2024年3月18日月曜日

原発運営に外部専門家 東電、柏崎刈羽の信頼回復で

 東電の小早川智明社長は15日、柏崎刈羽原発の事実上の運転禁止命令が解除されたことを受け、信頼回復に向け外部の専門家が発電所の運営に参画することなどを盛り込んだ今後の方針について斎藤健経済産業相に報告しました。専門家の登用が実質的な効果につながって欲しいものです。それ以前の、規制委が関与する避難の問題でも一体どこが責任を持つのかなどがまだあやふやなので、キチンとさせる必要があります。
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原発運営に外部専門家 東電、柏崎刈羽の信頼回復で 経産相、新潟知事らと会談へ
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東京電力の小早川智明社長は15日、新潟県の柏崎刈羽原発の事実上の運転禁止命令が解除されたことを受け、信頼回復に向けた今後の取り組みの方針について斎藤健経済産業相に報告した。外部の専門家が発電所の運営に参画することなどを盛り込んだ。斎藤氏は報告を精査した上で、近く新潟県の花角英世知事らと会談し、再稼働への理解を求める考えを示した。
東電が示した方針では、海外も含め原発運営に深い知見や経験を持つ外部専門家を招き「発電所運営についてのガバナンス(管理)に参加してもらう」(小早川社長)考えだ。国際原子力機関(IAEA)による助言などを踏まえ核物質防護の強化も進める。

柏崎刈羽原発では令和3年に侵入検知器の故障やIDカードの不正使用などのテロ対策上の不備が相次いで発覚し、原子力規制委員会が事実上、運転を禁止する命令を発出。規制委は5年12月に命令を解除した。
斎藤氏は報告を受け「信頼を獲得するのは10年、失うのは一瞬だ。この言葉を協力企業を含め全ての関係者に徹底してもらいたい」と述べた。その上で再稼働に必要な地元自治体の同意に向け、花角氏と柏崎市の桜井雅浩市長、刈羽村の品田宏夫村長と近く面会する考えを示した。関係者によると、面会は早ければ来週にも行われる見通しだ。

関西電力、原発構内の乾式貯蔵施設を規制委に許可申請

 関西電力高浜(高浜町)、大飯(おおい町)、美浜(美浜町)の3原発の構内で、使用済み核燃料を一時保管する「乾式貯蔵施設(空気の自然対流で冷却」を設置する計画について、福井県は15日、関電が原子力規制委員会に許可申請することを了承しました。これを受けて関電は同日、高浜原発の第1期工事分について規制委に許可申請しました。

 関電は、関係する3町には昨年10月に事前了解を求めていました。
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関西電力、原発構内の乾式貯蔵施設を規制委に許可申請 立地の福井県が了承
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関西電力が福井県内に設置する高浜(高浜町)、大飯(おおい町)、美浜(美浜町)の3原子力発電所の構内で、使用済み核燃料を一時保管する「乾式貯蔵施設」を設置する計画について、同県は15日、関電が原子力規制委員会に許可申請することを了承した。規制委の審査後、最終的な了解の是非を判断する。
了承を受けて関電は同日、3原発のうち高浜原発の第1期工事分について規制委に許可申請した。他の工事分については、規制委での議論を反映して申請する。
県の了承は、中村保博副知事が関電の水田仁副社長と面談して伝えた。中村副知事は「使用済み燃料の具体的な搬出時期の考え方を説明してもらいたい」と要望。水田氏は「国の審査を受け規模や配置が確定してから検討を進め、考え方を示したい」と応えた。

使用済み燃料を巡り、関電は昨年10月、青森県六ケ所村の再処理工場など県外への搬出計画を公表。今年2月、搬出まで一時保管する乾式貯蔵施設の計画について、安全協定に基づき県と3町に事前了解を求めた。
3町は今月14日、申請を認める考えを県に伝えていた。関電は3原発で計700トンを保管できる施設を、令和12年ごろまでに設置することを計画している。

乾式貯蔵施設は燃料プールで冷やされた使用済み燃料を金属製の専用容器(キャスク)に密封し、空気の自然対流で冷却しながら保管する。日本原子力発電の東海第二原発(茨城県東海村)で稼働実績がある。(牛島要平)

浜岡1、2号機廃炉、42年度に 24年度から原子炉解体へ

 中部電力は14日、廃炉作業中の浜岡原発1、2号機について、完了予定を2036年度から42年度に延期すると発表しまし1、2号機は09年に運転終了し、全4段階ある廃炉作業のうち第2段階の原子炉周辺設備の解体まで進んでいました
 なお、現在再稼働を申請しているのは3,4号機です。
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浜岡1、2号機廃炉、42年度に 24年度から原子炉解体へ―中部電
                        時事通信 2024年03月14日
 中部電力は14日、廃炉作業中の浜岡原発1、2号機(静岡県御前崎市)について、完了予定を2036年度から42年度に延期すると発表した。原子炉の解体、撤去に着手する第3段階の作業方法などを詳細に検討した結果、当初の予定より6年遅れる見通しになったという。
東電、遠い利益目標 競争力低下、提携戦略描けず―東日本大震災から13年
 原子力規制委員会に同日、計画の変更認可申請書を提出。従来は1、2号機の解体を並行して進める計画だったが、2号機を先行させる形に変更した。認められれば24年度から着手する予定。解体関連費用(約840億円)に変更はない。
 1、2号機は2009年に運転終了。全4段階ある廃炉作業のうち、第2段階の原子炉周辺設備の解体まで進んでいた。

18- 原燃社長「先頭に立ち再発防止」 核監視不備、規制委で陳謝

 六ケ所村の核燃料再処理工場で国際原子力機関(IAEA)がカメラで監視している部屋の照明が全て消えて核燃料の監視ができなくなった件で18日原子力規制委に呼ばれた同社の増田尚宏社長陳謝した上でIAEAの信頼を失うことは世界の信頼を失うことであり、私が先頭に立ち徹底して再発防止を図る」と述べましたなにか以前にも聞いたような気がするのですが。
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原燃社長「先頭に立ち再発防止」 核監視不備、規制委で陳謝
                            共同通信 2024/3/18
 原子力規制委員会は18日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で国際原子力機関(IAEA)がカメラで監視している部屋の照明が全て消えて核燃料の監視ができなくなった問題を巡り、同社の増田尚宏社長を呼び意見聴取した。増田氏は陳謝した上で「私が先頭に立ち徹底して再発防止を図る」と述べた。
 この部屋は、プルトニウムやウランが核兵器に転用されるのを防ぐ保障措置として、IAEAが監視している。
 増田氏は「保障措置の重大な問題だ。IAEAの信頼を失うことは世界の信頼を失うことであり、日本の核燃料サイクルが継続できなくなる」との認識を示した。

2024年3月16日土曜日

大阪高裁、関電美浜原発3号機の運転差し止め要求退ける

 関西電力美浜原発3号機は規制委の審査に合格し、3年前に原則40年の運転期間を超えて全国で初めて再稼働しました。

 地元住民らが老朽化を理由に運転差し止めを求めた仮処分の申し立てに対して大阪高裁は15日午後、一審通り「本件発電所が重大事故を起こし、住民らの人格権が侵害される具体的危険があると認められない」として「危険性の根拠が明らかでない具体的危険が明示されていない)」ことを理由に抗告を却下しました。
 そのいつもながらの理由づけはまさに転倒した論理であって、原発のように超高圧・超高温下で連続的に中性子の照射を浴びる鋼製の設備(原子炉)が、40年は愚か60年まで耐用出来るというのは世の常識に明らかに反しています。
 それを敢えて強行しようとするのであれば、60年まで耐用出来る根拠を示すべき責任はは電力会社にあります。
 ところが過去においてそれを明確に示した例はなく、運転延長には何の根拠もないということです。
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大阪高裁、関電美浜原発3号機の運転差し止め要求退ける
                 Bloomberg(ブルームバーグ) 2024/3/15
 福井県にある関西電力の美浜原子力発電所3号機について、地元住民らが老朽化を理由に運転差し止めを求めた仮処分の申し立てに対して、大阪高等裁判所は15日、住民らの主張を退ける判断を下した。
美浜原発は2011年の福島原発事故後に制定された原子力規制委員会の新規制基準で設けられた最長40年の運転期間を超える原発として、審査を経て21年に全国で初めて本格運転を再開した。1号機と2号機は廃炉作業中
美浜原発を巡っては、設備の経年劣化や耐震性が十分でないとして、住民らが運転しないよう求める仮処分を大阪地方裁判所に申し立てた。大阪地裁は22年12月、住民らの主張を退ける判断を下し、住民側は大阪高裁に即時抗告していた。
関西電株は高裁の判断が伝わると上昇幅を拡大。一時前日比2.9%高の2135円と、昨年9月29日以来の日中高値付けた。


「残念な不当な決定」美浜3号機の運転差し止め請求 高裁も住民の申し立て認めず「危険認められず」
                            読売テレビ 2024/3/15
 関西電力の原発の運転差し止めを求めた住民らの申し立ては、認められませんでした。
 関西電力の美浜原発3号機は、原子力規制委員会の審査に合格し、3年前に全国で初めて原則40年の運転期間を超えて再稼働しました。福井県などの住民は、施設の老朽化などを理由に運転の差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てましたが、大阪地裁は、これを認めませんでした。
 その後、住民側は大阪高裁に抗告していましたが、大阪高裁は15日午後「本件発電所が重大事故を起こし、住民らの人格権が侵害される具体的危険があると認められない」として、住民側の抗告を退けました。

大阪高裁の決定後 住民側の会見
大変残念な不当な決定でした。起こりうるものは、起こりうるという前提で、原発の安全性を考えないといけない
 住民側は「『せめて老朽原発だけは』という思いで、今後も活動は続けていきたい」としています。

泊原発9・5キロ火砕流跡 科学者告発「北電調査はごまかし」

 北海道の研究者などでつくる「行動する市民科学者の会・北海道」は13日、泊原発近くへの火砕流到達の可能性を否定した同社の調査について、「無関係な場所のデータなどを用い、現地調査でもそこに案内するなどの重大なごまかしがあ」り、「科学を冒瀆するもの」と告発し、規制委には北電に再調査を命じるように要求しました。
 規制委というよりもその本体である規制庁は、本当にこのことを知らなかったのでしょうか。
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泊原発95キロ火砕流跡 科学者告発「北電調査はごまかし」
                     しんぶん赤旗 2024年3月15日
 北海道の研究者などでつくる「行動する市民科学者の会・北海道」は13日、記者会見を開き、北海電力が再稼働を狙う泊原発(泊村)近くへの火砕流到達の可能性を否定した同社の調査について、「無関係な場所のデータなどを用いた重大なごまかしがある」と告発しました。
 小野有五事務局長(北海道大名誉教授、自然地理学)は、原発から9・5キロ地点で地層が露出している幌似(ほろに)露頭での、同会による地質調査の結果を報告。「ピソライト」(火山灰が水と触れてできた豆粒状の石)、火山流出物の熱で土が焼けた「焼土層」など、火砕流の到達を示す部分があると指摘しました。
 北が行ってきた調査について、「私たちが確認したのとは全く無関係な場所を調べて『火砕流の可能性はない』と原子力規制委員会に報告し、現地調査でも同様の場所に案内をしている。科学を冒贋(ぽうとく)するものだ」と厳しく批判しました。
 規制委に対し、今回明らかにした地層の調査を北海道電力に命じるよう求める文書を送付したと明らかにし、「あらゆる可能性を調べるべきだ」と語りました

柏崎刈羽原発 東電の信頼回復 経産相「国も前面に立って説明する」と

 東電が15日、齋藤健経産相へ柏崎刈羽原発における信頼回復に向けた取り組みの方針を説明したのを受けて、経産相は「地域の理解を得られるよう、国としても前面に立って、原発の必要性や重要性・安全対策・防災対策など丁寧に説明していくつもり」と述べ、近く、県や柏崎市・刈羽村へ国の方針を伝える考えを示しました。
 国は先ず関係の首長を抑え込む方針ということのようですが、複合災害時に住民が安全に避難できないことには再稼働は認められません。
 それこそを最優先で進めるべきで、もしも安全な避難の見極めが出来ないのであれば廃炉にするしかありません。「被爆しても構わない」というような元規制委員長田中俊一氏の「ちゃぶ台返し発言」は全く問題外です。
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〈柏崎刈羽原発〉
東電が“信頼回復への取り組み”説明 経産相「国も前面に立って説明する」
                       新潟ニュースNST 2024/3/15
東京電力が3月15日、齋藤健経済産業相へ柏崎刈羽原発における信頼回復に向けた取り組みの方針を説明しました。経済産業省は来週にも新潟県の花角知事に再稼働への理解を求める方針です
15日、齋藤経産相のもとを訪れた東京電力。
【東京電力 小早川智明 社長
「本日は昨年末に大臣よりいただきましたご指示に対する対応方針、すでに着手したものも含めまして、ご説明させていただきます」
2021年にテロ対策の不備が相次いで発覚したことから、事実上の運転禁止命令が出された柏崎刈羽原発。
原子力規制委員会は「東京電力の自律的な改善が見込める」などとして、去年12月に命令を解除しましたが、経産省は東京電力に信頼回復に向けた取り組み方針をまとめるよう指示していました。
【東京電力 小早川智明 社長】
「災害時の住民の方々の避難の実効性を向上するため、地元の方々のご意見をお伺いしながら、当社として避難支援に最大限取り組んでまいる所存」
面会で東京電力は、地域の信頼を得るために説明会を開いていることや能登半島地震を受けて不安の声が上がっている避難方法などについても自治体と相談しながら支援策を検討していると説明。

これに対して齋藤経産相は…
齋藤健 経済産業相
「信頼を獲得するのは10年、失うのは一瞬である。この言葉を協力企業含め、すべての関係者に徹底してもらいたい」
信頼回復への道は容易ではないと強く話した上で…
齋藤健 経済産業相
「地域の理解を得られるよう、国としても前面に立って、原子力発電所の必要性や重要性・安全対策・防災対策など丁寧に説明していくつもり
近く、県や柏崎市・刈羽村へ国の方針を伝える考えを示しました。
【東京電力 小早川智明 社長
「(再稼働は)いつを目指すとか、いつの時期ということについて、我々は足元をしっかりとやっていくことが重要と考えているので、今まだ私の口から申し上げるような段階にはないと考えている」
経産省は来週にも県などへ政府の方針を説明する考えです。


原発運営に外部専門家 東電、柏崎刈羽の信頼回復で 経産相、新潟知事らと会談へ
産経新聞 2024/3/15
東京電力の小早川智明社長は15日、新潟県の柏崎刈羽原発の事実上の運転禁止命令が解除されたことを受け、信頼回復に向けた今後の取り組みの方針について斎藤健経済産業相に報告した。外部の専門家が発電所の運営に参画することなどを盛り込んだ。斎藤氏は報告を精査した上で、近く新潟県の花角英世知事らと会談し、再稼働への理解を求める考えを示した

東電が示した方針では、海外も含め原発運営に深い知見や経験を持つ外部専門家を招き「発電所運営についてのガバナンス(管理)に参加してもらう」(小早川社長)考えだ。国際原子力機関(IAEA)による助言などを踏まえ核物質防護の強化も進める。
柏崎刈羽原発では令和3年に侵入検知器の故障やIDカードの不正使用などのテロ対策上の不備が相次いで発覚し、原子力規制委員会が事実上、運転を禁止する命令を発出。規制委は5年12月に命令を解除した。
斎藤氏は報告を受け「信頼を獲得するのは10年、失うのは一瞬だ。この言葉を協力企業を含め全ての関係者に徹底してもらいたい」と述べた。その上で再稼働に必要な地元自治体の同意に向け、花角氏と柏崎市の桜井雅浩市長、刈羽村の品田宏夫村長と近く面会する考えを示した。関係者によると、面会は早ければ来週にも行われる見通しだ。