2021年10月25日月曜日

原発事故から10年、一時避難の三春町岩江の文化祭に参加し住民と再会

 原発事故により福島県大熊町から郡山市に避難している吉田キヨ子さん(77)は23日、三春町の岩江センターで開かれた岩江地区文化祭に参加しました。吉田さんは、今年5月に死去した夫の彰さんと、事故まで大熊町で畜産を営んでいて、原発事故発生翌日の11年312日、避難先として三春町の岩江中体育館たどりつき、岩江地区の住民が用意してくれたおにぎり真新しい毛布のあたたかさに感激しました。その後も衣類や日用品の提供受け1週間ほど滞在しました。
 長女純子さん(50)の新しい職場の上司が偶然、岩江在住であったため、文化祭への参加が実現し地区に寄付金を贈るとともに、ようやく感謝を直接伝えることができました。

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原発事故から10年、一時避難の三春町岩江の文化祭に参加 住民と再会 福島
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 東京電力福島第一原発事故により福島県大熊町から郡山市に避難している吉田キヨ子さん(77)は23日、三春町の岩江センターで開かれた岩江地区文化祭に参加した。同地区は原発事故発生直後、最初に避難生活を送った場所だ。住民と再会し、「感謝を直接、伝えたい」との思いをかなえた。
 吉田さんは、今年5月に死去した夫の彰さんと、大熊町で畜産を営んでいた。原発事故発生翌日の2011(平成23)年3月12日、避難先としてたどりついたのが、三春町の岩江中体育館だった。
 先行きの見えない不安の中、岩江地区の住民が用意してくれたおにぎりと、真新しい毛布のあたたかさが今でも忘れられない。衣類や日用品の提供も受けた。1週間ほどの滞在だったが、住民は親身に対応してくれた。
 東京都や会津若松市での生活をへて、現在は郡山市で暮らす。「岩江の人たちにお礼を言わなければ」とずっと思ってきた。長女純子さん(50)の新しい職場の上司が偶然、岩江在住で、文化祭への参加が実現した。
 キヨ子さんは彰さんの写真を携え、避難時にもらった上着をまとって会場を訪れた。会場の一角に彰さんの川柳や自宅敷地の写真などを展示し、住民と当時の思い出や今の暮らしについて語り合った。地区に寄付金を贈った。
 キヨ子さんは「皆さんに支えられ、こうして生きていられる。これからも交流を続けたい」と話した。

「トラック荷台に乗り避難、全員無事」震災遺構の請戸小、一般公開始まる

 福島県浪江町の旧請戸小校舎の一般公開が24日、始まりました。

 海から約300mの距離にある請戸小は高さ15m津波に襲われましが、校内にいた児童、教職員計95人は運送業者の大型トラックの荷台に乗せてもらって避難し、全員無事でした。 浪江町では震災で182人が死亡・行方不明になり、うち154人は沿岸部の請戸地区の犠牲者。ほかに約440人が震災と原発事故の関連死と認定されています
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「トラック荷台に乗り避難、全員無事」震災遺構の請戸小、一般公開始まる
                        河北新報 2021年10月25日
津波と原発事故の「複合災害」伝える
 震災遺構として整備された福島県浪江町の旧請戸小校舎の一般公開が24日、始まった。県内初の震災遺構で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の「複合災害」を伝える。
 開館記念式典が現地であり、内堀雅雄知事は「津波と原発事故という、二つの災害の記憶を後世に発信する貴重な施設が完成した。世代を超えて命の大切さを伝えたい」とあいさつ。
 請戸小の卒業生を代表して、当時6年生で現在は県東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)に勤務する横山和佳奈さん(23)=南相馬市=が「津波で家や思い出を失ったが、校舎が残っているのはうれしい。地元の人たちが集う場になってほしい」と話した。
 海から約300メートルの距離にある請戸小は高さ15メートルの津波に襲われた。校内にいた児童、教職員計95人は運送業者の大型トラックの荷台に乗せてもらって避難し、全員無事だった。学校は閉校となり、教室などはほぼ被災当時のまま残る。
 浪江町では震災で182人が死亡・行方不明になり、うち154人は沿岸部の請戸地区の犠牲者。ほかに約440人が震災と原発事故の関連死と認定されている。
 入館料一般300円、高校生200円、小・中学生100円で、団体(20人以上)割り引きもある。火曜休館。

衆院選 触れるのはタブー? 原発論議低調 川内原発抱える鹿児島3区

 衆院選鹿児島3区では、賛否が割れる原発の話自体がタブー視される地元の実情もあり薩摩川内市に立地する川内原発12号機を巡る論議が低調だということです。立民元職の野間陣営は「賛否に言及すれば、保守系か共産系のどちらかの票を失う。難しい」と語ります。

 しかし薩摩川内市や川内原発30キロ圏内の有権者からは「原発関連の職に就く人は多く、話題にしにくい気持ちも分かる」ものの、「地元の将来を決める選挙だからこそ、原発への考えを有権者にはっきり示してほしい」「候補者が自分事として考えていないように感じる。無責任だ」などの批判が上がっています
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触れるのはタブー? 原発論議低調 川内原発抱える衆院選鹿児島3区
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 31日投開票の衆院選鹿児島3区では、同区の薩摩川内市に立地する九州電力川内原発1、2号機を巡る論議が低調だ。賛否が割れる原発の話自体がタブー視される地元の実情もあり、票が逃げるのを避けたいという候補者の思惑がのぞく。九電は公示前日、川内1号機の運転延長に必要な特別点検を開始。有権者からは「候補者の考えを示すべきだ」との声が聞かれる。
 3区に立候補したのは自民前職の小里泰弘さん(63)と立憲民主元職の野間健さん(63)。19日、それぞれ同市で開いた出陣式で「原発」の言葉を発せず、運転延長にも触れなかった。選挙期間中、有権者に配る両者のビラにも原発の記載はない。
 賛否に言及すれば、保守系か共産系のどちらかの票を失う。難しい」と野間陣営幹部。野党共闘を結ぶ共産党には「大局を見て協力してほしい」。
 小里陣営関係者も「どんなに説明しても極端な賛成、反対と受け取られてしまう。短い演説の中で有権者に理解してもらうのは難しい」と漏らす。
 川内1、2号機は2024年7月、25年11月にそれぞれ原則40年の運転期限を迎える。ただし、原子力規制委員会が認可すれば、1回に限り最長20年の延長が可能になる。
 運転延長について小里さんは「前提として安全性を確認した上で、延長を許容する」との立場。野間さんは「原子炉の状態の検証が第一。大丈夫なら法律的に延長は適法」との見解だ。
 薩摩川内市や川内原発30キロ圏内の有権者からは、議論の活発化を求める声が上がる。
 同市の70代アルバイト女性は「原発関連の職に就く人は多く、話題にしにくい気持ちも分かる」としつつ、「地元の将来を決める選挙だからこそ、原発への考えを有権者にはっきり示してほしい」と話す。いちき串木野市で2人の子を育てる女性(38)は「候補者が自分事として考えていないように感じる。無責任だ」と問題視した。

防潮堤建設せず 東海再処理施設の津波対策

 原子力研究開発機構東海再処理施設に防潮堤総工事費約273億円)を建設せずに、建物に津波の水が入らない措置を講じることで対処しています。同施設では極めて強い放射線を出す廃液を保管中ですが、建物に水が入らなければ流出の危険はないとしています。
 廃液はガラス化しますが、トラブルで中断を繰り返し目標の28年度末に終了するかどうか不明です。
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273億円の防潮堤、建設せず 東海再処理施設の津波対策
                            共同通信 2021/10/23
 日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(茨城県、廃止措置中)に防潮堤を建設する場合の総工事費は約273億円と同機構が試算していたことが23日、分かった。同施設では極めて強い放射線を出す廃液を保管中だが、同機構は津波対策として防潮堤は建設しないと決めている。「試算額の高低で決めたわけではない。防潮堤に時間をかけて敷地全体を守るより建物に水が入らない対策を優先させる」とする。
 廃液は固めて安定化させる計画だが、トラブルで中断を繰り返し、目標の2028年度末に終了するかどうか分からない
 原子力施設は通常、津波が来ても敷地に水が入るのを防ぐ対策を取っている。

25- 美浜原発3号が運転停止 テロ対策工事未了で 再稼働22年10月か

 運転開始から40年を超える原発としては国内で初めて再稼働した関西電力美浜原発3号機は23テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の設置工事が期限(10月25日)に間に合わず、運転を停止しました。

 再稼働は特重施設が完成する同年10月中旬となる見通しです。毎日新聞が報じました。
 原発賛成派の読売新聞は、これによる冬季の電力需給の逼迫温室効果ガスの削減への悪影響を報じているので併せて紹介します。
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美浜原発3号が運転停止 テロ対策工事未了で 再稼働22年10月か
                         毎日新聞 2021年10月23日
 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は23日、運転を停止し、定期検査に入った。同機は今年6月、運転開始から40年を超える原発としては国内で初めて再稼働したばかりだが、テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重)の設置工事が期限(10月25日)に間に合わず、このまま運転停止状態となる。
 特重の工事完了は2022年9月ごろの予定で、再稼働は同年10月中旬となる見通し。本格運転開始は11月中旬を予定している。
 関電によると、定検では、原子炉容器の金属材料に中性子が当たって劣化が進んでいないか判断するため、炉内に入れていた試験片を取り出して調べる。また、原子炉容器の胴体部分や冷却水の出入り口部分などの溶接部で超音波検査を実施する。【大島秀利】


美浜原発3号機、再稼働から4か月で運転停止…冬場に電力逼迫の懸念も
                         読売新聞 2021年10月23日
 関西電力は23日、美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町、出力82・6万キロ・ワット)の運転を停止した。東日本大震災後の新規制基準で義務付けられたテロ対策施設が、期限内に完成しなかったためだ。
 美浜3号機は、震災後、原発の運転期間を原則40年とするルールができて以降、運転開始40年超の原発として初めて6月に再稼働したが、4か月で停止に追い込まれた。今後はテロ対策施設の建設を進め、来年10月の運転再開を目指す。
 この日、美浜3号機では早朝から核分裂反応を抑える制御棒を原子炉に入れる作業に着手した。送電を止め、原子炉の運転も停止した。
 これにより、国内で稼働中の原発は7基となる。本格的な冬場を迎え、電力需給の逼迫ひっぱくが懸念される。代替する火力発電は液化天然ガス(LNG)や原油価格の高騰で発電コストが上昇している。
 政府は22日に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード(基幹)電源」と位置づけた。原発が総発電量に占める割合を2019年度の6%から、30年度に20〜22%に引き上げる想定だ。テロ対策施設の設置遅れで停止が相次げば、政府が目標とする温室効果ガスの削減目標の達成が危うくなる懸念もある。

2021年10月23日土曜日

政府、脱炭素へ再エネ倍増 30年度、原発は目標維持

 政府は22日、「エネルギー基本計画」を約3年ぶりに改定しました。第6次となる今計画は再生可能エネルギーを最優先で導入し、30年度の電源構成で現状の約2倍に当たる36~38%まで拡大するとする一方、原発の割合は20~22%で据え置きました(但しこれは原発30基ほどの稼働に当たるので大問題です)。

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政府、脱炭素へ再エネ倍増 30年度、原発は目標維持
                            共同通信 2021/10/22 
 政府は22日、中長期的な政策指針「エネルギー基本計画」を約3年ぶりに改定し閣議決定した。第6次となる今計画は2050年の脱炭素化達成の道筋を示すもので、再生可能エネルギーを最優先で導入する方針を明記。30年度の電源構成で現状の約2倍に当たる36~38%まで拡大する目標を掲げた。一方、原発の割合は20~22%で据え置いた。火力発電依存からの脱却も盛り込み、日本のエネルギー政策は大きく転換する。
 また政府は、30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で46%削減するための具体策を盛り込んだ地球温暖化対策計画も併せて決定した。

衆院選・トリチウム水 処分の具体策示した論戦を(福島民友 社説)

 福島民友がトリチウム水の処分に関して、衆院選において「具体策を示した論戦を」とする社説を出しました。それは大いに必要なことです。
 そもそもこの議論は、トリチウム水の処分方法には5通りほどの案があった中で、安倍政権時代に最も安価で安易な方法として当初から決めていたものを、一応公聴会に掛けるなどした後に、菅前首相が海洋放出に決めたのでした。それを選んだ理由は社説にあるように、トリチウム水の海洋放出は国内外を問わず原発で実施されており、事故前は第1原発でも行われてきたからというものです
 しかし(PWRでは)蒸気発生器を通過後の蒸気を、乃至は(BWRでは)タービンを回し終わった蒸気を海水で冷却した復水を脱塩装置に通してから原子炉に戻すのですが、その過程でトリチウムだけは除去されないためやむを得ず、常時海洋に放出していたものです。
 それは被覆された燃料棒から発生する「少量のトリチウムの連続的な放出」であるのに対して、福島第1では水中に全面的に露出した燃料デブリによって大量に発生するトリチウムなのでまず量的に異なります。
 現計画は百数十万トンのトリチウム水を20年~30年掛けて放流するというものですが、それと並行して1日最低140トンの汚水が生じるので、その間に新たなトリチウム水が100万トン~150万トンたまる計算になります。
 これでは海洋放出は今後果てしなく続き、海洋汚染も果てしなく続くことになるので、海洋放出ではない別の方法にすべきでしょう。
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社説 衆院選・原発処理水/処分の具体策示した論戦を
                         福島民友 2021年10月22日
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を加速させるため、たまり続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分は、避けて通れない喫緊の課題だ。活発な論戦を通し解決の道筋を示してもらいたい。
 政府は処理水の処分に関して、2023年春ごろにも海洋放出する方針を決定している。予想される風評被害対策として、水産物の需要が減った場合に一時的に買い取るための基金創設、被害者に寄り添う賠償方針などをまとめた。
 処理水の海洋放出は国内外を問わず原発で実施されており、事故前は第1原発でも行われてきた。しかし、4月に政府方針が決まってから、海洋放出への理解は深まっていない。漁業関係者らは反対の立場で、懸念を示す自治体もある。合意を形成するまでの道のりは、決して平たんではないと言っていいだろう。
 選挙公約で、与党は徹底した安全対策や漁業者らへの支援などを打ち出した。野党の中には、海洋放出反対の姿勢を明確にしている党が複数あり、違いがみえる。処分方法などについては、地上保管の継続や、処理技術の検討などを掲げている。
 各候補者は議論を先延ばしすることなく、理解の得られる処分の在り方を示すべきだ。
 処理水の処分は多方面に風評が広がる恐れがあり、漁業や観光などへの影響を心配する声は根強い。安全対策や透明性を確保して風評が生じないように進め、安心してなりわいを継続できる環境を整えておくことが求められる。
 処分が長期にわたるなかで想定されるさまざまな課題に責任を持って関わり、解決に導くことが政治の重要な役割であることを銘記し、不安払拭(ふっしょく)に努めてほしい。
 原発事故後、本県の農産物などに対して各国の厳しい対応が続いてきた。輸入規制している国・地域は減ったものの、中国、韓国、台湾など14カ国・地域が継続している。米国が県産米などを含め延べ100品目の輸入規制を撤廃し、EUが一部の規制を緩和したことは良い流れと言える。
 処理水の処分に当たっては海外への正確な情報発信が不可欠となる。誤解や不信感などから、規制撤廃の流れが逆戻りすることは避けなければならない。
 第1原発を廃炉にするまで30~40年かかるとされ、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しなど、作業は多くの難題を抱えている。安全性を最優先した廃炉は復興を成し遂げる大前提で、国政を預かる者の責務だ。