2015年6月30日火曜日

原発事故・水俣病・鉱毒 繰り返す災禍 変わらぬ構図

 福島原発事故は、東京電力という企業が原子力発電という事業活動の過程において、放射性物質を大量に環境中に放出してきわめて大な範囲の環境を汚染した史上空前の公害です。
 その被害の救済は、金銭的賠償に加えて除染による環境汚染からの回復、被曝による健康障害に対する予防、被災者の生活様式の原状回復などの全般にわたらなければなりませんが、碌に行われないままに終了に向かおうとしています。
 
 史上最大の公害は熊本で起きた水俣病で、補償を求めた患者数(申請者数)だけでも19000人を上回りましたが、政府は不当にも複数の症状がなければ認定しないとする基準を作ったために、水俣病と認定された患者は僅かに2300人弱でした(以上、熊本水俣病ベース。9年後に新潟水俣病が発生)。
 しかも長い間原因不明とされていたため、世間体を恐れて認定を申請しなかった患者の方が多く、患者の実数は5万人とも10万人以上に及ぶ(NHK報道)とも言われています。
 
 日本の公害の原点は足尾銅山鉱毒事件です。
 足尾鉱毒事件は1885年8月に初めて新聞で報道され、1899年には鉱毒による死者数は1064人と公表されましたが、時代的な制約もあって事業差し止めなどはされずに、実に、足尾銅山は銅が掘り尽くされる1973年まで操業が続けられました(精錬所は更に1980年代まで操業)。
 
 以上の公害に共通しているのは、すべて国策による企業活動によって生じているという点です。
 足尾銅山は明治期 東アジア一の産出量を誇り、生産された銅が主要な輸出品となるために国策でその増産が進められました。
 水俣病は、経済成長期の重化学工業の基材であるアセトアルデヒドの生産が最優先された中で引き起こされました。
 原発もまたアメリカから要請され国を挙げて推進されたました。
 
 そして水俣病がその典型ですが、国は原因を隠蔽し続けました。そのために患者たちは「奇病」とされ、そのこと自体で余計な精神的苦しみを味わされました。足尾鉱毒事件でも、そうしたいわゆる風評被害を避けるために住民自身が鉱毒の被害に口を閉ざすという現象がありました。
 原発事故においても、年間20ミリシーベルトまでは健康に影響しないなどということを国が決め、福島県も含めて「放射能の心配は要らない」という大合唱をしています。
 その結果、福島県内やその近傍で「放射能の影響が心配」ということを口にしにくいという状況が生まれているということです。
 
 28日、かつての足尾銅山を持ち、県北が福島県に接している栃木県宇都宮市で、「水俣病や足尾銅山鉱毒事件、福島第一原発事故を被害者の目線で見つめるシンポジウム開かれました。
 原発事故後、県内の避難者の支援に取り組んできた宇都宮大の教職員有志が企画しました
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原発事故・水俣病・鉱毒 繰り返す災禍 変わらぬ構図
東京新聞 2015年6月29日
 水俣病や足尾銅山鉱毒事件、東京電力福島第一原発事故を被害者の目線で見つめるシンポジウムが二十八日、宇都宮市の宇都宮大峰キャンパスで開かれた。母親の胎内で水俣病になった胎児性患者らも出席し、参加した学生ら約百三十人は「足尾、水俣、福島では弱い人々が差別され、犠牲を強いられてきた。悲劇を風化させてはならない」とのメッセージに、深く共感していた。 (大野暢子)
 
 シンポジウムは、原発事故後、県内の避難者の支援に取り組んできた宇都宮大の教職員有志が企画。熊本県水俣市で、障害者に雇用や交流の場を提供している事業所「ほっとはうす」に通う胎児性水俣病患者の松永幸一郎さん(52)と、永本賢二さん(55)が出席した。
 松永さんは「七歳まで歩けなかったため、地元を離れて病児向けの施設で暮らさなければならなかった」と説明。成人してからはマウンテンバイクを乗りこなすなど元気に過ごしていたが、近年は足の痛みが増し、車いすで生活している。
 松永さんが生まれる四年前の一九五九年、熊本大が水俣病の原因は有機水銀だとの可能性を示したのに、原因企業のチッソが海への水銀の排出を止めなかったことにも言及。「すぐ排水を止めていたら、水俣病にならずに済んだかもしれない」と悔しさを募らせた。
 一方、永本さんは父親がチッソの社員だったという境遇を明かした。患者に認定された後、学校や地域で「補助金をもらえていいね」と中傷された経験を振り返り、「あんなにつらいことはなかった。しかし父親のことは誇りに思っていた」と複雑な胸中を語った。
 
 この日は、足尾銅山の鉱毒で廃村となった谷中村(現栃木市)の歴史を語り継いでいる高際(たかぎわ)澄雄宇都宮大名誉教授や、栃木県北部で原発事故の賠償を求める集団ADR(裁判外紛争解決手続き)を申し立てた「県北ADRを考える会」の西川峰城(みねき)代表も出席。環境汚染が人の命を脅かす構図について意見を交わした。
 
 ほっとはうすの加藤タケ子施設長も参加し、「経済発展を最優先してきた国の過ちが、水俣でも原発事故でも繰り返された」と強調。一方で、「困難な中でも希望を忘れず、皆さんと解決策を考え続けたい」と学生たちに語り掛けていた。

2015年6月29日月曜日

ドイツ南部の原発停止 稼働は残り8基

東京新聞 2015年6月28日
 【ベルリン共同】 ドイツのエネルギー最大手エーオンは28日、南部バイエルン州のグラーフェンラインフェルト原発の稼働を27日深夜に停止したと発表した。ドイツは2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて脱原発を決めており、稼働原発は残り8基となった。
 
 ドイツでの原発停止は福島原発事故直後の11年に、全17基のうち旧式など8基を停止して以来。今後、グラーフェンラインフェルト原発に続き、22年末までに残りの原発を段階的に停止する計画だ。
 グラーフェンラインフェルト原発は1981年に運転を開始し、ドイツの現在の稼働原発では最も古かった。

被災者支援法の実際 避難者が渾身の訴え

 2012年6月27日は、原発事故被災者を支援するための「原発事故こども・被災者生活支援法(略称)が超党派の議員立法で成立した日です。
 生活支援法ですから当然住居、生活費、医療費、地域の除染、食の安全、就職の世話等々の事柄で支援することが書かれています。
 したがって不自由な避難生活を余儀なくされている人たちに取って、それは望みを託せるものであったし、議員たちの意図もそこにありました。
 
 しかしそれから1年3カ月あまりも掛けて、復興庁が原案を作って閣議決定(2013年10月11日)された「基本方針(案)」は、被災者の期待を全く裏切るものでした。
 それは単に既に応急的に細々と実施されていた事項を条文化したものに過ぎず、その対象者は福島県内在住者に限られ、除染のレベルも避難指定区域(年間被ばく量20ミリシーベルト)のままというものでした。
 当時は民主党の野田政権でしたが、政治の酷薄さをそのまま方針にしたものでした。規定によりパブリックコメントは受け付けたものの内容を改めることはありませんでした。
 
 その細々とした支援さえも、東電と政府は避難指定区域を17年3月までに解除し、損害賠償も打ち切ることを決めました。あたかも当然の権利であるかのようにしてです。
 その区域はまだまだ放射線レベルが高くてとても人が住めるようなところではありません。仮に一部の人たちが戻ったとしてもとてもそこに「まち」などは形成されません。
 
 中国に「苛政は虎よりも猛し」ということわざがあります。酷い政治が行われている村にいるよりも、たとえ虎が居ても竹林の中に逃げ出したほうがまだマシだという意味ですが、政府の被災者対策は「苛政」そのものです。
 
 6月24日、名古屋地区に避難している被災者が名古屋駅前の広場で、被災者支援法の実際について訴えました。
 8bit newsがそのことを伝えているので紹介します。

 記事に載っている動画のURLは下記です。
 URLをクリックすると動画が見られます。
 
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原発事故こども・被災者支援法の日にあわせ、避難者が支援を求め渾身の訴え
bit news 2015年6月28日
 6月27日、何の日だと思いますか?
 正式名「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が3年前に施行されました。
 
 法律の内容は、下記リンクから見ることができます。
 是非、一度お読み下さい。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO048.html 
 
 先日、名古屋市内の駅前で、「原発事故こども・被災者支援法」を知ってもらうためのイベントが開かれました。
 福島における現在の支援状況などをクイズ形式で、通行者に呼びかけたり、また、歌の披露や大道芸人によるマジックショーなどが行われ、多くの方が立ち止まっていました。中でも帰路に着くサラリーマンや若い世代が、真剣に避難者の訴えに耳を傾けていたのがとても印象的でした。
 
 主催者の女性の訴えを、映像後半部分ノーカットで入れました。
 おそらく、この部分がもっとも意見が分かれると思います。
 そんなことはない、もっと違う、そういった批判的な意見もあるであろうことは承知の上で、あえてノーカットにしました。子供を持つ母親の訴えに少しでも耳を傾けてもらえたら幸いです。女性の訴えの中に出てくる「オレンジ色のパネル」には、法律によって守りますと国が言っていることとそれに対する現状が書かれていました。映像では分かりづらいので、以下に一部内容を記載しておきます。
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・避難者の皆さんには住宅の確保をします!
・避難者の皆さんが安心して戻れるように除染をします!
・避難者の就職口の支援を国として支えます!
・食べ物もちゃんと安心安全な物が食べれるようにします!
 
 実際は?
 
・現在住宅の支援は災害救助法で支援されている。さらに2016年度で打ち切りも決定してしまった
・実際、国が支援法の中で除染しているのはごく一部でしかない
・家族も一緒の人もいるのに、短期雇用のみの支援
・全品検査もしていなくて、福島の子どもたちは地産地消の給食を食べているのに安心安全なのか?
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 この映像をご覧になった後、皆様それぞれがいろんな思いを抱かれると思います。
 ですが、皆様一人一人が、福島のことを考えるきっかけになればと願っています。

2015年6月28日日曜日

東電ら 事業者に営業賠償方針を説明

 国と東電は26日、福島市で事業者に対する説明会を開きましたが、出席者からは、従来の賠償支払いで、対象者を絞り込んだり、賠償範囲を狭めようとしたりする東電の姿勢に不満が噴出しました。
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<福島復興指針>営業賠償方針を事業者に説明
 河北新報 2015年6月27日  
 東京電力福島第1原発事故に伴う営業損害賠償の方針を盛り込んだ新たな福島復興指針が閣議決定されたことを受け、国と東電は26日、事業者に対する説明会を福島市で開いた。実質的な賠償打ち切りにつながらないよう求める声が事業者側から上がった。
 商工団体の幹部ら約160人が出席。避難区域の事業者に対しては、減収率を100%と計算し、ことし3月以降2年分の逸失利益をまとめて支払い、その後は個々の事情を踏まえて対応とするといった賠償方針が説明された。
 出席者からは、従来の賠償支払いで、対象者を絞り込んだり、賠償範囲を狭めようとしたりする東電の姿勢に不満が噴出。「東電が言う真摯(しんし)な対応が担保されるのか」「集中支援期間後も賠償が継続される具体的な事例を示してほしい」などと注文が相次いだ。

7月21日、ADR申し立て 福島の渡利住民3150人

福島民友ニュース 2015年6月27日
 東京電力福島第1原発事故に伴う慰謝料を東電に求め、裁判外紛争解決手続き(ADR)による和解仲介を集団で申し立てる準備を進めている福島市渡利地区の住民が7月21日、原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てることが26日、弁護団への取材で分かった。申し立て住民は同地区人口の約2割に当たる約1150世帯、約3150人に上る。
  弁護団によると、住民は原発事故で精神的苦痛を被ったとして、2011(平成23)年3月から同8月まで1人当たり月20万円、同9月から和解成立まで月10万円を求める。

原発事故前と同程度推定 魚のストロンチウム濃度

福島民友ニュース 2015年6月27日
 水産総合研究センター(横浜市)による本県産水産物中の放射性ストロンチウム濃度の調査で、ほとんどの魚から検出される放射性物質のストロンチウム90の濃度が、福島第1原発事故前と同程度とみられることが26日、分かった。同センターの担当者が同日、いわき市で開かれた県漁連組合長会議の席上、報告した。
 ストロンチウムの測定には化学分離など複雑な操作が必要で、結果が出るまで約4週間を要することから、現在の食品の検査では、ストロンチウムの存在を仮定し、放射性セシウムの値からストロンチウムの濃度を算出。一般的に、食品に含まれる放射性セシウムの約1割の値でストロンチウムが含まれているとされる。
 
 同センターなどが2011(平成23)~14年度に本県沖で実施した検査では、シロメバルから検出された1キロ当たり1.2ベクレルがストロンチウムの最大値で、セシウムの最大値は同970ベクレルだった。また、今年4月にいわき、相馬双葉両地区沖で実施したコウナゴの調査では、ストロンチウムはいずれも検出限界値未満だった。これらの結果を踏まえ、本県沖の魚に含まれるストロンチウムは、仮定されているセシウムの約1割の値を大きく下回ることが推定されるという。

2015年6月27日土曜日

福島原発 サブドレン放水容認へ いわき市漁協

 福島原発建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げ、浄化後に海洋放出する計画について、いわき市漁協は25日、理事会を開き、計画を条件付きで容認する方向で意見を集約しました。6項目の条件を記した要望書を、26日に福島県漁連に提出します
 
 漁協が海への放出を認めるのはよくよくのことですが、汚染水処理が改善の兆しも見られない現状の中で、海の放射能汚染量を減らすための次善の策として認めたものと思われます。
 ただし最終決定ではなくて、県漁連各漁協の意見を取り入れて作成する要望書を検討した上で最終的に判断するということです
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<福島第1>サブドレン放水容認へ いわき市漁協
   河北新報  2015年06月26日
 東京電力が福島第1原発建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げ、浄化後に海洋放出する計画で、いわき市漁協は25日、理事会を開き、計画を条件付きで容認する方向で意見を集約した。6項目の条件を記した要望書を、26日に福島県漁連に提出する。
 矢吹正一組合長は理事会後、「反対意見もあり、容認を正式には決めてはいない」と説明。県漁連が各漁協の意見を取り入れて作成する要望書を検討した上で最終的に判断するという。
 いわき市漁協の要望書では、計画について「認めたくはないが、認めざるを得ない状況」と説明。6条件に(1)多核種除去設備(ALPS)処理水は海洋放出しない(2)計画の運用基準を厳格に守る(3)風評被害対策を講じる-などを挙げた。
 いわき市漁協は12日の理事会で意見集約を目指したが、耐圧ホースからの汚染水漏れなどのトラブルを理由に、反対意見が多数を占めた。24日に組合員が第1原発を視察し、耐圧ホース対策などで改善が認められたとして、容認に転じた。
 サブドレン計画では、相馬双葉漁協(相馬市)も意見集約の手続きを進めている。

「世論を無視」原発依存体質に怒り噴出 関電株主総会

神戸新聞 2015年6月26日  
 25日に一斉に開かれた電力9社の株主総会。関西電力の八木誠社長らが赤字決算や電気料金の再値上げを謝罪した一方で、各社とも原発再稼働の必要性は譲らず、脱原発をめぐる議論は最後まで平行線をたどった。来年4月の電力小売り全面自由化を見据えた戦略も見えにくく、株主の怒りが噴出した。
 
 「原発反対の世論を無視している」「なぜ原発推進の話ばかりするのか」。関電の総会では怒りに満ちた株主の発言が相次いだ。各社の会場周辺には反原発の市民団体が詰め掛け、会社関係者らと言い争う場面もあった。
 神戸市の久元喜造市長も「再値上げは市民生活を圧迫しており、極めて遺憾」と怒りを表した上で「原子力以外の多様なエネルギー源の活用を含めた最適な電源構成を示せ」と迫った。
 原発をめぐっては福井地裁が関電の高浜3、4号機(福井県)の再稼働を差し止める仮処分を決めたが、九州電力では川内1号機(鹿児島県)の8月再稼働に向けた準備が進む。世論調査では再稼働反対の意見が多数派だが、電気料金の値上げに苦しむ家計や企業、原発の立地自治体には再稼働を待ちわびる声もあり、世論は割れている。
 
 電力9社の総会では、脱原発の株主提案が議題となったが、いずれの提案も否決された。
 
【経営崖っぷち】
 電力各社の業績は一様ではない。2015年3月期連結決算は燃料価格下落の効果もあり、9社のうち6社が経常黒字を確保した。一方、北海道と関西、九州の3電力は4年連続の赤字となり、崖っぷちに立たされている。
 明暗が分かれた背景には、原発依存度の違いがある。東京電力の福島第1原発事故が起きる前の10年3月末を見ると、発受電電力量に占める原発比率が北海道は35%、関西45%、九州42%と他社に比べて高めとなっている。原発が止まると、代わりを埋める火力発電の燃料費負担が他社より大きくなった。
 北海道電や関電の社長は経営不振をわびる一方、原発再稼働で経営を立て直す考えを強調。関電の株主から「原発(依存)を高めたことが(財務の)悪化につながった。反省の弁が一言もない」との批判も出た。
 
【見えない戦略】
 一方、政府が進める電力システム改革は来年4月の小売り全面自由化で大きな節目を迎える。異業種からの新規参入企業を迎え撃つ大手電力にとって重要な経営課題のはずだが、総会での議論は低調だった。
 関電の株主総会後の記者会見で八木社長は「大事なことは料金の競争力を上げることと新たなサービスを提供することの二つ。(通信会社などとの)提携も検討していきたい」と意欲を語ったが、具体的な説明は乏しかった。
 東北電力は13年9月の電気料金値上げ後、約1700の顧客が流出した。この日社長に就任した原田宏哉氏は「引き続き家庭やビジネスの場で利用してもらいたい」と話すのがやっとだった。

2015年6月26日金曜日

『足を運んで分かる・感じる フクシマツアー』へのお誘い(再掲)

 「原発をなくす湯沢の」では、7月20日~21日に『足を運んで分かる・感じる フクシマツアー』(バスツアー)を計画しています。
 めったにないイベントですので、大勢の会員のご参加と、会員以外の方にも声をかけて誘っていただきますようにお願いします。
 
 詳細は会報でお知らせしたとおりですが、一部変更がありますのでお伝えします。
 
  バスの定員      29人乗り ⇒  26人乗り
  1日目夕食会場    どこかで  ⇒  ホテルで
      申込締め切り      13日   ⇒  10日
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足を運んで分かる・感じる フクシマツアー
―東日本大震災及び福島原発事故被害の今を見てみよう―
 
目 的   被災地の現状を見聞し認識を深め、被害者の方々を励まし連帯するこ
              と、また湯沢の会の会員の交流を図り今後の活動の活力とする。
実施日   2015年7月20日(月) 湯沢町公民館前6:50集合 7:00出発
              ~21日(火) 同上 18:00帰着
  視察先   視察先   福島県南相馬市~浪江町 26人乗りマイクロバスに同乗
日 程   1日目    高速及び一般道を経由して12:00に道の駅南相馬に到着、
                昼食(手配済)後現地の方から視察先を案内してもらいま
                す。
              ・視察コース名【南相馬・小高~浪江コース】
                   浪江町請戸港(無人の町)、希望の牧場ふくしま(殺処分拒否、今も300頭の和牛を飼育)、南相馬市内津波被災住宅、村上海岸(破壊された防波堤)、鈴木安蔵(現憲法の起草に関わる)の生家など。(ただし、変更する場合があります。)17:00頃宿泊先に到着ホテルで夕食会の予定。
          2日目    午前中は、参加者の希望を聞いて視察先や観光地を決め、
                           巡ります。
                   午後は、湯沢への帰路となります。
宿泊先  ロイヤルホテル丸屋(南相馬市原町区) ☎0244-23-6221
参加費  1人 15,000円(宿泊費…1泊2食…と1日目の昼食、マイクロバス運行
             に掛かる経費及び現地案内料など) 当日徴収します。
その他   立入制限区域に入るときに、身分を証明するものが必要となります
              ので、運転免許証、健康保険証などを用意ください。 
申込み .7月日までに、下記幹事へお願いします。
             幹事 富沢育子 ☎789-2548  幹事 南雲敏夫 ☎090-2674-9414
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大手電力9社一斉に株主総会 脱原発提案は否決

 東京電力など原発を保有する大手電力社は25日、一斉に株主総会を開きました
 そこで原発の廃止など脱原発に絡む事前の株主提案が社全てに出されましたが、いずれも否決されました。
 
 電力会社は2016月に小売全面自由化され、その時点で、発電・送配電・小売の3区分の事業者に移行することになっています(「発送電分離」は2020)。
 それに向けて東電は持ち株会社に移行し電力の小売り、燃料・火力発電、送配電の三つの社内カンパニーを分社化し、持ち株会社の傘下に置く体制を決めました
 20年4月に始まる大手電力会社の送配電部門を切り離す「発送電分離」を先取りしたものです。
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脱原発電力9社株主提案 九電なお「川内早期再稼働」
東京新聞 2015年6月25日
 東京電力など原発を保有する大手電力九社は二十五日、一斉に株主総会を開いた。脱原発に絡む事前の株主提案が九社全てに出された。政府が安全が確認された原発は再稼働させる方針を示す中、株主は強い懸念を示した形だ。政府が二〇三〇年に原発による発電割合を「20~22%」と示してから、初の株主総会となる。
 
 東京電力の株主総会は午前十時から、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれた。個人株主からは原子力発電からの撤退や再生可能エネルギーの優先利用など十五議案が提案された。総会では株主から「目先の利益のために再稼働をすることは不合理」などの意見が出た。
 
 広瀬直己社長は「原発事故の責任を果たしつつ低廉な電気を供給していくことが必要」と再稼働を進める考えを強調した。議決権ベースで東電の50%超の株式を所有し、政府などが出資する原子力損害賠償支援機構は、株主提案に反対の意向で、脱原発などの提案は否決される見通し。株主総会の出席者は正午時点で千九百九十九人。
 
 東電側は電力の小売りが全面自由化されることを見据え、持ち株会社に移行し電力小売り、送配電などの事業を分社化する組織変更など計三議案も提示した。
 
 一方、今夏に川内原発1号機の再稼働を目指している九州電力の瓜生道明社長は総会で、「原発停止で厳しい経営状況が続いている。安全の確保を大前提に、原発の一日も早い再稼働を目指す」と述べた。
 
 株主提案の議案数は九社の合計で七十九議案に上った。九社のうち関西電力の二十二案が最も多かった。
 
 
東電、持ち株会社化を決定 脱原発など株主提案
東京新聞 2015年6月25日
 東京電力は25日、東京都内で株主総会を開いた。2016年4月に持ち株会社制に移行することを正式に決定した。脱原発などを求めた15の株主提案が事前に出された。原発からの撤退や、日本原燃と結んでいる使用済み核燃料の再処理契約の破棄などを訴えている。東電は全ての株主提案に反対している。株主提案は全て否決され、総会を終えた。
 
 東電は電力の小売り、燃料・火力発電、送配電の三つの社内カンパニーを分社化し、持ち株会社の傘下に置く。20年4月に始まる大手電力会社の送配電部門を切り離す「発送電分離」を先取りした組織に変える。 (共同)
 
 
泊原発11月再稼働を断念 北海道電社長、株主総会で
東京新聞 2015年6月25日
 北海道電力は25日、札幌市中央区のホテルで株主総会を開き、真弓明彦社長は冒頭の事業説明の中で、泊原発の再稼働に触れ「(目標にしていた)11月は諦めざるを得ない」と述べた。原子力規制委員会による審査が続いていることを理由に挙げた。
 
 北海道電は原子力規制委の審査を経て、比較的設備が新しい3号機から再稼働を進める計画だった。真弓氏は2015年3月期の連結決算で配当を見送ったことも陳謝した。
 総会では一部の株主が事故時に原発30キロ圏内の住人が避難できる態勢が整うまでは再稼働しないことや、原子力発電部門の分社化など6件の提案をしていたが、いずれも否決された。  (共同) 

2015年6月25日木曜日

福島原発事故:甲状腺がん 19歳以上も1000人を見込む

 福島県は現在、18歳以下の子どもについては、医療費を無料にする措置を取っていますが、甲状腺検査で異常が見つかった子どもについてはその後、19歳以上になったり、県外に避難したりしても来月から治療費を全額、補助することになりました。
 
 県の甲状腺検査は、これまでに2回行われていて手術が必要だったり、経過観察が必要だったりする人はことし3月末の時点で1694人にのぼり、県は今回の補助の対象になる人1000人程度になると見ています
 
 県がどういう根拠で「19歳以上の対象者」が1000人程度になると見込んだのかは不明ですが、福島県「県民健康管理調査」検討委員会が常に甲状腺がんと被ばくの関係を否定しているのに比べると、はるかに良心的な対応です。
 
 口先だけで済む委員会のコメントはいわゆる「裸の王様」でいられますが、実際の行政機関はそれでは決して済まされないという好例です。
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福島原発事故:甲状腺がん…19歳以上も医療費全額助成
毎日新聞 2015年06月23日
 東京電力福島第1原発事故の影響を調べるため福島県が当時18歳以下の子供を対象に行っている甲状腺検査で、県は23日、「がん」や「がんの疑い」と診断された子供らの医療費について、19歳以上も全額助成すると発表した。7月上旬から申請を受け付け、これまでかかった医療費もさかのぼって助成する。
 福島県内の自治体は18歳以下の医療費を全額助成しているが、治療の必要な19歳以上の人がいることから助成の拡大を決めた。住民票を県外に移した避難者も甲状腺検査を受けていれば、自治体の医療費助成がなくなる年齢から対象とする。
 
 県は対象者を約1000人と見込み、甲状腺がんが増えているかどうか調べるため診療データの提出も求める。【横田香奈】

国は99年にも福島原発津波を予測 津波予測図作成

 東電08年3月ごろまでに、三陸沖津波について従来の想定を上回る最大15・7メートルの津波を試算していたことが最近明らかにされました今度は99年に、福島沖で巨大地震が発生すれば8メートルの津波で同原発1~4号機が完全に浸水する、とした「津波浸水予測図」を国土庁(現・国土交通省)が作成していたことが分かりました
※ 6月19日 東電は震災の2年半前に津波高さ15・7mを想定 

 津波防災の関係省庁が98年、全国の自治体に「津波防災対策の手引き」を通知し、国土庁がこの手引きにのっとっ試算各地の津波浸水予測図を作成したもので、サイエンスライターが内閣府に情報公開請求し、明らかになったものです
 先のケースも含めて、東電は巨大津波の規模を可能性として認識していたものの、「近々来ることはないだろう」という思いから対策を怠っていました。
 
 3.11の大津波はそうした身勝手な思い込みが許されないことを示しましたが、原子力規制委は川内原発の火砕流の問題で、またもや「近々来ることはないだろう」の思いを広言して再稼動に踏み切りました。
 規制委が再稼動に突き進む機関であることを示しています。
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国は福島原発事故を予測? 99年に津波予測図作成
神戸新聞 2015年6月24日 
 東京電力福島第1原発事故が起きる10年以上前、福島沖で巨大地震が発生すれば8メートルの津波で同原発1~4号機が完全に浸水する、とした「津波浸水予測図」を国土庁(現・国土交通省)が作成していたことが分かった。(木村信行)
 
 同事故の国会事故調査委員会で協力調査員を務めたサイエンスライターの添田孝史さん(50)=神戸市須磨区=が内閣府に情報公開請求し、明らかになった。
 
 浸水予測図の作成は1999年。目的について「発生頻度の少ない津波地震(の備え)は、過去の経験だけでは必ずしも十分でない」とし、当時の研究成果を踏まえた最大モデルを想定。「海岸ごとに津波対策を検討するための基礎資料」と位置付けていた。
 
 国は当時、想定を超える津波で200人以上が犠牲になった北海道南西沖地震(93年)を踏まえ、津波対策の指針を検討。7省庁(国土庁、運輸省、建設省など=いずれも当時)は98年、過去の実例と、想定される最大規模の地震を比較し、「常に安全側から対応するのが望ましい」とする「津波防災対策の手引き」を全国の自治体に通知した。
 浸水予測図はこの手引を踏まえて作成され、企業にも活用を呼び掛けた。これに対し、東京電力は2002年、過去の経験などを基に同原発の津波高の最大を5・7メートルと想定していた。
 
 内閣府の担当者は「当時はシミュレーションの精度が粗く、この図をもって原発の被害を予測できるものではない。危険性を知り、詳細分析につなげてもらう意図だった」と話す。一方、添田さんは「なぜ浸水予測図がその後の津波対策に生かされなかったのか、謎が多い」と指摘する。
 
 11年3月11日の東日本大震災で同原発を襲った津波は約13メートルだった。
 
国土庁(当時)が1999年に作成した津波浸水予測図(赤字は神戸新聞が追加)
国土庁(当時)が1999年に作成した津波浸水
     予測図(赤字は神戸新聞が追加)