2020年2月29日土曜日

東海第二再稼働「原電ペースで進まない」と水戸市長

 原電東海第二原発を巡り、水戸市の高橋靖市長は27日、再稼働の是非を判断する時期について、「原電のペースで進むわけではない。時期は未定だ」と、事故対策工事が完了する2212月を判断期限とはしない考えを示しました
 市長はこの日、市民団体「原発いらない茨城アクション実行委員会」と会談し、「市民の理解が得られない限りは動かせない」と強調。広域避難計画を策定し、その後に万単位での住民アンケートを踏まえて、再稼働の是非を判断したいとしました。明快な対応です。
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東海第二再稼働「原電ペースで進まない」 水戸市長、
2212月 判断期限とせず
東京新聞 2020年2月28日
 日本原子力発電(原電)東海第二原発(東海村)を巡り、水戸市の高橋靖市長は二十七日、再稼働の是非を判断する時期について、「原電のペースで進むわけではない。時期は未定だ」と、事故対策工事が完了する二〇二二年十二月を判断期限とはしない考えを示した。(松村真一郎)

 東海第二の再稼働の際は、水戸市や東海村、ひたちなか市など六市村の事前同意が必要。六市村の首長らは十八日に原電の村部良和・東海事業本部長らと懇談し、工事日程などの説明を受けた。
 その際、山田修村長は各社の取材に、六市村が二二年十二月までに再稼働の是非を判断する考えを明らかにしていた。山田村長が、ほかの五市長の考えをくみ取っていなかった可能性がある
 高橋市長はこの日、原発に反対する県内外の市民団体でつくる「原発いらない茨城アクション実行委員会」と会談した。その中で、「市民の理解が得られない限りは動かせない」と強調。広域避難計画を策定し、その後に万単位での住民アンケートを踏まえて、再稼働の是非を判断したいとした
 会談では、十八日の会合について高橋市長から説明があった。原電が、原子力規制委員会への使用前検査についての提出書類で原子炉の使用開始予定時期として、二二年十二月の工事完了予定日を記入していたことを明らかにした。
 首長側が「住民に、再稼働の時期だと誤解されかねない」と反発し、原電側は「あくまで手続き上の記載であり、再稼働時期は未定」と説明したが、首長側は、使用前検査について、再稼働につながるものではないということを書面で原電に確約させるという認識で一致したという。

3月にも「焼却灰」再焼却に着手 環境省

 環境省は双葉町の仮設灰処理施設で除染廃棄物などの焼却灰を再び燃やし減容する作業を3月にも始め、焼却灰約23万トンを23年3月までに再処理する意向です

 燃焼ガスから放射能が漏れる惧れについては、仙台市8日開かれた「女川原発の再稼働を問うシンポジウム」で、宮城教育大の草野清信名誉教授県内各地のモニタリングポストが計測した放射線量率の推移から、「汚染廃棄物の試験焼却の日に数値が上がった。放射能漏れが疑われる」と指摘したばかりです。
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3月にも「焼却灰」再焼却着手 仮設灰処理施設、容量減に効果
福島民友 2020年02月28日
 東京電力福島第1原発事故に伴う除染などで出た廃棄物の処理を巡り、環境省は3月にも、双葉町の中間貯蔵施設敷地内に完成した「仮設灰処理施設」で除染廃棄物などの焼却灰を再び燃やし、容量を小さくする取り組みを始める。75~80%ほどの減容効果があり、焼却灰約23万1000トンを2023年3月までに再処理する。

 環境省は県内の10市町村に仮設焼却炉を設置したが、焼却灰の再処理用は双葉町のみ。同省が27日、施設を報道陣に公開した。焼却炉計4基で1日当たり最大計300トンを再焼却し、減容化した灰は専用のコンテナに入れて中間貯蔵施設で保管する。
 町内の除染で出た廃棄物や災害がれきなどを燃やす焼却炉2基も、同日までに中間貯蔵施設の敷地内に完成した。処理能力は1日当たり計350トンで、23年3月までに累計27万7千トンの処理を見込む。
 27日に現地で各焼却炉の火入れ式が行われた。環境省の鎌形浩史事務次官、伊沢史朗町長、佐々木清一町議会議長らがボタンを押して点火した。

29- 女川2号機再稼働で経産相が宮城知事に地元同意を要請 

経産相、宮城知事に地元同意を要請 女川2号機再稼働巡り
河北新報 2020年02月28日
 原子力規制委員会が新規制基準への適合を認めた東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、同県石巻市)の再稼働を巡り、村井嘉浩宮城県知事は27日、梶山弘志経済産業相から可否を問う「地元同意」を要請されたことを明らかにした。
 村井知事は同日午前、梶山経産相から電話連絡を受けた。安全性を議論した規制委の審査過程や、安定したエネルギー供給の必要性を理由に、再稼働への理解を求められた。
 地元同意は、国が立地自治体の考えを確認する重要な手続き。資源エネルギー庁長官らが近く、県庁を訪れ、要請内容を説明する。村井知事は「長官から改めて内容を聞きたい」との談話を出した。
 規制委は26日、女川2号機再稼働の前提となる審査で正式合格を出した。村井知事は同日の取材に「(再稼働の可否は)現時点で白紙だ」と述べ、県議会や市町村長らの意見を集約して判断する考えを示した。
 東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた新基準に合格した原発は東北で初めて。東日本大震災で被災した原発では、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に続いて2基目となる。

2020年2月28日金曜日

IAEAトップ トリチウム汚染水海洋放出に「OK」と(続報)

 IAEA事務局長グロッシ氏は福島第一原発を視察後記者団に、トリチウム水を海洋放出は「技術的な観点からみて、国際的な慣行に合致している。世界中の原発で非常事態ではなくても日常的に行われている」と語りました。
 これではまるで海洋放出にお墨付きを与えに来たように思われます。もともとIAEAは前事務局長に日本人が就いていたことからも分かるように、原発推進の機関ではあるのですが ・・・ 
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IAEAトップが福島第1原発視察 処理水放出の際は「支援」
福島民友 2020/2/27
 東京電力福島第1原発を視察した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は26日、原発で増え続ける処理水を実際に環境中に放出する際には、日本政府に助言したり、放射性物質のモニタリングなどで支援したりする用意があるとの考えを示した。視察後に記者団の取材に答えた。
 グロッシ氏は、処理水を海洋や大気中などの環境に放出する前段階や、放出の最中にIAEAが監視することを支援の例に挙げた。また海洋放出について「技術的な観点からみて、国際的な慣行に合致している。世界中の原発で非常事態ではなくても日常的に行われている」と語った。
 処理水の具体的な処理方法について、グロッシ氏は「決めるのは日本政府だ」と繰り返し強調。「科学に基づいた決定、実証された方法であるべきだ」と指摘した。
 また、東電幹部を前にあいさつし、「廃炉作業に励む人たちは世界にプロ意識や誠実さを示した。IAEAは常に近くでサポートしていく」と激励した。


IAEA事務局長 第一原発を視察
福島民報 2020/02/27
 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は二十六日、就任後初めて東京電力福島第一原発を視察し、同原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ水の処分方法について「決めるのは日本政府」とした上で「どのような決定でも科学的に実証された手法であるべき」と指摘した。視察後に報道陣の取材に答えた。 
 グロッシ氏は福島第一原発で発生する汚染水の浄化処理の状況を確認し、「システムは技術的にも健全で国際的な基準も満たし、IAEAとして満足している」と評価。処理水を実際に環境中に放出する際には、日本政府の求めに応じて助言したり、放射性物質のモニタリングなどで支援したりできるとの考えを示した。 
 IAEAの関与により、国際的な基準に沿って管理した上での放出を担保し、放出に関する正確な情報を世界に発信できるとした。 

 グロッシ氏は今回の視察で、汚染水からトリチウム以外の放射性物質を取り除く浄化システムなどの説明を受けた。多核種除去設備(ALPS)で処理した水に放射線測定器を近づけても周辺の空間線量と変わらないことも確認した。 
 グロッシ氏は昨年、任期中に死去した天野之弥前事務局長の後任で、事務局長としての来日は初めて。 
 処理水を巡っては政府の小委員会が「海洋や大気への放出が現実的な選択肢」とする報告書をまとめた。県内では処分が福島県のみで行われたり、福島県から始まったりすれば風評が一層、強まりかねないとの懸念が根強い。

反原発市民団体が唐津市長に質問書

「原発と放射能を考える唐津の会」26日、九電玄海原発34号機で計画するテロ対策施設の対策や、使用済み核燃料貯蔵プール内の「リラッキング」計画など5項目について、市の考えを示すよう求める質問書と資料を唐津市長宛てに提出しました。
 会の世話人は、「きちんと回答いただき、私たちとともに考えていただきたい」と申し入れました。
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反原発市民団体が唐津市長に質問書 使用済み核燃料対策など
佐賀新聞 2020/2/27
 反原発を訴える「原発と放射能を考える唐津の会」(吉田恵子世話人)が26日、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の使用済み核燃料対策などに関する質問書と資料を峰達郎唐津市長宛てに出した。
 質問は、玄海3、4号機で計画するテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の対策や、使用済み核燃料貯蔵プール内の間隔を詰めて保管量を増やす「リラッキング」計画など5項目に及び、市の考えを示すよう求めている。

 同会は、昨年9月の市議会原子力特別委員会の前にも市長と全市議宛てに原発に関する要望書を提出。吉田世話人は「今回は質問書という形なので、きちんと回答いただき、私たちとともに(原発について)考えていただきたい」と述べ、1カ月以内での回答を求めた。
 市側は「十分に中身を検討して回答する」としている。

28- 33都道府県が 国要求以外の食品も放射能検査

 福島原発事故を受けて、33都道府県が、国が要求する品目以外の食品について自主的に放射性物質の検査を行っていることが分かりました。国のガイドラインは、東日本の17都県に野生のキノコや水産物などの検査を課しています
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33都道府県、放射性物質を検査 国要求以外の食品、自主的に
共同通信 2020/2/27
 東京電力福島第1原発事故を受けて、33都道府県が、国が要求する品目以外の食品について自主的に放射性物質の検査を行っていることが27日、共同通信のアンケートで分かった。いずれも食の安全・安心の確保を理由に挙げる。ただ放射性物質が検出されない中で検査を続けることに負担感を訴える自治体もあり、有識者は国が打ち切りの判断を示すべきだと指摘する。
 国の原子力災害対策本部のガイドラインは、東日本の17都県に野生のキノコや水産物などの検査を課している。対象外の地域や品目を調べる費用は自治体の負担となる

2020年2月27日木曜日

IAEA事務局長 処理水処分海洋放出を認める方向

 IAEAのグロッシ事務局長は26日、福島第1原発を視察記者団の取材に応じ、トリチウム汚染水の処分方法について「科学に基づいた決定であるべきで、すでに実証された手段でなくてはならない」と話しました
 まさに政府の専門委員会の結論をなぞったもので、海洋放出を前提にしています。
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処理水処分「科学的実証」重視を 福島第1原発を視察 IAEA事務局長
時事通信 2020年 2月26日
 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は26日、東京電力福島第1原発を視察した。終了後、記者団の取材に応じ、同原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法について「科学に基づいた決定であるべきで、すでに実証された手段でなくてはならない」と話した。
 グロッシ氏の福島第1原発視察は、昨年12月の就任後初めて。東電の説明を聞きながら、廃炉が進む原子炉建屋や実際に処理された水などを確認した。


IAEA、処理水放出時に支援 グロッシ事務局長、福島原発視察
共同通信 2020/2/26
 東京電力福島第1原発を視察した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は26日、同原発で増え続ける処理水を実際に環境中に放出する際には、日本政府に助言したり、放射性物質のモニタリングなどで支援したりする用意があるとの考えを示した。視察後に記者団の取材に答えた。
 グロッシ氏は、処理水を海洋や大気中などの環境に放出する前段階や、放出の最中にIAEAが監視することを支援の例に挙げた。IAEAが関与することで、国際的な基準に沿って管理した上で放出されることを担保し、放出に関する正確な情報を世界に発信できるとした。


IAEA事務局長 第一原発を視察
福島民報 2020/02/27
 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は二十六日、就任後初めて東京電力福島第一原発を視察し、同原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ水の処分方法について「決めるのは日本政府」とした上で「どのような決定でも科学的に実証された手法であるべき」と指摘した。視察後に報道陣の取材に答えた。 

 グロッシ氏は福島第一原発で発生する汚染水の浄化処理の状況を確認し、「システムは技術的にも健全で国際的な基準も満たし、IAEAとして満足している」と評価。処理水を実際に環境中に放出する際には、日本政府の求めに応じて助言したり、放射性物質のモニタリングなどで支援したりできるとの考えを示した。 
 IAEAの関与により、国際的な基準に沿って管理した上での放出を担保し、放出に関する正確な情報を世界に発信できるとした。 
 グロッシ氏は今回の視察で、汚染水からトリチウム以外の放射性物質を取り除く浄化システムなどの説明を受けた。多核種除去設備(ALPS)で処理した水に放射線測定器を近づけても周辺の空間線量と変わらないことも確認した。 
 グロッシ氏は昨年、任期中に死去した天野之弥前事務局長の後任で、事務局長としての来日は初めて。 
 処理水を巡っては政府の小委員会が「海洋や大気への放出が現実的な選択肢」とする報告書をまとめた。県内では処分が福島県のみで行われたり、福島県から始まったりすれば風評が一層、強まりかねないとの懸念が根強い。

福島第二原発廃炉作業 1日600人(社員除く)想定

 東電は福島第二原発全4基の44年の廃炉期間のうち、第1段階となる最初の10年間に廃炉作業に従事する人は社員を除いて一日600人程度になると想定しています。
 それは第二原発の維持のために従事している協力企業などの作業員の総数と同等です。人数に多少の変動はあるにしても、それが基本的に第1段階を超えて相当期間続く訳で、如何に廃炉にも高額な費用が掛かるかが分かります。
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社員除き1日600人想定 第二原発 第一段階の廃炉作業
福島民報 2020/02/27
 東京電力は福島第二原発全四基の四十四年の廃炉期間のうち、第一段階となる最初の十年間に廃炉作業に従事する人は社員を除いて一日六百人程度になると想定している。二十六日の富岡町議会原子力発電所等に関する特別委員会で示した。 
 福島第二原発では現在、同社の社員約四百人と協力企業などの社員約六百人の合わせて約千人が施設の維持管理業務などに従事している。福島第一原発の廃炉作業に影響を与えないよう廃炉作業を進めるため、乾式貯蔵施設の建設などのピーク時を除き、現在と同じ同社の社員約四百人、協力企業の社員約六百人態勢を維持する考え。 
 作業のピークを極力抑制するため、第一段階で行う汚染状況調査は四基の原子炉建屋を一基ずつ順番に行う。一基を二~三年程度かけて調査することで、作業の平準化を図る。 
 同社は廃炉作業への地元企業の参画機会を拡大し、地域経済活性化を後押しする方針。東京電力福島復興本社の大倉誠代表は委員会の席上、「地元商工会の会員事業所などからできるだけ多くの商品を購入する方向で検討したい」と述べた。 
 また、廃止措置計画の基本方針に、使用済み燃料は廃止措置終了までに再処理施設へ全量搬出すると規定することも示した。

大飯原発テロ対策施設の設置許可

大飯原発テロ対策施設の設置許可 原子力規制委、22年8月期限
共同通信 2020/2/26
 原子力規制委員会は26日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県、再稼働済み)でテロに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置を許可した。期限の2022年8月24日までに完成しなければ2基は運転停止となる。関電は取材に対し「完成時期は未定」としている。
 全国の原発で特重施設の工事が難航し、関電は昨年4月時点で大飯3、4号機では期限を約1年超過するとの見通しを示した。今後設備の詳細設計の審査があり、並行して関電は工事を進める。
 特重施設は、航空機を衝突させるなどのテロ行為に備え、東京電力福島第1原発事故後に設置が義務化された。

27- 女川2号機(沸騰水型)正式合格 東北電で初

女川2号機正式合格 東北の原発で初、20年度以降の再稼働目指す
河北新報 2020年02月26日
 原子力規制委員会は26日の定例会合で、停止中の東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、同県石巻市)の新規制基準への適合を認める「審査書」を決定した。東日本大震災で被災した女川2号機が、再稼働の前提となる審査に正式合格したことになる。
 東北電は海抜約29メートルの防潮堤建設などの安全対策工事を終える2020年度以降の再稼働を目指す。ただ、地元自治体の同意や広域避難計画の実効性などが焦点となり、先行きは見通せない
 東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた新基準に合格したのは東北の原発で初めて。震災の地震や津波で被災した原発では、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に続き2基目。
 これまで再稼働した5原発9基は「加圧水型炉」。女川2号機と同じ「沸騰水型炉」は東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)、東海第2原発の手続きが進んでおらず、女川2号機が先行する可能性もある。
 東北電は13年12月に女川2号機の審査を申請したが議論は長期化。19年11月に審査書案が了承され、事実上「合格」となっていた。安全対策工事費は3400億円程度に膨らんでいる。


「震災の影響確認して判断した」 女川2号機合格で更田規制委員長
共同通信 2020/2/27
 東北電力が再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県)が原子力規制委員会の審査に合格したことを受け、規制委の更田豊志委員長は26日の記者会見で「東日本大震災の影響をきちんと確認した上で、新規制基準を満たしていると判断した」と述べ、慎重に審査したことを強調した。
 今後は地元自治体の同意が焦点となる。更田氏は審査結果を地元に説明する機会があれば、分かりやすく伝えられるよう準備・検討する意向を示した。
 2号機の原子炉建屋の壁には1130カ所の微小なひびが見つかった。変形しにくさを示す剛性が一部では約7割低下、審査の焦点となったが、建屋全体では問題がないと結論づけた

2020年2月26日水曜日

地元企業に廃炉産業参入へ『入門書』 経産省

廃炉産業参入へ『入門書』 経産省支援策、地元企業に情報提供
福島民友 2020/2/25
 東京電力福島第1原発の廃炉作業を巡り、経済産業省は24日、浜通りなど地元企業の参入を進める新たな支援パッケージを示した。新年度から、地元企業を活用する廃炉研究開発を国の補助事業で優遇するほか、地元企業向けに参入に役立つ情報冊子を作成。廃炉現場のニーズと地元企業の技術力を引き合わせる人材も新たに配置し、効果的なビジネスマッチングを支援する。

 福島市で開かれた原子力災害からの福島復興再生協議会で梶山弘志経済産業相が明らかにした。廃炉を重点分野の一つに位置付ける福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の一環。長期間に及ぶ廃炉に携わる企業を増やし、地域産業の活性化を図る狙いだ。
 エネ庁は、公募の中から決まる国の廃炉研究開発事業で、評価項目に地元企業との協働の項目を追加して加点する。元請け企業に地元企業との協働意欲を高めてもらう狙いで、浜通りなど15市町村の企業との取り組みが対象となる。
 情報冊子は官民合同チームが作成。廃炉関連の資機材・部品に求められる品質やサポート窓口などの情報を記載し、参入を検討している製造業者向けに「入門書」として配布する。イノベ機構は、参入の調整役を担う「コーディネーター」を配置。元請け企業に地元企業の情報、地元企業には廃炉関連情報を提供するなど、両者のマッチングを効果的に支援する。
 イノベ構想を巡っては、地元企業への経済効果が見えにくいなどの課題がある。内堀雅雄知事は同協議会後「地元企業が関われる形をつくっていくことが重要。県としても国の対応と連動しながら地域産業の活性化に取り組む」と述べた。

大熊、浪江、葛尾の住民「医療・商業施設」充実望む

「医療・商業施設」充実望む 大熊、浪江、葛尾の住民意向調査
福島民友 2020/2/25
 復興庁は、東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除いて解除された大熊、浪江、葛尾3町村の住民意向調査の結果をまとめた。
 帰還の可否を判断する場合に必要な要素として、医療・介護福祉施設の再開・新設、商業施設の再開による買い物環境の充実を求める割合が高かった。葛尾村ではイノシシなどの有害鳥獣対策の要望も多かった。
 調査は、復興庁と県、3町村との共同で、浪江町と葛尾村が昨年10月、大熊町が昨年10~11月に行われた。

 【大熊町】復興拠点と位置付けた大川原地区の避難指示解除後初めての調査で「既に町で生活している」の割合は18%だった。
 「(将来の希望を含め)戻りたいと考えている」は106%(前回比19ポイント減)で「まだ判断がつかない」が265%(同04ポイント減)、「戻らないと決めている」が60%(同07ポイント増)とほぼ横ばいだった。
 「判断がつかない」と答えた人のうち「放射線量の低下のめど、除染成果の状況」「帰還困難区域の避難指示が解除される時期の目安に関する情報」との回答割合が4割前後に上った。
 共同調査は7回目。5199世帯の代表を対象に行われ、2160世帯が答えた。回答率は415%(同8.8ポイント減)。
 【浪江町】「既に町に戻っている」の割合は65%(前年比16ポイント増)に上昇した。「(将来の希望を含め)戻りたいと考えている」が114%(同04ポイント減)、「まだ判断がつかない」が26.1%(同4.1ポイント減)と微減する一方で「戻らないと決めている」は54.9%(同5ポイント増)と半数を超えた。
 帰還の可否を判断する場合に必要な要素を尋ねると「医療・介護(サービス)の復旧時期のめど」が最も高い55.8%だった。「商業・サービス業などの施設の復旧時期のめど」は前年を14.5ポイント下回る36.2%で、昨年7月開店のスーパー「イオン浪江店」が好影響を与えたとみられる。
 共同調査は8回目。7471世帯の代表を対象に行われ、3491世帯が答えた。回答率は46.7%(同6.2ポイント増)。
 【葛尾村】「既に村に戻っている」の割合が28.4%(前年比3.5ポイント増)と3割近くに伸びた。「(将来の希望を含め)戻りたいと考えている」は19.5%(同1.7ポイント減)、「まだ判断がつかない」は18.2%(同5.2ポイント減)と減ったものの「戻らないと決めている」が31.8%(同5ポイント増)と3割を上回った。
 帰還の可否を判断する際に必要な要素は「医療機関(診療科)の拡充」の割合が47.2%とトップで「戻らないと決めている理由」も「医療環境に不安があるため」が5割に達した。
 共同調査は6回目。510世帯の代表を対象に行われ、292世帯が答えた。回答率は57.3%(同2.5ポイント増)。

26- 関電 第三者調査委 3月中旬に報告書

関電調査委、3月中旬に報告書 金品問題、便宜供与焦点
共同通信 2020/2/25
 関西電力役員らの金品受領問題を調査している第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)は25日、3月中旬をめどに関電に報告書を提出し、記者会見を開くと発表した。原発の立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)からの金品受領の全容や、見返りとしての便宜供与の有無を明確にできるかどうかが焦点だ。
 第三者委は25日、4人のメンバーが参加して11回目の委員会を大阪府内で開催した。調査は継続中だとして「引き続き真相究明および報告書提出に向けて取り組んでいく」とのコメントを出した。
 関電は問題発覚を受け2019年10月に第三者委を設置した。

2020年2月25日火曜日

IAEAトップ 就任後初来日 福島第一原発視察も(続報)

 IAEAのグロッシ事務局長が24日就任後初めて来日しました。
 事務局長はトリチウム汚染水の海洋放出について、IAEAの専門家が報告書を分析している。その見解のいくつかを今回の訪日で、安倍首相らと共有したい」と述べ、日本側と意見を交わす考えを示しました。
 26日には福島を訪問し、福島第一原子力発電所を視察する予定です。
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IAEAトップ 就任後初の訪日へ 福島第一原発視察も(続報)
NHK NEWS WEB 2020年2月24日
IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長が24日から、就任後初めて、日本を訪問します。グロッシ事務局長は、福島第一原子力発電所を視察する予定で、原発にたまり続けている水の処理などをめぐって、日本側と意見を交わすことにしています。
「核の番人」と呼ばれるIAEAのトップ、グロッシ事務局長は、24日から、就任後初めて日本を訪問し、25日に東京で安倍総理大臣や茂木外務大臣らと会談するほか、26日には福島を訪問し、福島第一原子力発電所を視察する予定です。

福島第一原発にたまり続けるトリチウムなど放射性物質を含む水の処分について、国の小委員会は基準以下に薄めるなどして、海か大気に放出する方法が現実的だ、などとする報告書を取りまとめています。
これについて、グロッシ事務局長は21日、出発を前に行った記者会見で「IAEAの専門家が報告書を分析している。その見解のいくつかを今回の訪日で、安倍総理大臣らと共有したい」と述べ、日本側と意見を交わす考えを示しました。
また、核開発を進めるイランや北朝鮮の核問題についても議論が行われる見通しです。
原発の水の処理をめぐっては、海に放出した場合、水産物への風評被害が懸念されるとして、漁業関係者などから反対する声が上がっているほか、隣国の韓国も海への放出に懸念を示して日本を批判しており、今回の訪日で、グロッシ事務局長がどのような見解を示すのか注目されています。

25- 福島県沖 唯一出荷制限「コモンカスベ」も解除へ

 コモンカスベは16年8月に一旦出荷制限が解除されましたが、19年1月、県漁連による試験操業で放射性セシウム161ベクレルが検出されたため出荷制限を受けていました。
 福島県が去年2月から1年間コモンカスベ1008匹を検査したところ、1001匹は検出限界以下、残りの7匹も最も高くて17ベクレルと国の基準を大きく下回ったので、今週解除されることになりました
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福島県沖 魚介類で唯一出荷制限「コモンカスベ」来週にも解除 
NHK NEWS WEB 2020年2月22日
東京電力福島第一原発の事故のあと、福島県沖の魚介類の中で唯一、続いていた「コモンカスベ」の出荷制限が来週にも解除される見通しになったことが関係者への取材で分かりました。東日本大震災から9年を前に、福島県沖の魚介類の出荷制限がすべて解除されることになり、漁業の復興に向けた大きな弾みになりそうです。
9年前の原発事故を受けて、国は、福島県沖の魚介類のうち44種類の出荷を制限しましたが、これまでに43種類は解除し、残りはエイの仲間、「コモンカスベ」だけとなっています。
コモンカスベは去年1月の時点では、国の放射性物質の濃度の基準、1キログラム当たり100ベクレルを超えていましたが、去年2月から先月にかけて県が福島県沖で取れたコモンカスベ1008匹を検査したところ、1001匹は検出できる値を下回り、残りの7匹も最も高くて17ベクレルと国の基準を大きく下回りました
出荷制限の解除は福島県の申請を受けて国が最終的に判断しますが、複数の関係者によりますと、早ければ今月25日にもコモンカスベの制限が解除される見通しになったということです。
福島県沖の漁業は、現在、福島第一原発から半径10キロより外の海で回数を制限して行われていて、水揚げ量は少しずつ回復していますが、去年は震災前の14%ほどとなっています。
東日本大震災から9年を前に、福島県沖の魚介類の出荷制限がすべて解除されることは、漁業の復興に向けた大きな弾みになりそうです。


福島県沖水揚げ...全て「出荷」へ カスベ出荷制限25日にも解除
福島民友 2020年02月23日
 本県沖で水揚げされるコモンカスベ(カスベ)の出荷制限が週明けにも解除されることが22日、関係者への取材で分かった。県が国に申請しており、解除は早ければ25日の見通し。原発事故後に本県の海産魚介類は43魚種、44品目が出荷制限の対象となったが、これで全て出荷が可能となる。

 コモンカスベはエイの一種で、煮付けや唐揚げなどとして食べられる。2016(平成28)年8月に出荷制限が解除されたが、19年1月、県漁連による試験操業で食品に含まれる放射性セシウムの基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える161ベクレルが検出され、国の原子力災害対策本部が再び出荷制限を指示していた。
 県が実施する放射性物質のモニタリング検査では、昨年2月~今月の1年間で測定した約千検体がいずれも基準値を下回っている。県漁連も国の基準値より厳しい自主基準値(1キロ当たり50ベクレル)を設定し、安全管理の対策を徹底してきた。
 試験操業は操業日数や規模を限定し、試験的に行われている。出荷制限の対象魚種がなくなり、今後は「本格操業」に向けた議論が始まる見通しだ。

2020年2月24日月曜日

いわき市 無公害の燃料電池車が既に40台

 いわき市内では既に燃料電池車「MIRAI40台が静かに駆け抜けているということです。
 燃料電池車は水の電気分解を逆方向に進め(水素ガスを燃焼  電流発生)その電流で車を走らせるもので、走行中にCO2を発生させません。問題は水素を如何に製造するかですが、火力発電や石油系燃料を使うのでは無公害につながりません。
 その点「いわき鹿島水素ステーション」は太陽光発電を主力とする再生エネをエネルギー源に用いているので万全で、同ステーションは蓄電池関連産業の集積を目指す市の「いわきバッテリーバレー構想」の一翼を担っています。
 福島民報が報じました。
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蓄電池で未来を開く いわきバッテリーバレー推進機構(いわき)
福島民報 2020/02/24
 浜通り地方などの新たな産業基盤構築を目指す国家プロジェクト「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」では、再生可能エネルギー産業の集積が重点項目の一つだ。県は二〇四〇年度までに県内需要の全てを再生可能エネルギーで賄う目標を掲げる。再エネの普及に向けて取り組む企業の今を伝え、エネルギー産業の未来を展望する。 

 水素を充填(じゅうてん)した燃料電池車(FCV)「MIRAI」が、いわき市内を静かに駆け抜ける。市内の企業・団体が約四十台を導入し、今では見慣れた光景だ。同市鹿島町では、民間企業がFCVのエネルギー充填拠点「いわき鹿島水素ステーション」を運営し、普及を後押しする。蓄電池(バッテリー)関連産業の集積を目指す市の「いわきバッテリーバレー構想」の一翼を担う。 
 構想は、同市の二次電池試験装置メーカー「東洋システム」の庄司秀樹社長(58)が提唱した。構想の具現化を目指し、東洋システム、常磐共同ガス、ひまわり信用金庫などが二〇一五(平成二十七)年四月、いわきバッテリーバレー推進機構を設立した。庄司社長が代表理事を務める。 

 東日本大震災では、市内沿岸部の食品加工工場などが津波被害を受け、自宅を失った従業員も多かった。被災した企業の多くが、福島第一原発事故による風評の影響で業績を回復するのに苦労している。「新たな産業をおこし、若者が働ける場をつくらなければ。バッテリー産業には可能性がある」。将来への危機感が庄司代表理事を突き動かした。 
 機構は二〇一五年から毎年、「いわきバッテリーバレーフェスタ」を開き、燃料電池の組み立てのほか、移動支援ロボットや超小型電気自動車の試乗体験を企画している。二〇一六年からは高校生や福島高専の学生を対象に「いわきEVアカデミー」を開講している。電気自動車の分解や組み立ての実習を通じ、人材の育成にも取り組んでいる。 
 四月には市内で燃料電池バスが導入され、東北初の燃料電池バスが走るまちになる。浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造される水素の活用についても調査している。機構は、市内で使う電力を、水素や再生可能エネルギーで賄う構想を描く。 
 東洋システムは、リチウムイオン電池など充電で繰り返し使える二次電池の安全性や寿命を分析する試験装置を開発している。リチウムイオン電池は環境自動車やロボット、医療機器などさまざまな分野で必要不可欠な部品だが、国内の開発生産拠点の八割は西日本に集中する。 
 庄司代表理事は、浜通りにバッテリー関連産業を誘致し、再生可能エネルギーの地産地消を実現できれば、雇用拡大や産業振興につながると考える。全国各地で自然災害が相次ぐ中、リスクを分散させる利点もあると訴える。 
 未来を担う子どもたちに夢を与えたい-。庄司代表理事は、機構の取り組みが地域にイノベーションを起こし、未来を切り開くと確信している。