2019年10月18日金曜日

「NO原発」訴えて3000日 市民団体が街頭活動

 九電大分支社の前でプラカードを掲げて廃炉を訴える市民らの活動が、15日で3000日目を迎えました。
 2011年に大分市の島田雅美さん(72は、「廃炉が実現するまで続けたい」1人でこの活動を始めました。今は10人ほどで活動をつなぎ、元日や悪天候時などを除いてほぼ毎日立ち続けています。
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「NO原発」訴えて3000日 市民団体が街頭活動 
大分合同新聞 2019/10/16
 市民団体「原発いらない!」グループ・大分が大分市金池町の九州電力大分支社前で連日続けている街頭活動が15日、通算3千日目を迎えた。2011年の東京電力福島第1原発事故を機に始め、手作りのプラカードを掲げて通行人らに廃炉を訴えている。呼び掛け人の同市長浜町、島田雅美さん(72)は「市民が原発問題に関心を持つきっかけになっている」と手応えを感じている。
 
 活動を始めたのは11年7月4日。約40年前から反戦、反核の市民活動に参加し、原発にも抗議してきた島田さんが福島の事故を見て「じっとしてはいられない」と1人で街頭に立つようになった。
 周囲の住民や店舗などに配慮して大きな声は出さず、通行人や車に頭を下げる静かな抗議。当初は「原発は絶対に必要」「ろうそくで暮らしよ」と言われることもあった。
 それでも毎日立ち続けるうち「(訴えは)全くその通り」「ありがとう」とねぎらう人、積極的にあいさつをしてくれる人も増えた。今年9月には関西電力の役員らが高浜原発がある福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題が発覚し、応援の声が多く届くようになったという。
 
 仲間は徐々に広がり、現在は50~70代の約10人。台風など災害の恐れがある日と正月を除き、朝夕1時間ずつ活動している。15日は午前8時から午後4時半までメンバーが交代で立った。「子どもや若者の命と未来を守ろう」「原発すべて廃炉に!」と書いたカードを手にアピールした。
 九電社長宛てに毎日、提出してきた抗議文も3千通目になった。「原発は人類や地球を破壊します。なぜ(同社が運転する)川内、玄海原発を止めないのか」とつづった。
 島田さんは「九電から反応はないが、諦めたらおしまい。原発問題を風化させないよう、怒りを持って立ち続けたい」と話した。 

トリチウム汚染水の処理 海洋放出に限定せず議論を

 放射性トリチウムを含む汚染水を「処理水」と称し、全ての発電所で海に放出しているのだから、福島原発で保管されている100万トン余ものトリチウム汚染水も「そうすればいい」あるいは「そうするしかない」という、いわば国民を洗脳する発言が政府や規制委から盛んに出ているのは極めて不可解で不健全なことです。
 
 この問題を、東電や政府の意向を忖度して多くのメディアが取り上げない中で、河北新報が社説で取り上げました。
 その中で、海洋放流に他に4つの案(名称だけでなくその概略の内容も記述)があることや、米国のスリーマイル原発では、9案の中から水蒸気放出を選んで実行たことを報じました。
 また「福島原発のトリチウム汚染水と通常の原発の排水は発生要因が全然違い、同列には論じられない」とも述べています。
 
 トリチウムの危険性については、西尾正道医師が強調しているところであり、そうした科学的に安全性が証明されていないものを海洋に投棄することは、国際的原則である「予防の原則」に反します。  
 
 いずれにしても、最も経費が掛からないからとして海洋放流を安易に選択することはあってはならないことです。
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社説 原発事故処理水/海洋放出に限定せず議論を
  河北新報 2019年10月17日
 東京電力福島第1原発に保管されている放射性の処理水(トリチウム水)の最終処分方法を巡って、海への放出を求める意見が目立ってきた。
 海洋放出は以前から解決策の一つとみなされてきたが、被災地の福島県に大きな影響は与えるのは確実。いわゆる「風評被害」の拡大も心配になるだろう。
 
 処分方法は海洋放出しかないわけではない。むやみに結論を急がず、さまざまな案を十分に評価することが何より大切だ。最終結論を出す際には、福島県内の意見を重く受け止めなければならない。
 政治家から突然、海洋放出を求める発言が出たのは先月10日だった。退任間近の閣僚が「(海へ)放出して希釈する他に選択肢はない」との持論を展開し、福島県内の漁業者の反発を受けた。
 その1週間後には、日本維新の会代表でもある松井一郎大阪市長が処理水の「大阪湾内放出」の可能性に言及した。維新の会は今月、「早期の海洋放出」を求める提言もまとめている。
 海洋放出には原子力規制委員会が一貫して前向きな考えを示してきたが、政治家の唐突な発言が相次ぐと、既成事実化を狙った地ならしではないかと気を回したくなる。
 
 処理水の最終処分方法は経済産業省の対策委員会の中で検討された経緯があり、海洋放出の他に4案が示された。深さ2500メートルの地層内に入れる「地層注入」、高温で気化して大気に出す「水蒸気放出」、電気分解後に大気に出す「水素放出」、固化剤を加えてから埋める「地下埋設」になる
 現在は政府の小委員会で議論されているが、先月の会合では「保管タンクの増設」という案も出ている。
 ちなみに1979年にメルトダウン(炉心溶融)を起こした米国のスリーマイルアイランド原発では、9案の中から「水蒸気放出」を選んで実行している。
 
 処分方法を決めるに当たっては、処理水の中身を科学的に詳しく分析することも不可欠だ。高濃度に汚染された水を浄化装置に通し、トリチウム以外は全て除去したような印象だったが、実際は他の放射性物質も含まれることが明らかになっている。
 海洋放出が急浮上した背景には、トリチウムが日本を含む各国の原子力施設で放出されていることと、福島第1原発内での保管が2年後に限界に達するという東電の見通しがあると思われる。
 
 しかし、福島第1原発の処理水と通常の原発の排水は発生要因が全然違い、同列には論じられない。タンク保管の容量も東電の言い分をうのみにせず、第三者的な立場で検証してもいいだろう。
 いたずらに選択の幅を狭めず、さまざまな案を出し合って広く議論することが望ましい。その方が処理水問題の打開につながるはずだ。

18- モニタリングポスト83基 不調

モニタリングポスト83基 不調
NHK NEWS WEB 2019年10月17日
台風19号の影響で福島県内に設置している放射線量を測定する「モニタリングポスト」80基余りが測定できなくなっていることがわかりました。
原子力規制庁が詳しい原因を調べています。
 
 福島県には放射線量を測定している「モニタリングポスト」がおよそ3700基ありますが、原子力規制庁が調べたところ、いわき市や本宮市などのあわせて83基のモニタリングポストからデータが届かなくなったということです。
いずれも平常時の観測に使うもので、原発の事故時に測定をする設備の異常はこれまで報告されていないということです。
 
このほか、茨城県で2基、宮城県で1基、測定ができていないということです。
台風19号の大雨の影響とみられるということですが、詳しいことはわかっておらず、規制庁が原因を調べています。
復旧のめどはたっていません。
モニタリングポストは先月の台風15号でも千葉県の一部の設備でデータが届かなくなりました。

2019年10月17日木曜日

関電疑獄 経産省は昨年末までに問題を把握した筈 官邸が隠蔽か

「関電疑獄」解明には関電幹部の聴取が不可欠ですが、野党の追及を許せば自らに飛び火しかねないからなのか、安倍自民は参考人招致に一切応じない構えです。
 金沢国税局は昨年1月以降、高浜町の建設会社「吉田開発」の税務調査を手始めに森山氏を調べ、関電幹部に金品が流れた事実を突き止めているので、そうした一連の事情を官邸が知らない筈はありません。15日の参院予算委では、野党議員から詰め寄られても菅原経産相は「今年9月末の報道で初めて知った」の一点張りだったということです。
 
 しかし経産省審議会「電力・ガス取引監視等委員会」は、昨年121721日に関電の監査を実施しているので、「金品受領」という重大なコンプライアンス違反を知らない筈はなく、見逃していたのであれば監視委のメンバーは全員失格です。
 官邸は知っていただけでなく、陰の総理と呼ばれる今井秘書官はエネ庁の出身でバリバリの「原発推進派」だったことからで、関電の「重大疑獄」発覚を水面下で握りつぶした可能性があるということです。
 
 関電問題をめぐる経産省や官邸の闇はかなり深そうです。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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関電疑獄は経産省が隠蔽 18年末に問題把握も目つぶったか
日刊ゲンダイ 2019/10/16
 関西電力幹部が福井・高浜町の元助役から金品を受けていた「関電疑獄」。真相を解明するには関電幹部の聴取が不可欠だが、追及を許せば自らに飛び火しかねないからなのか、安倍自民は野党が求める参考人招致に一切、応じない構えだ。そんな中、経産省や官邸が昨年、関電事件の詳細を把握していた疑いが浮上した。
 
 「(関電が昨年9月に社内調査報告書をまとめて以降)所管の経産省は問題を把握していなかったのか」
 15日の参院予算委。野党議員からこう詰め寄られた菅原経産相は「今年9月末の報道で初めて知った」という答弁を繰り返し、真相解明についても「関電の第三者委員会に任せている」の一点張り。その姿は言い逃れに終始して批判が殺到した関電経営陣とソックリだった。
 だが、果たして経産省は本当に関電事件を知らなかったのか。電気事業法は、〈毎年、一般送配電事業者及び送電事業者の業務及び経理の監査〉をすることを経産相に義務付けており、監査対象は「電気事業者のコンプライアンス部門も含まれる」(10日、衆院予算委、経産省審議会「電力・ガス取引監視等委員会」の答弁)。
 この法律に基づき、同監視委は昨年12月17~21日に関電の監査を実施しているのだ。関電がすでに社内調査をまとめていたにもかかわらず、5日間もかけて監査しながら、「金品受領」という重大なコンプライアンス違反に気付かなかったはずがない。本当に見逃していたのであれば監視委のメンバーは全員クビだ。
 当時の経産相といえば、元助役が顧問を務めていた業者から献金を受けていた世耕弘成党参院幹事長。つまり、経産省は昨年末に問題を把握しながら、目をつぶったのではないか。隠蔽を疑われても仕方がないのだ。
 
■安倍官邸も加担したか
 そして経産省の隠蔽に安倍官邸も一役買った可能性がある。というのも、関電の岩根茂樹社長は経産省出身で首相ブレーンの今井尚哉秘書官と旧知の間柄だ。
 岩根社長は2日の会見で「今井秘書官はエネ庁次長でしたので、その時には大飯原発再稼働でもお世話になった」などと発言している。今井秘書官は福島原発事故後、当時の政権幹部らを説得して原発再稼働への筋道をつけたバリバリの「原発推進派」で、大飯原発再稼働に慎重だった橋下徹元大阪市長に水面下で働きかけたとされる。関電の「重大疑獄」発覚を水面下で握りつぶした可能性はある。
 安倍官邸、経産省、関電がグルになって隠したいものは何か。この事件はまだまだこれからだ。

原発マネー還流問題 安倍政権、関電、原子力検察の関係は

 日刊ゲンダイに「金子勝の『天下の逆襲』」を連載している金子勝慶大教授が、「原発マネー」還流問題を調査する関電の調査委員会のメンバーは、いずれもかつて政権に協力したり、郵政不正事件で検察側の証拠改ざんに関わった検察関係者ばかりであることを明らかにしました。
 もともと検察は行政機関と見做されるほど政権寄りであり、また政権はいうまでもなく関電寄りです。野党が関電の関係者を参考人招致しようとしても与党が頑として認めないのが何よりの証拠です。
 そのうえ岩根茂樹社長がひとり居残ったのは、第三者委員会を仕切って隠蔽を図ろうとしたからとわれるので、第三者委員会で十分に解明される見通しは殆どなさそうです。
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金子勝の「天下の逆襲」
原発マネー還流問題 安倍政権、関電、原子力検察の関係は
日刊ゲンダイ 2019/10/16
 原発マネー還流問題で、関西電力の八木誠会長ら役員7人が辞任する事態に至った。しかし、バナナの叩き売りのようなやり方にだまされてはいけない。
 
 この問題で最も重要なのは、検察との距離感だ。目下、表舞台に出てきているのは、第1次安倍政権や麻生政権時代に東京電力の原発再稼働に協力姿勢を取ったり、村木厚子元厚労局長が巻き込まれた郵便不正事件で証拠改ざんに関わった検察関係者ばかり。岩根茂樹社長がひとり居残ったのは、“原子力検察”と癒着して第三者委員会を仕切り、隠蔽を図ろうとした疑いが強い。
 
 福井県高浜町元助役(故人)から関電幹部に巨額の金品が渡った問題が発覚したきっかけは、元助役が顧問に就いていた建設会社「吉田開発」(高浜町)に金沢国税局の査察が入り、昨年6月に元助役宅で金品受領に関するメモが見つかったことだった。
 事態の沈静化に動いたのが、社内調査委員会の委員長を務めた小林敬弁護士。彼は麻生政権時の最高検公安部長で、郵便不正事件当時は大阪地検検事正の立場にあり、証拠改ざんのモミ消しを黙認した結果、懲戒処分を受けて退官した人物だ。「報道特集」(TBS系)は小林氏が調査委でモミ消しを図っていたと報じている。
 
 こうした経緯で第三者委の委員長となったのが、但木敬一弁護士だ。但木氏は第1次安倍政権時の検事総長。当時、検察はGE技術者の暴露によって稼働中止になった福島原発を再稼働させるべく、慎重派だった福島県の佐藤栄佐久知事の実弟の不正を立件し、辞職に追い込んだ。その過程で政権の思惑通りに福島原発は再稼働。そして、安倍首相は06年末に「全電源喪失はあり得ない」と国会答弁し、地震対策を拒否して福島原発事故が起きた。
 佐藤氏が収賄額ゼロで有罪となった事件を捜査したのが東京地検特捜部。郵便不正事件で証拠を改ざんした前田恒彦検事(懲戒免職)や森本宏検事(現特捜部長)だった。
 
 特別背任が疑われる岩根社長が、原発と関わりがあったり、不正をはたらいた検察OBを集めた第三者委の「独立性」は極めて怪しい。関電に都合のいい調査が進められ、検察の忖度まで招きかねない。しかも、自民党の稲田朋美幹事長代行や前経産相の世耕弘成参院幹事長といった安倍側近が、元助役と関係が深い関電受注企業から献金を受けていた。証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない。 
 
 金子勝 慶応義塾大学経済学部教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。 

17- 経産省、高浜町出向職員らについて調査していると

 経産省は16日、関電の「原発マネー」還流問題で、近畿経済産業局から福井県高浜町に出向していた職員らを含め、元助役森山栄治氏と面識があったかどうかなどを省内で調査していると明らかにしました。同日開かれた野党追及チームの合同ヒアリングで資源エネルギー庁の担当者が答えました。
 経産省から同町へ2008年以降で4人が出向しているということで、これは極めて異例なことと思われます。
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元助役との面識で省内調査 経産省、高浜町出向職員ら  
日経新聞 2019/10/16
経済産業省は16日、関西電力の金品受領問題で、近畿経済産業局から福井県高浜町に出向していた職員らを含め、問題の中心となった同町の元助役と面識があったかどうかなどを省内で調査していると明らかにした。資源エネルギー庁の担当者が、国会内で同日開かれた野党追及チームの合同ヒアリングで答えた。
 
野党議員の一人が同町に出向していた経産省職員の存在を指摘。関電の昨年の報告書内容や金品のやりとりについて「知っていたのではないか」などと問いただしたのに対し、エネ庁担当者は「職員が何をどこまで知っていたかは調査中だ」と述べた。調査対象の範囲や期限は明らかにしていない。
経産省からの同町への出向者は、2008年以降で4人いることが菅原一秀経産相の衆院予算委員会での答弁で明らかになっている。菅原氏は4人に聞き取り調査を行い「全く事情を知らされていなかった」との回答を得たと説明していた。
一方、関電の関係者は16日の合同ヒアリングにも出席しなかった。〔共同〕

2019年10月16日水曜日

原発マネーの深すぎる闇 諸悪の根源は「総括原価方式」

 プレイボーイNEWSが、原発マネーに関しても、「諸悪の根源は総括原価方式にある」とする記事を出しました。
 
 総括原価方式とは、電気供給のためにかかるすべての費用を「総括原価」とし、そこに3を上乗せした金額が電気の販売収入と等しくなるように電気料金を決める制度のことで、既設の発電所設備(固定資産・東電は7兆円余)や建設中の発電所の総工事費の半分、人件費、研究開発費、広告費、等々 一切合切がすべて原価とされ、その3%を儲けとして良いというシステムです。
 電力会社は長年そのシステムに安住してきた結果、いまや発電コストを下げようとするインセンティブ(動機)が全くなくなって、発電用燃料である重油やLNG等の購入単価は世界一になり、発電所建設時に納入される機器類の単価は常識外れに高いものに設定されてきました。これでは電気料金が世界一レベルに高止まりするのは当たり前のことです。
 また一般企業では、「投資対効果」を睨んで広告宣伝費の額を決めるのに対して、電力会社の場合はそうした制約は全くない(⇒すべて原価に参入)ので、潤沢な広告宣伝費を使って広告代理店を通じメディアを締め付けることも出来るようになっています。
 
 まことに「諸悪の根源」とは言い得ていますが、2020年にようやくこれが廃止される見込みです。
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原発マネーの深すぎる闇 諸悪の根源は「総括原価方式」
プレイボーイNEWS 2019年10月15日
菓子折りの底に小判や金貨がぎっしり——。関西電力の役員らが、高浜原発のある福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていたスキャンダルは、あらためて"原発マネー"の闇を世に知らしめた。
 
なぜ、電力会社の周辺はこんなにも金回りがいいのか?
「『総括原価方式』で電気料金を決めているためです」と指摘するのは、元経済産業省官僚の古賀茂明氏だ。
総括原価方式とは、電気供給のためにかかるすべての費用を「総括原価」とし、そこに一定の事業報酬(事業資産の3%)を上乗せした金額が電気の販売収入と等しくなるように電気料金を決める制度。つまり、電力会社はあらゆる経費を赤字の心配なくコストとして計上できるわけだ。
この制度は電気のほかガス、水道などごく一部の業界に限り認められている。その目的は社会の重要インフラの安定供給だが、結果的にこれが"原発マネー"の闇を生んだことになる。
 
古賀氏が言う。
「いくらコストが膨らんでも懐が痛まない電力会社は、地元対策などの名目で原発立地にじゃぶじゃぶとお金を注ぎ込んでしまう。しかも、事業報酬(利益)を計算するための『事業資産』には固定資産や建設中資産なども含まれます。
そのため、普通の事業ならコストを削減したほうが利益が出るのに、電力では設備投資を増やせば増やすほど利益が上振れする構図になっているのです」
 
ただし、電気料金は認可制で、電気事業の運営に必要な原価などは経産省に設置された委員会の審査対象だ。ならば、ムダな投資や怪しい出費などに委員会が目を光らせればいいようにも思えるが、電力システムに詳しい原子力資料情報室の松久保肇(はじめ)事務局長はこう言う。
「委員会は電力会社が申告する総括原価をチェックしますが、個々の項目までつぶさに精査するわけではない。総括原価の算定については、電力会社の倫理観任せの部分が大きいんです。
しかも、原価は全体で数兆円単位と巨額。そこに数億円程度の怪しい設備投資の項目が紛れ込んでも、少額すぎて問題にされることはほとんどありません」
 
今回のスキャンダルでは、まず関電が元助役の関与する建設会社に工事代金を支払い、その一部が元助役を通じて関電役員らに還流した。
「その工事代金の原資は、本はといえば利用者の支払った電気料金であることを忘れてはいけません」(松久保氏)
 
"諸悪の根源"となってしまった総括原価方式だが、実は電力小売自由化を受け、2020年3月に送配電を除き撤廃される見込みだ。そうなれば電力会社もコストカットを迫られ、黒い"原発マネー"は先細っていくのか?
「そのためには、既存の大手電力会社と新電力事業主の間で公平な競争が行なわれないといけません。ただ、すでに大手電力会社は従来の総括原価方式で発電施設の建設費などを回収できているのに対し、新電力側はこれからコストを回収する必要がある。
電力シェアが2割弱で資本蓄積に乏しい新電力は圧倒的に不利です。これでは公平な競争が行なわれず、大手電力会社の料金引き下げや設備投資の抑制に結びつかない可能性もあります」(松久保氏)
闇はまだまだ終わらない?

金品受領で福井県が調査委 歴代知事、副知事も対象

 福井県が設置した「原発マネー」(にからむ金品)の県職員への流れの有無に関する調査委員会15日に初会合非公開を開き、歴代の知事、副知事を含めた十数ポストの幹部を中心に、本人に聞き取り調査することを決めました。在職期間は限定せず、存命している限りさかのぼる方針です
 県発注の公共工事について森山氏の影響がなかったかどうかも調べます
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金品受領で福井県が調査委 歴代知事、副知事も対象
共同通信 2019/10/15
 福井県は15日、関西電力役員らの金品受領問題を受け、金品を渡していた同県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)と県職員との接点や、金品受領の有無などを調べる調査委員会を設置した。調査委は同日、県庁で非公開の初会合を開き、歴代の知事、副知事を含めた十数ポストの幹部を中心に、本人に聞き取り調査することを決めた。
 
 委員は福井弁護士会に所属する県の顧問弁護士3人。知事など特別職のほか、人権教育や原子力、土木関係などの部長級を優先して調査を行う。在職期間は限定せず、存命している限りさかのぼる方針。県発注の公共工事について森山氏の影響がなかったかどうかも調べる。

16- 核のごみ最終処分で 初の国際会合

核のごみ最終処分で来春基本戦略 国際協力で初会合
共同通信 2019/10/15
 日本や米国など主要な原子力利用国が参加し、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分の実現に向けて各国の連携を強化する国際会合が14日、パリで初めて開かれた。来春開催予定の次回会合で、国際協力に関する基本戦略の策定や、処分場の候補地選定を巡る各国の対話活動を紹介した事例集の取りまとめを目指す。
 
 会合では「これまで最終処分の技術面の協力は実施されてきたが、政策の進め方に関する国際的な議論は十分でなかった」として、国際協力の重要性を改めて確認。処分場選定を巡る国民との対話の在り方などについて意見を交わした。

2019年10月15日火曜日

関電金品受領問題 大阪で集会

関電金品受領問題で集会 「原発マネーの還流だ」
共同通信 2019/10/14
 関西電力役員らの金品受領問題を受け、脱原発を求める市民団体「避難計画を案ずる関西連絡会」は14日、問題の全容解明を求める集会を大阪市内で開いた。約80人が参加し「原発マネーの還流だ」「関電の隠蔽体質や傲慢さが表れている」などと声を上げた。
 
 関電役員らは福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた。高浜原発の再稼働に反対する市民団体の代表東山幸弘さん(72)は「森山氏は地元で大きな力を持ち、原発反対運動を抑えていた。反対した人の家に7~8人が押しかけてどう喝したという話もある」と報告した。

関電の第三者委が初会合「徹底究明すると」

関電の第三者委が初会合 金品受領問題を「徹底究明」
共同通信 2019/10/13
 関西電力役員らの金品受領問題を調査する第三者委員会が13日、東京都内で初会合を開いた。会合は非公開で行われた。元検事総長の但木敬一委員長は終了後「徹底した真相究明で一致した」とのコメントを発表した。
 
 第三者委の事務局によると、会合には但木氏のほか、委員の奈良道博弁護士と貝阿弥誠元東京地裁所長、特別顧問の久保井一匡弁護士が出席し、委員会の意義などについて意見を交わした。
 関電は昨年9月、原子力部門を中心に役員ら20人が計約3億2千万円相当の金品を受領したとする社内調査報告をまとめたが、疑惑が拡大している。第三者委は中立的な立場から範囲を広げて問題を調べる。

15- 敦賀原発2号機 再稼働審査の資料に1000余りのミス

敦賀原発2号機 再稼働審査の資料に1000余りのミス 日本原電
NHK NEWS WEB 2019年10月11日
再稼働に必要な国の審査を受けている敦賀原子力発電所2号機について、日本原子力発電は、原子力規制委員会に提出した資料に1000か所余りの記載ミスがあったことを明らかにしました。日本原電は改めて資料を提出するとしています。
 
日本原電は福井県敦賀市にある敦賀原発2号機の再稼働を目指していて、4年前から国の審査を受けています。
このうちおととし12月からことし4月にかけて開かれた会合の中で、日本原電が想定する地震などについて説明をしましたが、このとき提出した資料に1140か所におよぶ記載ミスがあったことを明らかにしました。
具体的には断層の向きや傾きを示したデータや調査に関する作図などが間違っていたということです。
 
原因について日本原電は元となるデータを見ながら資料を作った際に手入力で打ち込みをして多くの記入ミスが出てしまったとしていて、今後正しいデータを記載した資料を改めて提出するとしています。
日本原電は、茨城県にある東海第二原発について規制委員会に申請した資料でも記載ミスをしていました。
原子力規制庁の担当者は「データの信頼性が崩れるとこれまでの説明の信頼性が担保されず、審査の中でわれわれも適切な判断ができなくなる」と述べ、再発防止策を徹底するよう求めました

2019年10月14日月曜日

川に除染廃棄物が流出 田村市の仮置き場

福島で川に除染廃棄物が流出 田村市の仮置き場、台風19号
共同通信 2019年10月13日
 福島県田村市は13日、東京電力福島第1原発事故後の除染で出た放射性物質を含む廃棄物の仮置き場が台風19号の大雨による洪水に遭い、廃棄物を詰めた袋「フレコンバッグ」が古道川に流出したと明らかにした。流された数は調査中。これまで10袋を回収したが、いずれも中身は袋から出ていないと説明している。
 
 市によると、現場は田村市都路町岩井沢の仮置き場。1袋は最大1.3トンほどで、2667袋を保管していた。
 各袋に番号がふってあり、今後、流出した袋の数や中身を特定する。古道川は高瀬川と合流し、浪江町から太平洋に注いでいる。
 
 

喜多方に「太陽光パネル」1366枚設置

喜多方に「太陽光パネル」1366枚設置 会津電力が84カ所目
福島民友 2019年10月12日
 会津電力(喜多方市)は11日、同市豊川町米室に建設した綾金太陽光発電所の竣工(しゅんこう)式を行った。
 
 再生可能エネルギー事業に取り組む同社が、1万784平方メートルの敷地に太陽光パネル1366枚を設置。発電容量は346キロワットで、一般家庭約100世帯の電力に相当するという。山田純社長があいさつし、遠藤忠一市長らがテープカットして完成を祝った。
 同社グループの太陽光発電所は84カ所目で、合計の発電容量の規模は約6千キロワットとなる。

14- 「食品輸入規制」EU緩和に前向き 福島県産品

「食品輸入規制」EU緩和に前向き 福島県産品、検討方針示す
福島民友 2019年10月12日
 ベルギー・ブリュッセルを訪問中の内堀雅雄知事は11日、欧州連合(EU)の行政運営を担う欧州委員会本部を訪れ、食品の輸入規制を取り仕切るアン・ブシェ保健・食品安全総局長と会談した。ブシェ氏は会談で科学的なデータに基づいて県産品の安全性を判断し県産品の輸入規制緩和を前向きに検討する方針を示した。
 
 県が規制緩和を巡りEUと直接交渉するのは初めて。ブシェ氏はEUの健康・保健分野の事務方トップで、日本の都道府県知事との会談は異例という。
 会談は非公開。県によると、内堀知事が厳しい検査体制と科学的根拠に基づく県産品の安全性を伝え、輸入規制の緩和を求めた。ブシェ氏は「福島県の対策は理解している。(緩和には)プロセスが大切なので(安全性を示す)科学的な情報を発信し続けてほしい」と理解を示し、EU内で規制緩和に向けた機運醸成を図る考えを示したという。
 
 原発事故に伴う食品の輸入規制は11日現在、EUを含む22の国・地域が実施。EUは県産品のうち一部の魚種を除いた水産物やキノコ類、柿、大豆などの輸出で放射性物質の検査証明書の添付を求めている。EUの輸入規制を巡っては、岩手、宮城両県の水産物の規制が年内にも全て撤廃される見通しで、本県産品の取り扱いが焦点となっている。
 内堀知事は会談前、児玉和夫EU日本政府代表部大使、下川真樹太駐ベルギー大使を表敬訪問した。児玉大使が会談に同席した。
 
五輪ゆかりの品見学 内堀知事がミュージアム訪問
 訪欧中の内堀雅雄知事は10日、スイス・ローザンヌのオリンピックミュージアムを視察した。
 施設は1993年完成。近代五輪の始祖・クーベルタン男爵の遺志を継ぎ、五輪の理念を発信する役割を担う。古代五輪の様子を物語る出土品や、1896年アテネ大会以降のコレクションが収蔵されている。
 内堀知事は国際オリンピック委員会(IOC)の提案で視察。これまでに使われた聖火リレーのトーチやメダルを見て回り、五輪の歴史の深さを感じていた。
 内堀知事は同日、IOC本部でトーマス・バッハ会長と会談し、2020年東京五輪・パラリンピックの成功に向けてIOC側も本県の情報発信を強化する方針を確認した