことはショッキングである。
 12日には原子炉内の制御棒48体のうち1体が誤って約7時間、引き抜かれた。核燃料を取り出すため、原子炉格納容器の燃料固定装置上部をクレーンで引き上げようとして、一緒につり上がったという。制御棒は核分裂を抑える重要な装置であり、あってはならないミスである。
 20日にも使用済み核燃料プール内で、燃料の落下を示す信号が発信されている。実際に落下はなく、点検装置に正しく挿入されなかったためとみられている。

 いずれも外部への放射能漏れなどはなかった。しかし原子力規制委員会は、制御棒引き抜きについて「軽微とは思い難い。四電の捉え方、深刻度が軽すぎるのではないか」と指摘している。短期間に立て続けにトラブルが起きた背景に、緊張感を欠いた四電の姿勢があるのだとしたら問題の根は深い。
 伊方3号機は、原発から出る通常の使用済み核燃料を加工した「プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料」を使うプルサーマル発電を行っている。今月、使い終わったMOX燃料を全国で初めて取り出したが、制御棒トラブルはその準備作業中に起きた。
 安全の上にも安全が要求される原子力を扱う事業者として、四電の適格性が問われる事態と言わざるを得ない。

 広島高裁の仮処分決定に対する不服申し立ての時期について、四電の長井啓介社長は「だらだらと引き延ばすことは考えていない。(決定に)問題点があれば、当然異議を主張していくべきだ」とする。だが停電の原因さえ分かっていない現状で運転再開を焦っても、地元や国民の理解は得られない。
 なぜトラブルが続くのか。原発に携わる社員の労務管理は適切か。安全意識は徹底されているのか。しっかり検証し、説明責任を果たさなければならない。
 ひとたび事故が起きれば本県への影響も甚大だ。県と四電との勉強会は、2018年2月以来開かれていない。これを再開するなどして県は伊方原発に関する情報を収集し、県民に伝えるべきである。

東海第2原発 安全対策工事22年12月までに、

 日本原子力発電は28日、東海第2原発の安全対策工事の終了時期を、21年3月から22年12月まで延期すると原子力規制委員会に届け出たと発表しました。
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東海第二原発の再稼働 2022年12月以降の見通し
TBSニュース 2020年 1月28日
 首都圏で唯一の商業炉「東海第二原発」の再稼働が、早くても2022年12月以降になる見通しとなりました。安全対策工事に時間がかかるためです。
 東海第二原発の周囲30キロ圏内には、およそ94万人が暮らしています。おととし11月に20年の運転延長が認められましたが、日本原電は28日、工事計画の変更を原子力規制委員会に届け出るとともに、茨城県や東海村などの関係自治体に報告しました。

 防潮堤などの安全対策工事の終了時期を当初予定の2021年3月から1年9か月遅らせ、2022年12月に変更したということです。防潮堤や電源工事など大規模工事の時期がぶつからないように調整した結果、工事期間が延びたということです。
 実際に再稼働するには地元自治体の同意が必要で、日本原電は「再稼働の時期は未定」としていますが、再稼働は早くても安全対策工事が終わる2022年12月以降になります。日本原電は、「安全第一に工事を進め、地元の理解を積み重ねていきたい」と話しています。

下北地域4市町村が核燃税25%程度の配分を要請

 青森県下北地域の4市町村長28日、三村知事に対し再処理工場立地に伴う交付金を立地地域と周辺11市町村に25%程度を配分するよう要請しました。
 現行は税収の18%か30億円のいずれか低い額が配分されているのに対して、配分の比率を高め30億円の上限を撤廃するというものです。
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核燃税25%程度の配分を 下北地域4市町村が青森県に要請
産経新聞 2020年 1月28日
 原発関連施設が立地する青森県下北地域の4市町村長が28日、三村申吾知事に対し、県核燃料物質等取扱税(核燃税)交付金を立地地域と周辺11市町村に25%程度を配分するよう要請した。核燃税の配分割合に関し、県と立地地域の議論は平行線をたどっているが今後、協議の場を設ける。
 核燃税の配分に関し県は、税収の増減に左右されない安定的な制度を目的に、税収の18%か30億円のいずれか低い額の算定方法を今年度から30億円以内の定額に変更。4市町村は税収が上がれば配分額も増える仕組みに見直すべきと主張し、再三にわたって30億円の上限撤廃を要請してきた。
 同日の要請でも県と立地自治体の考え方の溝は埋まらず、4市町村が副知事を交えた協議の場を設置するよう求め、三村知事も前向きな考え方を示した。
 25%の根拠について、むつ市の宮下宗一郎市長は、同様の課税を行っている全国の自治体の平均値と立地自治体の財政状況を勘案したことを説明。協議の場設置に関し「一歩前進。良い方向に持っていきたい」と語った。

29- 瑞浪超深地層研の坑道埋め戻し2月から開始

超深地層研の坑道埋め戻し 2月から、22年1月までに
岐阜新聞 2020年01月28日
 日本原子力研究開発機構東濃地科学センター(岐阜県土岐市泉町)は27日、運営する瑞浪超深地層研究所(瑞浪市日吉町)の坑道埋め戻しを2月上旬から始める、と発表した。
 瑞浪市との土地の賃貸借契約期間の2022年1月までに、深さ500メートルの縦坑2本を埋め戻し、管理棟などの地上施設を撤去する。坑道掘削時の土砂など3万6千立方メートルを使い埋め戻す。一部コンクリートも使用する。
 その後、賃貸借契約を改めて結び、機器を置き、地下水の水圧、水質などの環境モニタリング、研究所周辺の環境影響調査を27年度まで継続。同年度末までに調査を全て終え、整地して返却する。
 当初、22年1月までにすべての施設を撤去し、引き揚げる計画だったが、同機構は昨年、モニタリングの継続などを盛り込んだ工程案を市や県などに提示し、今月24日、決定した。

2020年1月28日火曜日

伊方原発 運転できない状態が長期化か 四電 異議当面見送り

 四国電力の長井啓介社長は27日、伊方原発で一時電源を喪失するなどトラブルが相次いでいることを受け、愛媛県庁で中村時広知事に謝罪し、広島高裁の伊方3号機運転差し止め仮処分決定に対して、「決定に問題があるという思いは今でも変わらない」と述べる一方で、不服申し立てについて当面見送る方針を示しました。
 伊方原発3号機は運転できない状態が長期化する可能性が出ました。
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伊方原発 運転できない状態が長期化か 四電 異議当面見送り 
NHK NEWS WEB 2020年1月27日
愛媛県にある伊方原子力発電所で重大なトラブルが相次いでいることを受けて、四国電力は、今月、広島高等裁判所が出した3号機の運転を認めない仮処分の決定について、異議の申し立てを当面見送る異例の対応を取ることを明らかにしました。異議を申し立てる方針自体は変わらないとしていますが、伊方原発3号機は運転できない状態が長期化する可能性が出てきました。

伊方原発3号機をめぐっては山口県の住民が運転しないよう求める仮処分を申し立て、今月17日に広島高等裁判所が地震や火山の噴火によって住民の生命や身体に具体的な危険があるとして運転を認めない決定を出しました。決定の効力は山口地裁岩国支部で審理されている正式な裁判の判決が出るまでの間ですが、伊方原発3号機は定期検査が終了することし春以降も運転できない状態になりました。

四国電力は当初、速やかに異議を申し立てる方針でしたが、伊方原発で作業中にすべての電源を一時喪失して停電するなど重大なトラブルが相次いでいることから、四国電力の長井啓介社長は異議の申し立てを当面見送る異例の対応を取ることを明らかにしました。長井社長は27日午前、報道各社に対し「今は異議を申し立てる状況ではない」と述べました。
異議の申し立てに期限はなく、四国電力は異議を申し立てる方針自体は変わらないとしていますが、時期については相次ぐトラブルの原因究明や安全対策を進めていく中で検討していくとしています。
これによって伊方原発3号機は運転できない状態が長期化する可能性が出てきました。

住民の弁護団「異議申し立てできないはず」 
四国電力が異議の申し立てを当面見送る方針を示したことについて住民の弁護団の中村覚弁護士は「トラブルとは関係なく裁判所が決定した内容を真摯(しんし)に受け止めれば異議の申し立てはできないはずだ。四国電力は、裁判所に指摘された地震や火山の安全性について対応ができるまで原発の運転再開はしないでもらいたいし、異議の申し立てもしないでほしい」と話しています。

専門家「なぜトラブルが相次ぐか不思議 幅広い調査が必要」 
伊方原子力発電所で定期検査中のトラブルが相次いでいることについて、旧原子力安全・保安院で検査を担当するなど原子力の安全性に詳しい政策研究大学院大学の根井寿規教授は、四国電力はこれまでトラブルが少なかった電力会社の1つだったとして「トラブルが起きた作業はこれまでも定期検査で実施してきたものでもあり、なぜ今回、トラブルが相次いでいるのか正直、不思議だ」と話しています。

そのうえで「それだけに、さまざまな観点から理由を慎重に見ていく必要がある」と述べ、担当者の世代交代や人材育成、1号機、2号機で進む廃炉に関わる作業との兼ね合いなどを含めて、幅広い調査の必要性を指摘しています。

「核燃料への課税、市民と議論を」と青森・むつ市で集会

 むつ市中間貯蔵施設建設中に搬入される使用済み核燃料への課税を考える集会が25日同市であり、青森県の核燃税収入が立地地域の経済にあまり貢献していない実態を踏まえ「新税創設の是非を市民を交えて議論すべきだ」との意見が出されました
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「核燃料への課税、市民と議論を」青森・むつで原発マネー考える集会
河北新報 2020年01月26日
 青森県むつ市に建設中の中間貯蔵施設に搬入される使用済み核燃料への課税を考える集会が25日、市内であり市民ら約30人が参加した。原子力に反対する市民団体が主催した。
 核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団の山田清彦事務局長が「原発マネーと地域経済」と題して講演。青森県の核燃税収入が立地地域の経済にあまり貢献していない実態を踏まえ「新税創設の是非を市民を交えて議論すべきだ」と訴えた。
 青森市の大竹進医師は「市が計画する病院の建て替え費用は、核のごみではなく、ほかに財源を求めるべきだ」と話した。
 市は中間貯蔵施設に搬入される核燃料1キロ当たりに1300円を課税する条例案を近く議会に提出する方針。

伊方電源喪失、電気回路の一部で故障確認

 四国電力は27日、伊方原発の電源が一時喪失したトラブルに絡み、給電用送電線につながる電気回路の一部で故障を確認したと明らかにしましたが、トラブルの原因になったかどうかは不明でさらに詳しく調べるということです
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伊方、電気回路の一部で故障確認 25日の電源喪失トラブル
共同通信 2020/1/27
 四国電力は27日、伊方原発(愛媛県伊方町)の電源が一時喪失したトラブルに絡み、原発に電気を供給する送電線につながる電気回路の一部で故障を確認したと明らかにした。トラブルの原因になったかどうかは不明で、さらに詳しく調べる。
 四国電によると、停電は伊方原発3号機で定期検査中の25日午後に発生。原発に電気を供給する送電線の部品の取り換え作業中、異常な電流が流れた場合に電気を遮断する装置が作動した。送電線につながる四つの電気回路のうち一つから、通常は発生しない放電に伴うガスが検出された。遮断装置の作動との関連を調べる。

28- 玄海町長は「進退判断を」 現金受領問題で町議会議長

 佐賀県玄海町の脇山町長が福井県敦賀市の建設会社から現金100万円を受領した問題を受け、玄海町議会の議長は27日、「町の信頼を失墜させた責任は重大だ。重く受け止めて進退を判断してほしい」と述べました。
 町長は報道陣の取材に「進退は後援会長に委ねている」と話しました。
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玄海町長は「進退判断を」 現金受領問題で町議会議長
共同通信 2020/1/27
 佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長(63)が福井県敦賀市の建設会社「塩浜工業」側から現金100万円を受領した問題を受け、町議会の上田利治議長(68)は27日、非公開の全員協議会の後、「町の信頼を失墜させた責任は重大だ。重く受け止めて進退を判断してほしい」と述べた。脇山町長は報道陣の取材に「(進退は)後援会長に委ねている」と改めて話した。
 玄海町と上田議長によると、全員協議会には、議員9人中8人が出席。脇山町長が1年半近く現金を自宅で保管していた対応を巡り「説明責任を果たすべきだ」などと追及する意見が上がった。擁護する声もあったという。

2020年1月27日月曜日

伊方原発で一時電源喪失 放射性物質漏れはなし

 愛媛県伊方原発で25日、1~3号機が停電するトラブルがあり非常用発電機が作動して3秒(1・2号機)~10秒(3号機)後には復電しました。
 比較的早急に停電から復帰することが出来たのにはそれなりの意義がありますが、短時間とはいえ全系統が停電したのは重大なことで、四国電力原因が分かるまで定期検査を中断したのは当然でした。

「くろねこの短語」氏と「日々雑感」氏が厳しく糾弾するブログを発表しました。
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伊方原発が全電源喪失!! 福島第一原発の悪夢がよぎる!!

くろねこの短語 2020年 1月26日
 いやはや、恐ろしい事態になっていたものだ。なんと、伊方原発が一時的とは言え全電源喪失したってね。伊方原発では先週も制御棒を誤って抜くなどのトラブルが起きていて、改めて広島高裁の再稼働差し止め判決の正当性が証明されたようなもんなんだね。
 「全電源喪失は起こらない」と何の根拠もなしに国会で答弁した初老の小学生・ペテン総理の浅墓あさはかさが思い出されるんだが、おそらくこの国の原発は極めて危険な状態にあるってことだ。なんてったって、原子力緊急事態宣言はいまだに解除されていないのだ
 四国電力は、「停電は送電線の部品の取り換え作業中に発生。送電線を保護するため異常な電流が流れた場合に電線を遮断する装置が作動し、停電が起きた」と説明しているようだが、まだ詳細は不明とか。地震や津波といった自然災害だけではなく、ヒューマンエラーだって原発にとっては脅威なんだよね。

 福島第一原発のような過酷事故が起きたら、人間にはどうやったって制御できないんだから、とにかくすべての原発を一刻も早く廃炉にすること。そして、自然エネルギーへの転換をスピーディーに進めること。東京オリ・パラを前にして、やたら復興五輪の掛け声が喧しくなっているけど、そんなお祭り騒ぎに惑わされてはいけない・・・てなことを我が家のドラ猫に言い聞かせる雨模様の日曜の朝である。


未来の日本国民に対する現在を生きる日本国民の義務とは。
日々雑感 2020/01/26
「テレビ愛媛」より引用記事  省略

「県と四国電力などによりますと、伊方3号機の定期検査で25日午後3時44分、送電線内で異常を検知した際に電流の遮断機を作動させる装置の交換作業中、この装置が作動し送電が遮断されました」という。総電源喪失、といえば福一原発の水素爆発事故を想起させる。
 伊方原発はつい先日広島高裁で原発稼働停止の訴えが受け入れられ、四国電力は直ちに抗告している。しかし定検の最中に燃料棒を誤って引き抜くなどのトラブルが起きていた。今度は総電源喪失があったという。
 その送電線は廃炉作業を進めている1号機と2号機にもつながっていて、一時的に発電所内のほぼ全ての電源が喪失した、という。直ちに復旧して問題はなかった、と四国電力はしているが、一時的であれ総電源喪失は重大事故だ。
 廃炉に向けて作業をしている、というが1号機と2号機にも大量の使用済み核燃料が保管されている。それらは燃料プールに保管されていて、絶えず水を循環させて冷却し続けなければならない代物だ。

 「四国電力は伊方3号機でトラブルが続いているため、定期検査の全ての作業を当面見合わせるとしています」と公報しているが、当分の間とはいつまでか、その間に何がどうなって定検作業を再開するのか。
 停止判決が出たのだから、四国電力は定検ではなく、3号機も廃炉へ向けての作業に切り替えるべきではないか。
 原発事故は危機的な事態を広範囲に及ぼす。日本中の原発は直ちに停止して、廃炉へ向けて取り組むべきではないか。それでも日本の国土と国民が放射能を被爆する危険性が完全に除去されるわけではない。ただ放射能汚染から国土と国民を守る第一歩に過ず、これから数万年を要する放射能の半減期へ向けて確実に国土と国民を守る作業の出発点に立つことだでしかない。しかし出発点にすら立っていない現状と比べれば、大きな第一歩となることは間違いない。それは未来を生きる日本国民に対する現在を生きる日本国民の義務である


伊方原発で一時電源喪失 放射性物質漏れはなし 
NHK NEWS WEB 2020年1月26日
愛媛県伊方町にある伊方原子力発電所で25日、停電するトラブルがありました。非常用の発電機が作動するなどしたため、放射性物質が漏れるなどの影響はありませんでしたが、四国電力は原因が分かるまで定期検査を中断することにしています。

四国電力や愛媛県によりますと、25日午後3時40分ごろ、伊方原発で停電が起きるトラブルがありました。
すぐに非常用の発電機が作動するなどしたため、停電は解消しましたが、廃炉作業が行われている1号機と廃炉が決まっている2号機は3秒程度、定期検査中の3号機は10秒程度電源を喪失したということです。

このトラブルで、核燃料の冷却に問題はなく、放射性物質が漏れるなどの影響はありませんでした。
非常用発電機が作動したのは、記録が残っている平成11年以降初めてだということです。
当時、3号機では外部から電気の供給を受ける2系統の送電線のうち、バックアップ用の系統の安全装置に異常が無いか点検が行われていて、突然、電気が遮断されたということです。
1号機と2号機もこの系統で外部から電気の供給を受けていたため停電につながったということで、四国電力は原因を調べています。

伊方原発では、ことしに入ってから、3号機で核分裂反応を抑える制御棒が誤って引き抜かれるなど重大なトラブルが相次いでいて、事態を重く見た四国電力は、3号機の定期検査を中断することにしています。

大崎市の汚染廃焼却説明会 議論が平行線

 宮城県大崎市は25日、汚染廃棄物を焼却する計画について説明会を開きましたが、反対する住民が相次いで発言し議論は平行線をたどりました。
 市民からは焼却によって放射性セシウム等が拡散することを問題視する発言が多く出たのに対して、市側はフィルターの除去性能999%以上だと説明しました。
 本当に排ガスから999%以上が除去出来るのか、またその除去率でいいのかについて市民が納得できるように説明すべきです。
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宮城・大崎の汚染廃焼却説明会 市と反対派の議論平行線
河北新報 2020年01月26日
 宮城県大崎市は25日、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の農林業系汚染廃棄物を焼却する計画について、全市民を対象とする説明会を市役所で開いた。反対する住民が相次いで発言し、議論は平行線をたどった
 焼却施設などを運営する大崎地域広域行政事務組合と共催し、住民約50人が参加した。
 同市と美里、涌谷両町で保管する3590トンを三つの焼却施設で一般ごみと混ぜて焼く計画に対し、住民の一人は「焼くのではなく厳重に隔離して保管するべきだ」と主張した。
 市環境保全課の担当者は「廃棄物は腐敗が進み長期保管は難しい。一時保管に協力する農家の負担も大きい」と理解を求めた。
 説明役として環境省環境再生・資源循環局の新崎晃参事官補佐らが同席。焼却施設で排ガスから放射性物質を取り除くフィルターの性能を疑問視する声に新崎氏は「99.9%以上の捕捉率がある」と語った。
 三本木の最終処分場周辺に住む住民は「一般ごみと混ぜて焼けば焼却灰の容量がオーバーするのでは」と疑問を投げ掛けた。事務組合の担当者は「埋め立てに十分な用地が確保されている」と答えた。
 市は2月定例議会で焼却に向けた関連予算を提案し、2020年度の焼却開始を目指す。仙台地裁では反対派住民によって公金支出の差し止めを求める訴訟が続いている。