福島原発の汚染水中の大半の放射性物質を取り除く装置「ALPS(アルプス)」が、18日にまた全停止しました。
東電と国は、排水タンクに保管されている膨大な汚染水を平成26年度内に処理するために、ALPSを増設し、公称能力750トン/日を2000トン/日に増強する計画ですが、現装置の実績上の処理能力は180トン/日であるという問題がありました※。
※ 2014年3月18日「福島原発 汚染水処理装置は不調」
東電は、公称能力が発揮されていない問題は解決する見込みという態度でしたが、18日にも放射性物質を除去しきれない異常が発生し、3系統すべてが停止しました。
運転再開の時期は未定ということです。
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福島第1汚染水浄化装置、不具合で全停止
日経新聞 2014年3月18日
東京電力は18日、福島第1原子力発電所の汚染水を浄化する装置「ALPS(アルプス)」の1系統で、放射性物質を除去しきれない異常が発生したため、3系統すべてを停止したと発表した。原因を調査中で、運転再開の時期は未定という。
3系統のうち「B系統」の出口で採取した処理後の水に、ベータ線を放つ放射性物質が1リットルあたり1100万~1400万ベクレル残っていた。処理前は数億ベクレル程度含まれ、通常なら処理後は数百ベクレル程度まで低下する。B系統の浄化性能が低下している可能性があり、東電は18日午後、他の2系統も運転を停止して詳しい調査を始めた。
ALPSは汚染水に含まれる63種の放射性物質のうち、トリチウムを除く62種をほとんど除去する能力がある。3系統すべてがフル稼働すれば処理能力は1日750トン。汚染水問題解決の切り札とされているが、トラブルが相次ぎ、試験運転の状態が続いている。