2017年12月31日日曜日

動かすな柏崎刈羽原発 政府・東電に抗議 金曜日行動

 首都圏反原発連合(反原連)が毎週首相官邸前で行っている抗議行動は、29冷たい風が吹き抜けるなかわれ約500人が参加しました。第274回になりました。
 集まった人たちは、原子力規制委が27日に柏崎刈羽原発67号機の規制基準「適合」の審査書を決定したことに対して、「柏崎刈羽再稼働反対」「安倍晋三は原発やめろ」と抗議のコールを響かせました
 この行動は、新年も5日から行われます。


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 冬季は駐車場(15台規模)その他の除雪を請け負っているため、降雪時には記事の更新(時刻)が不規則になります。ご了承ください。
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動かすな柏崎刈羽 原発推進、政府・東電に抗議
しんぶん赤旗 2017年12月30日
 首都圏反原発連合(反原連)は29日、冷たい風が吹き抜けるなか、今年最後の首相官邸前抗議を行いました。原子力規制委員会が27日に東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の規制基準「適合」の審査書を決定したことに対して、「柏崎刈羽再稼働反対」「安倍晋三は原発やめろ」と抗議のコールを響かせました

 神奈川県湯河原町の男性(67)は「福島第1原発事故が収束していないことを見れば、東電に原発を動かす“適格性”なんてない。根っこにあるのは安倍政権の原発推進の方針です。来年もあきらめず、粘り強く声を上げていきます」。

 官邸前エリアではコールに続き、参加者もマイクを握り「東電は福島第1原発で事故を防ぐ対策を怠った。過酷事故を起こす原発はやめるべきだ」「来年こそは原発ゼロに」と訴えました。

 この日は、500人(主催者発表)が参加。日本共産党の吉良よし子参院議員が「安倍首相は自主避難者の切り捨てを進め、原発再稼働を推進している。原発のない日本へたたかい続ける」とスピーチしました。
 新年最初の首相官邸前抗議は、1月5日に行われます。

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「原発なくせ、再稼働反対」と抗議の声を
 上げる人たち=29日、首相官邸前

原発事故はその後も世界が監視 政府の虚偽は通用しない

 新潟県と東電の合同検証委員会「炉心溶融という言葉を使わないように東電が官邸から言われたというのは虚偽で、使わないよう社内に指示したのは当時の清水正孝社長の判断だった」ことが明らかにされました。
 こんな決定的なところで大嘘を吐く東電の説明を、基本的には鵜のみにしてまとめた「福島原発事故調査委員会報告書」(政府・国会共)においても、東電によって原発を継続するうえで支障となる内容は、極力隠蔽乃至誤魔化されたものになっているであろうことが想像されます。

 福島原発事故で日本が放射能の総排出量を(チェルノブイリの10分の1程度と)発表した時、海外から少なすぎると指摘され、直ちに少し増やしました。それこそ東電が故意に低く抑えて発表した証拠です。
 アーニー・ガンダ―センが指摘しているように、放射能の99%が圧力調整室で除去されたというのはあり得ないことで、特に福島事故の実情に照らせば逆に全量近くが放出されたとみるべきです。この場合、放出量はチェルノブイリの10倍近い値になります。
 現実にアメリカは2014年に、チェルノブイリの1・8倍という試算を公表しています。

 しかし日本はいまだに「放出量はチェルノブイリの10分の1とか7分の1」であると主張していて、福島県で現実に多数の甲状腺がん患者が確認されても、福島県の調査委員会は「被爆量がチェルノブイリより十分に小さいので放射能の影響は考えられない」と一貫して述べています。
 福島原発事故の影響が軽いものであると見せかけようとして、虚偽に虚偽を重ねているのが日本の実態です。

 日刊スポーツに載った「地獄耳」の記事を紹介します。
 文中でのロシア・ザハロワ報道官の発言は、100万トンに達するトリチウム廃水の海洋放流についてのものですが、これも東電と国は、地元福島(の漁業関係者)と話がつきさえすれば、黙って実施する積りなのでしょう。放射能を外界に拡散させてはならないとする国際的原則からの明らかな逸脱です。
 日本は、こと原発事故についても「虚偽の塊」です。
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その後の原発、世界が監視 政府の責任続く/地獄耳
地獄耳 日刊スポーツ 2017年12月30日
 ★東京電力福島第1原発事故の後、炉心溶融(メルトダウン)が2カ月間公表されなかった問題で、当時の官邸から指示、つまり首相・菅直人の指示があったか否かが焦点だった。26日、新潟県と東電の合同検証委員会は「炉心溶融という言葉の使用について官邸からの指示はなく、使わないよう社内に指示したのは当時の社長・清水正孝の判断だった」とする調査結果を公表した。

 ★やっと検証結果が出たわけだが、東電は自分たちの立場を印象付ける第三者委員会で「官邸からの指示」と明記したために起きた混乱だ。この報告をベースに首相・安倍晋三は菅批判をしていたが、ブログを削除した。つまり東電がうそをついていたことを自ら発表し、6年後に東電も入った検証委員会で「事実はなかった」の結果は、あまりに不毛だ。その資料の信頼も揺らぐし、東電の発表をうのみにしていた報道機関や東電自身は、取り消しや謝罪は行わないのだろうか。

 ★日本ではほとんど報道されていないが、20日、ロシア外務省のザハロワ報道官は「福島第1原発の大事故によって発生した液体放射性廃棄物を海に大量に放出するという、東京電力の方針に関する報道は、懸念を呼んでいる」と指摘。「日本政府は放射性汚染水の海への放出を禁止し、福島での大事故によって発生した廃棄物を安全に処理する方法を見つけるべきだ。日本にそのような技術がないのであれば、日本は国際社会に支援を求めることができるはずだ」と会見で発言した。

 ★菅の名誉は回復したが、東電の責任とこの問題を引き継いだ現内閣や政府の責任は続いている。国内では風化が叫ばれるが、世界の政府が監視していることを忘れてはならない。今年1年を振り返ると、政権は内政、外交ともに目先のファクトに飛びつく傾向が強い。事故処理が中途半端では、復興も五輪もない。無視して通用する話でもない。真摯(しんし)な態度とは、避けて通りたいことも丁寧に実現させていくことだ。
(K)※敬称略

31- 琉球新報が原発30キロ圏内の自治体アンケートを分析

 30日付けの当ブログで紹介した毎日新聞の原発30キロ圏内の自治体を対象としたアンケート結果 
について、琉球新報が詳細に分析して紹介しています。
 以下に転載します。
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リスク同じ、再稼働に関与要求
琉球新報 2017年12月30日
 原発30キロ圏内の自治体を対象とした毎日新聞のアンケート結果からは、事故時のリスクを背負わされているにもかかわらず、立地自治体ほどの権限がないという周辺自治体の不公平感が浮かび上がった。東京電力福島第1原発事故後、自治体が事故時の通報義務などを定めた安全協定を電力各社と結ぶ動きが広がってきているが、原発の命運を握る「再稼働の同意権」は、周辺自治体にとって依然、高いハードルだ。

 福島第1原発事故後、原子力規制委員会の審査をクリアして再稼働した原発は5基ある。これらはすべて、立地する市町と県の同意で稼働した。

 最初に再稼働した九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)を巡っては当初、周辺のいちき串木野市などから事前の同意権を求める声が上がったが、九電は取り合わなかった。

 今回のアンケートで、30キロ圏内の周辺自治体には、原発稼働に慎重なところが少なくないことが明らかになった。

 再稼働に対する同意権について「必要」か「一部必要」と回答した60の周辺自治体のうち、再稼働に「賛成」または「条件付き賛成」と答えた自治体が9ある一方、16自治体が「反対」と回答した。

 美浜原発(福井県美浜町)など関西電力3原発の30キロ圏に入る滋賀県は「県民に原発に対する不安感が根強く残る現状において、容認できる環境にない」▽東海地震の想定震源域にある中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)に近い同県島田市は「地震活動が活発な中、災害時に原発が安全と言い切れない」−−など、事故を懸念する意見が多い。

 また、残る35自治体は再稼働への賛否を明確にしなかったが、この中にも慎重な意見が目立つ。静岡県掛川市は「将来にわたり安全・安心が確保され、市民の理解が得られなければ再稼働できない」と答えた。30キロ圏内の住民が96万人と国内の原発で最多となる日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)について、同県那珂市は「96万人の避難は現実的に不可能。住民の安全安心を最優先に総合的に判断する」とした。

 一方、運転開始から40年を超える「老朽原発」の運転延長の賛否も、再稼働と同じ構図だった。

 原発の運転期間は原子炉等規制法で原則40年間と定められているが、規制委が認めれば一度だけ最長20年の延長ができる。こうした老朽原発の活用を「問題ない」と回答したのは5自治体のみで、全て立地自治体だった。23自治体が「問題がある」とし、このうち21が周辺自治体だった。「(40年という)原則を守るべきだ」(静岡県)、「安易に賛成できない」(新潟県柏崎市)など一部の立地自治体からも疑問の声が上がった。【鳥井真平】

◇「同意権」締結は困難
 福島第1原発事故の影響が立地自治体にとどまらず広範囲に及んだのを受け、立地以外の周辺自治体が電力会社に対し、再稼働などの重要な決定の同意権を含む安全協定の締結を求める動きが相次いでいる。しかし、原子力政策を担う経済産業省の幹部は「立地自治体以外に、同意権を新たに認めることはまずない。再稼働のハードルが確実に上がるから」と断言する。

 来年11月に運転開始から40年を迎える東海第2原発を巡っては、現在も電力会社と周辺自治体の水面下の協議が続く。原電は運転延長の申請期限が迫った11月、茨城県と東海村だけに認めている同意権を水戸市や日立市など周辺5市にも「実質的」に広げるとする新たな安全協定案を東海村と5市に内々に示した。

 しかし、毎日新聞が入手した新協定案では「再稼働及び運転延長しようとする際の事前了解に関する事項は規定されていない」と明記した上で、「意見の提起や回答の要求などを通じた事前協議により実質的な事前了解が担保される」と、同意権の有無はあいまいな書きぶりになっていた。県、東海村と現在結んでいる協定で新増設や再稼働の「事前に了解を得る」と明記しているのと対照的だ。

 九電玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)を巡っては、30キロ圏の同県伊万里市が立地自治体並みの同意権を求めた。九電側と45回もの交渉を重ね、16年2月に結んだ協定では、増設計画に意見を言えたり、県の調査に同行できたりする権限が認められたが、再稼働の同意権の明記は見送られた。伊万里市は今回のアンケートに「避難計画を義務付けるなら、地元同意手続きで蚊帳の外に置くべきではない」と不満を表明した。

 周辺自治体間でも権限に格差があるケースもある。京都府伊根町は、運転中の高浜原発(福井県高浜町)の30キロ圏にある府内7市町の中で唯一、非常時に直接連絡することなどを定めた協定を結べていない。

 関電は福井県内で、原発の立地市町との間に一つ自治体をはさむ位置関係にある「隣々接」までは直接連絡の協定を結んでいる。だが、伊根町のように高浜町との間に舞鶴、宮津両市(いずれも京都府)が入る「隣々々接」は前例がなく、協定の対象外とされた。

 格差を是正しようと、京都府が伊根町を含む7市町とともに関電側に「隣々接並み」の対応を要求。協定こそ実現しなかったものの、直接連絡の内諾は得た。京都府原子力防災課の担当者は「名よりも実を取ることを優先した」と話した。【大久保昂、玉腰美那子、岡田英】

2017年12月30日土曜日

再稼働の同意権要求5割 立地自治体と差

 毎日新聞が、原発から半径30キロ圏立地自治体周辺自治体の155自治体の首長と議会を対象に911月に実施した調査で、再稼働の同意権や立ち入り調査権について、周辺自治体にも拡大する必要性に対する首長の回答は、必要56▽一部必要7▽必要ない24▽分からない1▽その他60▽無回答5でした(154自治体が回答)。
「必要」「一部必要」とした63自治体のうち60が周辺自治体で、10の立地自治体が「必要ない」と答え周辺自治体との温度差が浮き彫りとなりました。

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原発周辺自治体
再稼働の同意権要求5割 立地自治体と差
毎日新聞2017年12月29日
 原発から半径30キロ圏で立地自治体以外の周辺119自治体のうち、半数の60自治体が再稼働に対する同意権を求めていることが、毎日新聞のアンケートで分かった。電力各社は東京電力福島第1原発事故後、立地自治体の同意を得て原発の再稼働を進めているが、同事故で広範囲に被害が及ぶリスクが示されたことを受け、再稼働への関与を望む声が周辺自治体の間で強まっている。

 調査は、廃炉作業中の福島第1原発を含めた17の商用原発が立地する34自治体(13道県、21市町村)と、避難計画などが求められる30キロ圏内の121自治体(8府県、113市町村)の計155自治体の首長と議会を対象に9~11月に実施。首長には再稼働の是非や自治体の関与のあり方、電力会社との安全協定の締結状況などを尋ねた。議会には再稼働に関する意見書の採択について聞いた。首長は福島県飯舘村、福井県池田町を除く153自治体、議会は飯舘村を除く154自治体から回答を得た。

 現在は主に立地自治体に事実上認められている再稼働の同意権や立ち入り調査権について、周辺自治体にも拡大する必要性に対する首長の回答は、必要56▽一部必要7▽必要ない24▽分からない1▽その他60▽無回答5--となった。「必要」「一部必要」とした63自治体のうち60が周辺自治体。これら60自治体のうち、16自治体が再稼働に反対する考えを示した。

 一方、福井県など10の立地自治体が「必要ない」と答え、周辺自治体との温度差が浮き彫りとなった。ただし、立地自治体の中でも、福島第1原発事故に見舞われた福島県大熊町が「ひとたび事故が起これば影響は広範囲に及ぶ」として、周辺自治体の同意権を「必要」と答えたほか、日本原子力発電東海第2原発を抱える茨城県東海村も「一部必要」と回答した。

 議会では、12の周辺自治体が再稼働の際に立地自治体並みの権限を求める意見書を採択していた。このうち6自治体は再稼働反対や、慎重な対応を求める意見書も採択した。【鳥井真平、岡田英、高橋一隆】

【ことば】原発再稼働に対する自治体の権限
 自治体が原発再稼働に関与する権限を定めた法律はない。ただ、電力各社は立地する道県や市町村と安全協定を結び、設備の新増設や改造、廃炉について事前了解を得るよう努めてきた。立地自治体の同意がないまま運転を再開した事例はなく、原発再稼働の事実上の要件となっている。

立民 原発ゼロ法案の制定明記

 立憲民主党は28日、党の基本政策を決定しまし。それによると、稼働40年で原発を廃炉にする原則を徹底するとし「真の必要性が認められず、国の責任ある避難計画が策定されないままの再稼働は認めない」としています
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立民 原発ゼロ法案の制定明記
ロイター通信 2017年12月29日
 立憲民主党は28日、党の基本政策を決定した。衆院選公約で掲げた原発ゼロ法案の制定を明記。憲法改正を巡っては「権力に歯止めをかけ、国民の権利を守る観点から議論し、真に必要な事項について検討する」と盛り込んだ。年明けから各議員が支持者らに説明し、2019年の統一地方選や参院選を見据え、浸透を急ぐ。

 基本政策は公約をベースに取りまとめた。一日も早い原発ゼロを実現するため法案を作成すると訴え、稼働40年で原発を廃炉にする原則を徹底するとした。「真の必要性が認められず、国の責任ある避難計画が策定されないままの再稼働は認めない」と記した。【共同通信】

30- 山口県の住民が伊方原発の運転禁止求める

伊方原発運転禁止求め提訴
ロイター通信 2017年12月27日
 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)で過酷事故が起これば、瀬戸内海を挟み対岸の山口県も甚大な被害を受け人格権が侵害されるとして、同県の住民ら174人が27日、同原発2、3号機の運転差し止めを求め山口地裁岩国支部に提訴した

 伊方原発を巡る同様の訴訟は、広島、松山、大分の3地裁でも争われている。岩国支部では住民3人が申し立てた仮処分の審理も続いている。今月13日には、広島市民らが申し立てた仮処分の即時抗告審で広島高裁が来年9月30日までの運転禁止を命じる決定を出した。

 訴状によると、伊方原発は巨大地震のほか、火山噴火などによる事故の可能性があると指摘している。【共同通信】

2017年12月29日金曜日

伊方原発差止直前 テロの危険性を無視した規制委員会の会見が!

 ジャーナリストの横田一氏が、「原発に対してミサイル攻撃の可能性がある中では、原発は止めるべきではないのか」に関する興味深い記事を発表しました。
 
 全国各地の原発差止訴訟を手掛ける海渡雄一弁護士は、「来年1月の大飯原発差止訴訟は、原発へのミサイル攻撃を理由にしたもので、安倍首相が北朝鮮の脅威増大を『国難』と言っているのだから、勝てる可能性は十分にある見てます。
 広島高裁の伊方原発差止命令が「火山噴火時の火砕流の危険性に着目したものである以上、それよりも確率としてはるかに高いミサイル攻撃の危険性に対しては当然運転差止になる筈」という論理で、説得力があります。

 122日、新潟市内で開かれた原発問題のシンポジウムに泉田衆院議員(前知事)は河合弘之弁護士や脱原発派の嘉田由紀子前滋賀県知事らと共にパネリストとして登場し、河合氏が北朝鮮のミサイル攻撃リスクに触れて、
「安倍首相が『国難』というほどの緊急状態なのだから、地下鉄や新幹線を止めるよりもまず『原発を止めべきだ。1年間の運転で広島原爆の千発分の放射性物質が貯まる原発を攻撃されたらどうなるか」、「私は裁判で頑張りますが、最後を決めるのは政治です」
述べて泉田氏に発言を促しました。
 泉田氏は「原発が動いている方がリスクは高い」と言いながらも曖昧な答えを繰り返し、原発を止めるべきだとは言いませんでした。

 河合氏の主張は、
「動いていなくても、使用済核燃料プールなど原発には危険があるのはその通りだが、危険の度合いが全然違う。福島原発事故で起きたような作業をミサイルが飛んで来た後、火の海の中で出来ますか。動いている時のミサイルの危険を100だとすれば、止まっている時のミサイルの危険性は10以下。100対1ぐらいの違いがあると思っている」
というもので、何よりも先ず原発を止めることが重要だというものです。

 最後まで「原発の稼働を停止すべき」と明言することはなかった泉田氏に対して、記者の横田一氏はシンポが終了した後、泉田氏を直撃して下記のような問答を行いました。
横田 自民党で勉強会や部会を開かないのか
泉田 権限がない。部会を動かす力が私にはない
横田 提案も出来ないのか。
泉田 国会の仕組みを知っていれば分かるでしょう。
横田 どうやったら部会が開かれるのですか。
泉田 私が総理になったら出来ます
 泉田氏は、たしか「政権党内で脱原発の努力をする」という口実で当選した筈ですが、当選した途端にその意欲を失ったようです。予想はされましたが、情けないことです。

 泉田氏が主張する「原発を停止させていても、稼働させていても、ミサイル攻撃を受けた時の被害は似たようなものだから止める必要がない」というのは大間違いで、ミサイル攻撃を受ける危険性があれば、直ぐにでも(事前に)原発を止め、核燃料をすべてどこか「秘密」の場所に退避させるしかありません。たとえ実際にはそのために膨大な時間が掛かり、間拍子に合わないにしてもそうするしかありません。。
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伊方原発差止直前、テロの危険性を無視した規制委員会の会見が!
 泉田前知事も「原発の稼働を停止すべき」と明言せず
横田一 LITERA 2017年12月27日
「ニッポン抑圧と腐敗の現場」
「広島高裁(12月13日)の伊方原発差止命令に続いて、来年1月の大飯原発差止訴訟もいける。原発へのミサイル攻撃を理由にしたもので、安倍首相が北朝鮮の脅威増大を『国難』と言っているのだから、勝てる可能性は十分にあるとみている」

 こう話すのは、全国各地の原発差止訴訟を手掛ける海渡雄一弁護士だ。四国電力伊方原子力発電所3号機の運転差し止め仮処分申請即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)が運転差止決定を下した。福島原発事故後、原発の運転を差し止める高裁判断は初めてのこと。そのため「脱原発弁護団全国連絡会」の共同代表でもある海渡氏は記者会見で、冒頭のように勝利宣言を行ったが、今回の差止決定で浮彫りになったのは、電力業界=原子力ムラの言いなりに近い「原子力規制委員会」(更田豊志委員長)の実態と、安倍政権の危険な丸投げ・無責任体制だった。

 今回の差止命令の根拠は火山のリスクだ。野々上裁判長は、熊本県の阿蘇山が過去最大規模の噴火をすれば安全は確保されないとして「火山の影響による危険性について、伊方原発が新規制基準に適合するという原子力規制委員会の判断は不合理」と判断したのだ。海渡氏は記者会見で原子力規制委員会を次のように批判している。

「火山ガイドにある阿蘇山の破局的噴火(1万年に1回程度発生)で火砕流が到達した可能性は“十分小さいと評価できない”ため、『原発立地不適格』と見なしたのです。未だに規制委員会は『火山モニタリングによって火砕流噴火を事前に予知できる』と判断している。火山学者がみんな否定している論理を直していないのですが、そこに対して広島高裁からレッドカードが示されたのだと思います」

 要するに規制委員会は火山のリスクを過小評価していたと判断されたわけだが、しかし過小評価しているのは火山のリスクだけではない。北朝鮮のミサイルやテロゲリラによる原発攻撃についても、規制委員会は「対策不十分」という現実を直視せず、国民の生命や安全を脅かしている

泉田前知事の曖昧な態度に、出席者が猛反発!
 それは柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を阻止し続けてきたはずの泉田裕彦前新潟県知事(現衆院議員)も同様だった。泉田氏は新潟5区で初当選をしたが、その直前の9月10日、「講演会&懇親会」で次のように訴えていた。
「いま米朝関係が緊迫していますが、私は『原発にミサイルが当たったらどうするの』とずいぶん前から懸念していました。個人的に言っているだけではなくて、知事会要望として伝えています。それに対して原子力規制委員会は『所管でない』『航空機テロも含めてテロやミサイル着弾は規制の範囲を超える。国民保護法でやってくれ』と言う。『ふざけるな』と言いたい。国民保護法で動くのは自衛隊なのですが、『(柏崎刈羽原発の周辺住民の)44万人を避難させてください』と言ったら、自衛隊は『できません』と回答。誰も責任を負わない状態なのです。外野からいくら言っても変わらない。このまま原発再稼働をすれば、何のセーフティネットもないまま、日本国民の生命や健康が危険にさらされてしまうということを声を大にして言いたい」

 ところが当選後の12月2日、泉田氏は新潟市内で開かれた原発問題のシンポで河合弘之弁護士や、滋賀1区から立候補して落選した脱原発派の嘉田由紀子前滋賀県知事らと議論、ここでも、いつ原発テロが起こっても不思議ではないと説明していたが、風向きが変わったのは、続けて河合氏が、北朝鮮のミサイル攻撃リスクを問題視した時のことだった。
「いま自衛隊法82条の3の破壊措置命令が出ています。首相がいちいち許可をしていたら間に合わないので、弾道ミサイルが常時発令状態なのです。自衛隊の航空総隊司令官の裁量で発射できるようにしている。そんな緊急状態なのだから、地下鉄や新幹線を止める暇があったら『原発を止めろ』と(言いたい)一年間の運転で広島原爆の千発分の放射性物質が貯まる原発を攻撃されたらどうなるか。北朝鮮からミサイルが飛んできて、安倍首相が『国難だ』と言っている割には何で原発を止めないのか。それで稼動停止を求める仮処分で闘っています。それに対して関西電力は『大丈夫です。北朝鮮のミサイルは性能が悪いから当たりません』という抗弁をしている」

 こう訴えた上で河合氏は「私は裁判で頑張りますが、最後を決めるのは政治です」と締め括り、国会議員の泉田氏に期待を投げた形になったが、しかし露になったのは両者の温度差だった。「原発は止めるべき」との河合氏の主張に対して、泉田氏は「動いている方がリスクは高い」と言いながらも曖昧な答えを繰り返したからだ。
「(原発を)止めなくてもリスクが存在している。柏崎刈羽原発はそこにある。着弾をしたら放射性物質をまき散らしてしまう。『(稼働を)止めると安全になる』というのは幻想なのです。『すでにある原発にどう向き合うのか』というところから議論をしていかないといけない」

 これに河合氏は猛反発をした。
「『動いていなくても、使用済核燃料プールなど原発には危険がある』のはその通りだが、危険の度合いが全然違う。福島原発事故で起きたような作業をミサイルが飛んで来た後、火の海の中で出来ますか。動いている時のミサイルの危険を100だとすれば、止まっている時のミサイルの危険性は10以下。100対1ぐらいの違いがあると思っています。『動いていてもいなくても危険なものだから(北朝鮮の)ミサイル対策で運転を止めたって無駄』という考え方には賛成しません。関西電力が言っているのは、まさにそのことです。『(動いていても止まっていてもリスクは)同じじゃないか』と主張、これに対し裁判でいま言ったことで反論しました」

具体的回答のない泉田氏に直撃も、繰り返された「権限がない」発言
 それでも泉田氏は「リスクとしては違うが、原発とどう向き合うのかが重要」と同様の主張を繰り返し、最後まで「原発の稼働を停止すべき」と明言することはなかった

 パネリスト同士の議論の後、参加者から質問を受ける「質疑応答タイム」に入ったので、筆者は「原発テロ対策が不十分で穴だらけというのはその通りだと思うので、自民党の部会で二階幹事長をはじめ自民党の重鎮を集めて、公開部会をして今の議論をして欲しい。議員会館でシンポジウムを開いて同じ話ができるし、国会で北朝鮮情勢がこれだけ緊迫化しているわけだから国会を延長して徹底的に議論をすべきではないか」と聞いたが、しかし具体的回答はない。そこでシンポが終了した後、泉田氏を直撃した。

————部会を開くことについては。
泉田氏 権限がない。

————(原発テロでメルトダウンが起きる結末の小説)「原発ホワイトアウト」勉強会の(自民党の)部会はどうですか。
泉田氏 だから部会を動かす力が私にはないのです。

————提案も出来ないのですか。
泉田氏 国会の仕組みを知っていれば分かるでしょう。

————必要性は感じているのではないのですか。
泉田氏 常識を知らない恥ずかしい人になるだけでしょう。

————どうやったら部会が開かれるのですか。
泉田氏 私が総理になったら出来ます。

————その前に出来ることはないのですか。
泉田氏 (無言のままエレベーターに乗り込む)

「自民党国会議員として原発政策を変える」という泉田氏の意気込みは当選早々、トーンダウンしてしまったようにみえた。これでは、原発テロ対策強化や稼動原発停止など安倍政権や原子力規制委員会の原発政策変更につながるはずがない。

原子力規制委員会も「テロ対策は十分だ」と明言する職務怠慢ぶり
 実際、原子力規制委員会の更田豊志委員長は12月6日、筆者の質問に対して「原発テロ対策は十分」と回答、対策強化の必要性を否定した。

————今、アメリカでは原発を兵士150人が守って訓練しているにもかかわらず、日本では警察と民間警備会社が守っていて、「こんな国は日本しかない」と石破(茂)元防衛大臣も問題視している、この原発テロ対策が不十分な現状についてどう考えているのか。(中略)北朝鮮の脅威にさらされて不審船も漂着する中で、稼働中の原発停止と再稼働先送りをすべきではないか。
更田委員長 米国の例をとって兵士が(原発を)警備をされていると。私たちは兵士を持っていません。ですから、米国は米国で原子炉の規制以外の枠組みでもって国家の危機に耐える仕組みを持っている。

————(原発を)自衛隊員では守れないということなのか。
更田委員長 あくまで国会での議論があるのであれば、それは結構なことだと思います。

————「原発テロ対策が不十分」という現状認識を持っているのか。
更田委員長 テロ対策は十分だと思っている。セキュリティ対策として十分な手当てをしている。

 伊方原発差止仮処分で問題になった火山のリスクと同様、原子力規制委員会は原発へのミサイル攻撃やテロ対策においても楽観的な現状認識をしているとしか言いようがない。

 また北朝鮮の原発攻撃時における稼動の有無による被害の違いについても更田委員長に聞いたが、「仮定が多すぎて答えられない」「今後、試算する考えもない」と回答した。

 職務怠慢とはこのことだ。河合氏が裁判やシンポで主張するように、原発攻撃を受けた際に稼動している方が桁違いの被害が想定されるのであれば、「北朝鮮の脅威が問題ないレベルになるまで原発の稼動停止と再稼動先送りをする」との結論に至る。その試算をしようとさえしない規制委員会は、原発事故から国民の生命と安全を守る責務を放棄しているとしか言いようがないのだ。

 そんな規制委員会を「世界最高水準の審査基準」と褒め称えて事足りる安倍首相もまた、未曾有の放射能汚染を招く「国賊」「疫病神」と後ろ指を指されても仕方ないだろう。(横田 一)

29- 原発ゼロ~推進連盟が原発ゼロ法案 与野党に連携呼び掛けへ

 小泉元首相細川元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(会長・吉原毅城南信用金庫顧問)が作成した「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を来年110の記者会見で発表します。
 立憲民主党や希望の党、公明党など与野党に連携を呼び掛け、1月召集の通常国会へ法案提出を目指すということです
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小泉元首相ら原発ゼロ法案 与野党に連携呼び掛けへ
東京新聞 2017年12月28日
 脱原発運動に取り組む小泉純一郎元首相らが顧問を務める団体が「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」をまとめ、来年一月十日に記者会見して発表する。立憲民主党や希望の党、公明党など与野党に連携を呼び掛け、一月召集の通常国会へ法案提出を目指す

 法案を作成したのは「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(会長・吉原毅城南信用金庫顧問)。原発の稼働停止や、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を高めることを明記する内容で、連盟関係者は「市民の声に後押しされて高い目標を掲げた」と語る。

 会見には、吉原氏や顧問の細川護熙元首相も同席する。その後、吉原氏が立憲民主との対話集会に臨み、法案への賛同者を幅広く募る考え。
 立憲民主は「一日も早い原発ゼロ」を政策の柱としており、通常国会に「原発ゼロ基本法案」を提出する方針だ。希望は衆院選公約で「二〇三〇年までに原発ゼロを目指す」と打ち出している。
「原発即時ゼロ」を求める小泉氏らと温度差があり、調整が難航する可能性もある。

2017年12月28日木曜日

規制委 柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働申請に 正式合格の決定

 原子力規制委は27日の定例会合で、柏崎刈羽原発67号機が、原発の新規制基準に「適合」するとした審査書を正式決定しました。
 10月から1か月かけて行った意見募集(パブリックコメント)では870件が集まり、福島事故を起こした東電に「原発の運転資格はない」とする意見が多かったものの、規制委は「福島事故の収束をやり遂げ、柏崎刈羽を安全第一で運営する」との内容を保安規定に盛り込ませることで、東電に運転資格ありと判断し、字句を修正しただけで審査を通しました。
 また、柏崎刈羽で新たな事故が起きても、東電には賠償能力がない点を問題視する意見もありましたが、規制委は直接的には答えず、新基準向けの工事費を工面できることや、「原子力損害賠償制度がある」と一般論を書いただけで、東電全体の経営状況やほとんど備えがない賠償制度の現状には触れませんでした。

 肝心の住民避難については、避難用バスの運転手が確保できていませんし、そもそも法整備が追いついていないので、運転手がバスの運行を止めて現場に行くことができない状況だということです。

 柏崎刈羽原発6・7号機の正式合格に当たり、日刊ゲンダイは「事故後対応は丸投げ 柏崎刈羽原発 基準適合の無責任」とする記事を、東京新聞は「柏崎刈羽 新基準適合は『ない』づくし」とする記事を出しました。
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事故後対応は丸投げ 柏崎刈羽原発「基準適合」の無責任
日刊ゲンダイ 2017年12月28日
 拙速ではないか――。27日、原子力規制委員会が、東京電力が再稼働を目指す新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6、7号機について、新規制基準「適合」の審査書を決定した。福島第1原発と同型の「沸騰水型」原子炉の「合格」は原発事故後初めてだ。
 規制委の更田豊志委員長は、27日の定例会見で「(決定は)感情論に流されず技術的に判断した結果」と言ったが、再稼働となると話は別だ。

 今年10月から約1カ月にわたって募集された東電の適格性審査結果に対する「パブリックコメント」(870件)には「1F(福島第1原発) 事故を起こした東電に適格性ナシ」といった意見が並び、県は独自の検証委員会を立ち上げて原発の安全性を調査している。

 柏崎刈羽原発を取材しているフリージャーナリストの横田一氏がこう言う
「泉田裕彦前新潟県知事(現・衆院議員)の時代から、地域防災・避難計画のずさんさが指摘されていました。原発周辺には住民が約44万人いるにもかかわらず、万が一の時の避難用バスの運転手すら確保できていない。そもそも、法整備が追いついていないので、運転手がバスの運行を止めて現場に行くことができません

 規制委は原発プラントの安全性を審査しただけで、事故後の対応については国や自治体に丸投げというワケだ。柏崎刈羽原発差し止め訴訟の弁護団長・和田光弘弁護士はこう言う。
「規制委がちゃんと審査したのか疑問です。地元研究会の資料によると5号機から7号機の下には活断層があるし、基準地震動について(規制委は)東電が提出したデータ以外に、独自の調査をしていません。東電側が出した審査書類が基準を超えていれば『合格』というわけです」

 更田委員長は「東電には(福島原発事故)当時の緊張感を忘れてもらいたくない」と、どこか他人事の様子。事故処理すら終わってないのに、再稼働なんて無理だ。


柏崎刈羽 新基準「適合」は「ない」づくし
こちら原発取材班 東京新聞 2017年12月28日
 原子力規制委員会が、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)は対策工事を講じれば新規制基準に「適合」すると正式に決定した。東電は福島第一原発事故を起こした当事者。その事故収束もままならない中、もしも柏崎刈羽で新たな事故が起きれば、事故収束の要員確保、新たな賠償とも対応できる力はない。再稼働に不可欠の地元同意を得られる見通しもない。 (小川慎一、宮尾幹成)



収束要員に余裕「ない」 賠償の余力「ない」 地元の理解「ない」
 福島第一原発では、いまだ事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の状況はよく分かっていない。
廃炉作業は世界が未経験の難作業となるのは必至。担い手である技術者や作業員は不可欠の存在。もし柏崎刈羽で事故が起きれば、ただでさえ限られた担い手の確保はさらに困難となる。
 資金面からみても、東電の原発運転資格には疑問がある。福島事故で巨額の負債を抱え、東電は実質的には破綻している。新たに柏崎刈羽で事故が起きれば、新たな負担に耐えられる余力は到底ない。原発事故の保険は1200億円あるが、現実の事故被害は兆円単位。福島事故は21兆5000億円(政府試算)にのぼる。
 再稼働には、地元の同意が必要だが、そんな状況にはない。東電は2014年11月に原子力部門のトップだった姉川尚史(たかふみ)常務(当時)が国会で、「(柏崎刈羽の)30キロ圏内の自治体の理解がなければ、再稼働の条件が十分でない」と明言した。
 本紙は30キロ圏の9市町村に取材。どの自治体も、新潟県が独自に進めている①事故原因②健康被害③避難-の三つの検証を見守ると答えた。県の検証はまだ2、3年かかる見通し。規制委が新基準「適合」を正式決定した後も、新潟県の米山隆一知事は「検証が終わらない限り、再稼働の議論はしない」と明言している。