2017年10月31日火曜日

柏崎原発 審査やり直し要求へ 地質専門家 規制委に意見書

 地質の研究者たちで作る「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」のメンバーは、規制委の「刈羽テフラ」の年代の評価について重大な疑義があるとするなど4テーマにわたる意見書を作成し、柏崎刈羽原発の再稼働に関する意見公募に応じる形で、提出することを決めました。
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柏崎原発 審査やり直し要求へ 地質専門家 規制委に意見書
新潟日報 2017年10月29日
 東京電力柏崎刈羽原発周辺の断層を巡って東電の評価に疑義を示している地元の専門家グループは28日、同原発6、7号機に事実上の合格を出した原子力規制委員会の審査書案に対し、意見公募に応じて意見書を提出することを決めた。東電による断層の活動性評価の手法を「適切」と認めた判断の撤回と、規制委の審査基準の見直し、審査のやり直しを求める。

 4日に審査書案を取りまとめた規制委は5日から11月3日まで、審査書案に対する科学的・技術的意見の公募(パブリックコメント)を行っている。

 専門家グループは、県内の大学、高校の教員、元教員ら地質の研究者で構成される「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」。メンバーの8人が28日、新潟市西区の新潟大に集まり、地質を巡る審査書案の問題点を4テーマにまとめ、テーマごとに意見書をつくることを決めた。

 意見書では主に、原発周辺の地下にある断層が将来活動するかどうかの判断材料となる地層の年代評価を問題視する。断層がある地層「古安田層」の年代評価の誤りを指摘し、「規制委は評価を撤回し、あらためて年代評価を行うべきだ」と求める。

 また、古安田層の堆積年代を特定するための重要な指標とされた火山灰「刈羽テフラ」の年代についても、東電と専門家グループとで評価が食い違っていることを挙げて「重大な疑義がある」と強調する。

 メンバーの一人で県技術委員会委員を務める立石雅昭・新潟大名誉教授は「規制委による地質についての科学的・技術的な審議は不十分だ。意見書に対して真剣に対応してほしい」と話した。

31- 故郷追われ子牛に希望 山形に一家で避難の男性

 福島原発事故で南相馬市から山形県川西町に一家で避難した横田健一さん(42は、震災までは会社員でしたが、2012年5月から約3年間、町の臨時職員として憧れだった畜産関係に関わった後、15年2月、町の認定新規就農者第1号として繁殖農家となりました。
 故郷を追われた悲しみを乗り越えようと、憧れだった牛飼いの仕事から未来を切り開こうとしています
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故郷追われ子牛に希望 原発事故で避難の男性、和牛繁殖農家に
河北新報 2017年10月30日
 東京電力福島第1原発事故で南相馬市から山形県川西町に一家で避難、移住した横田健一さん(42)が和牛繁殖農家として奮闘している。町の新規就農者に認定されて3年目。実家は福島第1原発が立地する福島県双葉町にある。故郷を追われた悲しみを乗り越えようと、憧れだった牛飼いの仕事から未来を切り開こうとしている。

 横田さんは震災の6年ほど前から、会社勤めの傍ら専業農家のいとこの牛の世話を手伝っていた。子どもの頃から動物好きだったこともあり、肉体的にきつい半面、やりがいのある畜産の仕事に漠然と憧れを抱いていたという。
 転機は震災直後。避難先の川西町で2012年5月から約3年間、町臨時職員として畜産関係の仕事に携わった。町は県内有数の和牛生産地。仕事で畜産農家と親しくなるにつれ、牛飼いへの憧れが強まった。
 働きながら知識と経験を身に付け、使われなくなった町内の牛舎を農地を含めて借り受け15年2月、町の認定新規就農者第1号として繁殖農家となった。

 現在、メスの親牛20頭を飼育。これまで子牛十数頭を市場に出荷した。今年7月には、子牛から育てた母牛が初めて出産。横田さんは将来に希望を託して「みのり」と名付けた。
 全国で和牛の子牛不足が深刻化する中、若手繁殖農家の横田さんは地元にとって頼もしい存在。早朝に起きて餌を与え、牛舎内を清掃する。餌となる稲や牛舎の管理、牛の体調観察など作業は晩まで続く。
 厳しい労働環境だが、横田さんは「1人で何役もこなすのは大変だが、会社員時代には味わったことのない充実感がある」と話す。
 古里の双葉町には戻れないと確信している。「故郷をなくした喪失感は、いつまでも消えない」と横田さん。
 農家の高齢化に伴う担い手不足や揺れ動く農政に明るい未来は描きにくい。それでも「今を見つめ、ここで一生踏ん張っていくしかない」と語る。

2017年10月30日月曜日

山形県雇用促進住宅の8人の自主避難者が訴えられる

 山形県の雇用促進住宅の運営法人が、住宅の無償提供が終了した4月以降も住み続けている8人の自主避難者に対して、退去と家賃の支払いを求める訴えを起こしました。
 これは決して「家賃を払わないのなら、退去するのが当たり前」というような問題ではありません。「子ども・被災者支援法」が制定されたのにもかかわらず、それが十分実施されてこなかったために避難者が窮乏し家賃を支払う資力がないのであって、せめて公共の施設に無料で居住してもらべきものです。
 また今村復興大臣(当時)が414日に山本太郎議員の質問に答え、「意に反する追い出しはさせない」と答弁したことにも反する対応です。

FoE Japanな日々」が詳しく論じています。
  文中の太字強調は原文に拠っています。
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山形県雇用促進住宅の8人の自主避難者が訴えられる!
 FoE Japanな日々 2017年10月28日 
山形県の雇用促進住宅の運営法人である高齢・障害・求職者雇用支援機構が、住宅の無償提供が終了した4月以降も住み続けている8人の区域外避難者(自主避難者)に対して、退去と家賃の支払いを求める訴えを起こしました(注1)。

「家賃を払わないのなら、退去するのが当たり前」--。そう思う人もいるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。8人の方々が、なぜ退去を拒まれているのか、その背景を知っていただきたいのです。
この背景には、原発事故による自主避難者が正当に扱われてこなかったこと、「子ども・被災者支援法」が制定されたのにもかかわらず、十分実施されてこなかったこと、結果として避難者の声が政策に反映されることなく、一方的に住宅提供が打ち切られ、避難者の窮乏を招いたことなどがあるのです。
(画像にカーソルを当てクリックすると拡大します)
国と福島県は、今年3月に災害救助法に基づく住宅提供を終了。12,239世帯への住宅提供が打ち切りました(福島県資料による)。
代替として、福島県による家賃補助がはじまり、自治体によっては公営住宅への専用枠などを設定したところもありましたが、十分なものではなかった上に、対象が限定的で、多くの人たちがこうした支援からすらこぼれ落ちてしまいました。
多くの避難者は避難継続を選択し、多くの人たちが引っ越しを迫られました。
中には生活が立ちいかず、家賃負担が重くのしかかり、困窮してしまった避難者もいます。FoE Japanが事務局を務める「避難の協同センター」のもとには、いまもたくさんの方々から、多くの痛切なSOSがよせられています。

「原発事故子ども・被災者支援法」は2012年に制定されました。避難した人もとどまった人も帰還する人も、自らの意思で選択できるように、国が住宅の確保や生活再建も含めて、支援を行うように定めた法律です。被災者の意見を政策に取り入れることも定めています。
国と福島県が、この法律を適切に運用し、避難者や支援者の声に耳を傾け、避難者の生活再建のための具体的な施策を打ち出し、住宅提供を延長していれば、現在のような事態を回避できたはずです。
しかし、残念ながら、国は、帰還促進、復興の名のもとに、次々と避難指示を解除し、避難者への支援を打ち切りました。

福島県の発表によれば、県内外の避難者数は54,579人(今年9月時点)。しかし、引っ越しを機に自治体が把握をしなくなるケースも多く、この数に含まれていない人たちもたくさんいるとみられ、避難者の数すら把握できていない状況です。ましてや、避難者がおかれている状況については、定量的な把握ができていませんが、母子避難や高齢者の一人暮らし、生活困窮者などが少なからずいる模様です。
たとえば10月11日に公表された東京都のアンケート調査では、月収10万円未満の人が回答者の2割を占める、誰にも相談できない人が15%以上いるなど、深刻な状況をうかがわせます。

今年4月4日、「避難は自己責任」という趣旨の発言で問題となった、今村復興大臣(当時)は、4月14日の東日本大震災復興特別委員会において、山本太郎議員の質問に答え、「意に反する追い出しはさせない」と答弁しています。しかし、そうであるのであれば、国として避難者の現状把握と、追い出しを防ぐための具体的な措置を講ずるべきだったのではないでしょうか?
8人(世帯)の方々は、原発事故さえなければ、ふるさとを後にすることはありませんでした。ある方は「数万円の家賃負担が発生すれば、母子避難者の生活は成り立たない。経済的窮状は深刻だ」としています(注2)。この方々は、引っ越しをせざるをえなかった人々の分も含め、理不尽な政策への抗議と自分たちの権利を主張し、避難者の置かれている深刻な現状を訴えるために退去をしなかったのではないでしょうか。なお、この8世帯には母子避難をしている方々も含まれています。(注3)。

私たちは、避難者のみなさまとともに、何度も、国や福島県に対して、「子ども・被災者支援法」に基づく抜本的な住宅保障や生活再建策を講じること、それまでは避難者に対する住宅提供を打ち切らないように求めてきました。また、住宅提供が打ち切られた後も、避難者の現状把握と対策を求めてきました。しかし、残念ながら、これらは実現されるには至りませんでした。

国は、原発事故子ども・被災者支援法に基づき、原発事故避難者の「住まい」「暮らし」を保障すること、またそのための現状把握と抜本的な法制度の整備を急ぐべきです。(満田夏花)
注3)同上

30- 規制委 原発の監視を強化

規制委、再稼働原発の監視を強化 更田委員長
共同通信 2017年10月26日
 原子力規制委員会の更田豊志委員長は26日、共同通信のインタビューに応じ「稼働した原発を監視していくこれからが本番だ」と述べ、再稼働した原発のトラブルや事故を防ぐため、規制委の検査体制を強化していくと強調した。

 検査官を増員するなどし、抜き打ち検査といった仕組みを導入する。「まず走りだすことが大事だ。実際に運用しながら、磨き上げていく」と語った。

 東京電力福島第1原発の廃炉については「ようやく、東電は地に足が着いてきた。作業環境の改善は目覚ましい。今後、どこまで進められるかだ」と一定の評価をした。

2017年10月29日日曜日

神津連合会長 希望の原発政策批判 30年ゼロ「幅を狭めた」

 27日、連合茨城定期大会出席した連合の神津里季生会長が会見し希望の党が公約で「2030年までに、原発ゼロ」と掲げたことをいたずらに政策の幅を狭めた」と批判しました。
 2030年までに原発をゼロにすることに対して労組のトップが「高いハードル」と述べるのは驚きです。
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神津連合会長、希望の原発政策批判 30年ゼロ「幅を狭めた」
東京新聞 2017年10月28日
 連合茨城は二十七日、水戸市内で定期大会を開いた。出席した連合の神津里季生(りきお)会長が会見し「時期は特定していないが、将来的には原子力エネルギー依存から脱却する。一方、地元住民の同意が得られれば再稼働もありうる、というのが連合の統一認識」と説明した。
 その上で、支援した希望の党が公約で「二〇三〇年までに、原発ゼロ」と掲げたことを批判。「小池(百合子)代表の周辺が、いたずらに政策の幅を狭めた」と希望の公約を批判した。
 神津会長は、東海第二原発の再稼働の是非を巡り、県内の公認候補で、賛否が分かれた点に「(三〇年までと期限を切ったことで)候補者間の意見が違うように見られてしまい、希望が失速した一因になった」との見解を示した。

 その上で、民進党が掲げていた、三〇年代の脱原発についても「ハードルが高いと思っている」と指摘し、「廃炉技術の確立や再生エネルギー普及など、きちんとした裏付けを伴う工程表を政治の責任で確立していくことが必要」とした。
 民進に所属していた議員が、立憲民主と希望に分かれことで、地方組織のあり方について「地方には地方の事情がある。県連で方向性を見定め、統一選や参院選に向け体制を整えていくことが求められている」と語った。 (酒井健)

29- 汚染土の中間貯蔵施設が稼働 福島原発事故

 環境省は28日、福島原発事故に伴う福島県内の除染で生じた汚染土や廃棄物を保管する中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)を本格稼働させました。
 県内各地に仮置きされている汚染土解消が期待されますが、国が確保できた中間貯蔵施設の用地は約割で施設もまだ全部は完成していないので仮置き解消にはなお時間がかかります
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福島原発事故 中間貯蔵施設が本格稼働
毎日新聞 2017年10月28日
 環境省は28日、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た土壌や廃棄物を保管する「中間貯蔵施設」(同県大熊町、双葉町)を本格稼働させた。敷地内に一部先行して搬入し、仮保管していた汚染土壌を、長期に管理できる「土壌貯蔵施設」に投入した。貯蔵の開始で汚染土壌などの搬入が加速し、同県内の生活圏などにある仮置き場の解消につながることが期待される。

 稼働が始まったのは大熊町側の土壌貯蔵施設の一部。農地だった場所に穴を掘るなどして整備したもので、約5万立方メートルを貯蔵できる。この日は保管用のフレコンバッグ36袋(1袋当たり1立方メートル)分の草木を取り除いた土壌を、ダンプカーで初めて運び込んだ。今後は1日約500立方メートルを運ぶ。

 中間貯蔵施設は、大熊、双葉両町にまたがる第1原発の周辺約1600ヘクタールに環境省が建設を進めている。土壌貯蔵施設は双葉町側にも整備しており、今年度内の稼働を目指している。福島県内で発生する汚染土壌などは推計で最大約2200万立方メートルあり、順次運び込まれる。貯蔵期間は最長2045年3月までで、国はその後、県外で最終処分する方針だが、処分先はまだ決まっていない。【宮崎稔樹】

2017年10月28日土曜日

東電社長が新潟知事と会談 知事「再稼働イエスない」

 東電の小早川智明社長は27日、新潟県庁を訪れ米山隆一知事と会談しました。
 社長は柏崎刈羽原発について「再稼働は必要だと考えている」と述べましたが、米山知事は「安全確保がされない限り、再稼働に対しイエスというつもりはない」と従来の主張を繰り返しまし。そして県が独自に進める福島第1原発の事故原因などの検証作業に改めて協力を求めました。

 短い記事ですが、知事が県民に約束した通り、全くぶれずに東電に対応していることが分かります。
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東電社長が新潟知事と会談 知事「再稼働イエスない」
日経新聞 2017年10月27日
 東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は27日、新潟県庁を訪れ米山隆一知事と会談した。同県に立地する柏崎刈羽原子力発電所について「再稼働は必要だと考えている」との立場を示したが、米山知事は「安全確保がされない限り、再稼働に対しイエスというつもりはない」と従来の主張を繰り返した。

 両者の会談は、同原発6、7号機について原子力規制委員会が再稼働の前提となる安全審査に事実上の合格を認めてから初。小早川社長は安全審査の過程で原発を運転する上での「適格性」を問われ、規制委に説明した内容を地元自治体にも報告に訪れた。

 同社長は今後、福島第1原子力発電所の廃炉作業の着実な遂行や安全性向上に取り組む決意を表明した。米山知事は「(自身は)抽象的な適格性の判断に対して是とするタイプではない。具体的な取り組みから判断されることだ」と述べた。その上で県が独自に進める福島第1原発の事故原因などの検証作業に協力を改めて求めた。

28- 原発自主避難でうつ病に 二審も賠償命じるも約半額に

 福島原発の事故で、京都などに自主避難した男性がうつ病になり損害賠償を求めた二審裁判で、大阪高等裁判所は審に続いて病気と事故との関係を認めましたが、「差別など事故に帰因しないストレスもあった」として、東京電力に対し審よりも少ないおよそ1600万円の賠償を命じました。
 一審の京都地裁はおよそ3000万円の支払いを命じていました。
 原告代理人の井戸謙一弁護士は「避難生活で受けたストレスには東電に責任がないものもあるというのは極めて不当な判決男性らは経済的に困っており、上告できるかはわからない」と話しました。
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原発自主避難でうつ病に 2審も東電に賠償命じるも減額
NHK NEWS WEB 2017年10月27日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島から京都などに自主避難した男性がうつ病になり仕事もできなくなったとして家族とともに訴えた裁判で、大阪高等裁判所は1審に続いて病気と事故との関係を認めたうえで「差別など事故に帰因しないストレスもあった」として、東京電力に対し1審よりも少ないおよそ1600万円の賠償を命じました
福島県に住んでいた40代の男性の一家5人は、原発事故のあと京都市などに自主避難し、その後、うつ病になって仕事もできなくなったとして、東京電力に賠償を求めました。
1審の京都地方裁判所は「自主避難のストレスが体調の悪化につながった」として、東京電力におよそ3000万円の支払いを命じていました。

27日の2審の判決で大阪高等裁判所の佐村浩之裁判長は「自主避難によって強いストレスにさらされ2年余りの間、うつ病で働くことができなかった」として1審に続いて病気と事故の関係を認めました。そのうえで「病気が悪化したのは差別や避難の長期化など事故に帰因しえないストレスもあった」として、1審よりも少ないおよそ1600万円の賠償を命じました。

判決のあと、原告の代理人の井戸謙一弁護士は「避難生活で受けたストレスには東京電力に責任がないものもあるというのは極めて不当な判決だ。家族も電話で『絶望した』と言っていた。男性らは経済的に困っており、上告できるかはわからない」と話していました。

東京電力「判決内容確認のうえ 対応検討」
判決について東京電力は「原発事故によって福島県民をはじめ多くの人にご迷惑とご心配をおかけし心からおわびします。今後、判決内容を確認したうえで対応を検討します」としています。

2017年10月27日金曜日

柏崎刈羽原発「合格証」に注文 新潟県が規制委に「疑問点は検証」

 新潟県は26日、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機再稼働に向けての規制委意見募集(パブリックコメント)に応じる形で、安全審査の内容の説明などを求める意見を原子力規制委に提出しました。原発の立地自治体が「合格証」に意見するのは極めて異例だということです。
 規制委に対し県が独自に進める審査内容の検証作業への協力求めまし
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柏崎刈羽原発「合格証」に注文 新潟県が規制委に「疑問点は検証」
日経新聞 2017年10月26日
 新潟県は26日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の安全審査の内容の説明などを求める意見を原子力規制委員会に提出した。再稼働に向けた安全審査の「合格証」の原案である審査書案について、規制委が実施している意見募集に応じた。過去に6原発12基の合格例があるが、原発の立地自治体が「合格証」に意見するのは極めて異例だ。

 規制委に説明を求めるとともに、県が独自に進める審査内容の検証作業に協力を求めた。意見の理由として「審査内容について県として確認する必要がある。疑問が残る点については、県として検証を行うなど対応したい」などとした。

 規制委は4日に柏崎刈羽6、7号機の安全審査合格を内定した。意見募集は正式合格に必要な手続きの1つだ。規制委の更田豊志委員長は25日の会見で「県の技術委員会の出席を求められたら、しかるべきものが行って説明し質問に答えることになる」と話している。

27- 東海第2原発の安全審査終了 被災原発で初 40年超運転へ

 来年11月に40年の運転期限を迎える日本原電 東海第2原発新規制基準に基づく主要安全審査事実上合格しました。同原発は沸騰水型(BWR)で東日本大震災で被災した原発では初めてです
 原電は延長運転について「社内決定していない」ため手続きはしないままで、延長運転の前提となる特別点検を先行的に実施しました。実際に運転を延長するためには今年11月末まで申請し、運転期限までに工事計画とともに延長の認可を得る必要があります
 審査では防潮堤の構造などが問題となり、当初案の盛り土から安全性の高い鉄筋コンクリートの防潮壁に設計を変更するなどしました
  (関係記事)
6月29日 東海第二原発 運転延長するには防潮堤の地盤安全対策を
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東海第2原発の安全審査終了 被災原発で初 40年超運転へ
産経新聞 2017年10月26日
 原子力規制委員会は26日の審査会合で、来年11月に40年の運転期限を迎える日本原子力発電東海第2原発(茨城県)について、新規制基準に基づく主要安全審査を終了した。近く事実上の合格証となる審査書案を取りまとめる。沸騰水型(BWR)の原発では東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に次いで2例目で、東日本大震災で被災した原発では初めて。

 原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認めれば1回だけ最大20年の延長ができる。原電は延長運転について「社内決定していない」としているが、延長運転の前提となる特別点検を実施中。今年11月末までの申請と、運転期限までに工事計画とともに延長の認可を得る必要がある。

 審査では防潮堤の構造などが問題となり、当初案の盛り土から安全性の高い鉄筋コンクリートの防潮壁に設計を変更。古いケーブルの難燃化では防火塗料から防火シートで覆う方法へと改めた。
 原電は同日、安全対策費が平成26年の申請時に試算した780億円から1800億円に膨らむ見通しを示し、32年度末の工事完了を目指すと発表した

 東海第2原発は大震災で東電福島第1、第2原発(福島県)、東北電力女川原発(宮城県)とともに被災し、津波で非常用ディーゼル発電機を冷却する海水ポンプ1台が水没、使用不能となった。同原発の30キロ圏内には約96万人が居住しており、避難計画の策定も課題となっている。

2017年10月26日木曜日

大飯原発の広域避難計画を策定

 来年1~3月に再稼働する計画の関西電力大飯原発3、4号機での事故に備え、政府と福井、京都、滋賀の3府県は25日、避難計画を策定しました。
 同原発の5キロ圏に約千人、530キロ圏に158千人が居住しています。
 住民懸念している関電高浜原発との同時事故については盛り込みませんでした。
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大飯原発の広域避難計画を策定、最大15万9千人
日経新聞 2017年10月25日
 関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の深刻な事故を想定した広域避難計画が、25日まとまった。半径約30キロ圏内の住民約15万9千人が対象。福井県と近隣府県のほか、大阪府や兵庫県、徳島県への避難も見据え、避難経路や受け入れ施設、関係機関の初動などを定めた。訓練時期は決めていないが、福井県は早期の実施を求めている。

 内閣府や原子力規制庁、経済産業省のほか、福井、京都、滋賀の各府県でつくる地域原子力防災協議会の「大飯地域分科会」で決定した。今後、政府の原子力防災会議に報告し、了承を得る流れとなる。大飯原発単独の事故を想定しており、同原発から約14キロの位置にある関電高浜原発(福井県高浜町)との同時事故については定めていない。

 計画によると、大飯原発周辺では、事故後に速やかな避難の必要がある半径5キロ圏に約千人、屋内退避後に放射線量の上昇に応じて避難する5~30キロ圏に約15万8千人が居住。事故の状況に従い、自家用車やバスで小中学校、医療・福祉施設などに避難する。

 2016年8月に実施した高浜原発の広域避難訓練を踏まえ、観光客への情報伝達や暴風雨・大雪時の対応も盛り込んだ。関電は「自治体からの要請に基づき、住民避難者の搬送支援やスクリーニングなど全社を挙げて協力したい」としている。

 関電は大飯3、4号機を18年1月中旬以降に順次再稼働させたい考え。地元同意は福井県の西川一誠知事の判断を残すのみとなっているが、同知事は判断条件に避難計画策定を挙げていない。


大飯原発の避難計画策定 高浜と同時事故想定先送り
沖縄タイムス 2017年10月25日
 政府と福井、京都、滋賀の3府県は25日、来年1~3月に再稼働する計画の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)での事故に備え、避難計画を策定した。半径30キロ圏の住民計約15万9千人が対象。居住府県内の避難だけでなく、大阪、兵庫、徳島に避難するケースも想定した。ただ住民の懸念が強い関電高浜原発(同)との同時事故については盛り込まなかった

 計画は、大飯原発単独での事故を想定。大飯原発の周辺では、事故発生直後に避難する必要がある半径5キロ圏に約千人、屋内退避後に放射線量の上昇に応じて避難する5~30キロ圏に約15万8千人が居住している。(共同通信)

26- 大洗被爆 原研報告書 規制委「分析不十分」と再提出要求へ

 日本原研開発機構大洗センターで6月に起きた被爆事故で、原子力規制委、機構事故原因の最終報告書について、放射性物質の管理体制の不備などを招いた組織的な問題の分析が不十分だとして再提出を求める方針を固めまし
  (関係記事)
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原研報告、再提出要求へ 大洗被ばく 規制委「分析不十分」
東京新聞 2017年10月25日
 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で六月に起きた作業員被ばく事故で、原子力規制委員会は、機構から提出された事故原因の最終報告書について、放射性物質の管理体制の不備などを招いた組織的な問題の分析が不十分だとして再提出を求める方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。原子力事業者自身の原因分析にやり直しを命じる異例の対応で、規制委は二十五日の定例会合で議論し、再提出させることを決定する。

 関係者によると、規制委は、放射性物質を扱う機構の管理体制や組織の体質を問題視。最終報告書では、事故に至った経緯は説明されているが、機構の体質が事故にどのように影響したのかなどの分析が不足していると判断した。

 事故は六月に発生。作業員が貯蔵容器を点検で開けると、ビニールバッグが内部のガス発生により破裂。プルトニウムなどが飛散して五人が内部被ばくした。貯蔵容器は二十一年間、一度も開封されていなかった。
 機構が九月に提出した最終報告書では、放射性物質を固める接着剤の樹脂が放射線で分解されたと結論付け、ガス発生を考慮していなかったと指摘。再発防止策として、貯蔵容器内にはガスを発生する材料を使わないことや、管理を徹底すると明記した。

2017年10月25日水曜日

25- 甲状腺がん患者数を調査へ 把握漏れで

 福島県の全ての子供が対象の甲状腺検査で経過観察中にがんが見つかっても県が把握できない問題を受け、福島県立医大が年内にも、患者数の実態調査に着手する方針を示しました
 県民健康調査では、通常の保険診療でがんが見つかっても患者数としては集計されなかったので、通常診療でがんが見つかった場合、県民健康調査の受診の有無を確認し、集計するというものです
   (関係記事)
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甲状腺がん患者数を調査へ 把握漏れで福島県立医大
産経新聞 2017年10月23日
 東京電力福島第1原発事故の健康影響を調べる福島県の「県民健康調査」検討委員会が23日、福島市内で開かれた。福島県の全ての子供が対象の甲状腺検査で経過観察中にがんが見つかっても県が把握できない問題を受け、検査の実施主体の県立医大が年内にも、患者数の実態調査に着手する方針が示された。

 調査は県立医大で甲状腺がんの手術を受けた人などが対象。県民健康調査では、通常の保険診療でがんが見つかっても患者数としては集計されなかった。調査では、県立医大での通常診療でがんが見つかった場合、県民健康調査の受診の有無を確認し、集計する。検討委のメンバーからも実態把握の必要性を指摘する意見が出ていた。

 県は、原発事故時に18歳以下だった県内の子供を対象に甲状腺検査を実施している。平成23年度から1巡目、26年度には2巡目、28年度には3巡目が始まっている。

2017年10月24日火曜日

24- 脱原発=原発ゼロ に何の問題もない 三菱総研理事長

 日本原発ゼロでやっていけるのかについて、いまさら「やれるか」「やれないか」という議論をするなんてナンセンス、「できるに決まっている」、元東大総長で三菱総研理事長である小宮山宏氏がそう明言しています。

 コスト的に見ても、原発は作るとき」と核燃料を「使い終わった後」の始末に非常にお金がかかるので、発電時のコストは一見低く見えても決して安いものではありません。
 いま世界では原発を新設するよりも再生可能エネルギーの発電所を新設する方が安く、実際に2016年に世界で実行された発電所投資額の70%が再生可能エネルギーに向けられ25%が火力発電所で、原発の投資額は5%に過ぎません
 しかし日本は送電線の余裕がないという虚偽の理由で再生可能エネルギーの普及を遅らせた結果、再生可能エネルギーの分野では後進国となっています。すべては原子力ムラの利権確保のためです。

 2050年には人口は今より2割以上減少し技術革新で省エネルギー化むのでエネルギー消費量は今の半分以下になります。そうなれば再生可能エネルギーで十分供給できるので、現在化石資源の輸入に使っている25兆円すべて内需に振り向けられるようになります。

 経済的メリットが何もないだけでなく、サイバーテロやミサイル攻撃の恐れに慄きながら原発に拘る必要は皆無です。
 元東大総長によるに実に明快な脱原発論です。
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日本も原子力発電ゼロは「達成できる」
今や再生可能エネルギー「後進国」
 小宮山 の一刀両断 2017年10月21日
 三菱総合研究所理事長 プレジデントオンライン
 経団連など日本の経済界は「原発ゼロは不可能」としている。だが、三菱総研理事長で元東京大学総長の小宮山宏氏は「できるに決まっている」と断言する。小宮山氏は「脱原発は世界の潮流。米国や中国も再生可能エネルギーに舵を切った。このままでは日本は乗り遅れる」と警鐘を鳴らす――。
 
再生可能エネルギーのコストが原発を逆転
 実際のところ、311(東日本大震災)の東京電力福島第一原発事故の後、何年間も、日本は原発ゼロの状態でやってきました。いまさら「やれるか」「やれないか」という議論をするなんてムダ。全く話になりません
 
 もう少し、前段の流れから説明しましょう。エネルギー源は、石油や石炭などの化石資源から「非炭素資源」に変えていかないと、地球温暖化の問題は解決できません。私は、21世紀中に変えざるをえないと考えています。
 
 では、ここで言う「非炭素資源」とは何か。選択肢は大きく2つ、原子力か、再生可能エネルギーです。ここまでは、議論の余地はありません。
 選択には、「どちらが安いか」という、コストを考える必要があります。私は1999年に『地球持続の技術』(岩波書店)という本を出していますが、この本をまとめていた1990年代は、まだ原子力発電による電力コストの方が相当安いとされていました。当時は、ようやく太陽電池が家庭の屋根に載り始めたころで、風力発電の発電規模もかなり小さかった。再生可能エネルギーで、大量のエネルギーをまかなえる状態ではありませんでした。
 
 しかし私は、技術の進歩を考えると、いずれどこかのタイミングで、再生可能エネルギーの供給規模やコストが、原子力と逆転すると考えていました。
 実際は、私が当時予測していたよりも圧倒的に速いスピードで逆転しました。再生可能エネルギーのコストが安くなる一方で、原発についてはリスクの大きさがコストに加わるようになった。今や原発を新設するよりも、再生可能エネルギーの発電所を新設する方が安いのです。
 
 実際に、2016年に世界で実行された発電所投資額の70%が、再生可能エネルギーに向けられています。ちなみに投資額の25%が火力発電所で、原発の投資額は5%に過ぎません
 再生可能エネルギーには大きく5種類、水力、風力、太陽光、バイオマス、地熱があります。このうち、その土地で一番安いものを選べばいいのです。日照時間は短くても風が強いというところは風力、水が豊富なところは水力、森林が豊富なところはバイオマス、アイスランドのように火山が多いところは地熱発電を使えばいい。世界では、その国や地域に合った再生可能エネルギーを選択し、どんどん開発を進めています。それがこの、投資額の70%という数字に表れています。
 
原発を「作ってしまった」日本の難しさ
 世界でこうした流れが進んでいる一方で、日本の再生可能エネルギーの取り組みはまだまだです。日本の難しさは、これまですでに30兆円も原発に投資し、設備を作ってしまったことにあります。
 
 原発は、「作るとき」と「使い終わった後」に非常にお金がかかりますでも、使っている間はとてもコストが低い。これだけ原発を作ってしまったわけですから、使い終わった後のことを考えず、使い続けていれば費用は安くすみます。つまり、今の日本は、「使い終わった後をどうするか」という問題を先送りにしているのです。
 
 ただ、日本は東日本大震災で深刻な原発事故を起こしました。世界の国々は、「日本ですら事故を起こしたのだから、うちの国も起こすかもしれない」と、原発の稼働や新設を止めた。欧州では、新設や稼働はもちろん、将来にわたって原発は使わないと決めた国も出てきています。中国やベトナム、トルコなども、新設計画はありますが実際は進めていない。それが世界の潮流になっている。それなのに、事故を起こした当の日本が、なぜまだ原発を推進しようとしているのか
 さらに、政府は「今後もベース電源は原発で」と言っているようですが、今、「ベース電源」という考え方をしている国は、日本くらいじゃないでしょうか。
 
 確かに風力や太陽光は、気候などによって発電量が変わりますが、水力やバイオマス、地熱は安定電源です。さらに、風力や太陽光でも、水力と組み合わせることによって、電源としての不安定さを解消できます。
 水力発電では、余剰の電気があるときに、タービンを逆回転して下流の水を上の貯水池に上げておき、必要なときに水を落として発電する「揚水発電」ができます。いわば電気を蓄えておく蓄電池の役割を果たします。これは非常に効率がよくて、「貯めた」電気の85%くらいは後で使うことができます。
 
 揚水発電はもともと、原発の電気が需要の少ない夜に余るため、それを活用するために開発されたものです。でも、太陽光や風力など、供給が不安定な電力の余剰電力を貯めておくのにも使えます。九州電力では今年のゴールデンウィークに、需要の70%以上を太陽光で発電しパンク寸前になりましたが、揚水発電がフル稼働して問題を解決しました。
 
再生可能エネルギー「後進国」日本
 水力発電は、さらに大きな可能性を秘めています。現在主流の、大型のダム開発を伴うような水力発電所は、すでに作れるところには作ってしまっており、新設は難しくなっています。しかし、出力規模1万kW以下の小水力発電のポテンシャルは高く、全国で約1000万kWと試算されていて、原発10基分に相当します。このすべてを開発するのは難しいかもしれませんが、原発3基分くらいなら十分可能です。
 こうした小規模の水力発電は、ダムを使いません。水力発電は、要は、上から下に流れる水の力(位置エネルギー)を使えばいいので、ダムが造りにくいようなところであっても、小さなためを作って管路で落とし、下でタービンを回せさえすれば可能です。
 
 例えば、和歌山県の有田川町では、県営ダムの放流水を使った町営二川小水力発電所を運営しています。ダムは通常、下流の生態系を維持するために、常に一定量の放水を行う「維持放流」をしています。この放流水にタービンを入れ、最大200kW、年間120万kWhの電力を作っているのです。日本では、ほとんどのダムで維持放流をしていますから、開発の可能性は非常に大きいといえます。
 
 今後の電力システムは、従来のように大きな発電所で集中的に発電して電気を配る、というやり方ではなくなるでしょう。揚水発電のほか、電気自動車やプラグインハイブリッド車などに搭載された電池も、太陽光や風力発電の余剰を貯める蓄電装置として使えます。こうした多様な蓄電機能と、発電パターンの異なる複数の再生可能エネルギーを組み合わせて、電力を供給する技術が求められます。
 
 残念ながら日本は、こうした再生可能エネルギーの分野では後進国となってしまっています。ドイツでは、電力供給の30%以上が再生可能エネルギー、中国でも昨年は28%に達していますし、アメリカももうすぐ20%になります。日本は2015年現在で、わずか4.7%です。
 
2050年以降エネルギーコストはゼロにできる
 こうした現実を見ると、エネルギー問題について悲観的になるかもしれませんが、その必要はありません。
 まずは2050年の日本を描きましょう。人口は今より2割以上減少していますし、技術革新で省エネルギー化も進み、エネルギー消費量は今の半分以下になります。今よりずっと楽になります。それくらいの量は、再生可能エネルギーで十分供給できます。
 
 5つの再生可能エネルギーをどんどん開発する。それがもっとも負担を伴わない方法なのです。次世代に対して、2050年以降はタダになるエネルギーを残すことができます。その上、現在化石資源の輸入に使っている25兆円が、すべて内需に振り向けられるようになります。都市よりも地方に落ちるお金となり、地方再生の中核となるビジネスになりえます。
 
 現在日本では、原発に反対している人の方が多いのに、原発を稼働させ、原発事故が起きたときの避難演習をしたりしている。ほかにも、サイバーテロに襲われたらどうするか、北朝鮮が原発周辺に爆弾を落としたらどうするか、と、リスクや不安要素は本当にたくさんあります。こうした不安を抱えて「イヤな思いを持ち続けるコスト」を、将来も抱え続けるのは本当にいいことなのか。しっかりと考えるべきでしょう
 
 小宮山
 三菱総合研究所理事長。1944年生まれ。67年東京大学工学部化学工学科卒業。72年同大学大学院工学系研究科博士課程修了。88年工学部教授、2000年工学部長などを経て、05年4月第28代総長に就任。09年4月から現職。専門は化学システム工学、CVD反応工学、地球環境工学など。サステナビリティ問題の世界的権威。10年8月にはサステナブルで希望ある未来社会を築くため、「プラチナ構想ネットワーク」を設立し会長に就任。