2026年9月28日月曜日

政府は全原発調べよ 正業訴訟原告団が規制に申し入れ

 福島原発生業訴訟原告団らは25日、参院議員会館内で ・浜岡原発のデータ不正の全容を徹底解明し、中部電力の責任を明らかにすること ・不正を見抜けなかった原子力規制委員会の審査方法を再検証することーなどを求めて、規制委に申し入れを行いました。
 また旧原子力安全・保安院と同様に、資料の「クロスチェック」を復活させるべきだと訴えました。そして浜岡原発でのデータ不正が判明した比較的初期の段階で、政府(規制委)が不正の有無の調査を全国の原発に水平展開しないと決定したのはおかしいと主張しました。
 浜岡原発の基準地震動策定を担当した業者が、他の原発にも関与していた可能性は大きいので、調査の水平展開は必須と考えられます。
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政府は全原発調べよ 正業訴訟原告団が規制に申し入れ
                       しんぶん赤旗 2026年9月26日
 中部電力浜岡原発(静岡県)の地震予想に関するデータ不正を受けて、「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団らは25日、参院議員会館内で▽不正の全容を徹底解明し、中部電力の責任を明らかにすること ▽不正を見抜けなかった原子力規制委員会の審査方法を再検証することーなどを求めて、規制委に申し入れました。日本共産党の岩渕友参院議員が同席しました。

 原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜原告団長の岡本早苗さん(48)は、旧原子力安全・保安院の行っていた「クロスチェック」を、規制委になってからは行っていないことを指摘。中都電のデータ不正の報告書では、クロスチェックがあれば不正を行わなかったとの趣旨があることから、クロスチェックすべきだと訴えました。
 規制委の担当者は「事業者がデータそのものを不正した場合、審査側が見抜くのは困難だ」と主張。岡本さんは「電力会社のデータをうのみにされると、また原発事故が起きる。政府が原発を推進するなら、政府の責任で調査すべきだ」と求めました。これに対し担当者は「国際原子力機関(IAEA)の安全基準において、原発は一義的に事業者の責任であり、政府が調査や対策をするなら事業者の責任はなくなる」と開き直りました。
 
これまでの不正は
 担当者が「安全性の課題が出されていないため、調査を水平展開しない」としたことに、深谷拓弁護士は、浜岡原発では内部通報があってはじめて不正が判明したことを示し「これまで不正はなかったのか調査が必要だ。しかし政府は浜岡原発での不正が判明してすぐ、調査を全国の原発に水平展開しないことを決定した。それがおかしい」と強調しました。
 申し入れ後の会見で、生業訴訟原告団副団長の斉藤美知代さん(79)は、「規制委は、自分たちが不正を見抜けなかったこと、何年も見過ごしたことへの責任のかけらも感じていなかった。無責任体制が続くといつ事故が起きてもおかしくない」と指摘。「国に原発事故の責任を問うことが訴訟に参加するー番のモチベーション。国を変えるには、政治を変えるしかないのか。それを含めて声を上げ続けたい」と話しました。
 
反省のない中部電
「津島地区原発事故の完全賠償を求める会」共同代表の馬場績さん(82)は「福島第1原発事故から15年たってもまだ帰れず、生業も人生も根こそぎ奪われ、60人分の遺骨も埋葬できない」と述べ、「原発事故は住民にむごい被害を与える。不正した中部電は反省しておらず、浜岡の再稼働を諦めていない。規制委は甘い審査をしている。事故を踏まえて厳しい姿勢で臨むという姿勢を感じなかった。怒りの限りだ」と強調しました。

1000ページ超・・・30年超運転の申請書類に新たに3か所の誤り 柏崎刈羽原発6号機

 柏崎刈羽原発6号機は11月で運転開始から30年となるので、それを超える運転をするには原子力規制委の認可が必要です。東京電力は認可に向けた申請書を提出していますが、これまでに約90か所の誤りが見つかっていました。
 25日の定例会見で稲垣武之所長は、8月末に提出した補正書類について新たに3か所の誤りが見つかったので、24日に開かれた原子力規制委の審査会合で報告したということです。関係書類は1000頁以上に及ぶということなので、チェックするだけでも大変な作業になります。
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「1000ページを超える物量 限界が…」30年超運転の申請書類に新たに3か所の誤り 東京電力・柏崎刈羽原発6号機
                         BSN新潟放送 2026/9/25
東京電力は25日、新潟県にある柏崎刈羽原発6号機の長期運転に関する申請書に新たに誤りが見つかったと明らかにしました。申請書の誤りを修正し来週中に再申請する予定です。
柏崎刈羽原発6号機は11月で運転開始から30年となり、30年を超えて運転するには原子力規制委員会の認可が必要となっています。東京電力は認可に向けた申請書を提出していますが、これまでに約90か所の誤りが見つかっていました。25日の定例会見で稲垣武之所長は、8月末に提出した補正書類について新たに3か所の誤りが見つかったことを明らかにしました。東電によりますと、申請書と補足資料の整合性が合わないなどの不備で、24日に開かれた原子力規制委員会の審査会合で報告したということです。
【東京電力柏崎刈羽原発 稲垣武之所長】
「千ページを超える物量がありますので1人の人間とか数人の人間でチェックするとどうしても限界があると思います。ただこれは規制庁に出す正式な文書でミスはあってはいけないものだと思ってますので、いかにしてダブルチェックとかペアチェックみたいな形で複数人が同じものを違った角度で見てチェックができる体制をしっかり作るのことが大事だと思っていますので、やり方を工夫してまいりたい」
東京電力は不備を修正し、来週中に再申請を行う予定だとしています。
また、9月は発電所内での作業中の事故が多発しています。

18日には原発事故発生時に原子炉を冷やすための冷却水が貯められている貯水池エリアで、定例試験を実施していた大容量送水車のホースが破断する事故が発生しました。近くにいた協力会社の作業員2人の足元に破断したホースが当たり2人は転倒。病院に運ばれ、肋骨の骨折や脳震盪と診断されたということです。
これを含め、作業中の事故が合わせて4件発生していることを受けて稲垣所長は、来週から発電所の幹部が作業現場の状況を確認し、対策を検討していく方針を示しました。

データ不正 「中部電力」に根付く経営の分断と機能不全

 浜岡原発のデータ不正の問題に絡み、中部電力の特殊な事情が明らかになりました。
 中部電は勝野哲会長、林欣吾社長の2トップが引責辞任しましたが、勝野会長は技術端の出身のため原発を担当して、事務系出身の林社長は口出しが出来ない状態だったということです。
 浜岡原発の再稼働申請業務においても、技術端トップの勝野会長が総指揮官でした。
 そうした中で安全審査が規制委の厳しい要求で審査期間が長期化し、多額の安全対策費用を投じても再稼働のメドが立たない状態に陥り、それが現場社員に対する会長からの厳しい叱責となりました。中部電ではいつしか規制委の要求を「無理難題」と勝手に判断し、データ不正も目的達成のためには必要と正当化する風潮が生れたということです。
 要するに実務作業を担当する人たちとトップの間で位階の差が大きすぎ、通常のコミュニケーションが成り立たないという関係の中で、作業を可及的速やかに終了させることが最優先事項となった結果、不正な仕事のやり方に向かったという側面があるようです。
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「社長と会長が冷戦状態で…」データ不正「中部電力」に根付く経営の分断と機能不全
                          デイリー新潮 2026/9/28
 浜岡原発を巡り相次ぐ不祥事を受けて、社長、会長の両トップが辞任した中部電力。背景には、単なる「倫理観の欠如」にとどまらず、根深い経営の分断構造があったといえる。こうした同社内の内情に加え、経産省サイドの“本音”に迫った。(桜井燈/ジャーナリスト)

不祥事の根本原因
 中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県)の安全審査を巡るデータ不正問題は、ついに林欣吾社長(65)と勝野哲会長(72)の引責辞任に発展した。同社は政府の原子力規制委員会に提出していた浜岡原発3、4号機の再稼働に向けた審査申請も取り下げ、12年に及んだ同原発の安全審査は完全に白紙に戻った。外部の弁護士による調査報告では、審査の遅れを叱責する経営トップが現場に過度なプレッシャーを与え、安全データの不正に繋がったとされた。前代未聞の原発不正問題は、社内の論理を優先し、法令順守意識を欠いた企業体質を改めて浮き彫りにした。
 しかしそれ以上に、今回の不祥事の背景には、中部電力の特異な経営責任の分断構造が挙げられる。経営陣の中で事務系出身の林社長と技術系出身の勝野会長は冷戦状態にあり、大きな溝が生じていた。特に原発は技術畑の勝野氏が担当し、林氏は口出しできない二重の権力構造があったという。一方の林氏も電力販売を巡って公正取引委員会によるカルテル調査の対象となり、社長室が捜索を受けるなどしたが、それを勝野氏が社内で批判することはなかったようだ。こうした経営責任の分断構造が企業統治の空白を生み出していた。

「なぜ謝罪する側が勝手に指定してくるのか」
「度重なる不適切事案の発生により、御前崎市の皆様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしております。心よりお詫び申し上げます」。
林氏は9月14日に開いた辞任会見の翌日、浜岡原発が立地する静岡県御前崎市の下村勝市長を訪ね、原発データ不正問題で地元住民に強い不信を招いたとして謝罪した。この日は鈴木康友県知事のもとにも赴き、原発不正問題を陳謝した。面会の中で林社長は「県民からの信頼を損なうものであり、原発事業者としての適格性を疑われる事象と痛感している」などと述べた。
 林社長はこのほかにも浜岡原発周辺の牧之原市や菊川市なども回って謝罪行脚した。だが、各自治体の反応は極めて冷淡だったようだ。ある自治体関係者は「中部電力からは『15日に林が謝罪に伺います』と一方的に通告された。なぜ、不祥事を起こして謝罪に訪れる側が、こちらに相談することなく、日時を勝手に指定してくるのか。中部電力の独善的な経営体質は以前と全く変わっていないと感じた」と憤る。

「規制委の要求は無理難題」
 林社長は辞任会見の席上、今回の原発不祥事を巡って外部の弁護士がまとめた調査報告書の内容を公表した。そこでは原発再稼働の審査を急ぐ経営トップらが現場職員を厳しく叱責していた様子が生々しく証言されていた。そして報告書は「経営陣が現場の事情を認識せずに安全審査の遅れを叱責したことが、担当者を心理的に追い詰めた」と指摘。それが原発の耐震設計のベースになる「基準地震動」(発生しうる最大の揺れ)のデータの不正操作に繋がったと結論付けた。
 中部電力の社内では「原発事業の実質的な責任者だった勝野会長の責任は極めて重い」との声が圧倒的だ。勝野会長は技術系出身のトップとして、早期の再稼働に向けた迅速な安全審査を指揮する立場だった。だが、実際の安全審査は原子力規制委員会の厳しい要求で審査期間が長期化し、多額の安全対策費用を投じても再稼働のメドが立たない状態に陥っていた。それが現場社員に対する厳しい叱責となり、いつしか規制委の要求を「無理難題」と勝手に判断し、データ不正を正当化する風潮がまかり通っていたようだ。
〈さらに深刻といえる、トップの責任を追及できない企業体質、そして経産省内で挙がる「再編」の思惑などについて、新潮QUEで詳報している〉
                 デイリー新潮編集部

28- 中部電の浜岡廃炉、不正書き換え18件に 上司に「逆らえない空気」

 中部電力は25日、浜岡原発(静岡県)で廃炉作業中の1、2号機をめぐる工事資料の不適切な書き換えについて、新たに4件が判明し、計18件になったと発表しました。計8件で不正に費用請求していた可能性があるということです。

「計画通りでないと信用性を失い、費用の支払いをうけることが困難になる」との考えがあったほか、書き換えを指示した役職者に対し「逆らえない空気感」もあったということです。
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中部電の浜岡廃炉、不正書き換え18件に 上司に「逆らえない空気」
                            朝日新聞 2026/9/25
 中部電力は25日、浜岡原発(静岡県)で廃炉作業中の1、2号機をめぐる工事資料の不適切な書き換えについて、新たに4件が判明し、計18件になったと発表した。計画通りに工事が進んでいると見せかけるため、実績と異なる報告をするなどしていた。費用がどの程度、過大に請求されていたかは調査を続ける。
 廃炉をめぐる不適切な手続きは8月下旬に発覚した。経済産業省が事実関係や原因などの調査を求め、中部電力がこの日、報告した。
 報告によると、書き換えがあったのは、中部電が2024年度に廃炉費用の証拠として「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(NuRO)に提出した工事報告書18件。書き換えてはいないが、中部電内のデータと合わない書類もあり、計8件で不正に費用請求していた可能性があるという。
 中部電によると、書き換えにかかわった担当は6人。記入がなかった印影を加えるなどしたほか、工事が計画通りに進んでいると見せるために実績とは異なる内容を報告していた。計画の策定段階でNuROから多くの指摘を受け、「計画通りでないと信用性を失い、費用の支払いをうけることが困難になる」との考えがあった。書き換えを指示した役職者に対し「逆らえない空気感」もあったという。


浜岡原発の廃炉費用不正、中部電の体質に批判 静岡・御前崎市議会
                            朝日新聞 2026/9/26
【静岡】浜岡原発の廃炉工事費用をめぐる不適切事案について、中部電力は25日、御前崎市議会の原子力対策特別委員会に中間報告した。議員からは「安全を重視すべき組織なのに、そんなことでいいのか」などと相次ぐ不祥事に改めて企業体質を問う声があがった。
 同社の説明では、「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」に対して報告した2024年度の工事のうち、解体物量などを書き換える不正が8月公表の14件から18件に増え、8件で費用請求への影響があり得るとした。担当課長が書き換えを指示しており、動機について「計画通り報告しなければ費用が支払われなくなると考えた」と話しているという。

 取材に応じた特別委の河原崎恵士委員長は「原子力を扱う事業者としての自覚や心構えが足りない。自覚があればこのようなことは起こらないはずだ」と批判した。(長橋亮文)


中部電力、浜岡原発の「再稼働申請」取り下げ…1・2号機の工事報告書の書き換えは4件増え「18件」に
                            読売新聞 2026/9/25
 中部電力は25日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3、4号機の再稼働審査について、原子力規制委員会への申請を取り下げたと発表した。また、廃炉作業中の1、2号機で判明した不適切な費用請求に関し、工事報告書の書き換え件数が、今年8月公表時から新たに4件増え、18件に上ることも明らかにした。
 申請の取り下げにより、浜岡原発で2014年に始まった審査は白紙に戻り、再稼働への見通しはいっそう不透明となった。不祥事による再稼働審査の取り下げは初めてで、中部電は「信頼性に重大な疑義が生じている状況において、申請を維持することは適切ではない」などとするコメントを発表した。
 浜岡原発を巡っては中部電が4号機は14年に、3号機は15年に再稼働に向けた審査を申請していた。ただ、今年1月に耐震設計の目安となる「基準地震動」のデータを不正に操作していたことが発覚。外部弁護士でつくる調査委員会の今月11日の報告を受け、再稼働申請に関する資料の信頼性に重大な疑義が生じたとして、14日の臨時取締役会で申請取り下げを決めていた。
 一方、中部電は25日、8月に発表した浜岡原発1、2号機の廃炉作業に関する24年度分の不適切な費用請求に関し、報告書の内容が実際の工事状況と食い違っていたものが計18件に上ると発表した。中部電は報告書を基に、資金を管理する「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)に費用の請求を行っており、不正に受け取った金額の確定作業を進める方針だ。書き換えは原子力部門の担当者6人で行っていたという。
 名古屋市で記者会見を開いた中部電の大塚温久・原子力部長は、不正の背景に、担当者の間に機構に提出した計画と実績を一致させなければならないとの認識があったとし、「(担当者に)自分を縛ってしまう発想があった」と述べた。

2026年9月24日木曜日

雨の代々木公園で「さようなら原発」集会 全国集会に4000人

  脱原発と気候危機対策を呼びかける「さようなら原発」全国集会が23日、東京・代々木公園であり、各地から4000人が集まりました。集会後、参加者らは冷たい雨が降る中で公園周辺を行進し、「原発なくそう」「福島の教訓を忘れるな」と声を上げました。

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雨の代々木公園で「さようなら原発」集会…「危険や犠牲を誰かに押しつけない未来」を訴え
                        東京新聞 2026年9月23日
 脱原発と気候危機対策を呼びかける「さようなら原発」全国集会が23日、東京・代々木公園であり、各地から4000人(主催者発表)が集まった。集会後、参加者らは冷たい雨が降る中で公園周辺を行進し、「原発なくそう」「福島の教訓を忘れるな」と声を上げた。
◆「原発さえなければ病気と闘う必要もなかった」
 集会のメインスピーチに登壇した国際交流NGOピースボート共同代表の畠山澄子さんは「戦争、原発、気候危機には共通点がある。持続可能でないこと、必ず不正義、不条理があることだ」と強調。「危険や犠牲を誰かに押しつけるのではなく、次の世代が安心して暮らせる未来を作りたい」と語った。
 2011年の東京電力福島第1原発事故の放射線被ばくで甲状腺がんになったとして集団訴訟を起こした原告らを支援する「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」の笠谷航平さんは「原発さえなければ原告らは病気と闘う必要もなかった」と指摘。「経済的な利益のために一人ひとりの人生が壊された。あってはならないことだ」と訴えた。
 集会は、作家の故大江健三郎さんらが呼びかけ人となった「『さようなら原発』1000万署名市民の会」が主催した。(三宅千智)


原発も戦争と同じ環境破壊」~さようなら原発 9.23全国集会
                     レイバーネット2.0 2026年9月23日
<近藤徹>
 雨がふりしきる9月23日午後、「ようこそ再生可能エネルギー! 原発に依存しない社会の実現を!」を掲げて、代々木公園B地区で「さようなら原発9.23全国集会」が行われ、4000人が参加した。
 福島第1原発事故から15年6月。あの悲惨な事故がなかったかのように原発再稼動への動きが加速している一方、浜岡原発での不正な耐震データ改ざんなども明らかになっている。こんなひどい現状に怒りをぶつけようと集った。若者の参加者も目立った。



 鎌田慧さんの主催者代表挨拶(写真左)に続き、畠山澄子さん(ピースボート/右)がメインスピーチをした。「原発も戦争と同じく環境破壊である」とのトークが印象に残った。

 気候危機、核ごみ問題、再生可能エネルギー、福島の現状の訴えなどがあった。雨のため一斉プラカードアピールが取り止めになったのは残念だった。3時からデモ行進に移り、私たち被処分者の会は原宿コース(2.3km、約1時間)をデモ行進した。雨の中のデモ行進は結構大変だった。

「きちんと調べてください」四国電力送配電の19歳社員転落死 両親が会社に新たな要求書 

 四国電力送配電社員の松岡一輝さん(19)は今月、徳島県上勝町の鉄塔で作業中に転落し死亡しました。その後、一輝さんのカバンからは、職場でのパワハラを訴える遺書が見つかり会社側は、第三者委員会を設置し事実関係を調査することにしています。
 遺族は「会社側が『調査中』ということを理由に説明を避けている」として、24日午前同社徳島支社を訪れ、現時点で確認できる事実関係についてすみやかに開示するよう求める要求書を提出しました。
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【速報】「調査中であることを理由に説明を避けている」 パワハラ訴える遺書残し転落死した19歳の社員 遺族が“事実関係”説明など求める要望書提出のため勤務先へ 四国電力送配電
                          関西テレビ 2026/9/24
四国電力送配電で今月、パワハラを受けたと訴える遺書を残して死亡した社員の遺族が、事実関係の速やかな開示を求める「要求書」を提出するため男性が勤務していた支社を訪問しました。
【関連】パワハラを訴える遺書残し転落死した19歳男性 勤務先の四国電力送配電が両親のもとへ
    事実関係は明らかにならず「第三者委設置し調査する」 午後に正式表明(9/18放送)
          動画URL↓
       https://www.ktv.jp/news/articles/?id=29713 
四国電力送配電の社員、松岡一輝さん(19)は今月、徳島県上勝町の鉄塔で作業中に転落し、死亡しました。
一輝さんのカバンからは、職場でのパワハラを訴える遺書が見つかり、会社側は、第三者委員会を設置し、事実関係を調査することにしています。
遺族は24日午前10時頃、「会社側が『調査中』ということを理由に説明を避けている」として、一輝さんの勤務状況など現時点で確認できる事実関係について、すみやかに開示するよう求める要求書を提出するため、男性が勤務していた四国電力送配電徳島支社を訪れました。


「きちんと調べてください」四国電力送配電の19歳社員転落死 両親が会社に新たな要求書 
                          ABCテレビ 2026/9/24
 四国電力送配電の男性社員が送電鉄塔から転落死し、職場でのパワハラを訴える遺書が見つかった問題で、男性の遺族が会社を訪れ、新たな要求書を手渡しました。
   【速報】四国電力送配電の19歳男性社員が転落死 両親が会社に説明求め要求書
 9日、作業中に転落死した四国電力送配電の社員・松岡一輝さん(19)の両親は24日午前、徳島支社を訪れました。
 この問題では、先輩からパワハラを受けていたと訴える一輝さんの遺書が見つかり、遺族が会社に説明を求めました。しかし、先週届いた回答書では具体的な答えは差し控えられていました。
(松岡一輝さんの母・美紀さん)
「きちんと調べて下さい、それしかないですよね」
 会社側からは、一輝さんがこれまで鉄塔に登った回数などの情報開示がありましたが、両親は事故直前の勤務状況など、さらなる調査を求めています。

24- 中部電力次期社長が就任初日に浜岡原発周辺自治体と静岡県庁訪問へ

 10月1日に就任する予定の中部電力の安井稔次期社長が、就任当日午前中に御前崎市などを訪れることが分かりました。その後、周辺の牧之原市や菊川市、掛川市と県庁も訪問する予定です。
 浜岡原発を巡り相次いだ不祥事で、就任初日に自治体に出向き信頼回復につなげる狙いがあるとみられます。
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中部電力次期社長が就任初日に浜岡原発周辺自治体と静岡県庁訪問へ 相次ぐ不祥事に『信頼回復』が狙いか 静岡・御前崎市
                         静岡朝日テレビ 2026/9/21
 10月1日に就任する予定の中部電力の安井稔次期社長が、就任当日の午前中に静岡県御前崎市などを訪れることが分かりました。
「またかという感じ」市民もあきれ顔 浜岡原発の廃炉作業の費用請求でデータの書き換えが発覚 少なくとも14件の不適切な手続き 改ざんされた請求書で8億円が支払われる
 中部電力の勝野哲会長と林欣吾社長は、浜岡原発3・4号機を巡る基準地震動のデータ不正問題の経営責任を取るとして、9月30日付での辞任を表明しています。後任の社長には、10月1日に安井稔取締役が就任する予定です。
 関係者によりますと、安井新社長は就任当日の午前中に浜岡原発が立地する御前崎市を訪問し、下村勝市長や市議会の正副議長らと面会するということです。その後、周辺の牧之原市や菊川市、掛川市と県庁も訪問する予定です。
 浜岡原発を巡り相次いだ不祥事で、就任初日に自治体に出向き信頼回復につなげる狙いがあるとみられます。

2026年9月21日月曜日

浜岡原発“データ改ざん問題” 年内に中部電力への処分を決定する方針

 浜岡原発の地震想定を巡るデータ不正問題で、同社調査委員会が報告書を提出したことを受け、原子力規制委員会は17日、定例会合を開き、同委は独自に立ち入り検査を進めて、悪質性について2026年内にも評価する方針を示しました。
 最も重い処分は原発の設置許可そのものの取り消しということですが、正しい地震動に対して現行の原発が持たないのであれば、それは当然のことです。逆に真の基準地震動が示されないままで再稼働させるなどはあり得ません。
 何よりもまず規制委は総力を挙げて真の基準地震動を求めるべきです。
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規制委委員長:検査に時間
                           時事通信 2026/9/17
 中部電力 浜岡原発(静岡県)の地震想定を巡るデータ不正問題で、同社調査委員会が報告書を提出したことを受け、原子力規制委員会は17日、定例会合を開いた。事務局の原子力規制庁は不正の内部通報に対する同社の対応などを追加で検査して確認すると報告。山中伸介委員長は「時間を一定程度要すると思うが、しっかりと事実確認をして、措置を判断したい」と述べた。


「捏造のようなことをやってさらにそれを規制庁に露見しないようにごまかしをやった」浜岡原発のデータ不正巡り原子力規制委が独自に立ち入り検査へ 年内に悪質性を評価の方針
                       静岡放送(SBS) 2026/9/17
中部電力浜岡原発の再稼働審査をめぐるデータ不正問題について、原子力規制委員会は独自に立ち入り検査を進めて、悪質性について2026年内にも評価する方針を示しました。
9月17日、原子力規制委員会は定例の会合を開き、中部電力浜岡原発3、4号機の再稼働審査をめぐるデータ不正の調査結果について委員の5人全員が所感を述べました。
<原子力規制委員会 山岡耕春委員>
「中部電力はかなり周到につじつま合わせをしてきたことが読み取れる」
<原子力規制委員会 山中伸介委員長>
「データ不正、言ってしまえば捏造のようなことをやってさらにそれを規制庁に露見しないようにごまかしをやった」
中部電力は再稼働審査の取り下げを表明していますが、原子力規制委員会は独自に立ち入り検査を進めていて、2026年内にも重要度や深刻度の評価を決定する方針を示しました。評価を踏まえて処分の内容が検討され、最も重い場合は原発保有の前提となる設置許可そのものが取り消されます。


浜岡原発“データ改ざん問題” 年内に中部電力への処分を決定する方針
                     テレビ朝日系(ANN) 2026/9/18
浜岡原発の再稼働に向けた審査を巡る“データ改ざん問題”で、原子力規制委員会は年内をめどに中部電力への処分を決定する方針を明らかにしました。
 中部電力が浜岡原発の再稼働に向けた審査で、想定される地震の揺れのデータを改ざんしていた問題を巡って今月14日、中部電力は外部の調査委員会による報告書を原子力規制委員会に提出しました。
 規制委員会の山中委員長は、17日の会見で「技術者としての倫理観の喪失」と改めて中部電力を批判したうえで「年内をめどに処分を決めたい」と述べました。
 規制委員会は今後、中部電力の「内部通報への対応」などを検査し、処分内容を議論する方針です。

中部電力社員が“善意の同僚”に送った〈圧迫メール〉

 ダイヤモンド・オンラインに窪田順生氏による掲題の記事が載りました。
 ある社員が、必要な条件を除外せずに基準地震動を求めるべきだと要求すると、指摘された社員が「その場合は得られる基準地震動に対して現行施設の強度が足りなくなるので、原発が再稼働できなくなるがそれでもいいのですね」というメールをした結果、最終的に『データの捏造にはしる』ことになったと語られています。
 窪田氏は、「空気の研究」で知られる評論家・山本七平氏が、戦前の軍隊では「組織が求める数を合わせることがすべてにおいて優先されるという〝員数主義″がはびこり、それが日本の敗因だった」と指摘したことを思い出すと述べます。
 結果的に「原発再稼働不可という事態は絶対に避けることが最優先事項になった」ことは分かりますが・・・
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そりゃ不正するわ…「原発再稼働」の闇に飲まれた中部電力社員が“善意の同僚”に送った〈圧迫メール〉
                   ダイヤモンド・オンライン 2026/9/20
 中部電力の「浜岡原発データ改ざん問題」。実は、顧客への過大請求を放置するなど、社内全体でモラルが崩壊していたことが浮き彫りとなっています。異論を唱える社員への「逆ギレメール」まで飛び出すその闇の深さと、不正を生み出す「日本型組織の病」の恐ろしさに迫ります。(ノンフィクションライター 窪田順生)

●データ不正の「正当化」 壊れきった組織のモラル
《『不適切だと認識しつつも何らかの事情でやむにやまれず実行するという事例に比べ、行為者が「自分たちは正しいことをしている」という考え方により、確信ひいては信念すら持って不適切な行為を実行に移している可能性がある』》(調査報告書(開示版)227ページ)
 そんな「正義の不正」ともいうべき、ゆがみまくっているモラルにドン引きしたという人も多いのではないか。
 名古屋財界の名門・中部電力が、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の再稼働審査に用いる耐震設計の「基準地震動」のデータが2012年ごろから不正に操作して、意図的に地震の揺れを小さく見せていた問題のことだ。
 ご存じのように今、原発再稼働が着々と進んでいる。関西電力は保有する7基すべてが再稼働済み、中国電力は島根2号機、四国電力管内は伊方3号機が稼働、九州電力も4基を再稼働、福島第一原発事故を起こした東京電力も26年1月、柏崎刈羽原発6号機の再稼働にごぎつけた。
 他の電力会社の背中を追う中部電力社内に「強烈な焦り」があったことは容易に想像できよう。しかも、同社は唯一保有する浜岡原発の安全対策に約4000億円という巨額の費用を投じてきたので今さら「稼働できませんでした」で済む話ではない。そういうプレッシャーにさらされていくうち、社内の一部が常軌を逸した不正を正当化してしまったのだろうか。
 そう聞くと「よくないことだけれど、上から無理な数値目標とかスケジュールを押し付けられて叱責されているうち、精神的に追いつめられちゃった部分もあるんじゃないの?」と同情的な見方をするサラリーマン諸氏も多いのではないか。
 ただ、中部電力のモラルの壊れ方は「現場も被害者」的な話だけでは到底説明ができない。原発に限らず組織内のありとあらゆるところでモラルのネジがぶっ飛んでしまっているからだ。
 例えば今、原発データ改ざんと共に問題になっている「過大徴収」。子会社の中部電力ミライズが約500万件の顧客に対して、電気料金を約12億円も過大に徴収していたのだが、背筋が冷たくなるのはその対応だ。

●過大徴収も2年半「放置」 蔓延する不正カルチャー
 なんと、中部電力はおととしの時点で計算ミスに気付いていたが、是正措置が取られないまま、同年4月から約2年半にわたり誤った料金が適用された。いわゆる「ネグっていた」のである。
 「中部電力みたいな立派な大企業がなんでそんないい加減なことをするんだよ」と驚くかもしれないが、こんなものはまだ序の口で、もっと悪質な不正もバレている。
 実は今回、浜岡原発では改ざん以外にも「不適切請求」が発覚している。電力会社は廃炉にかかった費用を「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」という認可法人に請求することができる。2024年度分として約8億円をもらっていたのだが、その手続きでこれまた「改ざん」していた。
 廃炉の請負会社から受け取った2024年度の工事報告書について、解体した機器とその量を実際とは異なる数値に書き換えているケースが14件あった。関与した社員は「(廃炉作業の)計画通りの実績にしたかった」という(8月27日 産経新聞)。
 また、23年2月には、中部電力の小売事業を担う子会社・中部電力ミライズが本来は他部門で共有してはいけない新電力の顧客情報を、従業員5043人が閲覧していたことが明らかになった。その数は約10カ月間で39万9376件。関西電力でも同様の問題が起きているが3年間で15万件。目くそ鼻くそではあるが、中部電力の方が「不正に寛容な組織風土」とも受け取れる(2023年2月17日 日本経済新聞)。
 そしてさらに「闇」が深いのは、中部電力のこのような不正・改ざんカルチャーというのが昨日今日始まったことではなく、半世紀以上前から脈々と引き継がれている可能性もあるということだ。
 今から21年前、2005年4月25日の国会で野党議員が、資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長に対してこんな質問をした。
 「浜岡原発の二号機につきまして、設計段階で耐震性性能の数値に改ざんがあったと、こういうようなことをおっしゃる、言わば内部告発的にこういうことをおっしゃる人が現れました。その方は、最初、文書を公開をされておりまして、最近では、今月の十五日でしょうか、静岡県庁で記者会見までやられておりまして、この事実がインターネット上にも出ておりまして、一部の人たちが大変心配をしております」(2005年4月25日 第162回国会参議院行政監視委員会 第5号)
 告発者は東芝子会社に在籍していた元設計者。この人物によれば、1972年に部門ごとの設計者の代表が集まった会議で、計算担当者が「いろいろと計算したが無理だった。この数値では地震がくると浜岡原発はもたない」などと発言したうえで、データ偽造が行われたという(2005年4月22日 MyNewsJapan)。

●半世紀前から続く「闇」? 過去にも認めた14の不正
 この元設計者の主張を東芝も中部電力も否定。翌月になると、浜岡原発の運転差し止めを求める市民団体が、この告発内容を訴訟の準備書面にも採用したが、中電は「地盤の安定性について理解してもらえるよう主張していく」(朝日新聞静岡版2005年5月21日)として、あくまで立地の岩盤は強く、耐震性に関しても十分に余裕をもって計算しているという姿勢を貫いた。結果、静岡地裁はこの請求を棄却。元設計者の主張も含めて、浜岡原発の安全性に問題があるという指摘はいずれも採用されなかった。
 興味深いのはそれからほどなくした2006年10月、中国電力でデータ改ざんが発覚したことを受けて、すべての電力会社に指示された「発電設備総点検」だ(2007年5月18日 電気事業連合会)。
 中部電力もご多分に漏れず、総点検をしたところ過去の不正が見つかった。2007年5月に以下のように公表している。
 《国からの指示に基づき、社員・社員の退職者・協力会社の社員を対象に聴き取り調査などをおこなった結果、浜岡原子力発電所においては、過去にデータ改ざんなど14件の不適切な事案があったことを確認しました。(火力、水力も含めると、中部電力全体で40件)データ改ざんなどの不適切な事案は2002年度以前におこなったものであり、現在は全て是正され、継続的におこなわれているものはありませんでした》(2007年5月18日 中部電力ホームページ 過去の「事故・故障など」に関連する情報)

 話をまとめよう。浜岡原発は設計段階からデータ改ざんがあったという告発があったが中電は否定。しかし、それからほどなくして2002年までの間にデータ改ざんなどの不正が14件あったことが発覚、これは中電自身も認めている。そして、今回のデータ改ざんも外部の弁護士によれば、「遅くとも2012年以降」から繰り返されているという。
 営業運転開始から50年、これだけの問題が「表面化」してきたのだ。これまで見てきた「不正に寛容な組織風土」を見ても、「バレていないだけのデータ改ざん」がまだまだあるのではないか、とつい勘繰ってしまわないか。
 中部電力という組織の「闇の深さ」に引いている人も多いだろうが、そこで次に気になるのは、名古屋財界の名門で多くの優秀な人材を採用しているはずのこの組織が、なぜこんな「無法地帯」のようになってしまうのかということだ。
 報道対策アドバイザーとして、ガバナンス不全に陥った組織の内部も見てきた経験から言わせていただくと、日本型組織の典型的な「病」のひとつである「員数主義」に毒された結果だと見ている。
 これはわかりやすく言えば「組織が求める数を合わせることがすべてにおいて優先される価値観」であり、「空気の研究」で知られる評論家・山本七平氏によれば敗戦後、多くの日本軍関係者が、この「員数主義」こそが、日本の敗因だった指摘したという。その理由は、山本氏の「一下級将校の見た帝国陸軍」(文藝春秋)を読めば明らかだ。
 《『数さえ合っていればそれでよい』が基本的態度であって、その内実は全く問わないという形式主義、それが員数主義の基本なのである。それは当然に、『員数が合わなければ処罰』から『員数さえ合っていれば不問』へと進む。従って『員数を合す』ためには何でもやる。『紛失しました』という言葉は日本軍にはない。この言葉を口にした瞬間、『バカヤロー、員数をつけてこい』という言葉が、ビンタとともにはねかえってくる。紛失すれば『員数をつけてくる』すなわち盗んでくるのである》
 この記述からもわかる通り、員数主義は「自分の立場さえ守れればいい」という自己保身、そして数字合わせのための不正や搾取は「必要悪」として容認するなど、個人の良心や倫理観を麻痺させてしまうのだ。

●内部通報を潰す「逆ギレ」 日本軍を滅ぼした員数主義
 実は今回の外部の弁護士による調査報告書を読むと、中部電力内の一部の人々がこの員数主義に毒されていることが伺える。
 報道もされているが、今回のデータ改ざんについては、社内で問題視する声や内部通報は度々あった。あるとき、不適切行為を防止するための社内相談窓口「ヘルプライン」の担当者が、原子力土建部に対して、計算最短周期の設定に関する事項も資料に具体的に記載をすべきだと求めたところ、こんな「逆ギレ」的なメールが返ってきた。
 《「もし、浜岡を諦めるリスクを自ら顕在化させるということであれば、ご指摘の様な記載もしますが」》(調査報告書(開示版)226ページ)
 要するに、こっちがせっかく「数字合わせ」をして資料を作成してやっているのに、あなたの余計な横槍によって、浜岡原発の再稼働はできないですけど、本当にそれでもいいんですね、という遠回しな「脅し」である。調査報告書でもこのように指摘している。
 《「上記電子メールには、異論を唱える者に圧力をかけるような形で、自らの対応方針を阻害する指摘等を排除しようとする意図も見受けられる」》(同上)
 中部電力内の一部の人々は「浜岡原発再稼働のためのデータをつくる」という員数主義に支配されてしまっていたのだと考えられる。山本七平氏の言葉を借りれば「員数を合わすためには何でもやる」という状態だった。だから、データ改ざんも繰り返すし、社内の異論も圧力で跳ね返す。
 そもそも浜岡原発の立地は、大規模な東海地震の震源域の真上に位置している。中部電力は「活断層の上ではない」などと必死に安全性をアピールしているが、危険性を指摘する専門家もいる。
 そんな中、必死に再稼働を目指してきたが、「員数主義」にとらわれて不正が蔓延して、組織が内部から自滅してしまった形だ。
 この構図は、無謀な戦争に突っ込んで、同じく員数主義にとらわれて身の丈に合わない拡大路線から引っ込みがつかず、内部から自滅した日本軍とまるっきり同じだ。
 今回の中部電力の自滅は、すべての日本型組織に当てはまる。我々の社会は「大きな目的のためには小さなルール無視は必要悪」とか「組織全体の成功・利益のためには多少の犠牲もやむをえない」というような考え方を肯定的に捉えるムードがある。
 社会に出て働いている人ならば、売上目標やノルマという「数字合わせ」のため、ちょっとしたズルや胡魔化しに手を染めてしまう上司や同僚を見かけたことがあるはずだ。「員数主義」は、みなさんの会社の中でもちゃんと受け継がれているものなのだ。
                    窪田順生