2019年2月28日木曜日

汚染土利用反対で署名提出 南相馬市長に3055人分

「事故でさんざん苦しんだのに、なぜ汚染土を福島で使うのか」
 
 福島原発事故に伴い福島県内の除染で出た汚染土を、同県南相馬市の常磐自動車道の盛り土に使う環境省の計画について、地元住民らが27日、3055人分の反対署名を門馬和夫市長に提出しました。署名では「故郷を放射能の最終処分地にすることは許されない」と主張しています
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汚染土利用反対で署名提出、福島 南相馬市長に3055人分
共同通信 2019年2月27日
 東京電力福島第1原発事故に伴い福島県内の除染で出た汚染土を、同県南相馬市の常磐自動車道の盛り土に使う環境省の計画について、地元住民らが27日、3055人分の反対署名を門馬和夫市長に提出した。署名では「故郷を放射能の最終処分地にすることは許されない」と主張している。
 
 同省は汚染土の最終処分量を減らすため、放射性物質の濃度が一定以下のものを公共工事に使う方針で、常磐道では4車線化工事の盛り土に使う。表面を通常の土で覆う計画で、安全性に問題はないとしている。
 門馬市長と面会した住民らは「事故でさんざん苦しんだのに、なぜ(汚染土を)福島で使うのか」と訴えた。

電源交付金10億円「前借り」 青森・東通村 東電原発完成遅れで

 青森県東通村26日、電源立地地域対策交付金の一部となる10億円を2019年度に前倒しで受け取ることを明らかにしました。建設中の東電東通原発完成のめどが立たず、村は当てにしていた歳入がなく村政に支障が出るとして特例適用を申請したものです
 いわば原発立地の危険手当的に潤沢な交付金が出るため、立地自治体の財政が交付金依存型になるのは宿命と思われます。
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青森・東通村に特例10億円 電源交付金工事中断で救済
   河北新報 2019年2月27日
 青森県東通村は26日、国の特例措置を使い電源立地対策交付金10億円を受け取ること明らかにした。東京電力東通原発の工事中断による村の財政難への救済措置の一環
 同原発の電源立地対策交付金のうち「長期発展対策交付金」の一部相当分が対象。本来は発電所が営業運転を始めた翌年度から、廃炉までの期間で受け取る。交付規則が定める特例にのっとり、経済産業相の判断で前倒しする形で受領する
 
 村は10億円を2019~21年度の3年で使う予定。消防の人件費やごみ収集事業、村費で雇っている教員の人件費に充てる
 東電東通原発は11年1月に着工。福島第1原発事故を受け、工事が中断した。当初計画は17年度に営業運転が始まり、村は18年度に約50億円の固定資産税を受け取る見込みだった。
 村は工事中断と東北電力東通原発の再稼働が遅れている影響で厳しい財政状況に陥っている。国に新たな交付金を創設するよう要望活動を続けていた。
 
 
電源交付金10億円「前借り」 青森・東通村、東電原発完成遅れ
共同通信 2019年2月26日
 青森県東通村で建設中の東京電力東通原発を巡り、同村は26日、電源立地地域対策交付金の中で、運転開始後の受領が原則のものから、一部となる10億円を2019年度に前倒しで受け取ると明らかにした。同原発は完成のめどが立たず、村は当てにしていた歳入がなく村政に支障が出るとして、国に財政支援を要望。国は同交付金交付規則の特例を適用する。
 
 村によると、受け取るのは交付金のうち「長期発展対策」相当分。村は19~21年度に分けて支出する。東通原発は当初17年度の完成予定で、村は18年度から固定資産税と交付金を受け取れると見込んでいた。

28- <原発のない国へ 事故8年の福島>(1)募る望郷、戻らぬ暮らし

 史上最悪の原発事故からまもなくになります
 東京新聞が、避難を強いられた人たちの暮らしぶりを示すデータとともに、福島の今を追うシリーズを始めました。
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<原発のない国へ 事故8年の福島> (1)募る望郷、戻らぬ暮らし
東京新聞 2019年2月27日
 「原発から遠い方がいい。逃げてきて」。二〇一一年三月十二日午後、福島県田村市都路(みやこじ)町の浅田正文さん(77)は金沢市の知人から、こんな電話を受けた。大きな揺れで自宅の屋根や水道管が壊れたものの、東京電力福島第一原発からは約二十五キロある。まさか…。「大丈夫」と答えた。
 大手食品会社を退職後、半自給自足の生活を目指して東京都内から移り住んだ土地。見た目には、雪が残る山々に囲まれたいつも通りの景色が広がり、原発事故の影響は何も感じられなかった。
 
 夜八時半ごろになって、各戸にある防災無線で、市長が避難指示を出したと知る。「これは大ごとだ」。軽自動車にはガソリンが半分しかなかったが、お金と寝袋、水と菓子を詰め込んだ。二、三日のことと着替えは持たず、妻の真理子さん(69)と共に、約五百キロ離れた金沢の知人宅を目指した。いつ終わるか知れぬ避難の始まりだった
 会津若松市のビジネスホテルに一泊。幸運にも二千円分だけ給油でき、十三日夕、知人宅にたどり着いた。原発の危機的な状況をニュースで知り、避難が長くなることを覚悟した。
 
 翌四月、線量計を持って一時帰宅した。国の長期目標が毎時〇・二三マイクロシーベルトなのに対し、家の中で〇・四マイクロシーベルト、近くの杉林では五マイクロシーベルト。放射能汚染は、丹精込めてきた田畑や周囲の里山に確実に及んでいた。
 あれから、八年。金沢市郊外に民家と畑を借り、小規模ながら農業を再開した。年に三回ほどは都路に帰り、家や田畑を荒らさないよう手を入れてきた。
 「都路での生活は夢のようだった。自然と一体の暮らし、寒さに耐えて春を迎えた感動は忘れられない。土はよく肥え、作物も格別。事故前と同じ気持ちでいられるのなら、帰りたい」
 元の暮らしへの愛情が募る。避難後、本紙「平和の俳句」に、穏やかな生活の尊さを詠んだ。
     千枚の青田に千の平和あり
 
 自宅周辺の放射線量は半分以下に減った。それでも、帰る決断ができない。
「(放射能汚染で)キノコも山菜もだめ。線量がどうとか、そんなことを考えながらの暮らしは楽しくない。集落の人たちと元の付き合いができるかどうか、自信もない。まさに、国富の喪失だ」 (山川剛史)
 史上最悪の原発事故からまもなく八年。避難を強いられた人たちの暮らしぶりを示すデータとともに、福島の今を追う。
 
◆移住1万5000件に迫る
 避難した住民が、避難先などで住宅や土地を購入すると、特例で不動産取得税を軽減される。本紙は主な避難先の12都道県に特例の適用件数を問い合わせ、事実上の移住の件数を調べてきた。毎年2000~3000件ペースで増加し、2018年末時点では1万5000件近くに達した。
 一方、避難指示が解除された自治体で暮らす人は依然少ない。19年1月1日時点で、放射能の汚染度が比較的低い楢葉町では、原発作業員らの転入も含めた居住者数が住民登録者の半数、浪江町や富岡町では1割に満たない解除が早かった田村市都路町では、9割近くまで回復した

2019年2月27日水曜日

「原発は安価」は虚構の試算で根拠なしと山添議員(共産)追及

 政府が出した原発の発電コストが相対的に安いとしたデータが偽りのものであることは知られているところですが、共産党の山添議員が参院資源エネルギー問題調査会で、その問題点を具体的に指摘しました。
 発電コストの試算は「14年時点で新設された発電プラントごとの40年間の総費用と総発電量」から求めたものですが、新設の原発には安全性能規定がないのでそれによる追加分は省かれているということです。
 山添議員は「存在もせず基準もない新設原発を前提にコストを論じたもの」と批判し、全世界的に膨れ上がっている追加安全対策費事故対応費停止中原発の維持費今後の稼働期間廃炉費用など全てを考慮した試算を示すべきだと主張しました。
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「原発は安価」根拠なし 山添氏追及 “虚構の試算を前提” 参院調査会
 しんぶん赤旗 2019年2月26日
 日本共産党の山添拓議員は20日の参院資源エネルギー問題調査会で、「原発は安価な電力」との主張には根拠がなく、実際に存在しない新設原発からでっち上げた虚構の試算にすぎない実態を明らかにしました。
 
 「2014年モデルプラント」(14年時点で新設された発電プラントごとの40年間の総費用と総発電量)に基づき、原発コストを1キロワットあたり10・1円とする試算が、政府や原発推進勢力の「原発は安い」との主張の根拠となっています。一方、東京電力福島第1原発事故後に策定された新規制基準には新設原発の安全性能規定はなく、政府が昨年策定した第5次エネルギー基本計画には原発新増設さえ含まれていません。
 
 山添氏は、「モデルプラント」試算は、存在もせず基準もない新設原発を前提にコストを論じるものだと批判。安全対策に伴う建設費高騰による原発輸出の総破綻も示しつつ、既存原発の再稼働の是非が議論になっているのに、虚構の新設原発の試算を前提に「安い」とするのは、「意図的な混同」だと指摘し、「膨れ上がる追加安全対策費と事故対応費、停止中原発の維持費、今後の稼働期間、廃炉費用など全てを考慮した試算を示すべきだ」と主張しました。
 
 経済産業省資源エネルギー庁の村瀬佳史電力・ガス事業部長は、再稼働による燃料費節約と値下げで国民に還元される余地が生じたとする一方、政府は原発再稼働の電力コスト計算を行っていないと認め、「原発は安価」の主張に根拠がないことがいっそう明らかになりました。

帰還後の母たちの思い 福島・伊達の自主避難経験者ら冊子を作る

 原発事故で自主避難を経験した母親の交流施設として16年にオープンした「伊達もんもの家」(福島県伊達市)が今月末で閉館するのに当たり、避難経験者らが帰還後の心境などをつづった冊子を作りました。
 100部を希望者に無料で配布します。
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帰還後の母の思いつづる 福島・伊達の原発自主避難経験者ら冊子作製
  河北新報 2019年2月25日
 東京電力福島第1原発事故で自主避難を経験した母親の交流施設として2016年にオープンした「伊達もんもの家」(福島県伊達市)が今月末で閉館する。交流員として運営に携わった避難経験者らが、帰還後の心境の変化などをつづる冊子を作製した。
 
 題名は「それでも福島でこどもを育てていくために」。A5判48ページで避難経験者と支援者の10人が手記を寄せている
 手記では帰還後の経験などを通し、原発事故前や避難中と異なる考え方を持つようになったといった記述が目立つ。
 
 ある女性は静岡県からの帰還後、子育てサークルや放射線の勉強会への参加を継続した。仲間と悩みを語り、疑問や不安を自ら調べると「自然や季節の変化を楽しみながら日々を送れるようになれた」と記す。
 
 山形県から帰還した新井芳美さん(36)は施設スタッフ。原発事故後の対応に不信感を抱き続けた行政の担当者や専門家と向き合い「責めることだけでは問題の解決はできない」と感じたという。今では「伊達市でどう暮らし、どんな子どもを育てたいか必死で考えるようになった」と振り返る。
 
 冊子は新井さんら母親4人を中心に編集した。多くは今後、市内で子育て支援に当たる予定という。交流施設の運営責任者半田節彦さん(77)は「子を育て守る女性の力は非常に大きい。帰還後の経験を踏まえて社会で大きな役割を果たしてくれるだろう」と期待する。
 100部を希望者に無料配布する。連絡先は伊達もんもの家080(3339)0657。

27- 川崎市で3月10日に脱原発集会 中原平和公園で

 川崎市内の脱原発団体などでつくる実行委員会は310日、中原区の中原平和公園で、「原発ゼロへのカウントダウンinかわさき」と題した集会を開きます。
 この集会は、福島原発事故が起きた2011年の翌年から毎年この時期に開き、今度が8回目です
 東海第二原発立地する東海村の村上達也前村長を招き、危険性や再稼働を巡る地域の政治状況などを説明してもらう他、福島県から県内に自主避難した人が避難生活の実情などを訴えることになっています。集会後は近くの武蔵小杉駅までの間をデモ行進します。
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東日本大震災から8年を前に 脱原発へ思い新たに 
来月10日、中原で集会、デモ
東京新聞 2019年2月26日
 東日本大震災から間もなく8年-。川崎市内の脱原発団体などでつくる実行委員会は3月10日、中原区の中原平和公園で、「原発ゼロへのカウントダウンinかわさき」と題した集会を開く。福島県から県内に自主避難した人が避難生活の実情などを訴えるほか、近くの武蔵小杉駅までの間をデモ行進する。(大平樹)
 
 首都圏唯一の原発の日本原子力発電東海第二原発について、立地する茨城県東海村の村上達也前村長を招き、危険性や再稼働を巡る地域の政治状況などを説明してもらう予定。
 集会は、震災と東京電力福島第一原発事故が起きた二〇一一年の翌年から毎年この時期に開き、八回目。実行委によると、これまでほぼ毎回千人以上が参加してきたが、近年は減少が続いている。
 
 実行委員会・共同代表で学習院女子大の川口洋一名誉教授は二十五日、市役所で記者会見し「もう八回もやってきた。今回を原発の『終わりの始まり』にしたい」と話した。
 集会は午後一時~二時十五分で、終了後に武蔵小杉駅までデモ行進する。会場は午前十時半に開場し、出店による飲食物の販売、楽器や和太鼓の演奏などがある。問い合わせは、川崎合同法律事務所の三嶋健弁護士=電044(211)0121=へ。

2019年2月26日火曜日

トリチウム汚染水のタンク保管 2年で限界と

 福島原発廃炉最高責任者小野明氏へのインタビューで、同氏は放射性物質トリチウムを含む処理水の保管について、あと2年ほどで東電が限界容量とする137万トンに達する見込みなので、「何らかの形で処理・処分を考えなければならない」と述べました。
 具体的には希釈して海洋放流するというのが、国、東電、規制委の共通した意向なのですが、そもそも放射性物質を希釈して放流すること自体が「禁じ手」ですし、総量1000兆ベクレルのトリチウム水を放流することは海洋の汚染を防止する「ロンドン条約」に反します。
 昨年8月の処理水に関する公聴会で海洋放出に反対し、タンクでの長期保管を求める意見が相次いだのは当然のことでした。
 トリチウムの半減期は123年なので、その10倍の123年間保存すれば放射能は1024分の1に減衰します。
 タンク敷地が満杯になるからというのが東電のいい分ですが、7号機・8号機用の空き地など敷地はいくらでもあります。
 そもそもトリチウム汚染水が現在も増え続いている原因は、国費3百数十億円を投じた凍土遮水壁の止水が不完全なためなので、東電はタンクの製作費が負担だなどとは言えた義理ではありません。今後百年以上タンクを作り続けるのが嫌であれば、凍土壁を完全なものにすることです。
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トリチウム含む処理水「処分必要」 東京電力、2年で保管限界
福島民友  2019年2月24日
 東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は原発事故から丸8年を前に、福島民友新聞社のインタビューに応じた。第1原発構内のタンクで保管が続く放射性物質トリチウムを含む処理水について「(タンクを造る)敷地には限界があり、何らかの形で処理・処分を考えなければならない」と述べ、将来的には処分が必要との見解を示した。
 処理水の取り扱いについて、国の小委員会で議論されているが、結論は出ていない。処分に伴う風評被害を懸念する県内漁業関係者を中心に長期保管を求める声がある中で、敷地の状況などを踏まえ、現状での保管には限界があることを東電側が示した形だ。
 
 現在の処理水の貯蔵量は約100万トンで、東電が保管計画の容量とする137万トンに2年ほどで達する見込み。小野氏は「それ以降の計画は今のところ持っていない」とした上で「小委員会や国の方針でタンク建設を求められれば貯蔵を考えなければいけないが、敷地に限界があるのは事実。ずっとタンクを造り続けることが本当に合理的かというのは少し違うと思う」と述べた。
 
 処分方法を巡っては科学的な安全性を踏まえ、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長が希釈した上での海洋放出が「合理的」との見解を示すが、反対意見は多い。小野氏は処分方法については言及せず「(事故)責任者として口を出せるところではなく、国の小委員会で議論いただき、最終的な国の方向性を待つ」と話すにとどめた。ただ「方向性が出た後は、私たちが具体化していく。当然、地元や関係者と相談しながら進めることになると思う」と語った。
 
 昨年8月の処理水に関する公聴会ではトリチウム以外の放射性物質も含まれていることに批判が噴出。海洋放出に反対し、タンクでの長期保管を求める意見が相次いだ。このため小委員会は処分方法の検討に加え、長期保管の可能性についても議論する方針を示している。

東電の和解案拒否は121件 原発事故ADRで

 25日の衆院予算委で、福島原発事故の被害者が申し立てたADR裁判外紛争解決手続きを巡り、東電の和解案拒否によって打ち切りとなった件数は121件あることが明らかになりました。東電は和解案の尊重を表明していますが、実際は傲慢な態度をとり続けているということです。
 安倍首相は「東電誠実に対応することは当然の責務だ。経済産業省からしっかり指導させたい」と述べましたが、そういう実態にはなっていません。官僚が大量に東電に天下っているのと無関係とは思われません。
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東電の和解案拒否は121件  原発事故ADRで
共同通信 2019年2月25日
 柴山昌彦文部科学相は25日の衆院予算委員会で、東京電力福島第1原発事故の被害者が申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)を巡り、2018年末までに手続きが終了した約2万3千件のうち、東電の和解案拒否によって打ち切りとなった件数は、121件と明らかにした。
 安倍晋三首相は「東電は和解案の尊重を自ら表明しており、誠実に対応することは当然の責務だ。経済産業省からしっかり指導させたい」と述べた。
 立憲民主党の枝野幸男氏は「東電の拒否により、被害が救済されないのは想定されていない事態だ」と批判した。

26- 放射性物質漏えい 作業ミスで袋に穴か 原子力機構

 1月30日午後、茨城県東海村にある核燃料サイクル工学研究所で、建物内の放射性物質が漏えいした原因について、原子力機構は25日、放射性物質の入った容器を包む樹脂製の袋に作業員が誤って穴を開けた可能性が高いとする検証内容を公表しました。
 燃料の製造平成13年に終了し、現在は施設内に保管されている核燃料物質の回収作業や設備の解体作業などが行われてい
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放射性物質、作業ミスで袋に穴か 原子力機構の漏えい問題
共同通信 2019年2月25日
 日本原子力研究開発機構は25日、核燃料サイクル工学研究所(茨城県東海村)施設内の放射性物質漏えい問題について、放射性物質の入った容器を包む樹脂製の袋に作業員が誤って穴を開けた可能性が高いとする検証内容を公表した。また手順通りに汚染検査が行われず、汚染が拡大したことも明らかにした。文部科学省で開かれた会合で報告した。
 文科省の担当者は「手順違反で、汚染拡大につながった」と指摘した。
 
 報告によると、作業員が密閉された設備「グローブボックス」から燃料用粉末が入ったステンレス製容器を袋に移して熱で溶かして密閉する際、器具に引っかけて袋に直径約5ミリの穴ができた。

2019年2月25日月曜日

双葉町 「戻りたい」10.8%で横ばい 

 復興庁は22日、福島原発事故で全町避難が続く双葉町の住民意向調査結果を公表しました。
「戻りたい」と回答した割合は201710月の前回調査と比べ0.9ポイント減、「戻らない」は0.4ポイント増といずれも横ばいとなりました
 戻らないと決めた人の理由は「避難先で自宅を購入するなど継続的に居住する予定」が54.5%、「医療環境に不安」が49.5でした
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<双葉町>「戻りたい」10.8%で横ばい 
      戻らない理由「医療環境に不安」が最多 住民意向調査
   河北新報 2019年2月23日
 復興庁は22日、東京電力福島第1原発事故で甚大な被害に遭い、全町避難が続く福島県双葉町の住民意向調査結果を公表した。「戻りたい」と回答した割合は2017年10月の前回調査と比べ0.9ポイント減、「戻らない」は0.4ポイント増といずれも横ばいとなった。
 「戻りたい」は10.8%(前回11.7%)、「戻らない」は61.5%(61.1%)。「まだ判断がつかない」は25.6%で前回比0.5ポイント減だった。
 
 「まだ判断がつかない」と答えた人に帰還を判断するために必要なことを尋ねると、「医療・介護福祉施設の再開や新設」が56.7%で最多。「住宅の修繕や建て替えへの支援」が49.1%、「商業施設の再開や新設」が29.0%と続いた
 
 戻らないと決めた人の理由は「避難先で自宅を購入するなど継続的に居住する予定」が54.5%、「医療環境に不安」が49.5%だった。
 町は20年春までに町北東部の避難指示解除準備区域と、JR双葉駅周辺の一部区域の避難指示解除を目指す。帰還困難区域に整備する特定復興再生拠点区域全域は、22年春までの解除を目標としている。
 調査は復興庁と県、町が共同で18年10~11月に実施。回答率は48.0%。

「デブリ取り出し、道見えた」と 小野明廃炉責任者

 河北新報と福島民友がそれぞれ福島第1原発廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者をインタビューしました。
 小野氏は河北新報に対して「取り出しに向けたアプローチ方法が具体的に見えてきた」と成果を強調しました
 福島民友に対しては、「第1原発所長時代も含め、長く廃炉に関わっているが、原発事故直後のドタバタの状況が改善され、普通の現場に近付いてきたと思う」と語りました。
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<福島第1>「デブリ取り出し、道見えた」
       廃炉推進カンパニー 小野明最高責任者に聞く
 河北新報 2019年2月24日
 東京電力福島第1原発事故から8年になるのを前に、東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者が河北新報社のインタビューに応じた。2号機で実施した溶融核燃料(デブリ)とみられる堆積物の接触調査について「取り出しに向けたアプローチ方法が具体的に見えてきた」と成果を強調した。(聞き手は福島総局・関川洋平)
 
 -接触調査で判明したことは。
 「小石状の堆積物は装置でつまんだり移動させたりできる一方で、粘土状に見えていた堆積物は硬くて動かせないことが分かった」
 
 -今後のデブリの少量採取や本格的な取り出しで、性状の違いにどう対応する。
 「(1979年に事故を起こした)米スリーマイルアイランド原発でも初めは動くデブリから取り出した。一つの装置で全てのデブリを取り出すという考えもあるが、状況に応じて装置を入れ替える柔軟な対応が必要になるのではないか」
 
 -3号機の使用済み核燃料の取り出し開始は、機器の相次ぐトラブル発覚で昨年11月予定が今年3月にずれ込むことになった。
 「(トラブルの原因となった)電圧設定の誤りやケーブルの腐食は、機器の品質管理がきちんとできていれば防げた。内部の管理体制を確認するため、一度立ち止まって時間を取った」
 
 -取り出し機器を今後設置する1、2号機でも同様のトラブルが起きないか。
 「プラントメーカーやゼネコンに全てお任せするのではなく、東電としてエンジニアの力を高め、機器の設計段階から関わっていく」
 「教訓を生かすべきなのは、使用済み核燃料の取り出しに限らない。現在進めている1、2号機共通排気筒の解体装置の開発でも、納得するまで(運用時の)手順などを確認している」
 
 -汚染水を多核種除去設備(ALPS)などで浄化した処理水の保管量は約110万トン。タンク設置の「上限」の容量137万トンに達する時期は。
 「今のペースでたまり続けるとすると、2020年後半で130万トンを切るぐらいだろう。ただし気象条件に大きく左右されるので、一概には言えない」
 
 
東京電力・小野廃炉責任者に聞く「普通の現場に近付いてきた」
 福島民友 2019年2月24日
 東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は、福島民友新聞社のインタビューで第1原発の状況が原発事故直後に比べて改善したなどと廃炉作業の成果を語った。
 
 ―原発事故から間もなく丸8年。廃炉作業の成果を聞きたい。
 「4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し(2014年12月)が大きなトラブルなく完了したことや汚染水発生量の減少が大きい。第1原発所長時代も含め、長く廃炉に関わっているが、原発事故直後のドタバタの状況が改善され、普通の現場に近付いてきたと思う」
 
 ―小早川智明社長が指摘する廃炉作業の「内製化(自社で行っていくこと)」も含め、廃炉作業をどう進めていくか。
 「3号機のトラブルも踏まえ、東電のエンジニアリング能力を高めないといけない。そのための手段として内製化がある。エンジニアリング能力が上がれば東電が直接、業者に発注することも可能になり、県内の企業と直接やりとりできるのではないかと思っている。10~20年先を見据え、廃炉をどう進めていくか。進行の在り方や青写真を見せることも大事で、その作業を進めている」
 
 ―3号機からの使用済み核燃料の搬出開始時期が機器の不具合で昨年11月から今年3月に遅れた。
 「トラブル以降、全体の品質をきちんと確認しようと、安全点検で一度立ち止まって全体を見た。品質の高い状況で作業できるのは間違いなく、燃料を傷つけるようなトラブルは絶対にない。ロードマップ(廃炉工程表)で掲げる20年度中の搬出完了は十分、達成できると思っている」
 
 ―2号機の調査で溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる堆積物に接触した。19年度に決定するデブリを取り出す初号機の基準は。
 「デブリの状況の情報は大事な決定要素だが、デブリ取り出し以外の廃炉作業との兼ね合いや優先順位なども見極めないといけない。全体の計画を立てている最中であり、例えば1号機では19年度上期にデブリの状況を調査する予定だ。その調査結果や技術開発の状況などを踏まえ、最終的に判断する」

25- 女川再稼動住民投票 自治体 割れる反応

 県議会で住民投票条例が審議されている中、宮城県内自治体首長の意見は割れています。
 河北新報が報じました。
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<女川再稼動> 宮城県内自治体、割れる反応 
立地自治体は賛否を明らかにせず
 河北新報 2019年02月24日
 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案を巡り、県内の自治体の反応が分かれている。立地自治体などは条例案への賛否を明らかにせず、一部の首長が賛意を示した。条例制定に消極的な知事意見に反発の声もあり、多くが県議会2月定例会の審議の行方を注視する。
 
 過去に産業廃棄物施設を巡る住民投票を実施した経緯がある白石市。山田裕一市長は「広く県民の意見を聞く機会があるのは良いこと。エネルギー政策は国策だからと地方が何も言えないのなら、分権時代に逆行する」と条例可決を望む一人だ。
 一方、立地自治体の女川町の須田善明町長と石巻市の亀山紘市長は「県議会が判断すること」と説明。東北電の大口株主でもある仙台市の郡和子市長も「県議会の判断であり、コメントは差し控える」と賛否を示さなかった。
 
 直接請求された約11万人の署名は、県内全域での関心の高さを裏付ける。賛否を言及していない加美町の猪股洋文町長も「県議は署名の重みを受け止める必要がある」と指摘する。
 ただ、首長の立場として「地域課題の解決に住民投票が多用されてしまう懸念がある」(県央の首長)ことも、賛否の言及を控える一因のようだ。
 条例案に付ける村井嘉浩知事の意見は、賛否のみの投票は多様な意思が反映できないと指摘した。
 
 24日投開票の沖縄県米軍基地移設の是非を問う住民投票のように「どちらでもない」との選択肢を求める声もある。県南の首長は「賛否を判断できない人の選択肢も必要。単純な賛否だと原発は怖いといった感情的な判断になってしまう」と推測する。
 これに対し、女川原発30キロ圏内に入る美里町の相沢清一町長は「『どちらでもない』があると、執行者の都合で結果を勝手に解釈できる。県民の意思表示をうやむやにしてはいけない」と2択を支持する。
 
 気仙沼市の菅原茂市長は、東京電力福島第1原発事故の汚染牧草などの対応で関連自治体が住民理解を得るのに苦慮する現状を指摘した上で、「汚染廃棄物も原発も理解が深まりにくい。投票を実施することになれば、県民に知ってもらう情報と時間を担保する難しさはある」と話す。