2019年7月31日水曜日

柏崎で原発廃炉訴える県民集会

 柏崎刈羽原発の再稼働に反対する住民団体が28日、柏崎市で同原発の廃炉に向けて、意見を交わす県民集会を開き、パネリストたちから「東日本大震災後は節電の取り組みが進み、電気は余っている。原発を動かす理由がない」「柏崎刈羽原発は本来作ってはならない場所に無理をして建設した。液状化対策をしなくてはならない原発がほかにあるのか」などの意見が出されました。
 柏崎刈羽原発反対地元3団体の主催で約200人が参加しました。
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「首都圏の電気は十分」 柏崎で原発廃炉訴える県民集会
新潟日報 2019/07/29
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に反対する住民団体が28日、新潟県柏崎市で同原発の廃炉に向けて、意見を交わす県民集会を開いた。パネリストとして登壇した住民は「柏崎刈羽原発が動いていなくても首都圏の電気は足りている。原発は不要だ」などと訴えた。
 県民集会は原発からいのちとふるさとを守る県民の会、柏崎刈羽原発反対地元3団体の主催で、約200人が参加した。
 
 シンポジウムでは「なぜ柏崎刈羽原発を廃炉にしなければならないのか」をテーマに、原発に反対する地元住民4人と、チェルノブイリ原発事故での放射能汚染と人体への影響の研究などで知られる独協医科大の木村真三准教授が意見を交わした。
 矢部忠夫・前柏崎市議は「東日本大震災後は節電の取り組みが進み、電気は余っている。原発を動かす理由がない」と語った。
 武本和幸・元刈羽村議は「柏崎刈羽原発は本来作ってはならない場所に無理をして建設した。液状化対策をしなくてはならない原発がほかにあるのか」と地質面の問題を訴えた。
 現在は福島県を拠点に研究を続ける木村氏は「東電福島第1原発事故後の福島のことを考えてもらうことが大事だ」と指摘した。

プルトニウム保有量 高浜、玄海稼働で45.7トンに減少

 日本が2018年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量は前年より約1.6トン減少し、約45.7トン(うち核分裂性は約30.3トン)でした。
 関西電力高浜原発3、4号機と九州電力玄海3号機でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマル発電を進めたためです。
 これには六ヶ所村の再処理工場が未稼働であることが大きく寄与していて、それを再稼働するのはこの点でも愚の骨頂です。
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プルトニウム保有量は「減少」 高浜、玄海稼働で45.7トンに
共同通信 2019/7/30 
 内閣府は30日、日本が2018年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量は前年より約1.6トン減少し、約45.7トン(うち核分裂性は約30.3トン)だったと国の原子力委員会に報告した。保有量が減ったのは16年末以来。
 
 関西電力高浜原発3、4号機と九州電力玄海3号機でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマル発電を進めたのが減少の主な理由。プルトニウムは核兵器に転用可能で、日本の大量保有に国際的な懸念が高まっている。原子力委は再処理を抑制し、新たに取り出すプルトニウム量を制限することなどで保有量を減少させる新たな指針をまとめている。

31- 大熊町の農薬工場操業できず 30億円賠償請求

原発事故で東電に30億賠償請求 福島・大熊町の工場操業できず
共同通信 2019/7/29 
 東京電力福島第1原発事故で福島県大熊町の工場が操業できなくなったとして、東京の農薬メーカー「アグロカネショウ」は29日、東電に30億8千万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。
 アグロ社は事故後の約1カ月間の損害賠償を求めて2012年に提訴し、約3400万円の賠償を命じる判決が今年1月に確定した。今回は11年4月以降分の賠償を請求。東電は事業再開によって得られた利益を損害から差し引く姿勢を示している。
 
 記者会見した櫛引博敬社長は「復旧に向けて努力するほど賠償額が減るのはおかしい」と話した。東電は「請求内容や主張を確認して対応する」としている。

2019年7月30日火曜日

加美町長選で 汚染牧草焼却の可否争点に

 宮城県大崎市岩出山のごみ焼却施設で実施された放射性汚染物質の試験焼却については何度か取り上げてきましたが、8月11日に投開票される宮城県加美町長選(86日告)では、1キログラム当たり8000ベクレル以下の汚染牧草の焼却処理の可否が争点の一つに浮上しています
 新人で元副町長の吉田恵氏は「一番早い方法」と前向きですが、現職の猪股洋文氏は「現実的でない」と否定的です
 河北新報が報じました。
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<加美町長選> 汚染牧草焼却の可否争点に 来月6日告示
  河北新報 2019年07月28日
 任期満了に伴う宮城県加美町長選(8月6日告示、11日投開票)で、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染牧草の焼却処理の可否が争点の一つに浮上している。新人で元副町長の吉田恵氏(66)は「一番早い方法」と前向きだが、現職の猪股洋文氏(67)は「現実的でない」と否定的だ。3年前まで、基準を超える指定廃棄物の最終処分場建設反対運動で一丸となった町が揺れている。
 
 町内の汚染牧草は約4090トン。町は400ベクレル以下をすき込み処理する考えだが、用地選びが難航し、本年度の計画処理量は90トンにとどまる。全体の約7割の400ベクレル以上は処理方針すら定まっていない。
 加美町を含む大崎圏域では、試験焼却が最終段階に入った。町が約2000トンを集約管理する旧宮崎田代放牧場の周辺住民らを中心に、圏域の焼却処理に加わる形で、早期処分を求める声が高まっている。
 これを背景に、吉田氏は「すき込みだけではいつまでも進まないし、一般ごみとの混焼は県内の全首長が合意したことだ。安全が確認できたら、圏域の焼却スケジュールに入れてもらえるよう、頭を下げるところは頭を下げたい」と語る。
 
 対する猪股氏は、焼却灰が搬入される大崎市三本木の処分場周辺住民らの根強い反対感情を踏まえ、「最終処分場問題で強硬に焼却に反対した加美町が手のひらを返して、大崎市での焼却を訴えても到底受け入れられない」と実現可能性が低いとの見方を示す。
 加えて、昨年10月、秋元司環境副大臣が村井嘉浩知事との会談で、指定廃処分の議論再開に前向きな発言をしたことを挙げ、「町は今も建設候補地の一つであることを忘れてはいけない。最終処分場を呼び込むことにつながりかねない行動は慎むべきだ」とくぎを刺す。
 
 「汚染牧草の早期処理を支援する会」の石垣正年会長(71)は「知事は最終処分場候補地の撤回を国に求めており、当時と状況は違う。むしろ今、周辺自治体と足並みをそろえないと加美町だけが取り残され、20年先も今のまま続く不安がある」と吉田氏に願いを託す。
 「放射能汚染から子どもを守る実行委員会in加美」の尾出弘子代表(66)は「最終処分場問題について意思決定の権限があるのは県ではなく国。なくせ、燃やせというのは簡単だが、影響や安全性はもっと慎重に見極めるべきだ」として猪股氏を支持する。(加美支局・佐藤理史)

脱原発実現へ運動強化 福島で原水禁世界大会

 原水爆禁止世界大会・福島大会は27日、福島市の県教育会館で開かれ、約620人が参加しまし
 福島での開催は福島原発事故発生の2011年から9年連続です。 
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脱原発実現へ運動強化 福島で原水禁世界大会
福島民報 2019/07/28
 原水爆禁止世界大会・福島大会は二十七日、福島市の県教育会館で開かれ、原発のない社会の実現を展望した運動を強めるとする「フクシマアピール」を採択した。 
 
 実行委員会の主催で、約六百二十人が参加した。地元を代表して角田政志県平和フォーラム代表が「福島の悲劇を二度と繰り返さないためにも全国の原発再稼働反対の運動を進め、原発も核も戦争もない平和な社会の実現を目指す」とあいさつした。 
 
 「被災者の生活再建・健康問題と脱原発」をテーマにしたシンポジウム、「福島原発事故と再稼働」と題した特別分科会も開いた。県内開催は東京電力福島第一原発事故発生の二〇一一(平成二十三)年から九年連続。 

30- 最終処分場化の回避が重要と福島知事

最終処分場化の回避が重要 福島知事、第2原発廃炉で
共同通信 2019/7/29
 福島県の内堀雅雄知事は29日、福島第2原発(楢葉町、富岡町)全4基の廃炉に伴い使用済み核燃料の貯蔵施設を敷地内に新設すると東京電力が表明したことについて「両町とさまざまな協議をしている。(そのまま)最終処分場にしないことが重要だ」と述べた。同日の定例記者会見で答えた。
 
 東電の小早川智明社長が24日に福島県庁で内堀氏らと面会し、貯蔵施設の新設方針を表明。内堀氏は受け入れに関する東電への回答時期に関して「具体的なスケジュールは固まっていない」と明言を避けた
 東電は地元の了解が得られれば、取締役会で廃炉を正式決定する方針。

2019年7月29日月曜日

福島・甲状腺検査 がん・疑い 17人が報告漏れ(詳報)

 福島県が子どもを対象に行っている甲状腺検査で、がんやその疑いがあるという報告に含まれていない可能性がある患者が20人近くいる問題は25日に報じましたが、より詳しい記事がありましたので「詳報」として紹介します。
 前回は共同通信の記事で集計漏れが18人なっていましたが、今回のNHKの記事では17人となっています。
 
 この集計漏れは一昨年も12人あったことが指摘されています。長期にわたって県民の健康状態を把握するとした福島県の調査の在り方が問われます
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福島県の甲状腺検査 がん・疑い 17人が報告漏れの可能性
NHK NEWS WEB 2019年7月24日
原発事故のあと、福島県が子どもを対象に行っている甲状腺検査で、がんやその疑いがあるという報告に含まれていない可能性がある患者が、少なくとも17人いることが民間の調査でわかりました。長期にわたって県民の健康状態を把握するとした県の調査の在り方が問われることになりそうです。
 
福島県は原発事故のあと、被ばくの影響を受けやすいとされる事故当時18歳以下だった子ども、およそ38万人を対象に、甲状腺の検査を行っています。
この検査で甲状腺がんやその疑いと診断された人はことし3月末時点で218人いますが、専門家の委員会では被ばくとの関連は認められていません。
 
これに対し、甲状腺がんと診断された子どもなどを支援しているNPO「3・11甲状腺がん子ども基金」は24日、記者会見を開き、県の報告に含まれていない可能性がある人が少なくとも17人いることを明らかにしました。
このうち16人は、県外などで自主的に受けた検査でがんやその疑いと診断された人たちで、もう1人は県の検査で経過観察となったあとにがんと診断されたため、県の報告に含まれていないとみられるということです。
 
報告に含まれていない人たちは、おととしにも12人見つかっており、今回、新たに判明したことで、長期にわたって県民の健康を把握するとした調査の在り方が問われることになりそうです。
NPOの崎山比早子代表理事は「正確な人数を把握しないまま、被ばくの影響について検討しているのは大きな問題だ。県には集計から外れる人をなくし、信頼できる解析を行った結果を報告してもらいたい」と話しています。

29- 参院に福島産農産物出店の二本松の斉藤さんが講演

 風評被害の払拭を目指し、国会議員や省庁職員と顔の見える関係をつくりたいと、福島県産農産物を参院の売店で販売する二本松農園代表の斉藤登さんが25日夜、東京都東久留米市で講演しました。
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風評払拭 対面販売から 福島産農産物を参院に出店、二本松の斉藤さんが講演
河北新報  2019年07月28日
 東京電力福島第1原発事故による風評被害の払拭(ふっしょく)を目指し、参院の売店で福島県産農産物を販売する二本松農園代表の斉藤登さん(60)=福島県二本松市=が25日夜、東京都東久留米市で講演した。農産物への需要を高めるため、消費者との対面販売で安全性を伝える大切さを訴えた。
 
 「国会で福島の農産物を売る」と題して話した斉藤さんは、「原発事故以降、福島の農産物は小売店の棚で見掛けにくくなり、外食産業などの業務用に回る傾向が固定化している」と現状を説明した。
 「流通業者に福島産を避ける動きが残る一方で、買いたいという消費者の声も多く寄せられる」との側面も指摘。「福島産が家庭の食卓に戻る一助となるよう、参院での販売で国会議員や省庁職員と顔の見える関係をつくりたい」と強調した。
 
 講演会は、東久留米市福島県人会などが主催。都内に住む県出身者や原発事故避難者ら約30人が聞き入った。
 二本松農園は4月15日に参院1階の売店に「里山ガーデンファーム国会議事堂店」を開業。斉藤さんが理事長を務めるNPO法人「がんばろう福島、農業者等の会」に参加する54農家の野菜や果物、加工品を販売する。期間は6月までの予定だったが、9月20日まで延長が決まった。

2019年7月28日日曜日

福島第一原発1号機 格納容器の調査開始遅らせる考え

 メルトダウンを起こした福島第一原発1号機で、ことし9月までに開始する予定だった原子炉を納める格納容器内部の調査について、東電は開始を遅らせる考えを明らかにしました。
 1号機の鋼製の扉を高圧ジェット水で切断する方法を採りましたが、それにより格納容器内側にたまっていたとみられる放射性物質が舞い上がり周囲や大気を汚染したため、別の手段を検討中で扉の切断が出来ていないためです。
 
 一方、高さ120mの排気筒12号機共用)の解体について、東電は準備に時間がかかっていることから、7月下旬としていた工事の開始時期を8月上旬にすると発表しました。解体が終わる時期は、今年度内の来年3月までとしています。
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福島第一原発1号機 格納容器の調査開始遅らせる考え
NHK NEWS WEB 2019年7月25日
メルトダウンを起こした福島第一原子力発電所1号機で、ことし9月までに開始する予定だった原子炉を納める格納容器内部の調査について、東京電力は準備に時間がかかっているとして、開始を遅らせる考えを明らかにしました。
 
メルトダウンを起こした福島第一原発の3つの原子炉のうち、2号機と3号機ではすでに、溶け落ちた核燃料が混ざった「デブリ」とみられる堆積物が格納容器の底部などで確認されていますが、1号機ではまだ確認に至っていません
このため、東京電力は原子炉を納めた格納容器内部のロボット調査をことし9月までに開始するとしていましたが、先月、格納容器の金属製の扉に高圧の水を噴射して穴を開けていた際、格納容器内側にたまっていたとみられる放射性物質が舞い上がり、配管の一部で濃度が上昇するトラブルが起きました。
その後、東京電力では作業を中断して放射性物質が舞い上がることを抑える切断方法を検討していて、扉に穴を開ける作業の本格的な再開は来月下旬以降になる見通しを示しました。
 
そして、これに伴い、ことし9月までに開始するとしていた調査についても開始時期を遅らせる考えを明らかにしました。
福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は、調査の具体的時期はまだ未定としたうえで「安全が大事なので何かあれば立ち止まって検討する」と述べました。
 
排気筒の解体は8月上旬に
一方、福島第一原子力発電所で、延期されていた高さ120メートルの排気筒の解体について、東京電力は準備に時間がかかっていることから、7月下旬としていた工事の開始時期を8月上旬にすると発表しました。
 
福島第一原発の1号機と2号機の建物の隣にある高さ120メートルの排気筒は、内部に高い濃度の放射性物質が付着していて、ことし5月から解体が始まる予定でしたが、直前に作業で使うクレーンの高さが1メートル60センチほど足りないことがわかり、延期されていました。
東京電力は、クレーンを排気筒に近づけて高さの不足を補うため、これまでに周辺の路面の強度を高める工事などを終えました。
そして、解体に使う切断装置や遠隔操作のための通信機器の動作確認などを進めていますが、確認に時間がかかっていることや天候不良が続いたことから、東京電力は今月下旬としていた解体工事の開始時期を来月上旬に遅らせると発表しました。
解体が終わる時期は、今年度内の来年3月までとしています。
 
東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は「遠隔操作でこれだけ大型のものを解体するのは初めての経験なので、スケジュールありきではなく、安全第一で進めたい」と話しています。

28- 上関原発 山口県が埋め立て免許再延長許可

 山口県は26日、中国電力が計画する上関原発の建設に必要な海の埋め立て免許の延長を許可しました。
 中国電は08年10月に免許を取得09年10月に着工しましたが、反対派住民の抗議活動で工事は進まず、11年の東京電力福島第1原発事故後に工事を中断しました。
 山口県は16年8月、免許延長を許可し、原発本体の着工時期の見通しがつくまで工事をしないよう中国電に要請しました。免許は今年7月6日までで、中国電が6月、延長を申請していました。
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上関原発、山口県が埋め立て免許再延長許可 福島原発事故から中断
毎日新聞 2019年7月26日
 中国電力(広島市)の上関原発(山口県上関(かみのせき)町)建設計画を巡り、山口県は26日、同社が申請していた予定地の公有水面埋め立て免許の再延長を許可した。村岡嗣政(つぐまさ)知事は許可理由について「新規制基準に対応するため海上ボーリング調査が必要だという説明には合理性がある」などと説明した。
 
 再延長の期間は3年6カ月で、このうち半年間が断層評価に必要なボーリング調査の期間となる。期限は2023年1月6日まで。県は許可に当たり、原子炉など本体着工のめどがたつまで、中断している埋め立て工事を再開しないよう中国電に要請した。
 
 埋め立て工事は09年10月に始まり、東京電力福島第1原発事故後から中断が続く。中国電は免許期限の12年10月に最初の延長を申請。県は16年に延長を許可したが、今月6日の期限切れを前にした今年6月、中国電が再延長を申請していた。
 
 政府は原発の新増設について方針を示していないが、エネルギー基本計画では原発を「重要なベースロード電源」と位置付ける。老朽化した原発の廃炉も決まる中、許可書を受け取った中国電の平野正樹副社長は取材に「中長期的にみれば上関原発の必要性は以前よりも増している」と語った。【祝部幹雄、坂野日向子】

2019年7月27日土曜日

柏崎刈羽原発 再稼働に1兆2千億円 従来の2倍近くに

 東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発の安全対策費として約1兆1690億円がかかるとする新たな試算をまとめました。従来の試算約6800億円から2倍近くに増加しまし
 安全対策費は全国の原発で増え続けており、原発再稼働に巨額の費用がかかることが改めて浮き彫りになりました
 電力料金以外に収入源を持たない電力会社なので、自動的に電気料金への上乗せになります。
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柏崎刈羽原発、再稼働に1兆円超 東電試算、従来の2倍近くに
共同通信 2019/7/26
 東京電力が、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)の安全対策費として約1兆1690億円がかかるとする新たな試算をまとめたことが26日、分かった。従来の約6800億円から2倍近くに増加した。テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)など原発の新規制基準への対応費用が大きく増えたことが要因。
 
 安全対策費は全国の原発で増え続けており、再稼働が進んでいる関西電力で約1兆250億円、九州電力で九千数百億円となっている。原発再稼働に巨額の費用がかかることが改めて浮き彫りになった。電気料金への上乗せによる、利用者の負担増加も懸念される。

千年の歴史「相馬野馬追」開幕 昨春浪江に帰還の11歳少女が初陣

 福島県で千年の歴史を誇伝統行事「相馬野馬追」が27日、開幕しました。地域ごとに分かれた五つの甲冑姿の騎馬隊計約400騎がそれぞれ出陣式を開き、ほら貝を鳴らし、商店街や駅前を練り歩きます
 
 原発事故による全町避難で10カ所以上転々とし、千葉県の小学校に入学した夏、父の仕事の関係でタイの首都バンコクへ行き3年半を日本人学校で過ごした福島県浪江町のなみえ創成小6年紺野琉美子さんが騎馬隊で初出場します
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千年の歴史「相馬野馬追」開幕 騎馬隊400騎が出陣式
共同通信 2019/7/27
 福島県で千年の歴史を誇り、戦国時代さながらに甲冑姿の騎馬武者が競馬などを繰り広げる伝統行事「相馬野馬追」が27日、開幕した。地域ごとに分かれた五つの騎馬隊計約400騎がそれぞれ出陣式を開き、ほら貝を鳴らし、商店街や駅前を練り歩いた。
 
 今年4月、東京電力福島第1原発事故による避難指示が初めて一部で解除された大熊町の住民も加わる騎馬隊は、浪江町から出発。中学生の時から出場している自営業吉田昌平さん(43)は、原発事故の影響で今は水戸市で暮らす。出陣前「昨年亡くなった馬の師匠や、古里のために力を尽くしたい」と意気込みを語った。
 
 
相馬野馬追あす開幕 昨春浪江に帰還の11歳少女が古里思い初陣
  河北新報 2019年07月26日
 国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」が27~29日、南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地を主会場に開かれる。参加予定の401騎の騎馬武者が行列などで勇壮な戦国絵巻を繰り広げる。
 27日は旧相馬藩内の五つの郷からそれぞれ出陣。午後2時から雲雀ケ原で宵乗り競馬がある。
 本祭りの28日は午前9時半から騎馬武者が原町区中心部を雲雀ケ原まで行進。正午から甲冑(かっちゅう)競馬、午後1時から神旗争奪戦を行う。
 29日は市小高区の小高神社で午前9時から、裸馬を素手で捕らえて神前に奉納する「野馬懸(のまかけ)」がある。
 
◎5月からの練習「楽しい」
 27日開幕する相馬地方の伝統行事「相馬野馬追」に、福島県浪江町のなみえ創成小6年紺野琉美子(るみこ)さん(11)が騎馬隊で初出場する。東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の一部解除を受け昨春、家族と帰町した。当日は中心部を行列する馬上から古里を眺める。「なかなか言うことを聞かない」という馬と初陣に臨む。
(南相馬支局・佐藤英博)
 
 祖父に勧められ、出場を決断した琉美子さん。5月から騎乗練習を始めた。「馬? 楽しいです。でも結構わがまま。うまく進んでくれなかったり。なめられてます」と笑う。
 学校の先生たちが一番楽しみにしているという。「あまり自分に注目しないでほしい。乗り手が緊張すると馬が大変になるから」
 
 3歳半の時、東日本大震災を町内の自宅で経験した。すごい揺れ。物がたくさん落ちてきたのを覚えている。2階のベランダで待つと、祖母が迎えに来た。車に乗って走り始めたところで、記憶は途絶えた。津波はすぐ近くまで来ていた
 原発事故による全町避難で10カ所以上転々とし、千葉県の小学校に入学した夏、父の仕事の関係でタイの首都バンコクへ。4年生までの3年半を日本人学校で過ごした
 昨春のなみえ創成小開校を機に、父を現地に残して一足先に母や妹と町に戻った。5年生の時は琉美子さん1人。6年生になって級友が1人増えた。
 「学校の人数は多くても少なくても、あまり気にしない。だけど町の家々が取り壊され、どんどん減っているのは寂しい」
 
 町の避難指示が一部で解除されたのは2017年春。2年以上たち、町内に居住するのは約1000人。震災前の2万1400人に遠く及ばない。
 それでも相馬藩に五つあった「郷(ごう)」のうち浪江、同県大熊、双葉3町を束ねる「標葉(しねは)郷」は昨夏、8年ぶりに浪江に本陣が立つなど明るさを取り戻しつつある。
 琉美子さんは27日朝に浪江本陣を出陣し、騎馬行列で町中を行進。28日の本祭りでは南相馬市原町区の中心部での行列にも加わる。
 母の麻由美さん(44)は「琉美ちゃんは浪江に戻ってからいろいろ前向きで、安心して見ていられる」と目を細める。
 野馬追には、琉美子さんが「前のように大きい声では言えなくなったけど、大好き」と言う父も、タイから一時帰国する予定だ。

27- 福島第一原発 放射性物質 放出量が前年比2倍に

 欧州各地で17年秋、大気中で微量の放射性物質ルテニウム106が検出された問題で、フランスなどのチームは27日、放出源はロシアの核施設「マヤーク」だったとみられるとの調査結果を発表しました。ロシアは否定しています。微量で健康への影響はありません
 
 それとは別に、福島第一原発から放出されている放射性物質の量についてNHKがまとめたところ、ことし1月までの1年間の放出量が推計で、前の年と比べて2倍近く9億3300万ベクレルに上がりました。東電は、1号機のがれきの撤去作業や、2号機の原子炉建屋の放射線量を測る調査にともなう作業での際、放射性物質を含むちりが舞ったからではないかとしています。
 放出された物質名や濃度は公表されていません。
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ロシアの核施設から漏出か 欧州各地で検出の放射性物質
共同通信 2019/7/27
 欧州各地で2017年秋、大気中で微量の放射性物質ルテニウム106が検出された問題で、フランス放射線防護原子力安全研究所などのチームは27日、放出源はロシアの核施設「マヤーク」だったとみられるとの調査結果を、米科学アカデミー紀要に発表した。
 
 マヤークは使用済み核燃料の再処理などを行う施設で、チームは素粒子実験に使う別の放射性物質を取り出す作業中に漏れたと推定。微量で健康への影響はないとした。
 当時から疑われていたがロシア当局はマヤークからの漏出を否定し、大気圏に突入した人工衛星の電池から漏れた可能性を指摘していた。
 
 
福島第一原発 放射性物質 放出量が前年比2倍に
NHK NEWS WEB 2019年3月8日
福島第一原子力発電所から放出されている放射性物質の量についてNHKがまとめたところ、ことし1月までの1年間の放出量が推計で、前の年と比べて2倍近くになっていることがわかりました。放出量は基準値を大きく下回っているものの、東京電力は廃炉作業によって一時的に増えたのが原因ではないかとしています。
 
東京電力は8年前の原発事故のあと、1号機から4号機の原子炉建屋から放出されている放射性物質の量について、現在は「対策を講じているので大幅に減ってきている」と説明しています。
NHKでは、東京電力の公表資料を基に計算したところ、いずれも推計で、去年1月までの1年間の放出量は4億7100万ベクレルほどだったのに対し、ことし1月までの1年間の放出量は9億3300万ベクレルほどに上り、2倍近くになっていることがわかりました。
 
これについて東京電力は、1号機のがれきの撤去作業や、2号機の原子炉建屋の放射線量を測る調査にともなう作業での際、放射性物質を含むちりが舞ったからではないかとしています。
ただ、1時間当たりの放出量は国の基準を基に東京電力が厳しく定めたレベルを大きく下回っているということで、東京電力は「8年間の大きなトレンドでは減少傾向だが、廃炉作業によって一時的に増えたのが原因とみられる。放射性物質が広がらないよう対策を講じたい」としています。

2019年7月26日金曜日

自主避難者家賃/個別事情に配慮した支援を

 契約期限を過ぎても国家公務員宿舎から退居できない福島原発事故の自主避難者に対し、福島県は家賃の2倍額の「損害金」を請求しました。福島県知事は契約書がそうなっているとしていますが、避難者たちはわがままで居座っているのではなく、低廉な他の公営住宅などが見つからないない(入れない)ために転居できないのです。
 それを4月1ヶ月分として2~15万円を損害金として一括して請求するとは、まさに懲罰的な支払請求であり、自主避難者たちをさらに追い詰めようとするものです。
 
 河北新報はこの問題を社説で取り上げ「今なお31600人が県外避難しているのが原発被災地・福島の現実である。少しずつだが復興が進む被災地に帰還を促す施策が、逆に避難者を追い詰める結果となってはならない。 県は避難者一人一人の個別事情を十分に吸い上げ、新たな住まいが見つかるまで伴走型の支援を継続すべきだ」と述べました福島県は何故血の通った措置が取れないのでしょうか。
 
     (関係記事)
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社説 自主避難者家賃/個別事情に配慮した支援を
河北新報 2019年07月25日
 契約期限を過ぎても国家公務員宿舎から退居できない東京電力福島第1原発事故の自主避難者に対し、福島県は家賃の2倍額の「損害金」を請求した。東日本大震災と原発事故から8年4カ月。この間に収入や家族関係といった自主避難者の生活事情はいや応なく複雑化し、「懲罰的な2倍家賃」(支援組織)を一律に求める県の姿勢はひどい仕打ちに映る。
 対象となったのは、3月の退居期限後も東京と埼玉、神奈川、茨城、京都5都府県の国家公務員宿舎に残った63世帯。県は今月9日に送付した請求書で26日までに、4月分として1世帯当たり2~15万円の納付を求めた
 
 対象世帯の多くは、家賃が低廉な他の公営住宅などへの転居を希望する。しかし競争率が高く、引っ越すことができない。損害金の総額は約300万円になるという。
 震災直後、福島からは最も多い時で6万2000人以上が県外に避難先を求めた。こうした県外避難者の住まいを確保しようと、受け入れ側の各自治体は立地する国家公務員宿舎を国から借り上げる形で用意した。
 その一つ、東京都江東区の東雲(しののめ)住宅は東京湾岸の高層マンション密集地にある。同住宅も36階の超高層で、一時は福島などから1300人が身を寄せた。
 2011年夏に同住宅へ入居した南相馬市鹿島区出身の50代女性は、河北新報社の取材に「移りたくても、行き場がない」と苦しい胸の内を明かした。都営住宅の抽選に過去4回応募したが、当たらなかった。娘2人は東京の生活にすっかりなじみ、「古里に戻ろうとすると、家族がばらばらになる」と話した。
 
 県は自主避難者に対する住宅無償提供の措置を17年3月末で打ち切り、国家公務員宿舎の入居世帯に関しては家賃の支払いを条件に2年間の延長を認めた。その際の賃貸契約書に入居世帯は今年4月以降、退居まで損害金を支払うと明記したことが、県が2倍家賃を請求する根拠となっている。
 
 退居の条件が整うまで入居継続を保証するよう求め、支援組織は12日に請求撤回の申し入れ書を県に提出。しかし内堀雅雄知事は、16日の定例記者会見で「契約に基づき4月分の請求を行った」と型通りの見解を示すにとどめた。
 
 あの日から8年以上たっているのにもかかわらず、今なお3万1600人が県外避難しているのが原発被災地・福島の現実である。少しずつだが復興が進む被災地に帰還を促す施策が、逆に避難者を追い詰める結果となってはならない
 会見で、内堀知事は「今後も未退居世帯には丁寧な対応をとる」とも語った。県は避難者一人一人の個別事情を十分に吸い上げ、新たな住まいが見つかるまで伴走型の支援を継続すべきだ。